2015年2月16日19時2分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付でネット配信されていた。
2月16日付で東京新聞夕刊から、2月17日1時4分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午前11時10分ごろ、東京都江戸川区西小松川町の首都高速7号小松川線の塗装工事現場から出火し、高架下の足場約300m2を焼いて約4時間後に消し止めたが、20~30代の男性作業員2人が死亡した。作業員11人が煙を吸うなどして病院で手当てを受けた。
警察によると、現場では当時、橋桁の塗装をはがして塗料を塗り直す作業中で、鉄パイプやアルミ製のシートで囲った足場内に作業員約30人がいた。高架下で塗装工事に入る前の洗浄作業をしていたところ、組んだ足場の下のビニールシートから出火したという。
現場で塗装作業をしていた作業員らは警察の調べに対し、「塗装面の洗浄のためシンナーを吹き付けていた」と話しており、警察は、作業で使うシンナーに何らかの原因で引火した可能性があるとみている。
50代の男性作業員は、「塗装のさびを落としていたら、『火事みたいだ。逃げろ』と声がしてすぐに煙で真っ暗になった。ライトをつけても何も見えず、はいつくばって何とか出口の階段にたどり着いた」と話した。
現場は小松川出入り口付近で、小松川線は上下線とも全線で通行止めとなった。
16日午後に記者会見した首都高速道路会社の菅原社長は、「作業員が死傷したことはまことに遺憾。一刻も早い復旧に全力を挙げていく」と謝罪した。
首都高速では昨年3月、渋谷区でほぼ同じ構造の塗装工事現場から出火し、付近は3日間にわたって通行止めになった。
シンナーが照明の電球に触れたのが原因で、首都高速道路会社は、難燃性の足場シートを使うなど再発防止策をまとめていた。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH2J40WHH2JUTIL01H.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015021602000216.html
http://mainichi.jp/select/news/20150217k0000m040098000c.html
2月17日6時0分にNHK NEWS WEBからは、塗装面を研磨する作業も行われていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
当時、現場では、工具を使って橋桁の塗装面を研磨する作業が行われていたことが分かった。
工事現場では、火を使う機械などは禁止されていたということだが、警察は、研磨の際に出た火花がシンナーなどに引火した可能性もあるとみて、17日、消防と合同で現場検証を行って詳しく調べることにしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150217/k10015509521000.html
2月17日12時4分に共同通信からは、シンナーは布に染み込ませて使っていたなど、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
死亡した男性作業員2人がシンナーを使って橋梁の古い塗装を落とす作業を担当していたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。
近くの建築現場の作業員が、出火時に爆発音を聞いていたことも判明。
何らかの原因でシンナーに引火して炎上し、死亡した2人が巻き込まれた可能性が高い。
死亡した2人は、シンナーを布に染みこませて、古い塗装を落とす作業を担当していた。
出典URL
http://www.47news.jp/CN/201502/CN2015021701001471.html
(ブログ者コメント)
○共同通信掲載の写真を見ると、格子状に組まれた足場に張られたシートが、部分的にアチコチ破れている。
その状況から考えると、記事にあるとおり、シートで囲まれた閉空間で爆発が起きたのかもしれない。
○風通しのよくない空間で、シンナーを使った作業と工具による錆び落としが同時に行われていた可能性ありとの報道だが、本当だろうか?ちょっと信じられない。
○昨年3月の同種事故は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3780/
○一方、錆び落とし時の火花が原因となった爆発事例は、最近では下記が記憶に新しい。
2014年7月11日掲載
2014年5月29日 兵庫県姫路市の沖合で重油を下ろして停泊中のタンカーがデッキ上でグラインダーを使って錆び落とし中に爆発し沈没、船長死亡7人重軽傷 (第2報; 修正2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4082/
(2015年4月2日 修正1 ;追記)
2015年3月31日6時45分にNHK首都圏NEWS WEBから、再発防止策に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
首都高速道路会社が設けた専門家による委員会は、当面の再発防止策をまとめた。
今回の火事が、作業に使っていたシンナーに何らかの原因で引火して起きたと見られることから、今後、危険物を扱う工事の際には、常に換気を行って可燃性のガスを検知する機器を常備するとともに、電気や静電気による火花が生じにくいタイプの装備の使用を義務づけ、火災を知らせる警報機や誘導灯を設置するなどとしている。
首都高速道路会社は、この火事のあと、東京と神奈川県の合わせて23か所で塗装工事を中断していたが、火災現場以外の22か所で順次作業を再開させる予定で、「再発防止策をしっかり実行したい」と話している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20150331/3640541.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。