2017年12月25日付で東京新聞から、下記趣旨の記事が回収のしくみの図解付きでネット配信されていた。
山形大の遠藤昌敏准教授(分析化学・環境化学)らの研究チームが、家庭用電子レンジを使い、自動車の排ガス浄化装置からプラチナなどのレアメタル(希少金属)を回収するのに成功した。
実用化できれば廃棄自動車のリサイクルが容易になり、新たな「都市鉱山」としての期待も高まる。
セラミックを主体とする排ガス浄化装置は、これまで、一度粉砕し、溶解や製錬などの工程を経てプラチナ類を回収してきた。
だが、時間もコストもかかるため、より簡単な方法が検討されてきた。
加熱の手段として手軽な電子レンジだが、金属にマイクロ波を当てると火花が飛び散るなど、危険を伴う。
研究チームは、貴金属を溶かす強酸性の液体を浄化装置に注入するなどした上で、500ワットの電子レンジにかけるとプラチナ類が素早く溶け、安全に取り出せることを確認した。
薬品を入れ、さらに数10秒レンジにかけると、液体に溶けたプラチナを粉末として回収できることも分かった。
約27時間を要した作業が約8分に短縮。
車2台分の装置から回収できるプラチナは、指輪一個分という。
出典
『プラチナ、レンジで回収 新たな「都市鉱山」に期待』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201712/CK2017122502000128.html
11月26日13時0分に日刊工業新聞電子版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
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研究チームによると、車の排ガスは、蜂の巣構造の筒の内部にプラチナやパラジウムなどのレアメタルの粒子を貼り付けた触媒を通って有害物が除去され、マフラーから排出される。
車1台分の触媒には、プラチナ約1gが含まれているという。
廃車をリサイクルする場合、レアメタルは専用の処理施設で触媒を粉砕して回収するため、不要な物質を取り除く必要があった。
新たな方法は、触媒を粉砕せずにレアメタルを回収する。
触媒の蜂の巣構造に酸を注入し、電子レンジで数10秒間、マイクロ波を照射。
内部のレアメタルだけが溶けてできた液体に還元剤を加えると、レアメタルが粉末になって現れる。
粉末にする際も、電子レンジでマイクロ波を照射すれば、反応を促進できる。
1cm四方の触媒から溶液を作ってレアメタルを回収するには、従来の方法では約27時間かかっていたが、新しい方法では10分以下に短縮でき、処理施設に運ぶ必要もなくなる。
研究チームの遠藤昌敏准教授(分析化学・環境化学)は、「誰でも簡単に作業ができる電子レンジを使い、実用化につなげたい」と話している。
出典
『山形大、電子レンジでレアメタル回収 車の触媒から粉末に』
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00452114
11月18日7時7分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山形大学の遠藤昌敏准教授(55)は、家庭用電子レンジを使い、自動車の排出ガスを無害化する自動車用触媒に含まれているプラチナなどのレアメタル(希少金属)の回収に成功したと発表した。
共同研究中の県自動車販売店リサイクルセンター(遠藤栄次郎社長)では、事業化も検討。
画期的な手法として、廃車の中に埋もれていた「都市鉱山」の発見に結びつく可能性もある。
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遠藤准教授は、平成24年度から同センターと共同研究を開始。
専門の分析化学で使うマイクロ波を使い、自動車用触媒内の希少金属の回収を思い立った。
取り出した触媒に加温した少量の王水(硝酸と塩酸の混合水)を毛細管現象を利用して注入。
アルゴンガスを入れた容器にマイクロ波(500ワット)を照射することでプラチナとパラジウムが溶出することを発見した。
さらに、このプラチナが溶出した液体にマイクロ波を数10秒間照射することで粉末化することも分かった。
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出典
『山形大准教授、電子レンジでプラチナ回収 自動車触媒リサイクル』
http://www.sankei.com/region/news/171118/rgn1711180063-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。