2015年8月9日1時41分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月9日5時17分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後5時半ごろ、福岡県内の山陽新幹線、小倉−博多間で停電が発生し、上下線計2本の列車が両駅間で緊急停車した。
約30分後に電力が復旧し、さらに約10分後に運転を再開したが、福岡県宮若市で停車していた下りのさくら561号(8両編成)の3号車に乗車していた20代の女性が左手首捻挫、左肘打撲の軽傷を負い、福岡市内の病院に搬送された。
JR西が停電の原因や事故当時の状況を調査している。
JR西によると、561号は新大阪発鹿児島中央駅行きで、約500人が乗車していた。
2号車の床下にあるアルミ製のカバー(幅71cm、長さ62cm、重さ6.5kg)がトンネル内で脱落しているのが確認されており、部品が跳ね上がって3号車の車体左側面にぶつかり、さらに架線に近づいてショート。その影響で停電したとみられる。
車体の側面や窓ガラスに複数の傷があった。
JR西によると、けがをした女性は3号車の左窓側の座席に座っていた。
「電流が走るような痛みを感じた」と訴え、左頭部と左腕が赤くなっていたという。
561号の乗客は、博多駅で列車を乗り換えた。
この事故で、計53本に最大97分の遅れが生じ、約1万5000人に影響が出た。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150809k0000m040152000c.html
http://www.sankei.com/west/news/150809/wst1508090020-n1.html
8月9日21時53分と8月10日7時30分に毎日新聞から、8月9日19時15分にNHK九州から、8月9日19時43分に共同通信からは、カバーを固定するボルトが外れていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
また8月12日付で毎日新聞西部版からは、乗客がけがした原因に関する記事も、ネット配信されていた。
JR西などによると、停電は8日午後5時半ごろ、さくら561号が福岡県宮若市のトンネル内を時速285kmで走行中に起きた。
1号車と2号車の連結部分付近に取り付けられていた防音用のアルミ製カバーが脱落。
風圧で舞い上がり、車体にぶつかった後に車体上部の架線に近づいて、ショートさせたとみられる。
3号車の左側面の複数箇所がえぐられたように損傷していたのをはじめ、2号車から6号車までの左側面に計39カ所の傷があった。
脱落したカバーがトンネルの内壁と車体に次々とぶつかりながら後方に飛んでいったとみられる。
カバーは、2本のボルトと2カ所のフックで固定されているが、ボルトが2本ともなくなっていた。
また、隣に取り付けられていたカバーのボルトも1本がはずれ、1本が緩んでいた。
カバーは、7月中旬まで行われた走行試験に伴って、318枚のうち60枚をいったん取り外したあと7月24日につけ直しており、その際にボルトの取り付け方が悪かった可能性があるとみて、調べている。
また、その後の検査でも見逃すなど、ミスが重なった可能性がある。
事故車両は2日に1回点検されており、今月7日の目視点検では、ボルトが緩んでいないのを確認していたという。
一方、JR西によると、けがをした女性は3号車の前から4列目の窓際に座っており、座席近くの車外にカバーがぶつかった痕跡があった。
車外の衝撃が車内に伝わり、女性が左手や左肘に打撲などの軽傷を負ったとみられる。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150810k0000m040044000c.html
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/5024026911.html?t=1439152387582
http://www.47news.jp/CN/201508/CN2015080901001343.html
http://mainichi.jp/select/news/20150810k0000m040113000c.html
http://mainichi.jp/area/news/20150812ddp041040024000c.html
(2015年8月24日 修正1 ;追記)
2015年8月21日21時25分に産経新聞westから、走行試験担当部署の人間が分担して、いったん外したカバーを再取付けしていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月22日9時11分に朝日新聞から、8月21日22時41分に毎日新聞からも、同趣旨の記事が掲載されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
JR西は21日、通常は1人で行うボルトを締める作業を複数の社員で分担し、ボルトが十分に締まっていなかった可能性があるなどとする調査報告を発表した。
また、緩みを防止する座金も社内ルールに反して再利用していたことが判明したといい、ボルト外れの一因になった可能性があるとみている。
JR西によると、事故があった編成は6~7月に走行試験に使われ、脱落したカバーを含む74枚がいったん取り外され、7月24日に取り付けられた。
取り付けは通常の点検、整備を行う部署ではなく、走行試験を担当する部署の若手中心の4人が実施していた。
カバーをボルトで固定する作業には、
①カバーを車体にかける
②ボルトを入れる
③仮締め
④本締め
の4つの手順があり、最後に正しく締めたことを記す「合いマーク」を書き入れる。
通常は1人で4つの手順を行うが、走行試験後の作業はルールが明確化されておらず、現場の裁量任せになっていた。
今回は、4人のうち1人が担当した本締めが不十分だった可能性がある。
上司の係長は、4人の技量などを考慮して分担させたという。
また、通常は作業終了後、チェックシートでカバーの装着状況を確認するが、この係長はシートを用いていなかったとされる。
脱落したものとは別のカバーでは、合いマークが書かれていないミスも判明。
JR西はこうした状況から、通常とは違う作業の中で締め方が不十分になった可能性があるとみている。
一方、座金についてメーカーは、正しい取り付け方をすれば再利用可能としているというが、JR西は新品に取りかえる独自ルールを設けている。
しかし今回、脱落したカバーについては担当者が別の社員が行うと思い、取りかえていなかった。
さらに事故の2日前、普段検査をしている作業員がカバーの取り付け具合を確かめたが、そこでもボルトのゆるみが発見できなかったという。
今回の事故を受け、JR西は、臨時の取り付け作業の場合でも1人が一貫して一連の作業を行い、担当者を明確に記録するシステムを導入するなどの再発防止措置をとる。
出典URL
http://www.sankei.com/west/news/150821/wst1508210094-n1.html
http://www.asahi.com/articles/ASH8P5J2CH8PPTIL01V.html
http://mainichi.jp/select/news/20150822k0000m040121000c.html
(ブログ者コメント)
JR西のHPに「山陽新幹線 車両部品の落下原因および今後の対策について」というタイトルで、報告書の内容が詳しく掲載されている。
https://www.westjr.co.jp/press/article/2015/08/page_7528.html
(2015年9月19日 追記)
JR西のHPに事故報告書が掲載されていた。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/150918_00_sanyoshinkansen.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。