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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20151218173分にNHK首都圏NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

家庭にある大人用の薬を子どもが誤って飲んでしまう事故が増加し、症状が重い場合、一時、意識を失うケースもあることから、消費者庁の安全調査委員会、いわゆる消費者事故調は、薬の包装を子どもが簡単には開けられないタイプに変更すべきだという提言をまとめた。


薬に関する事故の情報を集めている日本中毒情報センターによると、家庭にある大人用などの薬を5歳以下の子どもが誤って飲んでしまった事故は、去年1年間に全国であわせて8433件報告され、10年前と比べて40%以上、増えている。

このうち、849件でおう吐などの症状がみられ、中には一時的に意識を失うケースもあったという。


こうした状況を受けて、消費者事故調は、おととしから事故を防ぐ対策の検討を進め、18日、最終報告書をまとめた。


この中で、消費者事故調は、「事故は、子どもの思わぬ行動から起きることが多く、保護者に注意を呼びかけるだけでは十分に防ぐことができず、薬の包装に対策を施すことが必要だ」としている。
その上で、「薬の包装を子どもが簡単には開けられないタイプに変更すべきだ」と提言している。

一例として、消費者事故調は、開封部分となるアルミはくにフィルムを重ねて、簡単には破れないようにするなど、包装材の強度を高めるべきだと指摘している。


東京・板橋区にある医師会病院の院長で小児科医の泉医師は、2年前、母親の薬を誤って飲み、全く意識のない状態で運ばれてきた2歳の男の子の治療にあたった。
男の子が誤って飲んだのは、母親が1日1錠ずつ服用していた精神安定剤のひとつ「抗不安薬」で、男の子は一度におよそ20錠も飲んでいたという。
男の子の回復には、およそ1週間かかった。


泉医師は、「大人用の薬は、子どもにとって、1回分でも非常に多いのに、さらに、お菓子か何かと間違えて何回分も飲んでしまえば、数十回分の薬を一度に飲んだのと同じことになってしまう。最悪の場合、呼吸が止まってしまうおそれもあり、命の危険もある」と話している。


東京・渋谷区にある製薬会社では、子どもが簡単に開けられないような、主に3つのタイプの包装を、5年前から、順次、取り入れている。
一つ目は、開封部分のアルミはくにフィルムを重ねて、より強い力を加えなければ薬を取り出せないようにしたもの。
二つ目は、開封部分全体にシールが貼られ、シールを剥がさなければ薬を取り出せないようにしたもの。
三つめは、ボトルタイプのもので、ふたを押しながら回さないと、開かない仕組みになったものだ。


製薬会社の担当者は、「子どもが誤って飲んだ場合に危険性が高いと思われる薬からこうした包装を取り入れています。新しい包装をより多くの薬で取り入れていこうとすると、機械の導入などにコストがかかりますが、子どもが誤って薬を飲む事故を防ぐことは製薬会社の使命であり、将来的には全ての薬に導入したい」と話している。

 

出典URL

http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20151218/4153021.html

 

 

20151219039分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

子供が医薬品を誤飲する事故の防止策を検討していた消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は、18日、子供が開封しにくい「チャイルドレジスタンス(CR)機能」の付いた包装容器の導入を検討するよう厚生労働省に提言する報告書をまとめた。

 

報告書は、子供の成長に応じて、

▽身近にある物を何でも口に運ぶ

周囲への関心が高まり、人の模倣をする

手の届かない場所でも、興味を持って自ら取りに行く

などの行動特性があると指摘。

 

「仮に子供が手に取ったとしても、開封しにくい包装容器の導入策が必要」と述べ、子供が開封しにくい一方、高齢者らは開封できる包装容器の基準を定めるよう求めた。

 

また、CR機能の例として

▽錠剤を押し出すのに力がいる包装シートなど、開封強度を高くした製品

▽ふたを押しながら回して開けるボトル、シールをはがして錠剤を押し出す包装シートなど、開封手順を複雑化した製品

を挙げた。

 

事故調は、検証作業で、3〜4歳の子供と50〜85歳の大人に対して強度の異なる錠剤の包装シートの開封試験を実施した。

 

報告書によると、子供は開封しにくいが、大人が使うのに困難ではない程度の開封強度がある可能性があることが分かった。

そのうえで、機械で適切な開封強度を判定できる可能性も指摘し、開発の費用や時間を縮減できるとしている。

 

「チャイルドレジスタンス(CR)機能」がある医薬品の包装容器は、欧米では法整備を含めて積極的に推進されている一方、日本では製薬会社の自主性に委ねられたままで、十分に浸透していない。

 

大手製薬会社のグラクソ・スミスクライン(東京都渋谷区)は、これまで誤飲を防ぐため、11種類の医薬品にCR包装を採用した。

錠剤シートの裏側に特殊なシートを貼って厚くした製品や、シールをはがしてから押し出せるようにしたもの、また、ふたを押しながら回さないと開かないボトルなどだ。

同社担当者は、「欧米の基準をクリアするため、米国の検査機関で試験を繰り返して開発した」と話す。

 

CR導入には時間も資金もかかるため、企業は二の足を踏む。

まだ採用予定のない製薬会社の役員は、「少なくとも1割以上のコスト増加を覚悟せざるを得ない。日本では国が薬価を決めているため、コスト増はそのまま我々が負担することになる。大企業でなければ取り組めない」と語る。

 

小松原明哲・早大教授(人間工学)も事故調と同様に、成長に応じた子供の行動特性に沿い、誤飲防止策を講じるよう提唱する。

「2歳なら、親の服薬を見て『ごっこ遊び』の延長でまねをする恐れがある。3歳になれば『お手伝い』を覚え、薬を飲ませてあげようとして持ち出す可能性が出てくる。年齢によってリスクの評価も違う」と指摘する。

 

また日本薬剤師会によると、子供に限らず、高齢者も硬い包装ごと薬をのみ込んでのどや食道、胃などの内臓が傷ついてしまう事故が起きている。

このため、モリモト医薬(大阪市西淀川区)は、熱や酸に強く、軟らかいフィルムを使った包装を開発した。

誤飲しても安全に排出されやすく、製造コストも従来の包装より安く済むという。

 

出典URL

http://mainichi.jp/articles/20151219/k00/00m/040/103000c

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

○消費者事故調の報告書(概要)は、下記参照。

http://www.caa.go.jp/csic/action/pdf/7_gaiyou.pdf

本文は、下記参照。

http://www.caa.go.jp/csic/action/pdf/7_honbun.pdf

 

○本件、時を同じくして東京都の協議会も提言をまとめている。

201512161155分 NHK首都圏NEWS WEB)

ボタン型電池の誤飲防止で提言

http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20151216/4180721.html

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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