2017年12月24日7時0分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
安全健康面以外の記述は割愛して紹介する。
都心などで次々に建設が進むタワーマンション(タワマン)。
眺望のよさや施設の充実などが人気となり、かつては、高層階に住む人の優越感と「格差」を感じるその他の人々の姿を描いたドラマも放送され、話題になった。
しかし、税制改正により、そうした「高層階信仰」が崩れ、今後は「中・低層」が見直されそうだ。
フリーライターの福崎剛さんが報告する。
・・・・
横浜市内のタワマン(30階建て)の6階を購入した男性(64)は、「阪神大震災が起きた後だったので、まず考えたのは地震対策でした」と話す。
「当時としては新しかった免震構造(建物の下にゴムなどでできた『アイソレーター』などを設置し、地震の揺れを軽減する仕組み)で、なおかつ災害に遭ったとき自力で避難できることを第一に考えました」と、防災の視点で選んだと明かす。
さらに、災害発生時、エレベーターが止まってしまうと、高層階まで階段でたどり着くには相当な体力が必要だ。
消防はしご車の届く階数を考えて、10階以下から選ぶことにしたという。
はしご車が届く高さは、概ね30mまでだ。
マンションの階数にすると、10~11階あたりまで。
大型の40m級のはしご車なら14階前後まで届くものの、それ以上の階層は、室内に備え付けられたスプリンクラーなどが頼みの綱になる。
万一の時の避難を考えると、タワマンの高層階は不安という心理も頷ける。
高層階に住む人にも話を聞いた。
戸建てから都内のタワマン(52階建て)の27階に住み替えた男性(51)は、「最初は眺望がいいし、便利だと思って喜んでいました。しかし、景色は代わり映えしないし、季節感に乏しい。家内も体調を崩して、もう引っ越したいと言っています」とこぼす。
高層階に住むことが健康に与える影響については、科学的根拠に乏しい。
しかし、高層階に住むことのリスクについて、16年のカナダ医師会誌では、次のような指摘がされている。
・・・・・
出典
『タワーマンション、見直される「中・低層階」』
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20171221-OYT8T50002.html?page_no=1
(ブログ者コメント)
〇カナダの指摘については、以下により詳しい情報があった。
(2017.06.30 07:00 NEWS ポスト セブン)
昨年1月、カナダ・トロント市の救急隊が医学誌『CMAJ』に衝撃の調査結果を発表した。
同隊が2007年から2012年までの5年間、心肺停止になった高層マンション住人8000人を対象に生存率を調査したところ、階数が上がるにつれてその数字が如実に減っていたのだ。
調査結果によれば、1~2階の住人の生存率は4%、3階以上で2.6%。16階以上になると1%未満に激減し、25階以上では生存者が1人もいなかった。
理由はただ一つ、階が上がるほど救急隊の到着に時間がかかり、救命医療が間に合わないからだ。
同調査は,災害に限らず全ての心肺停止事例を調査したものだが、高層階に住むということは、1分1秒を争う緊急時に際して、大きなリスクを抱えていることに他ならない。
出典
『高層マンションに潜む数々のリスクと居住階ごとの衝撃データ』
http://www.news-postseven.com/archives/20170630_572445.html
〇その他、タワーマンションの健康リスクについては、以下のような記事があった。
記事中、気圧の話しがでてくるが、27階に住む女性が体調を崩した点は、それが原因なのかもしれない。
というのは、ブログ者の連れ合いも低気圧が近づくとしばしば体調を崩すことがあるからだ。
(2015/11/5 週刊女性11月17日号)
・・・・・
高層になればなるほど、アレルギー性疾患が増加するという調査結果もある。
「コンクリート製で高気密のマンションは、換気に気をつけないと、ダニ、カビが発生しやすい。つまり、高気密住宅ほど、換気が必須となるのです。
ところが、高層では低層より風が強く吹くために、どうしても窓を閉め切りにする時間が長くなる。高層居住は、アレルギー性疾患も増える傾向にあるのです」
海外での発表をもとに高層マンション問題を調査するジャーナリストたちのなかには、高層住宅特有の“揺れ”を原因に挙げる人もいる。
・・・・・
また、気圧差が問題視されることもある。
上空に行くほど気圧は下がり、100m上がるごとに、気圧は約10ヘクトパスカル低下する。
例えば、30階建ての高層ビルの場合、地上と10~30階を比較すると、高低差は約40~70mあり、地上との気圧差は約4~7ヘクトパスカルになる。
これだけでも、少し耳が詰まる感じ(耳閉塞感)がしたり、耳痛などを引き起こす鼓膜膨隆がみられる。
・・・・・
出典
『本当は怖いタワマン、高層階居住でアレルギーや低体温になりやすい』
http://www.jprime.jp/articles/-/4706
(2017.08.29 ビジネス ジャーナル)
・・・・・
建設省建築研究所(当時)の渡辺圭子教授が1994年に発表した論文「集合住宅のストレスと居住者の精神健康」は、「高層集合住宅は、その高さゆえに、外の明るさ、雨の音、樹木の緑といった外界による刺激が乏しい」と指摘する。
また、感覚遮断研究では、「刺激を極度に絶たれた被験者は、無気力、抑うつなどの症状に陥りがち」だといい、渡辺教授は、高層階でもそれと同様の傾向が表れるのでは、と類推している。
さらに、高層階での居住は「流産率が高まる」との報告もある。
公衆衛生学の権威で『コワ~い高層マンションの話』(宝島社)の著者である逢坂文夫氏は、94年の研究「住居環境の妊婦に及ぼす健康影響について」で、「高層階の居住者ほど流産の割合が高くなる」と発表しており、10階以上の高層階に住む女性の流産割合は38.9%に達するとしている。
その原因については、まだわかっていないが、同研究によると、戸建てに住む女性の流産割合は8.2%なので、高層階に住む女性との差は4倍以上になる。
・・・・・
出典
『タワーマンション居住は人体に危険・・・精神疾患や流産リスク増、低層階はストレス過多』
http://biz-journal.jp/2017/08/post_20285.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。