







2019年5月16日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
園児2人が死亡した大津市の交通事故をきっかけに、地域特有とされる危険な運転が注目を集めている。
対向車がいるのに強引に右折するといった長野県松本市の「松本走り」について、菅谷市長は13日の定例記者会見で、「松本走りが根付いているなら残念。直していかなければならない」と話した。
全国でも、「茨城ダッシュ」「伊予の早曲がり」などが指摘されており、警察は注意喚起している。
「松本走り」とは、「対向車が左折するすきを見て、ほぼ同時に右折」などが特徴。
観光客から苦情が寄せられているといい、松本市は3月、広報誌に特集を掲載。
ルールの確認や譲り合う運転を呼び掛けた。
市によると、「松本走り」が当てはまる右折時の交通事故は、昨年、市内で78件発生している。
山梨県警は3年前、公式ツイッターで「山梨ルール」について言及。
「右折車が対向直進車のすきを突いて曲がる」、「横断歩行者がいても一時停止しない」ケースを挙げ、「重大事故につながる」と注意を呼び掛けた。
こうした危険な運転のほとんどは、右折時のものだ。
大津市の事故も、右折車が直進車と衝突したことで起きた。
同様の事故は昨年、全国で1万8712件発生。
うち死亡事故は130件だった。
危険な運転に地域性はあるのか。
長野県警幹部は、「市民の性格の問題ではないだろう」とみる。
「旧城下町の松本市は片側1車線の道路が多く、右折しようとすると渋滞になる。後続車に迷惑をかけないように早く右折する意識が強いのではないか」
愛媛県で聞かれる「伊予の早曲がり」や茨城県の「茨城ダッシュ」も、右折時の危険な運転だ。
いずれも、交差点で信号待ちをしていた車が青に変わった直後に急発進し、対向する直進の先頭車より先に右折するという。
「伊予の早曲がり」は、言葉が生まれた時期や経緯は定かでない。
他県より多いわけではないが、愛媛県内では昨年、道路横断中に歩行者がはねられる事故が相次ぎ、年間の死者59人中、22人が横断中だった。
「茨城ダッシュ」について茨城県警の担当者は、「一つの信号を早く通過できても、目的地への到着時間は大きくは変わらない」と話す。
16年連続で交通事故死者数が全国ワーストの愛知県では、ウインカーなしの車線変更や信号無視、無理な割り込みなどの危険な運転を「名古屋走り」と呼んでいる。
自動車保有台数が全国最多で、道幅が広く車線も多いことが「名古屋走り」を誘発しているとみられる。
愛知県警は、持ち運び可能な速度違反取り締まり装置を使った摘発や取り締まりを強化している。
【識者「意識変えられる」 】
危険運転を防ぐことはできるのか。
専門家は可能だと指摘する。
藤井聡・京都大大学院教授(交通心理学)は、「地域特有の運転文化が形成されるのは、若い運転手が周囲を模倣することで運転を学んでいくからだ」としたうえで、「例えば、日本で公共の場での禁煙が広まったように、こうした文化は教育や啓発活動を通じて意図的に変えられる。大津市の事故を機に、地域特有の運転の危険性を認識し、安全を最優先して文化の変容を目指すべきだ」と語った。
名古屋工業大の松井寛名誉教授(交通工学)は、「道路構造は簡単には変えられないので、ドライバーの意識を変えていくしかない。運転免許更新時の講習で、その街に特有の道路構造の問題点をドライバーに丁寧に周知してもらうことが求められる」と話した。
出典
『ご当地危険運転 なくそう 松本走り・茨城ダッシュ・山梨ルール・伊予の早曲がり これ全部、強引な右折』
https://mainichi.jp/articles/20190516/ddm/041/040/125000c
※「松本走り」については、上記報道の前日、2019年5月15日に信濃毎日新聞からも、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大津市で右折車が対向車に衝突し、園児らが巻き込まれた事故を受け、松本市に多いとされ、強引に右折しようとする危険運転の通称「松本走り」が注目を集めている。
城下町で狭い道が多く、右折レーンを設けにくいといった背景があるとされるが、悲惨な事故を機に、松本市は根絶に向けて改めて注意を呼び掛けている。
市交通安全・都市交通課によると、松本走りは交差点で対向車が接近しているにもかかわらず右折したり、後続車がいるのに左折する対向車に合わせて右折したりする危険運転。
いつから呼ばれるようになったかは不明だが、県外の観光客らが訪れる大型連休や長期休みが終わると、交通マナーの悪さを指摘する書面が届くこともある。
大津市の事故後にはインターネット上でも話題に。
「松本に行きたくなくなった」などの書き込みも出始めた。
「『おいおい』と思うタイミングで曲がってくる車がある」。
1カ月前に京都府から松本市に転勤してきた会社員男性(41)は話す。
歩行者の横断を邪魔するような運転もあったとし、「強引な印象は否めない」。
大阪府から1年前に転入した会社員男性(26)は、「右折専用レーンが少ない環境が問題」と指摘する。
松本市は今年3月、広報紙で「危険知っていますか?松本走り」と題して特集。
反則金の対象になる交通違反であることも紹介した。
担当者は、「痛ましい事故をきっかけに話題になるのは、市民にとっても悲しいこと。譲り合いの運転を心掛けてほしい」と求める。
菅谷市長は13日の定例記者会見で、「根付いているなら残念なことで、直していく必要がある」と述べた。
松本署によると、市内では今年、右折車と対向車の事故が10日までに19件起きた。
出典
『大津の事故で「松本走り」に注目 強引な右折根絶呼び掛け』
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190515/KT190514FTI090018000.php
(ブログ者コメント)
ブログ者の住んでいる市原市では、信号で右折する際、直前までウインカーを出さない、あるいは右折し始めてからウインカーを出すという車をしばしば見かける。
片側1車線の道路であればまだしも、片側2車線以上の、直進と右折の両方が可能なレーンでこれをやられると、後ろに並んでいた直進車はクソッと思ってしまう。(ブログ者だけかもしれないが)
その車をよけて前に進もうと車線変更する際に、左側車線を走ってきた車に追突される恐れもある。
これなど「市原曲がり」?
2019年5月15日に掲載した第1報(2/2)がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報(2/2)は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9649/
(2019年5月21日 修正1 ;追記)
2019年5月14日7時0分に京都新聞からは、急ハンドルや急発進はなく前の右折車との間に一定の距離もあったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
直進の軽乗用車と衝突した右折車は、急発進などの運転はしていなかったことが13日、関係者への取材で分かった。
軽乗用車のドライブレコーダーに写っていたという。
警察は、さらに事故の状況と原因の分析を進める。
関係者によると、軽乗用車のドライブレコーダーは前方を写しており、衝突前から歩道奥で停車するまでの事故の一部始終が記録されていた。
事故をした乗用車は、ゆっくりと右折レーンから曲がり始めており、急発進や急ハンドルはなかった。
乗用車の前には別の車が右折していたが、一定の距離があり、連なるように右折したのではないという。
出典
『右折車、急発進や急ハンドルなし 直進車ドラレコ分析、大津』
https://this.kiji.is/500790405050418273?c=39546741839462401
5月17日23時12分に産経新聞westからは、右折車の運転手は考え事をしていた、時速10㎞で右折したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大津地検は17日、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の罪で、同市一里山の無職、S容疑者(女性、52歳)を起訴した。
起訴状によると、S被告は8日午前10時15分ごろ、大津市大萱(おおがや)の県道交差点を、考えごとをしていて安全確認をせずに時速約10kmで右折し、対向車と衝突。
歩道で信号待ちをしていた保育園児らの列に対向車が突っ込み、園児2人を死亡させたほか、14人にけがをさせたとしている。
出典
『大津事故「考え事をしていた」 右折車の女を起訴』
https://www.sankei.com/west/news/190517/wst1905170033-n1.html
(2019年10月19日 修正2 ;追記)
2019年10月18日19時32分に産経新聞から、公判中に起こしたストーカー行為でもS容疑者が起訴されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
知り合いの男性に連絡を取るように執拗(しつよう)に迫ったとして、大津地検は18日、ストーカー規制法違反などの罪で、大津市一里山の無職、S容疑者(53)を起訴した。
起訴状によると、S被告は8月27日、男性の携帯電話に「悪になる」「さらす」とのメッセージを送信して脅迫。
9月2日と同5日には男性の勤務先に電話をかけ、「こんなに好きやのに。苦しい。(男性の)写真は消さへんよ。2人で話したい」などと連絡をとるようにしつこく迫ったとしている。
S被告は5月、大津市の交差点で信号待ちをしていた保育園児らの列に車が突っ込み、16人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われ、大津地裁で公判中。
https://www.sankei.com/affairs/news/191018/afr1910180065-n1.html
※5月に事故を起こしたのに公判中の8月にストーカー行為?
調べてみると、あれだけの事故を起こした人間とは思えないような以下のような情報が見つかった。
(2019年10月1日19時54分 J-CASTニュース)
大津市内で保育園児2人が死亡するなどした事故で、原因となった右折車を運転していた無職の女(53)が地方公務員の男性(49)にストーカー行為をしたとして逮捕され、ネット上で驚きの声が上がっている。
公判中にも関わらずに事件を起こしていたからだ。
事故の被害弁護団からも、厳しい声が聞かれた。
【起訴事実認めた初公判、しかしそのときすでに... 】
「考えごとをしていた」。
女は2019年5月8日の事故当時、前をよく見ていなかったといい、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた7月17日の大津地裁での初公判では、「間違いありません」と起訴事実を全面的に認めた。
女は、このときすでに保釈されていたが、滋賀県警の捜査第1課にJ-CASTニュースが10月1日に聞いたところなどによると、この初公判前の6月下旬には、滋賀県内在住の男性と出会い系サイトで知り合っていた。
しかし、直接会ったことがないまま、男性が「連絡を止めましょう」と女にLINE上で伝えると、女は8月27日、男性とのやり取りをネット上などに晒すと、複数回にわたって脅迫した疑いが持たれている。
また、9月2、5日には、男性が勤める役所に計10回以上も電話し、「2ちゃんねる(5ちゃんねる)に写真を上げたらどうするの?」などと男性に話して連絡を取ることを強要しようとしたとも見ている。
女は、9月30日にストーカー規制法違反などの疑いで逮捕され、県警の調べに「間違いない」と容疑を認めているという。
公判中に起こした事件だけに、ネット上では、大きな話題になっている。
「事故後にこういう事をするとは信じられません」「本当に反省してたのかな?と感じてしまう」「ご遺族の気持ちを考えるといたたまれない」と疑問や批判の声が次々に上がった。
【ヒラヒラの着いた服を着て、被害者側に頭下げず】
一方、「事故を起こして精神的に辛かったのかもしれない」「自暴自棄になってやってしまった?」といった憶測も出ていた。
事故の被害弁護団の広報をしている石川弁護士は10月1日、初公判のときの女の様子について、取材にこう話した。
「法廷に入って来たときは、検察官席近くにいる被害者の皆さんに頭を下げることなく、被告人席に歩いて行きました。会釈をするのが普通だと思っていましたが、見向きもしなかったですね。服は肩にレース状のヒラヒラが着いた白いブラウスを着ており、髪も内側にカールしておめかしした姿で、ちょっと感覚がおかしいのではないかと思いました。法廷を出るときも、被害者の方を見向きもしなかったので、呆気に取られましたね。被害者の皆さんからは、『反省の態度が見られない』との声が上がっていました」
初公判前には、女の代理人弁護士から「謝罪の手紙を送りたい」との連絡はあった。
拒否せずに受け取った被害者もいたが、「ありふれた反省の言葉が並んでいました。弁護士の指導を受けて、無難な内容になっていたのだと思います」。
女は、被害者の住所を知らなかったため謝罪などに来なかったというが、「顔も見たくない」という被害者がほとんどだそうだ。
女が初公判前に出会い系サイトを利用していたことを報道で知り、「聞いたときはびっくりしました」と石川弁護士は言う。
「精神的に辛いなどというのは、言い訳にはなりません。裁判官は、被告が反省と悔悟の日々を送っていると思っています。被告への心証が悪くなるのは、間違いないと思います」と話した。
2回目の公判は、10月8日に予定しているが、女が事件を起こしたことで証人尋問や被告人質問はなくなり、併合審理にするのかといった公判の進め方を確認することになるという。
https://www.j-cast.com/2019/10/01369031.html?p=all
(2019年11月11日 修正3 ;追記)
2019年11月8日14時46分にNHK滋賀からは、事故後の横展開対応状況に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
県や大津市では補正予算を組み、一部ではガードレールや防護柵が設置されるなど整備が始まっています。
一方で、周辺の住民との調整が必要なうえ、工事をするには入札が必要なことなどからほとんどで整備が進んでいないということで安全対策の対応が終わるには時間がかかる見通しです。
【行政の対策は】
事故を受け、国は保育園や幼稚園などの周辺の道路の緊急点検を求め、9月末時点で国と県、それに市と町が管理する道路808か所で早急な安全対策が必要とされています。
このうち、県が管理する道路では、今年度中におよそ3億5000万円かけて、50か所で防護柵を、377か所で歩道と車道を区切るブロックの設置や横断歩道の補修が行われることになっています。
一方、大津市では、国道や県道、それに県警が管理する横断歩道などを除く697か所について、およそ9億円かけて、歩道にガードレールなどを新たに設置したり、小学校の通学路に歩道を整備したりする工事を行うことにしています。
工事は先月末までに24か所で始まり、今年度中にすべて完了する予定です。
このほか、市では、ことし7月に全国に先駆けて、市内4か所の保育園とこども園の周辺に「キッズゾーン」を設置しました。
「キッズゾーン」は、小学校の通学路に設けられている「スクールゾーン」のように、道路にペイントするなどして近くに保育施設があることをドライバーに知らせ注意を促そうというものです。
市では効果を検証しながら、市内の保育施設187か所の周辺でも設置を検討しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20191108/2060003777.html
(2020年2月19日 修正4 ;追記)
2020年2月17日18時53分に朝日新聞からは、被告に実刑判決という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
裁判所は「安全確認という基本的なことを怠ったことで、幼い命や未来が突如、奪われた」と指摘し、禁錮4年6か月の実刑判決を言い渡しました。
・・・・・
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200217/k10012288851000.html
2019年5月10日付で秋田魁新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
子どもが絡む交通事故を根絶するために、歩行者やドライバーらはルールを守るほかに何ができるのか。
事故対策を研究する秋田大大学院理工学研究科の水戸部一孝教授(人間情報工学)に聞いた。
【子どもは空間認識困難】
水戸部教授によると、小学校低学年くらいまでの子どもは、奥行きのある空間を認識する機能が発達しきっていない。
そのため、物陰から車が飛び出してくる危険性を子ども自身が想定するのは困難。
道路横断中、走行する車がどの程度の時間で至近に迫るかの予測も難しく、危険な横断をしてしまう恐れがあるという。
対策は、「高学年の上級生や保護者が付き添って登下校するしかない」と指摘。
付き添う側も、横断歩道を渡っているから安心と思い込みがちだとした上で、「歩道や横断歩道も車が通る公道である以上、決して安全ではない。ドライバーに配慮を期待する考えは、自分の命を他人に預けるようなもの。周囲に目を配り、自分の身は自分で守る意識が必要」
【時速50kmで致死率80%】
ドライバーは、通学路周辺や子どもが多い道路で速度を抑制することが求められる。
車と歩行者の事故について、歩行者の致死率は時速30kmまでほとんど高まらないが、それ以上になると一気に上昇し、50kmで約80%に達するという。
「速度を落とせば、幅広いエリアに注意を配れるので、事故予防にもつながる」
生活道路での交通事故を減らすため、県内では最高速度を30kmに制限する「ゾーン30」の整備区域が増えている。
【家族が認知機能を確認】
高齢ドライバーが運転操作を誤って事故を起こすケースも後を絶たない。
75歳以上は運転免許更新時に認知機能検査が義務付けられるが、3年に1度。
「高齢者の認知機能は、その日の体調や服薬などに影響されやすい。年1回でも足りないくらい」
ただ、日常的に検査を受けるのは現実的でない上、機能低下を自覚するのは難しい。
有効なのが、家族ら周囲によるチェックだ。
「交通違反で取り締まりを受けたり、車をこすったりぶつけたりしたら、認知機能の低下を疑ってほしい」。
また、高齢者ほど運転に自信を持ちがちで、日頃から謙虚な姿勢で運転することが大事という。
出典
『子供の事故どう防ぐ、謙虚な運転を 水戸部・秋大教授に聞く』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190510AK0009/
2019年5月11日付で上毛新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午後2時50分ごろ、南牧村大仁田の烏帽子岳登山口駐車場付近の村道で、停車中のマイクロバスが動きだし、道を外れて斜面に転落した。
車内にいた茨城県取手市の登山グループの50~80代の14人が救急搬送され、このうち女性3人が重傷、男女11人が軽傷を負った。
警察は、業務上過失傷害の疑いで、バスを運転していた茨城県守谷市立沢、自営業、E容疑者(66)を現行犯逮捕し、事故原因を調べている。
逮捕容疑は、同日午後2時50分ごろ、運転手としてバスが動かないように安全に停止させる義務を怠り、乗客にけがをさせた疑い。
容疑を認め、「サイドブレーキはかけたと思うが、甘かったかもしれない」などと供述しているという。
バスはエンジンをかけたまま停車していたが、E容疑者が車外に出ていた際に前方向に動き出し、村道を50mほど進んだ後、ガードレールのない部分から転落。
落差約20mの斜面で木々の間に突っ込んだ状態で止まった。
当時、車内には15人が乗っており、E容疑者のほかに3人が車外にいた。
警察は、バスのギアがニュートラルに入っていたとみて詳しく捜査する。
乗っていたのは、茨城県取手市の「取手山の会」のメンバー18人。
この日、南牧村の烏帽子岳を登山した後、同県内に戻るところだった。
E容疑者は同会から依頼を受けて、自ら所有するレンタカーのマイクロバスを運転していた。
バスが動きだした際は、車外で荷物を積み込んでいたという。
通報を受けて、県のDMATやドクターヘリなども出動。
重傷者を前橋日赤や長野県佐久市の病院に搬送したほか、軽傷者は公立富岡総合病院で治療を受けた。
現場は大仁田ダムの東約350mで、村道は険しい坂道となっている。
転落の衝撃で車内の通路に投げ出されたという男性(68)は、「止まっていたバスに乗客が乗り込んでいる最中に急に動きだした。キャーという叫び声が聞こえた」と、車内の混乱ぶりを振り返った。
別の男性(81)は、「シートベルトを締めた直後に動きだした。発車したのかと思った」と話した。
出典
『南牧村でバス転落 茨城の登山グループ14人が重軽傷』
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/130553
5月10日22時28分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
バスのギアはニュートラルの状態だった。
出典
『バス斜面滑落、ギアをニュートラルで運転手放置』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190510-OYT1T50295/
5月11日6時55分にNHK群馬からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
その後の調べで、バスは停車した際もエンジンがかかったままの状態だったとみられることがわかった。
出典
『バス エンジンかけたまま停車か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/20190511/1060004453.html
5月13日付で上毛新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
バスが停車していた際、車輪が動きだすのを防ぐ「タイヤストッパー」を置いていなかったことが12日、捜査関係者への取材で分かった。
出典
『停車時にタイヤ止めなし バス運転手を送検 南牧の12人重軽傷』
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/130871
(2019年5月31日 修正1 ;追記)
2019年5月30日13時47分にNHK茨城から、運転手が白バス容疑で再逮捕されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
その後の警察の捜査で、マイクロバスは事業用ではない、いわゆる「白ナンバー」だったのに、E容疑者が登山客から運賃を受け取るなど無許可で運送事業を行っていたことがわかり、警察は30日、道路運送法違反の疑いで再逮捕した。
調べに対し、容疑を認めたうえで、「去年7月ごろから運賃をもらって運行していた」などと供述しているということで、警察が違法な営業の実態をさらに調べている。
出典
『転落バス運転手 無許可で運送か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20190530/1070006337.html
(2019年10月19日 修正2 ;追記)
2019年10月17日付で上毛新聞から、運転手に執行猶予付きの有罪判決が下ったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
群馬県南牧村大仁田で乗客13人が重軽傷を負ったバス事故で、道路運送法違反(白バス営業)と業務上過失傷害の罪に問われた茨城県守谷市、自動車修理販売業の男(66)の判決公判が16日、前橋地裁であった。
国井裁判長は「不十分な安全管理で旅客運送の安全を軽視した上、車の改造費目的の動機は極めて身勝手」などとして、懲役2年、罰金50万円、執行猶予4年(求刑懲役2年、罰金50万円)を言い渡した。
判決では、坂道でバスを止める際、確実に停止させる基本的な注意義務を怠ったと指摘。
前進したバスが樹木に衝突して止まらなければ、多数の人の命や身体の安全を害する危険性があり、「被害者らの受けた恐怖は相当なものだった」とした。
一方、けがをした13人のうち、11人と示談が成立しているなどとして、執行を猶予するとした。
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/167162
2019年5月9日11時37分にNHK鹿児島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
法律で義務づけられている自動車の後部座席のシートベルト着用率が一般道で全国で最も低いとされた鹿児島県で、警察のアンケートに対し、およそ4割のドライバーが一般道でのシートベルト着用は「義務ではないと思っていた」と誤解していたことがわかった。
去年10月、警察庁とJAF=日本自動車連盟が行った調査で、鹿児島県では後部座席のシートベルト着用率が一般道で17.5%と、全国で最も低くなった。
これを受けて県警察本部がことし1月から2月にかけて、3025人の県内のドライバーを対象にアンケート調査をしたところ、全体の4割にあたる39.2%が後部座席のシートベルト着用について、「一般道では義務ではない」と誤った認識だったことがわかった。
また、後部座席に乗った人に一般道でシートベルトを着用するよう促すか尋ねたところ、「全く促さない」と「あまり促さない」と答えた人は、あわせて54.8%にのぼった。
その理由については、「義務ではないから」や「着用している人があまりいないから」などに加え、「言いにくいから」という答えも多かったという。
後部座席でシートベルトを着用せずに事故に遭うと、外に放り出されたり、同乗者にぶつかってけがを負わせたりするおそれがあることから、県警察本部は、今後、ドライバーへの呼びかけなどを通し、周知をはかりたいとしている。
出典
『後席ベルト着用義務 4割が誤解』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20190509/5050006301.html
2019年5月9日11時34分にmBS NEWSから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午前10時すぎ、大津市大萱の交差点で、直進してきた軽乗用車が右折しようとした乗用車と衝突した後、信号待ちをしていた園児13人と保育士3人の列に突っ込んだ。
この事故で2歳のIちゃん(男児)とHちゃん(女児)が死亡、2歳の男の子が意識不明の重体で、ほかの園児らも重軽傷を負った。
警察によると、乗用車を運転していたS容疑者(女性、52歳)が「前を見ていなかった」という趣旨の供述をし、軽乗用車を運転していた女性(62)は「右折してきた車を左に避けようとした」などと話しているということで、62歳の女性は8日夜、釈放された。
過失の程度が低いと判断されたとみられる。
警察は、軽乗用車に設置されていたドライブレコーダーを解析するなどし、事故の原因を調べている。
出典
『大津市園児2人死亡事故 右折車の女「前を見ていなかった」と供述』
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20190509/GE000000000000027681.shtml
5月10日12時1分にmBS NEWSからは、対向車を確認しないまま前の車に続いて右折したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を起こした車のドライブレコーダーを解析したところ、事故当時、現場には右折を待つ車の列ができていて、乗用車を運転していたS容疑者(52)が前の車に続いて右折していた。
「右折車がずっと続いていた。その列が続いていて直進車とぶつかった」(目撃者)
警察は、S容疑者が対向車を確認せずに前にいた車に付いていく形で右折しようとしたとみて調べている。
出典
『衝突直前、前の車に続くように右折 大津・園児死傷事故』
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20190510/GE000000000000027694.shtml
5月9日22時16分に産経新聞westからは、現場は混雑する交差点として知られていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故が発生した大津市大萱の周辺住民によると、現場の県道交差点は、見通しがいいものの、滋賀県第2の都市である草津市方面に向かう右折車が多く、「よく混雑している交差点」として知られていた。
「右折できる時間が短いので、焦って曲がろうとする車が多い印象がある」。
事故後、近隣住民の男性(68)は現場について、こう語った。
近くの無職の女性(81)は、琵琶湖沿いの直線道路のため、「眺めも良く、直進車のスピードが出がちだ」と説明する。
滋賀県警によると、この交差点では過去5年間に、人身事故はなかったものの、物損事故は13件あった。
このうち追突事故は6件、直進車と右折車の事故は3件発生している。
事故対策のため、滋賀県は車道に減速帯を表示。
県道路保全室の担当者は、「現場は交通量が多く、渋滞も発生する。車のスピードも速いため、危険箇所として対策を講じていた」としており、事故を受けて新たな交差点対策を検討中という。
交通事故総合分析センター(東京)によると、平成29年に起きた人身事故47万2165件の約4割が交差点内の事故。
このうち約3割が右折事故だった。
同センターの担当者は、「右折は、歩行者や対向車など、多くの危険に同時に注意を向けなければならず、非常に高度な作業。ちょっとした油断で安全確認を怠ると重大事故につながることがある」と指摘している。
出典
『大津事故 現場の交差点は渋滞多発、右折に焦り』
https://www.sankei.com/west/news/190509/wst1905090034-n1.html
5月10日14時30分にFNN PRIME(めざましテレビ)からは、事故現場の後追い取材では右折できるまで8分かかったなど、下記趣旨の記事が複数の図解付きでネット配信されていた。
右折車と直進車の事故による死亡率は、正面衝突、追越追抜事故に次ぐ3位。
どういうタイミングで起きやすいのか?
元千葉県警交通事故捜査官の熊谷宗徳氏は、「事故は、黄信号から赤信号に変わるタイミングに発生することが多い。お互いに“止まるだろう、譲ってくれるだろう”という気持ちがあるのだろう」と話す。
実は、信号機が「ある」交差点の方が右折車の事故が起こりやすいという統計もある。
取材班は、東京都内で最も右折車の事故が多いという板橋区の熊野町交差点を走行してみた。
ここは山手通りと川越街道が交わる場所だ。
取材班の車が交差点に差しかかっても、対向車が直進なのか左折なのかギリギリまでわからない。
交通量は非常に多く、交通整理をされる警察官の姿もあった。
この交差点で起きた年間19件の人身事故のうち14件が右折時に起きていて、信号の変わり目で、無理な右折による事故が多発しているという。(一般社団法人「日本損害保険協会」HPより)
大津市で車が保育園児の列に突っ込む事故が起きた交差点でも、似た状況があった。
事故があった丁字路に差しかかると、信号が青にもかかわらず、右折レーンには20台、100m程の列ができている。
対向する直進車両の数が多く、右折車がなかなか先に進めない。
信号を曲がりきるまでに8分かかった。
事故が起きた大津市の交差点も、東京・板橋区の熊野町交差点も、右折待ちの列が長く、少しでも直進車の間隔が空くと、車の隙間を縫うようにして車が右折していた。
中でも危険なのが、後追い右折だ。
前の車が右折できても、自分が右折できるタイミングだとは限らない。
では、交差点の入り口に止まった車が右折し終わるまでに、どのくらいかかるのか?
都内の交差点で測ってみると、車が右折するのに要する時間は約6秒。
一方で、時速50kmで直進する車が6秒間に進む距離は、およそ84m。
対向車が離れていると思っていても、あっという間に近づいてくるのだ。
右折の矢印でも、警戒が必要だ。
信号の矢印が点灯している間は対向車線は赤になり、右折できる時間となるが、熊谷氏は「絶対に対向車が止まってから右折するべき」と話す。
矢印が点灯する限られた時間内に曲がろうと焦ったり、油断することが事故を生みやすいという。
このように、右折する際には多くの安全確認が必要だ。
対向車の動きだけでなく、歩行者やバイクの動きなど、確認すべきことはたくさんある。
熊谷氏は「安全だと思える状況がなければ右折はしてはいけない」と話す。
今回の事故で問われるガードレールの設置基準について、国交省は、「車の速度が速い箇所」や「歩行者の交通量が多い箇所」を中心に設置しているとする。
また、滋賀県大津市の道路を管理する道路課は、「ここ数年、人身事故が無かったことと直線で見通しがよかったことから、ガードレールは設置されていなかった」としている。
出典
『滋賀大津市の事故を二度と起こさないために “右折事故危険地帯”にみた危険性
と対策』
https://www.fnn.jp/posts/00045190HDK
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
5月14日付で毎日新聞東京版からは、事故の波紋が広がっているなど、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
園児2人が死亡、1人が重体、保育士を含む13人が重軽傷を負った大津市の事故を受け、滋賀県は14日、現場の交差点を調べ、車が乗り上げた歩道に金属ポールを立てるなどの安全対策を検討する予定だ。
全国の保育園でも散歩ルートの確認や見直しの動きが広がる一方、歩行者を守るガードレールの設置は自治体に委ねられており、課題も残る。
事故から5日たった13日。
現場となった大津市大萱(おおがや)6の滋賀県道交差点から200mほど南にある園児らが通うレイモンド淡海(おうみ)保育園(同市萱野浦)は、受け入れを再開した。
職員が見守る中、園児らは保護者に手を引かれながら園内へ入っていった。
事故は8日午前10時15分ごろ発生。
同市一里山3、無職、S容疑者(52)=自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で送検=の乗用車が右折し、対向車線を直進してきた無職女性(62)=同法違反(過失致傷)容疑で現行犯逮捕後に釈放=の軽乗用車と衝突。
軽乗用車は歩道に乗り上げ、信号待ちをしていたIちゃん(男児、2歳)とHちゃん(女児、2歳)が死亡、男児(2歳)が意識不明の重体となり、保育士を含む13人が重軽傷を負った。
事故を受け、行政も対策を進める。
大津市は9日、市立と民間の保育園、幼稚園など計180カ所に対し、散歩コースの危険箇所を改めて点検するなど、安全管理を徹底するよう通知した。
点検に市職員が同行することも計画している。
13日には緊急対策会議を開いて、今後の方針を確認した。
一方、現場の道路を管理する県は、当面の措置として、事故時の衝撃を和らげる緩衝具「クッションドラム」6個を交差点の歩道などに設置した。
事故現場も含め、県が管理している1日あたりの交通量が1万台以上の交差点について今月中に安全を確認し、必要な対策を打ち出す方針だ。
【柵設置は自治体判断】
「日本は、諸外国に比べ、歩行者が犠牲となる割合が非常に
高い」。
警察庁の栗生長官は9日の記者会見でこう述べ、通学路のガードレール設置などの安全対策を関係機関と進める考えを示した。
警察庁によると、各国の2016~18年のデータを比較したところ、日本は交通事故死者の約36%を歩行者が占めるが、イギリスは約25%、アメリカとフランスは約16%、ドイツは約15%となっている。
かつて警察庁科学警察研究所で交通事故の鑑定や分析をした山梨大大学院の伊藤安海教授(安全医工学)は、国内の道路について、「1964年の東京五輪に合わせ、歩行者の安全よりも車が走りやすい道づくりが優先された」と歴史的背景を挙げ、その後も、ガードレールの設置や、車がスピードを出しにくい道路にするなどの安全対策は広がっていないと分析する。
ガードレールを含む防護柵の設置基準について、国交省は「歩行者の危険度が高い」などと定めているが、道路の幅や沿道の状況、交通量などはそれぞれ異なるため、明確な基準を設けるのは難しいという。
設置は道路管理者である自治体に委ねられており、同省の担当者は、「一律に設置すると、点字ブロックや車いすの利用者などには不便になる可能性がある。周辺の交通状況を総合的に判断するしかない」と話す。
文科省は、12年4月に京都府亀岡市で児童ら3人が死亡した事故を受け、全国の通学路を対象に緊急点検を実施。
横断歩道やガードレールがないような危険箇所が計7万4483カ所確認された。
18年3月末までに約97%で通学路の変更や路肩の拡幅などの安全対策がとられたが、土地の買収が難航するなどの理由で対策が進んでいない箇所もあるという。
また、通学路以外の幼稚園や保育園の経路は対象外だ。
一方、警察庁によると、昨年に全国で直進車と右折車の死亡事故は130件あった。
右折車の運転手が「まだ直進車は来ない」と考えて右折を始め、衝突するケースが目立つという。
伊藤教授は、「交差点が混雑している場合、焦って右折発進してしまうことも多い」と指摘。
右折車両を感知器で検出し、青信号を延長する技術もあり、「信号を守れば右折できるという安心感があれば、運転手は無理をしなくなる」と話す。
伊藤教授は、「運転手の安全への認識と信号の技術、ガードレールなどの防護柵を組み合わせれば有効だ」と指摘する。
【園外活動、悩む保育所】
全国の保育所では、散歩ルートの安全確認と見直しの動きが広がっている。
「この五差路は直進か左折かが分かりにくい。ウインカーを出さずに左折する車も見かけるので、注意しないと」。
横浜市の認可保育所「キッズパオ日吉あおぞら園」では13日、保育士らが散歩に使う主な道を歩き、危険はないか確認した。
「いつも通っている道でも、季節や工事によって状況が変わる」と平本園長。
危険箇所を色分けしたシールを地図に貼り、保護者にも公開するという。
運営会社のマミーズファミリー(本社・松山市)は全国に40園を展開。
キッズパオ日吉を含む34園には園庭があるが、日常的に散歩をしているため、15日までの再点検と報告を指示した。
東京都文京区の別の私立保育所もルートの検証をする予定で、園長は「ガードレールのある交差点は交通量が多いし、遠回りをすると歩く時間が長くなってしまう」と頭を痛める。
認可保育所には、児童福祉法に基づき、子どもの数に応じた屋外遊戯場整備が義務付けられている。
しかし、公園などを代替地とすることも認めており、厚労省は2011年に「移動の安全が確保されていれば、必ずしも保育所と隣接する必要はない」と通知した。
国の12年度調査では、全国の93%の認可保育所が、園庭だけで遊戯場の面積基準を満たしていたが、待機児童対策で増設が急がれる都市部では様相が異なる。
民間団体「保育園を考える親の会」が全国主要100都市で調査したデータによると、基準を満たす園庭を持つ施設の割合は、15年度の80.3%から18年度は73.8%に低下。
東京23区では12区が5割以下で、特に施設が急増した地域で「園庭なし」が多かった。
また、認可外施設には、そもそも遊戯場の確保義務もない。
一方、地域交流や交通ルールを学ぶ観点から、園外での活動は必要だとする声も強い。
長男(1歳)を都の認証保育所に預ける目黒区の堀田さん(女性、21歳)は、「事故に遭わないかの心配はあるが、外には毎日出掛けてほしい」と訴える。
NPO法人「保育の安全研究・教育センター」の掛札代表理事は、「保育園の散歩中の交通事故死は、私が知る限り、近年起きていない。今回は『巻き添え事故』で、理由なく散歩を自粛するのは過剰反応だ。ガードレールがない歩道が大半であることや、園庭がなくても保育園設置が認められることこそ問題ではないか」と指摘する。
【複数の歩行者らが巻き込まれた主な事故】
2006年9月
埼玉県川口市で、脇見運転のワゴン車が保育園児の列に突っ込み、園児4人が死亡、保育士と園児計17人が重軽傷
2011年4月
栃木県鹿沼市で、登校中の児童の列にクレーン車が突っ込み小学生6人が死亡
運転手はてんかんの持病を隠していた
2012年4月
京都府亀岡市で、無免許の少年の車が集団登校中の列に突っ込み、児童2人と妊娠中の保護者の計3人が死亡、7人が重軽傷
2016年10月
横浜市港南区で、認知症の高齢男性が運転する軽トラックが集団登校の列に突っ込み、小学1年の男児が死亡、7人が重軽傷
2018年5月
神奈川県茅ケ崎市で、高齢女性が運転する車が横断歩道を渡る歩行者ら4人をはね、自転車の女性が死亡
2019年4月19日
東京都豊島区のJR池袋駅近くで、高齢男性が運転する車が暴走
3歳の女児と母親が死亡、8人が重軽傷
2019年4月21日
神戸市中央区のJR三ノ宮駅前で、市営バスが横断歩道を渡っていた歩行者をはね、2人が死亡、6人が重軽傷
出典
『クローズアップ 遅れた歩行者安全策 大津事故で各地見直し』
https://mainichi.jp/articles/20190514/ddm/003/040/038000c
2019年4月25日10時42分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
自転車乗車中の事故で、ヘルメットをしていない場合の致死率は着用時の約2.5倍。
5月11日から始まる春の全国交通安全運動を前に、警察庁は25日、こんな調査結果を発表した。
2014~18年の5年間で、自転車乗車中に死亡したり重傷を負ったりした事故は4万6374件。
死亡者の6割は頭の傷が致命傷だったが、大半はヘルメットを着用していなかった。
また、学校に通う児童・生徒のうち、高校生のヘルメット着用率は特に低く、3~4%台。
高校生の死亡・重傷交通事故は4157件で、小学生と中学生のそれぞれ約2倍だった。
高校生の月別では5月が最多で、4月の352件から5月は480件と、128件増えている。
通行目的別にみると、登下校時が最多の2669件で約6割を占め、時間帯は午前7~8時台に集中していた。
道路交通法は、自転車に乗る13歳未満の子どもの保護者に対し、ヘルメットを子どもに着用させる努力義務を定めているが、条例で18歳未満や高齢者のヘルメット着用の努力義務を定めた自治体もあるという。
警察庁は「ヘルメットで命を守ったり、けがを防いだりできる」と訴えている。
出典
『ヘルメット未着用時の致死率2.5倍に 自転車事故』
https://www.asahi.com/articles/ASM4R6CT8M4RUTIL050.html
4月25日15時31分に読売新聞からは、同じニュース源ではあるが違うところにもスポットを当てた、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2014~18年の5年間に全国で起きた自転車が歩行者をはねた死亡・重傷事故で、自転車を運転していた1528人を警察庁が分析したところ、10代が最多の36%を占めたことがわかった。
スマホ操作やイヤホンで音楽を聴くなどの「ながら運転」による事故も相次いでおり、全国の警察本部は、5月11日から始まる「春の全国交通安全運動」で自転車の指導取り締まりを強化する。
警察庁によると、自転車対歩行者の事故で、自転車を運転していた1528人のうち、10代は555人。
高校生が301人で最も多く、中学生(132人)の約2.3倍だった。
高校生の事故の約4割は、登校時間帯の午前7~8時台に集中していた。
8割近くは安全運転義務違反や、一時不停止などの法令違反があったという。
イヤホンで音楽を聴いたり、スマホを操作したりする「ながら運転」による事故も相次いでいる。
昨年6月、茨城県で歩行者の男性が自転車にはねられて死亡した事故では、男子大学生がスマホを見ながらマウンテンバイクを運転していた。
一方、自転車乗車中に車にはねられるなどして死傷した高校生のヘルメット着用率は1割未満だったことも判明。
致死率は、ヘルメット着用時は0.20%だったのに対し、非着用時は約2.5倍の0.52%に達した。
警察庁は、交通安全運動でヘルメット着用も呼びかける方針。
出典
『歩行者はねた自転車運転、10代が最多36%』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190425-OYT1T50167/
2019年4月25日16時52分にNHK山形から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運転手の急病に備えて、山形市のバス会社は、乗客がバスを停止させられる非常用の装置を仙台市との間を結ぶ3台の高速バスに今月から導入した。
25日は、装置を導入した「山交バス」が、高速道路の取締りに当たる県警察本部の警察官や県バス協会の担当者などを警察の訓練コースに集めて説明を行った。
非常停止のボタンは最前列の座席の天井付近と運手席にあり、押し込むと、徐々に減速して停車する。
さらに、周りに異常を知らせるため、自動的にクランションが鳴ったりハザードランプが点滅したりする。
誤ってボタンを押した場合は、運転席のボタンで解除することもできる。
国交省によると、おととしバスの運転手が急病などで運転できなくなったケースは、全国で162件報告されているという。
山交バス安全指導課の安達課長は、「万が一、ドライバーが意識を失うなどした場合は、乗客の方はためらわずにボタンを押してほしい」と話していた。
山交バスは、ことし10月から山形市内などを走る高速バス以外の路線バス3台にも装置を導入する計画だ。
出典
『乗客が停止可能バス導入で説明会』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20190425/6020003520.html
(ブログ者コメント)
以下は、映像の1コマ。
本ブログでは今年4月17日、岐阜県のバス会社が同様なバスを導入したという報道を紹介した。
全国的に導入が進められているようだ。
今回の報道を機に調べ直したところ、ハトバスでも同様なバスが導入されていた。
以下は、その説明会に参加した記者の、9枚の写真付きレポート記事。
(2018年9月20日 乗り物ニュース)
はとバスが新しい大型観光バスを導入。
乗客らが非常ブレーキボタンを押すと緊急停止する機能を備えています。
実際、どのような動きをするのでしょうか。
はとバスが「ドライバー異常時対応システム」を搭載した大型観光バスのいすゞ「ガーラ」を5台導入。
2018年9月22日(土)から使用を開始します。
体調が急変するなどして運転の継続が困難になったとき、運転手自身やバスガイド、乗客らが非常ブレーキボタンを押して、バスを緊急停止させることができます。
近年、全国的に運転手の体調不良による交通事故が増えていることから導入されたものです。
運行開始に先立ち9月19日(水)、はとバスが報道陣を対象とした見学会を本社(東京都大田区)の車庫で開催。
ボタンを実際に押したときの実演も披露しました。
非常ブレーキボタンは、運転席と、両側最前列席の荷物棚の下の計3か所に設置されています。
荷物棚の下のボタンを押すと、車内で警報が約3秒間鳴って赤いランプが点滅。
同時に緩いブレーキがかかりました。
その後、急ブレーキがかかり、車体前後のハザードランプとブレーキランプが点滅。
ホーンも鳴り続け、周囲の車両や歩行者に異常を知らせます。
車庫では、その音を聞いた多くの運転手がバスの動きに関心を寄せていました。
ちなみに、誤作動や誤操作の場合、最初の約3秒のあいだに運転席側のボタンに付いているダイヤルを回すと、警報を解除できるとのことです。
一方、運転席側のボタンを押した場合は、その瞬間に急ブレーキがかかります。
いずれの場合も、さらにその後、エンジンは停止し、ブレーキのきいた状態が続きます。
運転再開時は、エンジンキーをオフにしてシステムを解除するとエンジンが始動します。
なお、このシステムは、道路の路肩などへ自動で退避する機能はないそうです。
はとバスは、この「ドライバー異常時対応システム」の導入に加え、運転手の出勤時に血圧測定を実施。
また、睡眠時無呼吸症候群や脳ドックの検診など、健康管理に関する取り組みも並行して行っているといいます。
出典
『バス運転手が急病! 乗客が緊急停止させる新システム 実際どう止まる?』
https://trafficnews.jp/post/81539
2019年4月24日付で中日新聞岐阜版から、下記趣旨の記事が写真と図解付きでネット配信されていた。
県内初の信号機のない「環状交差点(ラウンドアバウト)」の運用が昨年3月に安八町で始まってから、1年が経過した。
軽微な物損事故が1件発生したのみで、県警は「今後も積極的に整備を働き掛けていきたい」としている。
県内初で唯一のラウンドアバウトは、昨年3月24日、名神高速道路の安八スマートインターチェンジ(IC)から東に約200mの町道に整備された。
県警交通規制課によると、速度が抑制されることや、右回り通行、直進車と右折車の交差がないことから、重大事故の発生を抑えられたという。
また、昨年9月の台風21号の影響で周辺が停電し、近くの交差点も消灯していたときも、ラウンドアバウトは信号機を伴わないため、影響を受けなかった。
ラウンドアバウトは昨年12月末現在、全国81カ所で運用されている。
走行する際は、安全確認後に徐行で進入。
右回り(時計回り)の一方通行で走行し、目的方向の道へ出る際には、方向指示器で左の合図を出す。
ラウンドアバウトが最も多いのは宮城県で、昨年12月末現在、20カ所ある。
導入前と比較し、事故は減少しているという。
ラウンドアバウトは国内ではなじみが薄いため、交通ルールの周知が課題とされるが、宮城県警交通企画課の三浦課長補佐は、「街頭指導や広報紙など、地元住民への広報活動に力を入れた」と話している。
出典
『実施1年、重大事故なし 安八のラウンドアバウト』
https://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20190424/CK2019042402000022.html
2019年4月22日16時58分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3年前の平成28年1月、蓬田村のJR津軽線の踏切で、除雪車が燃料切れで動けなくなり止まっていたところに普通列車が衝突した。
列車に乗客は乗っておらず、けが人はいなかったが、この事故で当時、本州と北海道を結んでいた津軽海峡線がおよそ9時間にわたって運転を見合わせるなど、大きな影響が出た。
この事故についてJR東日本は、蓬田村が雇った除雪作業員が燃料切れへの注意を怠ったため事故が起きたとして、村に対し、壊れた列車や踏切の費用など4000万円あまりの損害賠償を求める訴えを青森地方裁判所に起こした。
これについて蓬田村は、「保険に入っているため、保険会社を通じてJRと協議してきたが、金額面で折り合わなかった。今後も、保険会社と相談しながら裁判に対処していく」としている。
出典
『除雪車衝突 JRが蓬田村を提訴』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20190422/6080004561.html
4月22日18時49分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東側は、運転手が燃料切れで走行不能にならないようにする注意義務を怠ったため、事故が起きたとしている。
村によると、出発前に運転手が燃料を補給する規則だったが、確認を怠っていた。
出典
『「燃料切れで事故」JR東が提訴 除雪車に列車衝突で』
https://www.sankei.com/affairs/news/190422/afr1904220028-n1.html
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の1コマ。
事故を起こした除雪車が映っている。
2019年4月11日8時19分に岐阜新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
岐阜乗合自動車(岐阜バス、岐阜市九重町)は、緊急停止の非常ボタンを客席に備えたドライバー異常時対応システム(EDSS)搭載の新型バス1台を4月から導入した。
運転手に急病などの異変があった場合でも乗客がバスを安全に停車でき、2次被害を防ぐ。
12日から高速名古屋線など高速4路線で運行を始め、路線バスや観光バスにも順次導入する。
新型バスは、三菱ふそうトラック・バス(神奈川県川崎市)が2月から販売。
運転席と客席の両側の最前列に非常ボタンがあり、運転手の異変に気付いた乗客が押すと、徐々に減速して停止する。
バス左側の障害物や人を運転手に知らせ、左折時の巻き込みを防ぐ機能も標準装備する。
三菱ふそう社製の新型バスを導入するのは全国で初めて。
担当者は、「最新の安全機能が付いたバスを全国に先駆けて導入することで、安全性の向上を図りたい」と話している。
出典
『運転手の異変、客席緊急ボタンで減速 岐阜バスが乗客停車装置導入』
https://www.gifu-np.co.jp/news/20190411/20190411-129123.html
2019年4月9日18時8分にNHK奈良から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後4時40分ごろ、五條市野原西2丁目の「O診療所」から火が出ていると消防に通報があった。
消防車など10台が出て、火はほぼ消し止められたが、警察によると、燃えたのは診療所の敷地内にある住居部分の建物だという。
また出火当時、診療所は診察時間外で患者はおらず、けが人などはいないという。
警察によると、診療所の医師は「車のバッテリーを業者が修理したあと、アクセルを踏んだら火が出て、建物に燃え移った」と話しているという。
現場は五條市役所から南に500mほど離れた国道168号線沿いの商店や住宅が密集する地域で、あたりには黒い煙が立ちこめ、一時、騒然となった。
出典
『五條市の診療所の敷地内で火事』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20190409/2050002145.html
(ブログ者コメント)
9日18時の奈良県の風速は、日本気象協会によると4m/s。
そう強くはなかった模様だ。
それでいて、車から住居への延焼。
車と住居はどれぐらい離れていたのだろうか?
以下は消火作業中の映像の1コマ。
画面左上に、焼け焦げた感じの車が見えるが、あの車から火が出た?
もしそうだとすると、燃えた住居からは、かなり離れている。
燃えた車を移動した?
2019年4月3日6時0分に西日本新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
信号無視したり、横断歩道のない場所を渡ったりする「乱横断」による事故が後を絶たない。
福岡県内で増加傾向にある歩行者の死亡事故の一因になっているほか、北九州市で起きたバイクと高齢歩行者の衝突事故では3月、歩行者側が重過失傷害容疑で立件されている。
身体能力や認知能力が低下する高齢者の乱横断が問題視されており、県警や識者は警鐘を鳴らす。
事故は昨年11月、北九州市小倉北区の交差点で起きた。
警察によると、70代の男性が赤信号を無視して横断歩道近くの道路を渡ったところ、青信号に従い走ってきたバイクと衝突。
バイクの運転手は転倒し、頭部に約1カ月の重傷を負った。
歩行者の男性も足の骨を折る大けがをした。
警察は歩行者側にも大きな過失があると判断。
歩行者の男性を重過失傷害容疑で、バイクの運転手は自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で書類送検した。
県警交通企画課によると、歩行者の信号無視が事故原因となり、過失の重い「第1当事者」になったケースは昨年、県内で12件あったが、重過失傷害容疑に問われるのは異例だという。
同課のまとめでは、県内で昨年発生した交通事故の死者数は136人で、前年に比べ3人減少。
このうち、道路を横断中にはねられて死亡した歩行者は51人となり、前年より10人増えた。
横断歩道の前後30m以内ではねられた人が8人(前年比5人増)に上り、横断歩道が近くにあるのに利用しない乱横断が増えていた。
大阪大大学院の篠原一光教授(交通心理学)は、高齢者にとっての危険性について、「身体能力が衰えると、横断歩道まで行くのが面倒になり、楽なコースで渡りたくなりがち。視野が狭くなるなど認知機能も低下している場合は危険を確認できないまま横断してしまう」と指摘。
ドライバーにとっても乱横断は予想外の動きで、気づくのが遅れやすいという。
交通企画課の長田統括管理官は、「歩行者も刑事責任を問われる場合がある。身を守るため、乱横断は危ないという認識を持ってほしい」と呼び掛けている。
出典
『高齢者の「乱横断」事故相次ぐ 信号無視、横断歩道ない場所渡る…立件も』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/499344/
(ブログ者コメント)
北九州市の信号無視歩行者書類送検事例は、本ブログでも紹介スミ。
2019年4月1日0時11分にTBS NEWSから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月31日午後4時半ごろ、敦賀市刀根の北陸自動車道下り線で、乗用車がトンネルを出たところでスリップし、中央分離帯に衝突した。
その後、この事故車を避けようとした後続車が次々と追突し、およそ20台が絡む事故となった。
この事故で16人が病院に運ばれたが、いずれもけがは軽いという。
現場は緩い左カーブとなったトンネルの出口で、事故当時、路面には雪が積もっていたということで、警察では、雪によるスリップが事故の原因とみている。
この事故により、北陸自動車道下り線は一部の区間がおよそ5時間にわたり通行止めとなった。
出典
『福井・敦賀市の北陸道で20台絡む事故』
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3635985.html
4月1日10時10分に福井新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「トンネルを出た直後から、あられで視界は真っ白。突然、目の前に止まっている車が見え、衝突した」。
福井県敦賀市の北陸自動車道下り線で3月31日に起きた車20台が絡む事故で、同市内の3病院に搬送された運転手や同乗者らが事故状況を語った。
家族6人での旅行の帰路、事故に遭った福井県福井市の30代女性は、乗用車の助手席に座っていた。
柳ケ瀬トンネルを出た直後、大粒のあられが強く吹き付けてきたという。
「減速したけど視界が悪くて、前方の玉突き事故で止まっている車にぶつかった。さらに後ろから車3台が次々に衝突してきて、すごい衝撃だった」。
同乗の子ども4人があごを切るなどのけがを負い、「すごく怖くて今も落ち着かない」と不安そうな表情を浮かべた。
「トンネルの手前は雨だったのに、出口は路面が真っ白。まさか、この時期に白くなるほど降るなんて…」と話したのは岐阜県羽島市の会社員男性(54)。
敦賀市内に住む大学生の次女のアパートに、家族で向かう途中だった。
車を減速させると、目の前は玉突き事故などで10台ほどが止まり、道をふさいでいたという。
「止まった直後に後ろから車が次々とぶつかってきた。衝撃で横に回転したところにも衝突してきた」。
幸い、けがはなかったが、「大型トラックが突っ込んできていたらと思うと、ぞっとする」と振り返った。
出典
『トンネル出たら「路面は真っ白」 北陸道事故、運転手ら恐怖語る』
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/826920
2019年3月28日7時30分に福井新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月27日午後0時半ごろ、福井県南越前町新道の北陸自動車道下り線の敦賀トンネル内で、天井付近に取り付けられているスプリンクラーから誤って放水された。
約50mにわたって霧状の水に覆われ、視界を遮られた乗用車2台と大型トラック1台が絡む追突事故が発生した。
先頭の乗用車に乗っていた30~40代の女性3人と6~11歳の男児5人が軽いけがを負った。
事故当時、現場近くでスプリンクラーなど非常用設備の更新工事が行われており、中日本高速道路金沢支社は誤放水した原因を調べている。
大型トラックと後続の乗用車をそれぞれ運転していた男性にけがはなかった。
ともに同乗者はいなかった。
同支社によると、工事は同支社の委託を受けた東京都の業者が行っていた。
誤放水されたスプリンクラーはトンネル入り口から約1km付近にあり、高さは約5.7m。
トンネル内は1車線に規制され、3台はいずれも追い越し車線を走っていた。
事故当時、業者は入り口から約700m付近で工事を行っていた。
通水確認のため作業員がバルブをひねったところ、工事現場から約300m離れたスプリンクラーからいきなり水が出たという。
同支社は原因を調べている。
通行止めの措置はとらなかった。
工事は2018年5月22日に始まった。
今年11月12日に終える予定だったが、同支社は原因が分かるまで工事を中断する。
「誤放水で事故を発生させてしまい、深くおわびします。原因究明を図るとともに、再発防止に向けた対策を実施したい」とのコメントを発表した。
出典
『高速道トンネルで誤って放水し事故 北陸道、視界遮られ車追突』
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/824040
3月27日23時0分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午後0時半ごろ、福井県南越前町の北陸自動車道下り線の敦賀トンネルで、乗用車など3台が絡む事故があった。
壁に設置された消火設備から誤って水が噴き出したことが原因で、次々と追突したとみられる。
中日本高速道路(名古屋市)によると、乗用車1台に乗っていた小学生男児5人ら計8人が首などに軽いけがをしたという。
8人が乗った乗用車にトラックが追突し、後続の乗用車もトラックに追突した。
トラックと後続車の運転手らにけがはなかった。
現場は片側2車線の直線。
当時、約300m前方で消火設備の部品を取り換える工事をしており、走行車線は通行規制されていた。
出典
『消火用の水噴出、3台追突 福井、北陸道トンネル』
https://www.sankei.com/affairs/news/190327/afr1903270049-n1.html
3月28日10時25分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
走行車線を規制し、トンネル上部に設置されたスプリンクラーの取り換え工事中に、突然、水が噴霧された。
工事後、試験的に通水した際、想定外の場所から水が出たという。
出典
『スプリンクラー誤作動、高速道トンネル3台衝突』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190328-OYT1T50130/
3月30日20時2分に読売新聞からは、バルブの操作ミスだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
原因を調査したところ、工事会社の作業員が、試験的に水を通す際に使う弁のハンドルを誤って操作し、スプリンクラーが作動したという。
現在、工事を中断し、ハンドルをナイロン製のバンドで固定するなどの再発防止策を講じている。
出典
『3台衝突、原因は作業員がスプリンクラー誤操作』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190330-OYT1T50019/
2019年3月21日付で岩手日報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午前9時40分ごろ、盛岡市中ノ橋通のコインパーキングで、発券手続きをしていた同市上田の男性(82)が、運転していた軽乗用車と発券機の間に挟まれた。
男性は同市内の病院に運ばれたが、出血性ショックで死亡した。
警察によると、男性は駐車場入り口の発券機前で、オートマチック車をドライブのままブレーキを踏んで停車。
発券機に手が届かず、ドアを開けて身を乗り出したところ、足がブレーキから離れて車が発進した。
車外に投げ出され、車と発券機の間に挟まれたとみて原因調査中。
出典
『発券機に挟まれ82歳死亡 盛岡の男性「ドライブ」で停車か』
https://www.iwate-np.co.jp/article/2019/3/21/50065
2019年3月19日16時48分にNHK北九州から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ガソリン車に誤って軽油を給油するなど、車の燃料を入れ間違えるトラブルが福岡県内で去年12月の1か月間に24件起きていたことがわかり、JAF・日本自動車連盟が注意を呼びかけている。
JAF・日本自動車連盟によると、去年12月の1か月間に車の燃料を間違えて給油するトラブルは全国で390件にのぼり、このうち福岡県内は24件だった。
入れ間違いはドライバーなどが自分で給油するセルフ式のガソリンスタンドで目立ち、「軽自動車は軽油だと思った」とか「自分の車ではなく会社の車や代車だったので燃料の種類を確認しなかった」など、勘違いや思い込みが原因で入れ間違えたという。
セルフ式のガソリンスタンドでは、入れ間違えを防ぐため、給油ノズルの色が、レギュラーガソリンは赤、軽油は緑などと、色分けされているということで、JAFは、「初めて乗る車に給油する時は必ず燃料の種類を確認してほしい」と話している。
出典
『車の給油の入れ間違いに注意』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20190319/5020002759.html
(ブログ者コメント)
3年前、埼玉県の状況についても本ブログで紹介した。
当該記事中、全国では12月の1ケ月間に269件の救援要請とあったので、3年間で4割ほど増えている計算になる。
『2016年4月14日報道 給油間違いによるJAFへの救援依頼は昨年12月の1ケ月間で全国269件、原因は相も変わらず「軽自動車だから軽油を入れた」など』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5833/
2019年3月15日18時22分にNHK北九州から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北九州市の交差点で、赤信号を無視して道路を横断したうえ、ミニバイクと衝突し、運転していた高齢者に大けがを負わせたとして、70歳の歩行者が書類送検された。
警察は、決して、赤信号を無視して道路を横断しないよう呼びかけている。
書類送検されたのは、北九州市小倉北区の70歳の無職の男性。
警察の調べによると、去年11月、自宅近くの市道の交差点で、赤信号を無視して道路を横断したうえ、青信号で交差点に入ってきたミニバイクと衝突し、運転していた高齢者の頭などに大けがを負わせたとして、重過失傷害の疑いが持たれている。
この事故では、男性も左足の骨を折るなどの大けがをしていて、警察は、ミニバイクを運転していた高齢者についても、過失運転傷害の疑いで書類送検した。
2人とも容疑を認めているという。
警察によると、歩行者とミニバイクの交通事故で、歩行者に重い過失があるとして検挙したケースは極めて珍しいという。
福岡県では、信号を無視したり、横断歩道のない場所を渡ったりして事故に巻き込まれる高齢の歩行者が増えているということで、警察は、交通ルールを守るよう呼びかけている。
出典
『赤信号無視の歩行者を書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20190315/5020002741.html
3月16日6時0分に西日本新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
赤信号を無視して交差点を歩いてバイクと衝突し、運転していた男性(77)に重傷を負わせたとして、福岡県警小倉北署は15日、重過失傷害の疑いで、歩行者の男性(70)=北九州市小倉北区=を書類送検した。
県警によると、同容疑で歩行者を立件するのは珍しいという。
署は、「目撃情報などから歩行者に重大な過失があると判断した」としている。
書類送検容疑は昨年11月1日午後2時ごろ、同区萩崎町の交差点で、歩行者用信号を無視して横断歩道近くの車道を横断。
青信号で進行してきたバイクと衝突し、転倒したバイクの男性の頭部に約1カ月の重傷を負わせた疑い。
歩行者の男性も足の骨を折る約1カ月の重傷を負い、バイクの男性も自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で書類送検された。
県警交通企画課によると、県内で昨年発生した車と道路横断中の歩行者の事故(1695件)のうち、信号無視が原因で歩行者が第一当事者になった「乱横断」は12件あったという。
出典
『信号無視の歩行者書類送検 小倉北署 バイクと衝突 重傷負わせた疑い』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/494660/
2019年3月12日5時30分に神戸新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
兵庫県と同県姫路市は、鉄道の線路や高速道路の下をくぐる「アンダーパス」が集中豪雨などで冠水した場合、空気で膨らませた遮断機で迅速に通行を止める「エアー遮断機」を、同市御国野町御着の国道312号など、市内の4カ所に8基設置した。
設置は県内初といい、従来より少人数かつ短時間で道路を封鎖し、車の水没を防ぐ。
エアー遮断機は、ボタンを押すと送風機のプロペラが回転し、約20秒で円柱形の赤いバルーンが膨らみ、道路上に伸びることで通行を遮断する。
膨張時は直径約60cm、横幅約3.5~4mで、内蔵の発光ダイオード(LED)が点滅し、夜間や大雨時も対応できる。
県が設置したのは、いずれもJR山陽本線と交差するアンダーパスの手前で、国道312号のほか、県道417号と516号の計3カ所の左右車線に計6基。
市は、中国自動車道と交差する同市夢前町前之庄の市道アンダーパス手前に2基を設置した。
県道516号のアンダーパスでは、昨年7月の西日本豪雨で排水が間に合わず、最大水位約80cmの冠水を観測。
中国自動車道と交差する市道も2017年にゲリラ豪雨と台風で2度冠水し、危険性が指摘されていた。
遮断機は、車が水没してドアが開かなくなったり発進できなくなったりする前に、アンダーパスの水位が10~15cmに達すると、職員が現場で作動させる。
県の担当者は、「保管場所にバリケードを取りに行く時間や人員が省け、一刻を争う状況に対応できる。今後、導入を広げたい」と話した。
出典
『冠水時風船で通行止め 姫路に県内初エアー遮断機』
https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/201903/0012137684.shtml
(ブログ者コメント)
アンダーパス部にエアー遮断機を設置する動きについては、過去にも本ブログで紹介したことがあるが、今回の情報には作動させた時のエアー遮断機の写真も掲載されている。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。