2015年6月24日6時54分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
インドネシアの森林で頻発する泥炭火災を食い止めようと、北九州市の産官学が協力して「泡消火剤」を開発している。
水よりも地中に浸透しやすい泡の力で火勢を弱める仕組みで、今月から現地で本格的な実証実験を始めた。
有効な対策がみつからない中で、期待されている。
泥炭とは、樹木やコケなど植物の残骸が腐食せずに炭化し、数千年以上かけて積み重なった層のこと。
インドネシアのカリマンタン(ボルネオ島)には、世界有数の泥炭地がある。
一方、現地では森林伐採が加速し、シャンプーなどに使われるパーム油の原料となるアブラヤシのプランテーションが広がる。
開発業者らは、害虫対策で薬品を使うより安上がりのため、土地を開墾する際などに火を放つことがある。
森林火災の原因のほとんどは、こうした人為的な野焼きだとみられている。
いったん泥炭層まで火が回ると、地中深くまで燃え広がり、なかなか消えなくなる。
大量の二酸化炭素(CO2)を放出するので、地球温暖化にもつながるとされる。
延焼を防ぐためには、周辺の森林を伐採するぐらいしか、有効な手段がない。
森林火災による煙で大気が汚染され、住民の健康被害が報告されているほか、近隣諸国まで煙が及んでたびたび国際問題に発展している。
泡消火剤は2007年、北九州市立大とシャボン玉石けん(北九州市)、同市消防局が共同開発した。
市立大などによると、水よりも効果的に地中に浸透し、消火できるのがメリットだ。
泡で地表面を覆うことによって酸素の供給を遮断する。
水の使用量を抑えられるほか、天然油脂に由来する成分でできているため、環境への負荷も少ないという。
開発事業は、国際協力機構(JICA)の草の根技術協力の一環。
ボルネオ島東岸のバリクパパン市の飲用水の主要水源である湖の上流で起こる泥炭火災を防ぐことを主な目的に始まった。
泥炭火災の跡地では表土が湖に流れ込むようになり、水質悪化を招いている。
市の外郭団体「北九州産業学術推進機構」がまとめ役となり、市立大や市消防局などが参加。13年度からの3カ年計画で実施している。
消防局の職員らは、これまで、現地の消防活動の実態調査や、防火意識を高める研修を実施。泡消火剤や機材の使用方法などをまとめたマニュアルをつくり、バリクパパン市に提供した。
今月には現地で、水と泡消火剤を散布して効果を確かめる比較実験を実施した。
温度や酸素濃度の変化、散布後に残った火だねなどから、泡消火剤がどれだけ水を節約できるかや、いかに早く消火できるかを数値化するのが目的だ。
8月にはバリクパパン市の環境局や消防局の職員の前で、模擬火災に泡消火剤散布を披露し、効能をアピールする予定だ。
機構の牧田・産学連携担当部長は、「環境都市としての北九州の技術を広めていきたい。海外ビジネスとして地元企業の販路拡大にもなる」と話す。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH6Q3G9MH6QTIPE00D.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。