2021年2月1日8時32分にYAHOOニュース(岐阜新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大雨によって落石や土砂崩れなど災害の危険性がある道路を、安全になるまで通行止めにする雨量規制。
災害被害を未然に防ぐために全国で運用されているこの規制は、半世紀以上前に岐阜県加茂郡白川町で起きた悲惨な事故を教訓に導入された仕組みだ。
ただ、雨が降るたびに通行止めになるのは困る、というのも住民の本音。
その一方で、災害や事故の記憶の風化も懸念される。
雨量規制と向き合う白川町の現状を探った。
1968年8月18日午前2時すぎ、切り立った山肌が迫る同町河岐の国道41号で、豪雨による土砂崩れで立ち往生していた観光バス2台が土石流に押し流されて飛騨川に転落し、104人が犠牲になった「飛騨川バス転落事故」。
猛烈な雨は時間雨量149ミリで、岐阜地方気象台が観測を始めて以来の集中豪雨だった。
多くの犠牲者が出た衝撃と、浮き彫りになった道路防災の甘さ。
それまでの通行止めは、道路が被害を受けた後に行われるのが一般的だったが、事故後は、制度の見直しや改善を通して、さまざまな対策が講じられた。
まずは、事故の翌月に「道路防災総点検」が全国一斉に実施された。
そして翌年4月、当時の建設省からの通達で、事故現場を含む同町河岐-加茂郡七宗町川並の11・4キロ区間を「国道41号上麻生規制区間」として、日本で初めて雨量規制が敷かれた。
その後、規制の対象区間は全国で順次増えていった。
国土交通省岐阜国道事務所によると、現在の県内での雨量規制区間は、直轄国道で9カ所、総延長80・1キロで、県や市町村が管理する道路になると、さらにその数は増える。
連続雨量150ミリを超えると通行止めになる上麻生規制区間では、これまでに土砂流出が幾度もあり、98年9月には25時間にわたる規制も行われた。
悲惨な事故を教訓に始まった雨量規制だが、白川町の場合、国道41号は通勤、物流など生活に欠かせない道路で、緊急車両も通る。
地域の「動脈」は、大雨が降るたびに使えなくなる。
横家敏昭町長は、「観光にも大きな影響を受けている。いつ道路が使えなくなるか分からないので、旅行会社は町へのツアーを組むことができない」と語る。
安全を確保した上で規制がなくなることが地元の望みだ。
昨年12月、事故現場を含む国道41号で、危険箇所を避ける4カ所の橋と3本のトンネルを整備する改良工事「飛水峡街道(上麻生防災)」の起工式が行われた。
完了までは長い年月がかかるが、「災害に強い道路」に生まれ変われば、雨量規制を解除できる。
岐阜国道事務所の担当者は、「国道41号は生活道路。どんな時でも安全に通れる道にする必要がある」と話す。
県内にある他の規制区間には付近に高速、道路や迂回(うかい)路があるため、改良工事をして雨量規制を解除する必要がある場所は少ないという。
事故現場近くの慰霊塔「天心白菊の塔」では、毎年8月18日に犠牲者の法要が営まれている。
だが、近年は参列する遺族の姿はわずかになった。
事故で父親を亡くした男性は、「代替わりしていることもあるだろうが、参列する遺族がほとんどいないのは悲しい」とつぶやく。
52年の時を経て、事故を記憶している人も少なくなった。
改良工事が終われば、現場周辺の道路は雨量規制を必要としない時代を迎える。
雨量規制のきっかけとなった白川町は、新たな段階に移ろうとしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1ddfebffc0df8c6e8073269ed07c88877aa6007a
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。