2021年2月17日18時30分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
手押し式の除雪機の事故による死者が相次いでいる。
消費者庁によると、昨年12月からの2カ月間に少なくとも8人が死亡。
35年ぶりという大雪が影響していそうだ。
事故が減らない背景には除雪機ならではの事情がありそうで、コロナ禍の影響を指摘する声もある。
どういうことなのか。
【コロナ禍の影響指摘する声も】
消費者庁によると、今冬の死亡事故は北日本や北陸で多発し、うち4件は1月上旬に起きた。
事故情報を収集する独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の集計では、2010~19年度の死亡事故は、多い年度でも4件で、今年は特に多い。
NITEの担当者は、「今冬の大雪が一番の原因」とみる。
気象庁によると、1月上旬の東日本の日本海側の降雪量は平年の約3・5倍で、35年ぶりの大雪という。
担当者がもう一つ指摘するのは新型コロナウイルスの影響だ。
他人との接触を避けるため、雪かきを近所の人やボランティアに頼むのが難しくなり、高齢者や久々に除雪をする人が事故に遭っている可能性がある、という。
【30年以上前の機種が】
また、事故がなくならない背景に影響していると考えられるのが除雪機の「寿命の長さ」だ。
新潟県では1月、9歳の男児が除雪機の雪をかき込む刃(オーガ)に巻き込まれて死亡した。
NITEによると、保護者が別作業のためエンジンをかけたまま機体から離れた間に事故が起きたという。
除雪機に関わる国内企業でつくる「除雪機安全協議会」加盟のメーカーが販売する製品には、04年4月以降は全て、操作ハンドルやレバーから手を離すと運転が止まる安全装置「デッドマンクラッチ機構」がついている。
だが、新潟県の事故では30年以上前に作られた除雪機が使われており、デッドマンクラッチ機構がついていなかった。
NITEのまとめでは、10~19年度、手押し式の除雪機を後退させた際に壁との間に挟まれるなどして19人が死亡。
うち17人は、デッドマンクラッチ機構がついていない除雪機を使っていた。
古い型式による事故が相次ぐのは、長年にわたって同じ除雪機を使い続けるのが珍しくないからだ。
NITEの担当者によると、除雪機は構造が単純で壊れにくく、使う時期も限られていることから、買い替えが進みにくいという。
「機体にトラブルがなければ20年、30年と使い続ける人がいるのも不思議ではない」という。
04年度以前に製造された除雪機でも、一時停止のための「緊急停止ボタン」などの機能が付いている機種もある。
しかし、使用中に転倒して除雪機が体の上に倒れ込んでくるなどして、安全装置を作動させられない場合もある。
NITEの担当者は、「費用負担もあり、買い替えが難しい場合もあると思う。どんな事故が起きているかを知り、デッドマンクラッチ機構がついていない除雪機を使う場合は、より一層の注意をしてほしい」と呼びかける。
https://digital.asahi.com/articles/ASP2K5W6VP2KUTFL00G.html?pn=8
(ブログ者コメント)
新潟県(柏崎市)の事例は本ブログでも紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。