2013年10月2日付で朝日新聞鹿児島全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR指宿線の生見駅で1日、木製の枕木が焦げているのが見つかった。
鹿児島市内の同線では、4月からこれで5件目。指宿市内でも7月に枕木が炎をあげた。
同線の枕木は木製のまま。列車がブレーキをかけた際に飛び散った火花が枕木に引火したと、各消防機関はみている。
生見駅では1日午前7時40分ごろ、近くの住民の女性(67)が枕木2ケ所から煙が上がっているのを見つけ、夫が119番通報した。2人で現場に戻ると火が上がったため、夫がホースを使って火を消し止めたという。
女性は、「火を消したら、すぐに次の列車が入ってきた」と話した。
記者が現場を見ると、線路の枕木が真ん中でぱっくりと口を開け、その周りが黒く焦げていた。
鹿児島市消防局によると、中名駅そばで4月22日、線路脇の草が焼けた。
8月3日には、喜入駅そばの踏切付近で枕木2本が焼け、草が燃えた。
9月15日にも、喜入駅そばの踏切付近で枕木が焦げ、17日にも中名駅そばで草が焼けた。
指宿南九州本部によると、指宿市の宮ケ浜駅近くで7月13日、枕木が燃えているのが見つかり、消防隊員が消し止めた。
昨年も2ケ所で枕木が燃え、住民が消し止めている。
出火と列車通過の間が短く、現場は駅に近く、火の気はない。列車がブレーキをかけた際に高温の鉄粉が出て引火したと、両消防機関はみている。
JR九州鹿児島支社は、指宿枕崎線で5~9月、枕木が焼けたり焦げたりしたのが27件あったのを把握している。
個々の原因は不明としつつ、「油が枕木に浸みて引火しやすい状況になっている」とも認める。
鹿児島線の一部では、枕木をコンクリート製に換えた。他の区間でも、徐々に換えていくという。
2013年10月4日付で朝日新聞鹿児島全県版(聞蔵)から、下記趣旨の関連記事がネット配信されていた。
同様の事例が8月、JR鹿児島線でも3件起きていたことがわかった。3件とも乗務員が消火した。
枕木には腐敗防止のための油がしみ込ませてある。また、線路のポイントには潤滑油が使われ、その油が枕木にしみ込んでいるという。
(ブログ者コメント)
富山県などでの枕木発火トラブルは本ブログでもしばしば紹介したところだが、今度は鹿児島県での事例だ。
この記事などから類推すると、以下のようなメカニズムで発火しているのかもしれない。
○木製の枕木には多数のヒビ割れがあり、また油も浸み込んでいる。
○そのヒビ割れの中に、ブレーキをかけた時の火花が入った。
○火花周辺の油と木材の温度が上昇した。
○温度上昇が起点となって徐々に油あるいは木材の酸化反応が進行し、しばらく経ってから発火した。
※枕木発火トラブルは、ブログ者にとって初耳の事例だったので、これまでは報道の都度、掲載してきた。
今後も報道されることだろう。
しかし、特殊な事例なので、これ以上掲載しても意味がない。
よって、今後は、特段のものでない限り、報道の都度、掲載することは差し控える。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。