2015年5月26日22時59分にNHK北海道NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月28日付で朝日新聞北海道版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午後6時半ごろ、室蘭市陣屋町にある「JX日鉱日石エネルギー室蘭製造所」で敷地内にある大型タンクから液体が漏れ出したと、警察に通報があった。
警察が付近の国道などを通行止めにした上で、会社などが原因を調べたところ、石油製品の精製過程で出るナフサや灯油などの廃油を再利用するために貯蔵しているタンクの配管から液体が漏れ出していることがわかった。
会社がバルブを閉めて、通報からおよそ1時間後に流出は止まったが、廃油およそ49kℓ、ドラム缶にして245本分が漏れ出たという。
会社によると、廃油は敷地の外には漏れ出ておらず、引火する可能性もなく、人体に有害な物質も含まれていないという。
これまでのところ、けがをした人はいない。
会社が、吸着マットなどを使って、漏れ出た廃油の回収作業を進めている。
これまでの調べで、配管に亀裂が入っていることが確認されていて、警察や会社などが原因を調べている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20150526/5071342.html
(2015年8月25日 修正1 ;追記)
2015年6月25日付の北海道新聞紙面に、想定以上のLPGが気化したことが原因だったという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
(新情報に基づき、タイトルも変更した)
JX室蘭製造所は24日、原因を発表した。
昨年4月に製油所から石油化学製品工場に転換した影響で、廃油に含まれる液化石油ガス(LPG)が想定以上に増え、配管内で気化したことなどから、強い力が働いて配管がずれ、近くの金属部品に衝突して亀裂が入った結果、廃油が漏れたとしている。
事故は、LPGやガソリンを作る装置の定期点検に伴い、タンクへ廃油を移送した際に起きた。
廃油が固まらないよう配管を加熱していたこともあり、LPGが気化した後、圧力が上昇したことで、LPGの液化・圧縮も起き、配管内に強い力が働いて一部が20~30cm動いた。
廃油流出は39kℓだった。
JXは、廃油の移送経路を変えるなど、再発防止策を実施した。
6月24日付でJX社HPにも、下記趣旨のニュースリリースが掲載されていた。
2.漏洩の原因と再発防止対策
(1)漏洩の原因
流動接触分解装置(以下、FCC装置)の停止作業にて廃油(製品規格不適合油)をタンクに移送した際、配管に大きな脈動が生じ、隣接する溝型鋼(配管サポート)に衝突しました。
この衝撃によって当該配管に亀裂が生じ、廃油が漏洩したものです。
当該配管に脈動が生じた原因は、石化工場化によるFCC装置の運転条件変更に伴い廃油中のLPG留分が増加し、さらに配管の加温によりLPG留分が気化し、配管内部の圧力が変化したものと推察されます。
(2)再発防止対策
損傷した配管の取替を実施するとともに、廃油中のLPG留分を低減させるべく、FCC装置停止時の運転条件を見直し、加えて、加温されていない配管に廃油の移送ルートを変更しました。
さらに、同様の条件下で運転停止を行う設備についても類似の災害を防止すべく、作業手順書の見直しを行うとともに、弊社所員ならびに協力会社に対して、周知・教育を徹底いたします
http://www.noe.jx-group.co.jp/newsrelease/2015/20150624_01_1020034.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。