2018年4月24日19時1分にNHK岡山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岡山市の市道をロードバイクで走っていた男性が幅2cmほどの溝にタイヤが挟まって転倒し、道路の安全性に問題があったとして市を訴えていた裁判で、岡山地裁は道路の設置や管理に問題があったと認め、岡山市に38万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡した。
おととし6月、岡山市に住む50代の男性が岡山市北区大供本町の市道の路肩をロードバイクで走っていたところ、幅2cmほどの溝に前輪が挟まって転倒し、胸や指の骨を折るなどの大けがをした。
タイヤの幅は2.3cmだったという。
この溝は、大雨の際の排水のために設けられているもので、男性は、道路の安全性に問題があったとして、岡山市に57万円あまりの賠償を求める訴えを起こしていた。
24日の判決で岡山地裁の佐々木裁判官は、「溝は黒い直線に見え、傾斜もあるため、認識できずに近づいてしまう可能性がある。ロードバイクの普及率は高くないとはいえ、車道を走行することはすでに珍しい光景ではなく、2cmの幅は広すぎる」と指摘した。
そのうえで、この道路は「通常あるべき安全性を欠いていた」として設置や管理に問題があったと認め、岡山市に38万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡した。
判決について岡山市の大森市長は、「弁護士とも相談し、今後の対応を検討したい」としている。
出典
『自転車で転倒「道路管理に問題」』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20180424/4020000235.html
4月24日21時35分に山陽新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
判決理由で佐々木裁判官は、溝の形状と構造について、黒い直線と見える上、溝に向かって勾配があるため、(自転車などが)徐々に近づいてしまう可能性があると指摘。
ロードバイクが車道を走行することが珍しくないことを踏まえ、「タイヤのはまり込みを抑制するには広すぎる幅で、設置・管理の瑕疵に当たる」と述べた。
一方で、「注意深く観察すれば隙間を認識できた」と、男性の過失も一部認めた。
男性側は「主張がおおむね認められ評価できる」とし、岡山市の大森市長は「顧問弁護士とも相談し、今後の対応について検討したい」とのコメントを出した。
出典
『道路管理に瑕疵 岡山市へ賠償命令 市道で自転車転倒しけが 地裁判決』
http://www.sanyonews.jp/article/704760
(ブログ者コメント)
NHKの映像を見ると、車道と歩道との間に縁石があり、その縁石から15~20cm程度離れた車道側に溝が掘られている。
ブログ者が、この車道を自転車走行したとして、後方からの車との接触を恐れ、縁石ギリギリに走ったかもしれない。
ママチャリではあるが・・・。
(2018年5月8日 修正1 ;追記)
2018年5月7日18時59分にNHK岡山から、市は控訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
道路を管理する岡山市は、賠償を命じられた岡山地方裁判所の判決を不服として控訴した。
岡山市は、「市の主張は、今後の裁判で明らかにする」としている。
原告の男性は、「岡山市が控訴したことは残念だ。現場はロードバイクで通行するには危険な場所なので、裁判で争うのではなく、一刻も早く安全性を確保してほしい」と話している。
出典
『「自転車で溝に」岡山市が控訴』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20180507/4020000287.html
(2018年5月23日 修正2 ;追記)
2018年5月22日18時52分にNHK岡山から、市は溝に金網を置くなど対策を検討するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大森市長は22日の定例記者会見の中で、「ロードバイクは増えつつあり、溝に落ちることがないように対応していきたい」と述べた。
具体的には、溝をふさぐ網のようなものを設置することや、溝を狭めるために溝の間に金属の板を設置するなどの対策を、試作品を制作した上で検討し、対応方法が決まりしだい、速やかに対処していくとしている。
出典
『自転車事故受け溝に対策実施検討』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20180522/4020000356.html
5月23日付で読売新聞からは、同様の溝は市内に計30kmあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大森市長は22日の定例記者会見で、事故現場と同じ幅20mmの溝が、市内に計2か所あることを明らかにした。
市道路港湾管理課によると、市が管理する道路で同様の構造をした溝は、計約30kmある。
幅20mmは事故現場とその近くの計1.1kmで、残りは幅15mm以下という。
市は1日、20mmの溝がある2か所に、注意喚起する看板を計6枚設置した。
出典
『道の溝20ミリ 2か所に看板』
http://www.yomiuri.co.jp/local/okayama/news/20180522-OYTNT50295.html
(2019年4月15日 修正3 ;追記)
2019年4月12日19時14分にNHK岡山から、原告側が逆転敗訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
広島高裁岡山支部は、岡山市に賠償を命じた1審の判決を取り消し、訴えを退けた。
12日の2審の判決で広島高裁岡山支部の橋本裁判長は、「ゴミなどによる目詰まりを防ぎ、排水の性能を確保するには2cmの幅が広すぎるとは言えず、タイヤの幅が狭いなら、それを考慮した運転が求められる」と指摘した。
そのうえで、「タイヤが挟まる事故が起きる危険性は高くなく、道路が通常あるべき安全性を欠いていたとは言えない」として1審の判決を取り消し、原告の訴えを退けた。
出典
『「2センチの溝」原告逆転敗訴』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20190412/4020002592.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。