2018年9月21日5時0分に北海道新聞電子版から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
北海道電力は20日、胆振東部地震の影響で停止した苫東厚真火力発電所について、地震の揺れを感知して自動停止する安全装置が2、4号機には搭載されているのに対し、1号機には搭載されていなかったと明らかにした。
このため1号機は、地震直後に2、4号機が停止した後も17分間稼働し続け、結果的に「ブラックアウト」(大規模停電)発生を遅らせた。
北電が同日、苫東厚真火力発電所を地震発生後初めて報道陣に公開した際に、明らかにした。
2、4号機の電気を起こすタービンには、地震などによって軸の振動が一定以上になった時に稼働を停止する安全装置が取り付けられている。
両機は、地震発生直後の6日午前3時8分に揺れを感知して装置が働き、緊急停止した。
一方、揺れを感知する安全装置がない1号機は、稼働を継続。
所内の機器を監視する中央操作室は、さらに運転を続けようとしたが、同3時25分に停止した。
複数の関係者によると、他の2基の停止による電力の周波数低下で自動停止したとみられる。
1号機は2、4号機とタービンのメーカーが異なり、運転開始は1980年と、3基の中で最も早い。
北電火力部は、3基の設計が異なっていることについて、「(各機が)造られた年代や設計思想の違いなどが影響しているのではないか」としている。
出火して深刻な損傷を負った4号機について、北電は、地震の揺れによりタービン内部で漏れ出た潤滑油が高温部分に接触、発火したとの見方を示した。
出典
『北電苫東厚真1号機に揺れ感知装置なし 地震後、緊急停止せず』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/230344/
9月20日23時26分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
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北電によると、1985年運転開始の2号機、2002年の4号機には、タービンの軸が一定以上の震動を感知した際に自動停止する装置を設けていた。
しかし、80年に運転開始した1号機は、技術者らの判断で停止する手動式だった。
6日午前3時7分の地震発生で2、4号機は直後に停止。
本州から電力融通を受け、1号機が稼働を続ける一方、強制停電で道内の需要を減らし続けたが、その後、需給のバランスが取れなくなって、損傷した1号機やほかの4カ所の火力発電が連鎖的に停止し、3時25分にブラックアウトに至った。
北電は20日、苫東厚真1号機のタービンが稼働している状況や、地震で配管12本が損傷し蒸気漏れした2号機、火災が発生し、制御装置付近が焼けた4号機を報道陣に公開した。
4号機は、地震でタービンの軸付近がずれて潤滑油が漏れ、高温のタービンで炎が出たという。
出典
『北海道地震 苫東1号機 自動停止装置、旧式で未設置』
https://mainichi.jp/articles/20180921/k00/00m/040/164000c
9月24日19時27分に産経新聞からは、4号機タービン出火の影響は軽微だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道電力は24日、地震で停止した苫東厚真火力発電所の全3基のうち最も出力が大きい4号機(70万KW)が、月内にも再稼働できる見通しになったと発表した。
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4号機は地震直後、発電機の心臓部に当たるタービンを回転させるのに使う潤滑油に引火して出火。
損傷などが心配されたが、点検でタービン全体の分解・再組み立てが必要なほどの影響は受けていないことを確認した。
出典
『苫東4号機月内再稼働へ 当初予定から大幅前倒し タービン分解不要と判断』
http://www.sankei.com/affairs/news/180924/afr1809240010-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。