2013年9月6日18時58分にNHK北海道NEWS WEBから、9月6日11時48分にmsn産経ニュースから、9月7日8時54分に読売新聞から、9月8日付で読売新聞北海道版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本海側の苫前町の風力発電施設で、風車の羽根がローターハブと呼ばれる付け根部分ごと落下しているのが見つかり、運営会社では施設内のすべての風車の運転を停止して原因を調べている。
風車の羽根が落下したのは、苫前町の風力発電施設「苫前グリーンヒルウィンドパーク」。
運営会社によると、5日午前7時前、施設の近くを通りかかった人から連絡があり、現場に駆けつけた社員が、風車1基の羽根が丸ごと外れて高さ45mの支柱の取り付け部分から落下しているのを確認した。
羽根は3枚ついていて、1枚の長さが26m、重さは全体でおよそ27トンあるが、けがをした人はいなかった。
担当者に油圧異常を知らせるメールの時間などから、同社は5日午前4時45分ごろに落下したとみて原因を調べている。
風車はデンマークのボーナス社(現シーメンス社)製で、施設では同じ型の20基を使って平成11年から発電しているが、羽根が落下する事故は全国で360基余りを運営するグループ全体でも初めてだという。
同社によると、この風車の耐用年数は20年で、使用開始から約14年しか経過しておらず、8月20日の定期点検でも異常はなかった。
運営会社では、施設内のすべての風車と、道北の遠別町と浜頓別町にある同じ型の6基の運転を停止し、原因を調べている。
施設の保守点検を行っている「ユーラスエナジージャパン」苫前事業所の丹羽所長は「原因は現時点では見当がつかず、対策本部で究明していきたい。安全が確保されるまでは運転を停止する方針だ」と話している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20130906/4340331.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130906/dst13090611490005-n1.htm
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130906-OYT1T01188.htm
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20130908-OYT8T00015.htm
(2013年9月15日 修正1 ;追記)
2013年9月14日9時59分に毎日新聞から、9月14日19時24分にNHK北海道NEWS WEBから、当時の風速や今後の調査などが下記趣旨でネット配信されていた。
経済産業省が「重大事故」と認定したことが同省への取材で分かった。
同省は、有識者会議の専門部会に、発電事業者「ユーラスエナジー苫前」が提出する調査結果報告書を諮り、原因特定と再発防止策の検討などを進める。
ユーラス苫前は12日、専門家らでつくる事故調査員会を設立、14日から風車を製造した海外のメーカーの担当者も加わり、現地で本格調査する。
当時の風速は10〜11mで、通常なら発電できる強さという。
事業者の親会社で風力発電国内最大手の「ユーラスエナジーホールディングス(HD)」は、支柱とローターの接続部分に何らかの異常があったとみて原因を調べる。
同省によると、羽根の落下事故は今年に入り、3月に太鼓山風力発電所(京都府)、4月に「ウインドパーク笠取」(三重県)で相次いで発生。
昨年まで国内では例がなく、同省は2件を「重大事故」と認定した。苫前の事故は3例目となる。
落下原因に関し、太鼓山を所有する京都府は「金属疲労」、笠取を運営する中部電力の子会社「シーテック」(名古屋市)は「部品の強度不足」の可能性が高いとし、5月に同省有識者会議の専門部会で報告した。
同省は苫前事故でも、先行2件と共通する原因がないか調べて再発防止を図る。
ユーラス苫前は省令に基づき、事故覚知後30日以内に国に調査報告書を提出する。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130914k0000m040117000c.html
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20130914/4519781.html
(2013年10月5日 修正2 ;追記)
2013年10月4日18時55分にNHK北海道NEWS WEBから、10月5日付で毎日新聞北海道版から、10月5日付で朝日新聞北海道版(聞蔵)から、主軸の修理ミスだった可能性が高いという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
施設を運営する風力発電大手の「ユーラスエナジージャパン」は、4日、札幌市で会見を開き、事故原因の中間報告を公表した。
それによると、当時は強風などは吹いておらず、風車と支柱をつなぐ金属製の「主軸」と呼ばれる部品が折れて、風車が落下したとしている。
主軸は元々、施設内の別の同型風車に設置していたが、2011年12月に不具合が発生。取り外して修理し、昨年6月に現在の風車に取り付けた。
修理は、風車を製造したデンマークのボーナス社(現ドイツのシーメンス社)ではなく、国内業者に依頼。
報告書によると、主軸の損傷が激しい部分が設計より20mmほど削られていたり、主軸への荷重を減らすため曲線状に仕上げられるべき部位が平らになっていた。そのため折れた部分に過剰な負荷がかかり、「金属疲労」が起きた可能性が高いと説明している。
ユーラス社もこうした修理内容を把握していた。
ユ社の中村社長は、「今後は、部品の修理の際に業者に細かく指示を出すなどして、再発防止に努めたい」と話している。
会社では、来月上旬までに事故の最終報告をまとめる予定。原因を特定するまで同型の25基の運転は再開しない。苫前グリーンヒルの運転再開も見合わせる方針。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20131004/5000521.html
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20131005ddr041040004000c.html
(2013年11月17日 修正3 ;追記)
2013年11月16日11時37分に北海道新聞から、最終報告書が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ユーラスエナジージャパンは15日、最終報告を北海道産業保安監督部に提出した。
昨年6月の修理にミスがあり、「(羽根を支える)金属製主軸の疲労破壊が原因」と断定した。
同社が道内に設置している同型の25基の運転を、来週にも順次、再開させる。
原因については、10月上旬に提出した中間報告と同じ内容。
その後、実際の破断面を電子顕微鏡で観察したり、亀裂の発生、進展のメカニズムをコンピューター解析するなどして裏付けた。
同社は年内に、重要部位の修理マニュアルを策定するなど再発防止策を講じる。
同型の25基は苫前町に19基、宗谷管内浜頓別町と留萌管内遠別町に各3基あり、来週以降、安全性を確認できたものから運転を再開させる。
出典URL
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/504539.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。