2014年6月17日2時7分にmsn産経ニュース静岡から、『橋とトンネル点検義務化に静岡の自治体悲鳴 「予算も人手も足りない」』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
平成24年12月に中央自動車道笹子トンネルで発生した天井板の崩落事故を受け、今年7月からすべての橋やトンネルで5年に1度の点検が義務化される。
だが、道路の大半は地方自治体が管理しており、点検を行う市町の道路管理者からは「予算も人手も足りない」と悲鳴が上がっている。
橋やトンネルなどの道路インフラは、高度経済成長期に建設が集中したため、今後、加速度的に老朽化が進行することが指摘されている。
国交省道路局によると、築造年数が50年以上経過した橋の割合は、昨年4月時点では全体の約18%だったが、10年後には約43%にまで急増する見込み。
実際に全国の市町村が管理する橋では、ケーブルの損傷や橋桁の腐食が原因で通行止めとなった事例が過去5年間で倍増しており、「目に見える“高齢化”が進行している」という。
また、全国に約70万ある橋のうち、地方自治体が管理する橋は約52万橋と全体の4分の3以上を占めており、点検を実施する自治体の負担は大きい。
県内でも、点検の義務化を前に県や各市町の道路管理者らが一堂に会し、「第1回県道路メンテナンス会議」を開催。
笹子トンネルの事故を受けて行われた緊急点検では、静岡、浜松の2政令市で橋梁点検の実施率が2割に達していないなど、厳しい現状が報告された。
また、従来は双眼鏡を使った遠望目視による点検が主だったが、今後はすべての橋やトンネルで「打音検査が可能な距離まで近づく」近接目視が義務化される。
県が管理する約3千の橋でも、これまで近接目視を実施したのは全体の2割未満にとどまっており、県道路整備課の原課長は、「技術系の職員がおらず、財政規模が小さい市町にはかなりの負担になる」と顔を曇らせる。
負担増は小さな市町だけでなく、政令市にとっても共通の悩みだ。
約6千の橋を管理する浜松市では、政令市への移行に伴い、県から国道などの管理を移譲された。
同市では、交通量の多い道路を優先的に点検してきたものの、長さ15m以下の橋のうち約4400橋が未点検のままとなっている。
点検は業者に委託してきたが、同市道路課の森下課長補佐は、「委託で業者に発注できる数には限界がある。自ら点検のできる職員を育てていくしかない」と話した。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140617/szk14061702070002-n1.htm
一方、6月16日15時0分に毎日新聞からも、関連記事が下記趣旨でネット配信されていた。
笹子トンネル崩落事故を受けて全国で行われている橋の一斉点検で、部材の落下など老朽化による事故のおそれがあると判定された橋は約1万基に上ることが、国交省の調べで分かった。
点検対象の橋のうち、2割は未実施で、危険性がある橋は増える可能性がある。
点検は全国の約44万基の橋を対象に、管理者である国、地方自治体、高速道路会社がそれぞれ実施。
鋼材の腐食や亀裂、ボルトの緩み、コンクリート材のひび割れなどを、統一したマニュアルに沿ってチェックしている。
今年3月までに約36万基の点検が完了。
このうち1万178基は、部材が落下するなどして人的被害が出るおそれのある状況と判定された。
地方自治体が管理する橋が1万143基を占める。
国交省の調べによると、全国の橋の18%は建造から50年を超える。
10年後にはそれが43%に達するという。
国が定める鉄筋コンクリートの建物の耐用年数は50年で、橋などインフラの寿命も50年程度とされている。
国交省の担当者は、「橋の修繕にかかる費用や人手の不足が、自治体の課題になっている」と話している。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140616k0000e040162000c.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。