2020年11月11日13時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月11日は、鮭の日です。
漢字の「鮭」のつくりが「十一十一」に分解できることにちなむそう。
秋鮭が旬を迎えています。
「秋鮭(生)」。
スーパーでこのように表示されたサケを買って、生で食べた30代の男性がアニサキス食中毒になりました。
先月、千葉県船橋市でのことです。
男性は「生と書いてあったから、生で食べた」といいます。
表示の読み違えなのですが、調べてみると、この手の勘違いは意外と日常に潜んでいそうなのです。
船橋市保健所によると、男性はルイベ風に食べようと、買った切り身をしばらく冷凍庫に入れてシャリッとさせた後、調味液に浸し、一口大に切って食べたとのこと。
生で食べられると思っての行動であったことがうかがえます。
しかし、この表示は「生で食べられる」という意味ではなく、切り身は加熱用でした。
販売したスーパーは保健所に対し、「冷凍物ではないという意味で(生)と表示した」と答えています
https://www.city.funabashi.lg.jp/kenkou/eisei/001/p085389.html
食品表示法では、、パック詰めされている魚介類について、生のまま食べることができるものには「生食用」「刺し身用」「そのままお召し上がりになれます」といった文言で、生食用であることを表示するよう義務づけています。
一方、加熱が必要な魚介類に「加熱用」と表示する義務はありません(※)。
「生」という表現は、新鮮であることを強調する際や、塩サケ、塩サバなどの塩蔵物と対比する意味で使われます。
スーパーの表示はルールの範囲内だったと言えます。
ただ、食中毒になった男性は、表示の意味するところを説明されても「それは分からなかった」と、納得がいかない様子だったといいます。
また、保健所が市内の魚屋やスーパーなどに注意喚起をしたところ、いくつかの店から「同じような勘違い例がたまにある」と反応があったそう。
「生」という表示をやめて「加熱用」の表示に変更しているという店も。
担当者は「表示誤認による食中毒事例は市内で初めてのことでしたが、実際には『生』が生で食べられるの意味だという誤認が一定数発生しているようです」と話します。
さて、ここまで読んで「サケはそもそも生食厳禁。生で食べるならサーモンなのでは」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、天然物のサケにはアニサキスなどの寄生虫がいることがあるため、基本的に生では食べられません。
ただ、問題は「サケ」、「サーモン」という呼び名。
刺し身やすしだねなど生で食べる養殖物がサーモン、天然物をサケと呼ぶ傾向があるものの、「サーモン」が生食用を意味すると決まっているわけではありません。
この二つの名称についての明確な規定はなく、同じサケ科の魚でも、場合によって商品名が「サケ」だったり「サーモン」と名乗ったりします。
「サーモン」の表示が、即、生食の目安にはなりません。
間違いを防ぐポイントは、「生食用」「刺し身用」など、生のままで食べられるとはっきり書いてあるものを選ぶこと。
こうした表示のない魚介類は、「生」だけの表示のものも含め、加熱調理して食べてください。
実は、この食中毒事件の話を最初に聞いた時には、「『生』を生食用と勘違いするなんて、そんなことがあるのか!」と驚いたのです。
でも取材をしてみて、「表示のルールを知らなければ、あり得ること」とも思えてきました。
食品表示は複雑で、買い物の経験を通じて知識を得ていく人が多いと思うのですが、普段は台所仕事をせず食品を買い慣れていない人や、日本語が堪能でない人もいます。
知識を前提にせず、誰が買うにしてもなるべく誤解を起こさないという視点からすると、「生」表示には工夫の余地がありそうです。
※例外として、生かきは生食用か加熱用かを表示するよう
義務づけられています。
https://digital.asahi.com/articles/ASNCB4TRCNCBUCFI005.html?pn=5
(ブログ者コメント)
〇本ブログでは以前、軽自動車だから軽油を給油した・・・そんな人もいるという情報を紹介したことがあるが、それ以来の「こんな人もいる」的情報だ。
〇また、「静電気安全指針は、どんな人が見るかわからないからガチガチの内容にしている」という情報をブログ者コメントとして記載したこともあるが、その意味を改めて認識した。
『2012年1月24日 神戸市の居酒屋で複数のカセットボンベに金槌で穴を開けていて爆発、客や通行人など8人が重軽傷』
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/1294/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。