2017年7月27日10時1分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年1月、韓国・釜山沖でJR九州高速船の「ビートル」の乗客・乗員計9人が負傷した事故で、運輸安全委員会は27日、現場の海域ではクジラなどとの衝突を避けるため、減速して見張りを強化する「鯨類警戒航行」をすることになっていたのに、男性船長(42)が乗員に指示せず、海洋生物と衝突したことが原因とする事故調査報告書を公表した。
背景にある事情として、JR九州高速船が
(1)船長に遅延は5分までと伝えていた
(2)警戒航行の実施要領を明文化せず、周知していなかった
ことなどを挙げ、警戒航行を徹底するよう勧告した。
報告書によると、昨年1月8日午前、ビートルは乗客184人を乗せて釜山港から博多港(福岡市)に向けて出発。
午前10時ごろ、時速74kmで航行中、海洋生物と衝突し、乗客7人が胸の骨を折るなどのけがをし、乗員2人も負傷した。
この海域では、過去に海洋生物との衝突事故があり、JR九州高速船は、警戒航行を船長に口頭で指示していたが、実施要領を安全管理規定には明記していなかった。
一方、事故4日前に現場近くで体長17mのクジラが目撃されており、船長は、事故前日の運航までは乗員に目撃情報を伝え、警戒航行を指示していた。
しかし、事故当日は出港時刻が遅れると思い、乗員との打ち合わせの場を持たず、海域に入る前の指示も忘れていた。
出典
『クジラ? 海洋生物と衝突9人負傷…「鯨類警戒航行」指示せず事故につながる 運輸安全委が調査報告書公表』
http://www.sankei.com/west/news/170727/wst1707270045-n1.html
7月27日11時9分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
韓国・釜山沖で昨年1月、博多港行きの高速船がクジラとみられる海洋生物とぶつかった事故があり、国の運輸安全委員会は27日、報告書を公表した。
乗務員が必要な見張りをせず、海洋生物の発見が遅れたと指摘。
委員会は船会社に、クジラ対策を徹底するよう勧告した。
事故は昨年1月8日、釜山発の高速船「ビートル」(乗員乗客191人)で発生、乗客3人が骨折した。
報告書によると、現場海域では事故の数日前にクジラが目撃されていた。
そのため、船会社のJR九州高速船(福岡市)は、船長らに、速度を落とし見張りを強化する「警戒航行」を指示したが、船長は、見張り強化やワゴン販売の中断など、必要な指示を乗務員に出していなかった。
販売中の乗務員は転倒して頭などを打ち、購入したコーヒーがこぼれて手をやけどした乗客もいた。
同社にはクジラ対策の社内規定がなく、別の船長たちも警戒航行を徹底していなかった。
委員会は、規定の設置を勧告した。
出典
『船の運航「クジラ対策徹底を」 高速船衝突受け国が勧告』
http://www.asahi.com/articles/ASK7T7QS3K7TUTIL05B.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。