(2013年10月5日 修正1;追記)
2013年9月25日21時44分に朝日新聞から、9月26日5時15分に読売新聞から、脱線現場のレール幅は規定より37mm広がっていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運輸安全委員会によると、副線から本線に合流する分岐器(ポイント)付近のレール幅を調べたところ、分岐器の手前で最大37mm広がっていた。
同社の基準値は19mmで、脱線はこの付近から始まったとみられるという。
JR北によると、この地点のレール幅の広がりは、昨年10月の検査時点で、すでに基準値を超える20mmだった。
それを放置した結果、今年6月の時点では25mmに拡大。現在は37mmだが、脱線時の衝撃で広がった可能性もあるという。
あるいは、現場のレールは木製の枕木に専用のクギで固定する方式で、脱線現場のレール幅は、約1年前から急激に広がりが進展していた可能性があり、木材の劣化などでクギが緩み、保持力が急激に低下した可能性がある。
同社は、レールの広がりの「限界値」は43mmとしており、この広さに達すると脱線する可能性がきわめて高くなるとしている。
出典URL
http://www.asahi.com/national/update/0925/TKY201309250263.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130926-OYT1T00135.htm
2013年9月28日15時4分に毎日新聞から、レール幅検査基準が変更になったことを知らない社員が多かった背景に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
最長で28年間にわたり、レール幅の検査で誤った整備基準値が適用されてきた背景を現場で取材すると、若い社員に技術が引き継がれにくい人員配置や、保線作業が優先されない社内事情が見えてきた。
「新旧のレールで検査基準が異なることは、職場でも話題にならない。若い人は知らないかもしれない」「基準が二つあるとは知らなかった。教わった記憶もない」。JR北海道の複数の保線担当者は、こう証言した。
JR北海道の線路の総延長約3000kmのうち、85年以前の旧型レールは現在も168kmある。
今回は44の保線担当部署のうち、10部署が旧型レールの整備基準値として、20mmではなく新型レール用の25mmを誤って適用。結果的に5mm甘い基準で検査していた。
2つの基準はなぜ徹底されなかったのか。背景には、保線担当者の異動事情があるとの指摘もある。
誤検査が発覚した10部署の担当路線は、札沼線や留萌線など旧型レールが多いローカル路線が含まれる。ところが、保線担当社員は新人時代を新型レールが多い大規模部署で過ごすことがほとんどだ。
JR北は誤検査を発表した25日の記者会見で、2つの基準について「新人研修で教え、詳しい内容は仕事の中で学ぶ」と説明したが、鉄道関係者は「旧型レールの扱いを知らないまま、新型の基準のみで検査してしまった可能性が高い」と指摘する。
保線現場でも民営化による採用抑制で30〜40代が極端に少ない傾向にある。
あるベテラン保線担当者は嘆く。「保線の技術力が落ちていることも原因の一つ。人も減って担当区間が長くなり、綱渡りで仕事している。現場は『安全第一』というトップのかけ声通りになっていない」
保線に詳しい北見工業大の白川龍生准教授(鉄道工学)は「85年のレール変更を現場で経験していない若い世代が増えた。また以前より人事異動が増えたことで、現場の保線担当者間でしっかりと引き継ぎがされていなかった可能性がある」と話している。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130928k0000e040231000c.html
2013年9月28日19時49分に共同通信から、JR各社のうち北海道だけが検査結果をダブルチェックしていなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道がレールの異常を放置していた問題で、JR各社のうち北海道だけが検査結果や補修の状況を本社と、現場で保線業務を担当する工務部門でダブルチェックしていないことが28日、JR各社への取材で分かった。
保線管理の仕組み作りを怠ったことが、レール異常発生や放置長期化の一因となった可能性が出てきた。
JR北海道は関連会社と共同で、軌道検測車と呼ばれる特殊車両を使って本線にレール異常がないかを検査している。
検査回数は、特急列車が走る区間で年4回、普通列車だけが走る区間では年2回で、検査結果は本社にも送られていたが、内容は特に検討されず、放置されていた。
出典URL
http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013092801001945.html
2013年9月28日21時58分に毎日新聞から、国交省の監査結果、レール幅以外に違反はなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省が行っていた鉄道事業法に基づく特別保安監査(立ち入り検査)は28日、終了した。札幌市中央区のJR北海道本社で取材に応じた潮崎・主任監査員は「レール幅の他に明らかな法令や社内規定の違反は見当たらなかった」と明らかにした。
項目は、土木、車両、運転など技術系4部門に加え、異例の経営部門も対象とし、人事や財務も調査。
潮崎氏は「経営と安全は表裏一体。経営問題は安全と密接に関わる」とした。
同社は石勝線脱線炎上事故(2011年5月)を受け、安全基本計画を策定。
それでも今回の事態に至った理由について、野島社長からは「安全意識が浸透していなかった」との趣旨の回答があったという。
国交省は入手した資料を分析して追加調査し、事業改善命令を出す方針。
野島社長は監査終了を受け「大変厳粛に受け止めており、改めて、極めて重大な事態を発生させたと認識している」とのコメントを発表した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130929k0000m040045000c.html
2013年9月30日18時48分にNHK北海道NEWS WEBから、保線現場は予算と人手が不足しているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
線路の管理に携わる「保線」の現場では、予算や人手の不足のため、社内規程の15日以内に補修できないケースが日常的に起きていることがわかった。
保線担当の複数の社員によると、規程を守ることは基本だとしながらも、「基準の値を超えていても枕木やレールを固定するくぎの状態などを見て、現場の判断で補修を後回しにすることはある」と話し、社内規程の15日以内に補修できないケースが日常的にあることを明らかにした。
その背景としては、レールの補修だけでなく、定期的な検査や巡回など多くの業務があるにもかかわらず、人員が大幅に削減され、作業量に対して人手が不足している状況を指摘している。
このため、今回、脱線が起きたような列車の往来が少ない副本線の補修を後回しにするなど優先順位をつけざるをえないとしている。
さらに、補修に必要な資材を要求しても予算が限られていることから、すべてが認められることは、ほとんどないとして、「管理している現場は、何か起きないかとひやひやしている」と打ち明けた。
こうした現状について「危機感という以上に大変な状況で『保線』ということば自体が死語になっていく気がする」と安全がおろそかになっている実態に強い懸念を訴えた。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20130930/4873411.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。