2016年7月21日付で長崎新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月21日17時46分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
長崎バス大橋営業所の男性運転手(44)が、乗務前の呼気検査でアルコールが検出されたにもかかわらず、客を乗せてバスを運転していたことが、20日、分かった。
検出されたアルコールは酒気帯び運転の基準値未満だったが、運転手は再検査時に後輩の男性運転手(29)に検査の身代わりを依頼し、パスしていた。
同社は、「信頼を損なうことになり申し訳ない。詳細を確認し、就業規則に照らして厳正に対処する」としている。
同社によると、19日午前6時25分ごろ、男性運転手が出勤後にアルコール検知器に息を吹き込んだところ、呼気1リットル中0.113mgのアルコールを検出。
運転手は、同営業所で運転手の健康状態などを確認する運行管理者(25)から5分後の再検査を命じられたが、出勤してきた後輩を呼び止め、自らの社員IDで代わりに息を吹き込ませた。
アルコールが検出されていない結果が印字され、運転手はその紙を運行管理者に提出して、午前6時半すぎに路線バスで営業所を出発した。
運行管理者が、運行開始約20分後、検知器に息を吹き込む時に撮影された顔写真と名前などのデータが一致していないことに気付き、不正が発覚。
営業所長がバスの路線を先回りし、午前7時半ごろに乗務停止を言い渡した。
運転手は、乗客約50人が利用した横道発立神行きの片道路線と、回送区間の計約15kmを走行した。
道路交通法では、酒気帯び運転の基準値は呼気1リットル中0.15mg以上だが、同社の内規では、再検査でアルコールが検出された運転手は「乗務停止」となっている。
同バスは、運転前8時間の飲酒を禁じている。
同社の調べでは、問題の運転手は「前日に飲酒はしていない。出発時刻が迫っていて早く業務に就きたかった」と話している。
勤続11年4カ月で、過去の呼気検査でアルコールが検出されたことはないという。
代わりに検査を受けた運転手は、「先輩の頼みで断り切れなかった」と話しているという。
同社は、再検査を本人がしているか、運行管理者の確認が不十分だったと認めている。
その上で、「バス事業者として、今回のようなアルコールに関わる案件は絶対にあってはいけない」としている。
呼気検査の手順を徹底し、乗客の安全を守ることなどについて再教育する文書を全社員に出すという。
出典
『「酒気」検出でバス乗務』
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/07/21091633048517.shtml
『長崎バスの運転手、替え玉で酒気検査すり抜け』
http://www.asahi.com/articles/ASJ7P3R0SJ7PTOLB00F.html
(ブログ者コメント)
運行管理者が20分後に別人だと気付いたのは何故だろう?
漠然と見ていて気付いたのだろうか?
それとも、呼気検査写真を確認することも、業務の一つだったのだろうか?
もし後者だったとすれば、その点に限っては安全管理が機能したことになる。
(2016年8月14日 修正1 ;追記)
2016年8月6日付で長崎新聞から、会社が過去1年分の実態を調査した結果、同様な案件があったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月5日22時52不運に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『長崎バス呼気検査別の不正』
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/08/06090153048660.shtml
『長崎バス 酒気帯び状態なのに…52歳男性が路線バス運転』
http://mainichi.jp/articles/20160806/k00/00m/040/174000c
大橋営業所での不正を受け、同社が昨年7月以降の1年間を対象に、全運転手698人分の検査実態を調べた結果、柳営業所の男性運転手も同様の不正行為をしていたことが、5日、分かった。
同社によると、柳営業所の運転手(52)は、7月17日朝、乗務前の呼気検査で、酒気帯び運転の基準値を超す呼気1ℓ中0.209mgのアルコール分を検出。
家族を電話で呼び出し、再検査を受けさせた。
検査担当の男性職員(68)も黙認し、運転手は乗客約30人を乗せて約1時間、路線バスを運行した。
「前日夜に350mℓの缶ビール11本を飲んだ。検査前に(アルコール成分が入った)うがい薬を使った。再検査でも(ビールの)アルコールが出るかもと思い、家族を呼んだ」と話しているという。
調査では、乗務前後の呼気検査をしていなかったケースも、乗務前で4件、乗務後で8件あったことも判明。
「業務に追われ失念していた」などと釈明しているという。
同社は、5日、国交省長崎運輸支局に調査結果を報告。
再発防止策として、各営業所の運行管理者の増員や、定期的な呼気検査の実態調査などに取り組むとしている。
検査は、運転手が呼気を吹き込むと、機械からデータが社内に送られる仕組み。
(ブログ者コメント)
2015年8月5日付で長崎自動車HPに、上記2事例の詳細や測定に顔認証システムを導入するなどの改善策が、お詫び記事として掲載されている。
http://www.nagasaki-bus.co.jp/bus/news/detail.php?data_id=487
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。