11月5日21時1分にNHK北海道NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午前8時10分ごろ、大空町の女満別空港で、空港を管理する道の作業車が管制から「誘導路上にトビがいるので、向かってください」と連絡を受け、滑走路の先にある誘導路に向かった。
本来、車両が滑走路に進入する場合には、滑走路の手前で停止して、改めて管制の許可を得る必要があるが、この作業車は、許可を得ずに滑走路に進入したという。
このため、管制は、作業車に直ちに滑走路から出るよう指示したうえで、着陸態勢に入っていた新千歳空港発の旅客機日本航空2713便に対して着陸をやり直すよう、指示した。
旅客機は、着陸をやり直して定刻より4分遅れで着陸し、乗客乗員45人にけがはなかったという。
許可を得ずに進入した理由について、作業車を運転していた職員は、「管制から現場に向かう指示を聞いて、滑走路進入の許可も得たと勘違いしてしまった」と話しているという。
国交省は、旅客機が着陸するまでには4kmほどの距離があり、ただちに事故につながりかねない重大インシデントにはあたらないとしているが、女満別空港管理事務所では、「安全上問題があった」として、職員への教育指導を徹底したいとしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20151105/3278241.html
11月6日1時34分に北海道新聞からも、同趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
5日午前8時15分ごろ、オホーツク管内大空町の女満別空港で、新千歳発女満別行きの日本航空2713便ボンバルディアCRJ200が着陸しようとした際、同空港管理事務所の作業用車両が滑走路にいたため、管制官が着陸のやり直しを命じた。
同事務所の20代の職員が、滑走路への進入許可を得たと勘違いしたのが原因。
同便は約5分後に無事着陸、乗客乗員45人にけがはなかった。
国交省や同空港を管理する道などによると、午前8時5分すぎ、管制官が滑走路(長さ2500m、幅45m)の北端から約500m南の誘導路上に鳥2羽がいるのを発見。
航空機が着陸する際、鳥がエンジンに吸い込まれるトラブルを防ぐため、女満別空港管理事務所に鳥を追い払うよう要請した。
作業用車両は滑走路などの点検中で、許可を得たと勘違いして滑走路を走行。
約5分後、滑走路の中央付近を北に向かって走る車に管制官が気づいた。
同機は、空港の北約3~4kmの地点を南に向かって飛行していた。
国交省は、同機と空港の間に距離があったことから、事故につながりかねない「重大インシデント」には当たらないと判断した。
出典URL
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0198556.html
(ブログ者コメント)
NHKの記事によれば、作業車が管制官から直接、要請を受けたと解釈できる。
一方、北海道新聞の記事によれば、管制官は管理事務所に要請し、作業車は事務所から間接的に指示されたと解釈できる。
どちらが正かは不明だが、すでに飛行機が着陸態勢に入っていることから考えると、NHKの報道のほうが正しいような気がする。
仮にNHK報道が正だとすると、今回事例の反省点として、管制官が「滑走路に入る前には、連絡すること」と念押しして伝えておくべきだったのだろうか?
それとも、作業車の職員が「今から滑走路に入ってもいいのですね」と確認すべきだったのだろうか?
本件、コミュニケーションあるいは復唱復命が不十分だったために起きた事例のような気がする。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。