2016年12月15日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正3として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6575/
(2017年3月17日 修正3 ;追記)
2017年3月9日20時46分にNHK松江から、結露のほか取り込まれた外気の水分や塩分などがダクトの内面に付着し腐食が起きたらしいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
島根原発2号機で中央制御室の換気用のダクトに腐食によるとみられる穴が相次いで見つかった問題について、中国電力は、ダクトに取り込まれた外気の水分や塩分などが付着し腐食が起きたことが原因と推定されるとした上で、点検を強化することを盛り込んだ報告書をまとめ、原子力規制委員会などに提出した。
松江市にある島根原発2号機では、去年12月、中央制御室の換気装置の金属製のダクトに腐食によるとみられる縦およそ30cm、横およそ1mの穴があいているのが見つかったほか、その後の点検で、ほかにも18個の穴が確認された。
この問題で中国電力は、原因と再発防止策を報告書にまとめ、原子力規制委員会と島根県に提出するとともに、松江市で記者会見した。
それによると、穴があいた原因については、結露のほか、取り込まれた外気の水分や塩分などがダクトの内面に付着し腐食が起きたものと推定され、これまでの点検計画では、こうした腐食を考慮していなかったとしている。
その上で、再発防止策として点検の強化を盛り込み、具体的にはダクトの点検の頻度を増やすとともに腐食が起きやすいか所は必要に応じダクトを覆う保温材を取り外して点検を行うとしている。
記者会見した中国電力島根原子力本部の広報部長は、「再発防止策を着実に実施して、安全性の向上に努めたい」と述べた。
出典
『島根原発ダクト問題で報告書』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/4034589971.html?t=1489089845802
(ブログ者コメント)
中国電量HPに掲載されている報道資料中のポイント部分は下記。
4.推定原因
(1)腐食の発生原因
点検調査の結果,腐食孔等が外気取入れラインに確認されることおよび腐食が内面を起点として進行していることから,腐食の発生原因は,ダクト内面に発生した結露および外気とともにダクト内に取り込まれた水分や海塩粒子が,ダクト内の構造物や気流の方向が変わる箇所でダクト内面に付着し,腐食を発生させたことによるものと推定した。
外気取入れラインについて,雨水や霧,水分および海塩粒子が取り込まれ,内面から腐食が進行する可能性があることを考慮した点検の計画になっていなかったため,腐食孔に至る前に劣化状況を把握することができなかった。
5.再発防止対策
原因調査および推定原因の結果から,保守点検を見直して適切な保全を行うことが再発防止に有効であることから,再発防止対策として保守点検の内容の見直しを行う。
加えて,ダクト内への水分および海塩粒子の取り込み量の低減ならびに劣化状況の把握性向上の観点から,更なる対策を実施する。
(1)保守点検の見直し
a.内面点検
既設の点検口等からの内面点検に加え,新たに外気取入れラインに追加設置する点検口からも内面点検を実施する。
点検の頻度は,外気取入れラインは1C,外気取入れライン以外は6Cとする。
なお,外気取入れ部についても3Cから1Cに見直す。
b.外面点検
外面点検も引き続き実施することとする。
外気取入れラインの内面の腐食が起きやすい箇所は,念のため,代表箇所の保温材を取り外して,外面点検を実施する。
外気取入れライン以外については,必要に応じて代表箇所の保温材を取り外して,外面点検を実施する。
点検の頻度は,10Cから6Cに見直す。
出典
『島根原子力発電所2号機 中央制御室空調換気系ダクト腐食事象に係る報告書の提出について』
http://www.energia.co.jp/atom_info/press/2017/9919.html
(2017年11月30日 修正4 ;追記)
2017年11月27日21時17分にNHK島根から、3月に提出した報告書に具体的な再発防止策を盛り込み再提出したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年、島根原発2号機で原発の制御を行う「中央制御室」の換気用のダクトに腐食による穴が相次いで見つかった問題で、中国電力は、具体的な再発防止策などを盛り込んだ報告書を改めて国の原子力規制委員会に提出した。
松江市にある島根原発2号機では、去年12月、事故の際に外気を遮断する必要がある「中央制御室」で、換気用ダクトの一部が腐食して穴が開いているのが相次いで見つかり、穴はこれまでに65個見つかっている。
中国電力はことし3月、原因や再発防止策をまとめた報告書を国の原子力規制委員会に提出したが、規制委員会から、より具体的な防止策などを求められたため、27日、新たな報告書を提出した。
報告書では、これまでのダクトは角張った形状をしていて、外気に含まれる水分が角にたまりやすかったことから、丸みを帯びた形状のダクトに取り替えることや、腐食している場所を目視の点検ですぐに見つけられるように、材質をステンレスから炭素鋼に変えることなどの対策が盛り込まれている。
中国電力は、提出した再発防止策が規制委員会に了承されれば、この問題についての住民向けの説明会を、再度、開きたいとしている。
出典
『原発ダクト問題で具体的防止策』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/4033073511.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。