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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2016630日付で毎日新聞東京版夕刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東海道新幹線車内で昨年6月、男が焼身自殺して、男を含む乗客2人が死亡、28人が重軽傷を負った事件で、国の運輸安全委員会は30日、乗務員に避難誘導する余裕がなく、乗客が車両の間のデッキに滞留したことで多くの負傷者が出たとする調査報告書を公表した。

 

安全委は同様の事件対策として、すべての鉄道会社を対象に、異常を速やかに覚知する防犯カメラの増設を提言。

また、煙に覆われた1両目で乗務員が活動できなかった教訓から、防煙マスクや耐火手袋の装備も求めた。

 

報告書によると、昨年6月30日午前11時半ごろ、神奈川県の新横浜小田原間を走行していた東京発新大阪行きのぞみ225号の1両目で男がガソリンをかぶってライターで火をつけ、約43m2が焼損した。

 

1〜6両目を担当する車掌は、当時4両目にいて、「油がまかれた」との乗客の連絡を受けて1両目に向かったが、1分もたたないうちに火災になり、1両目に入ることはできなかった。

 

安全委が防犯カメラ映像を解析した結果、1両目にいた乗客約50人は男の不審な動きに気付き、火災の約1分前から後方へ避難し始めたが、多くは2両目手前のデッキに立ち止まった。

手荷物を整理する人や、流れに逆らうように1両目の様子を見に行く人もいた。

 

報告書は、1両目の乗客の避難状況について、「当初は火災の発生まで想定していなかったと考えられる」と指摘。

「デッキに立ち止まったり、停滞したりしたことで、避難の動きが遅くなった」とした。

 

そのため報告書は、鉄道各社に対し、乗務員が避難誘導する前でも、乗客が異変に気付いた場合は自主的に避難するよう、普段から呼びかけるべきだと提言した。

 

出典

新幹線の焼身自殺 デッキ滞留で負傷者増 安全委が報告書』

http://mainichi.jp/articles/20160630/dde/041/040/069000c

 

 

711140分に朝日新聞から、下記趣旨の関連記事がネット配信されていた。

 

東海道新幹線の車内で昨年6月にあった放火事件から1年。

国は、煙が一気に広がり、避難誘導が間に合わずに被害が拡大したとする調査報告書をまとめた。

 

JR東海は防犯カメラの増設など対策を進めるが、専門家は、火災を即座に覚知する仕組みや気密性の高い車内の煙対策などに課題が残ると指摘する。

 

放火は1両目で起きた。

運輸安全委員会の報告書によると、運転士は、1両目のトイレと2両目客室のブザーで異常を覚知して減速。

直後に背後で「ボン」と破裂音がし、オレンジ色に光ったため、火災とわかった。

客室には防犯カメラがなく、1両目でなければ、火災と分かるまで、さらに時間がかかった可能性があった。

 

事件後、JR東海は客室の防犯カメラ設置を始め、非常ブザーと連動させる対策を急ぐ。

2017年度までに9割の車両、19年度末までに全車両に導入する。

ただ、ブザーを押した客が状況を伝えられるインターホンは、最新型の車両にしかない。

 

火災の場合は、トンネルを避けて停止する必要がある。

工学院大学の曽根悟特任教授(交通システム工学)は、「即座に状況を把握することが大切。ブザーに双方向の通話機能をつける方を急ぐべきだ」と指摘する。

JR山手線、京浜東北線など首都圏の通勤列車では、通話型ブザーが導入済みだという。

 

報告書によると、煙は瞬く間に、火元の1両目から2両目の後部まで広がった。

後方の車両から駆けつけた車掌は、「(2両目は)煙で視界が悪く、息苦しいことから、前側に進めなかった」と証言。

亡くなった女性は1両目後部のデッキに倒れていたが、車外から乗降扉を開けてようやく発見された。

 

鉄道火災に備え、国は、車両の不燃・難燃化を進めてきた。

煙対策としては、車両間の煙と熱を防ぐ扉があるが、今回の火災では、避難状況が確認できず、閉めることができなかった。

 

国交省は、事件後、JR5社と緊急会議を開いて煙対策を検討したが、「密閉して火災の延焼を防止するのが原則。排煙は現実的には難しい」と結論づけた。

JR東海の対策も、避難誘導をする乗務員のための防煙マスクの常備にとどまる。

 

ただ、早稲田大学の長谷見雄二教授(建築防災)は、2両目まで煙が充満したことを問題視する。

「もし2両目で発生していたら、逃げ場のない1両目の乗客は非常に危険だった」。列車が停止し、外の扉を開けられるようになるまでの間、できるだけ煙が広がらないようにする必要があると指摘。「空調設備で、客室ごとの気圧を制御できるようにして流入を抑えるなど、被害を小さくするために取り得る対策をもっと考えるべきだ」と話す。

     

出典

新幹線放火から1年、覚知・煙対策なお課題 国が報告書

http://digital.asahi.com/articles/ASJ6Z427JJ6ZOIPE015.html?rm=700

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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