(1/3から続く)
【「感情労働」傾向が強い仕事】
・レストランのウェイター・ウェイトレス
・ホテル・旅館の受付
・コンビニの店員
・テーマパークのスタッフ
・学校の先生
・市役所の窓口担当職員
・サポートセンターのテレフォンオペレーター
・営業マン
飲食業や理美容業など、接客そのものが実務の多くを占めている仕事は、代表的な感情労働職種と言えます。
「対人援助職」とも呼ばれる、医療、福祉、教育に関わる仕事は、感情労働の程度が強い傾向が見られます。
ここに例示した職業はごく一部で、現代では、これら以外の幅広い職種もまた、感情労働的な要素を持つようになっていると考えられます。
【実はこんな仕事も「感情労働」に】
バスの運転士の本来の仕事は、「安全に時間通り、バスを運行する」ことです。
しかし、実際は、ただバスを走らせるだけではありません。
「発車しますので、手すりにおつかまりください」
「ご乗車ありがとうございます」
などと、乗客に声をかける気遣いが求められます。
脚の悪い客がいれば、手を貸すこともあるでしょう。
最近では、自動車教習所の教官が優しくなったと話題になっています。
私が自動車免許を取得した20年ほど前は、教習所には高圧的で怖い教官が多かったと記憶しています。
少子化による競争激化で、サービスの強化が求められているのです。
こうなると、受講者に対して、「なにやってんだ!」とか「ほら、目視!」などと怒鳴るわけにもいきません。
腹が立っていたとしても、本音は抑え、穏やかに諭さなければなりません。
教習前に笑顔を作る練習が教官に課されている教習所もあるそうです。
あなたの仕事は、いかがでしょうか?
【重視される「感情管理能力」】
「対人的な仕事をする人は、感情のコントロールをしなければいけない」などと指摘すると、「そんなの当たり前じゃないか。昔からそうだった」と考える人もいると思います。
では、それがなぜ今、「感情労働」という呼び名を与えられ、注目されているのでしょうか。
一つの要因は、現代は(特に日本を含む先進国では)、サービス産業が高度に発展した社会であるということが挙げられます。
その中で働くためには、私たち一人ひとりの「感情管理能力」が非常に重視されるのです。
インターネットやSNSの発展も相まって、個々の労働者はもとより、所属する組織が「クレーム」や「悪評」を恐れ、受け手の感情を逆撫でしないように、慎重な表現や応対を常に心がけるようになっています。
たとえば、対人的な仕事の代表の一つといえる教員で言えば、子どもをきつく叱ることも、かつては学校の先生の役割の一つとして甘受されていた面があったように思います。
しかし、今は、それぞれの教員はもちろん、学校や教育委員会といった組織としても、保護者や社会の反応を気にする「感情労働」を行っていると言えそうです。
【感情むき出しの人はやっかい】
これは、接客など対人サービスの仕事に限りません。
オフィスワーカーの方も、ちょっと職場を見渡してみてください。
いつもムスっとしている仏頂面の上司や、声をかけづらい雰囲気をかもし出しているお局様はいませんか。
どんなに実務能力が高かったとしても、これでは職場で「やっかいな人」と思われてしまいます。
たとえ、知識や技能に長けていても、感情管理能力が低い人は、「一緒に仕事をしたくない」、「扱いづらい」などと見られかねません。
つまり、「感情管理能力」が、労働者の人物評価に直結してしまうのです。
このような傾向は、ここ最近、特に強まってきているように感じられないでしょうか。
仕事をする上で、「感情」という要素が以前より重視され、「組織(会社)もろとも感情労働に巻き込まれている社会」になっていると言えるのかもしれません。
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。