2017年2月15日21時34分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場で、低レベル放射性廃棄物をドラム缶に入れて保管する際に、廃棄物を密閉する袋に切り込みを入れるなど、不適切な管理方法が取られていたことが分かり、原子力規制庁は保安規定に違反しているとして、日本原燃に改善を図るよう指示した。
原子力規制庁によると、六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場で、去年10月以降、低レベル放射性廃棄物を貯蔵しているドラム缶およそ480本のうち6本から、液体が漏れ出したような痕が相次いで見つかった。
ドラム缶には、作業服などを洗濯した水をろ過するために使った活性炭を袋に入れて密閉し、保管することになっていたが、原子力規制庁の調査の結果、袋の一部に切り込みが入れられたうえ、切り込みをテープでふさぐなどの不適切な管理方法が取られていた。
放射性物質の外部への漏えいは、確認されていないという。
調査に対し日本原燃は、「ドラム缶の内部に設置したセンサーの誤作動を防ぐため、担当者が独自に判断した」と説明しているということで、原子力規制庁は、放射性廃棄物の管理や計画について定めた保安規定に違反しているとして、日本原燃に改善を図るよう指示した。
さらに、日本原燃で品質管理の体制に重大な問題が見つかったことについて、原子力規制庁は、改めて保安規定に違反すると判断し、今後の保安検査で改善の状況を調べていく方針を示した。
日本原燃は、「判断をしっかりと受け止め、原因究明を行うとともに再発防止に取り組む」としている。
出典
『放射性廃棄物保管で不適切管理』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/6083934381.html?t=1487190245958
(ブログ者コメント)
本件、原子力規制委員会HPに掲載されていた保安検査報告書の中では、以下のように記されていた。
しかしながら、「センサーの誤作動を防ぐため」といった趣旨の記述は、ブログ者が見た範囲では、見つからなかった。
(報告書13ページ)
(2)第1低レベル廃棄物貯蔵建屋におけるドラム缶からの漏えい痕の確認
2)放射性廃棄物の保管管理
・平成8年頃、廃活性炭をビニール袋に充填する際の空気の巻き込 みにより所定量の充填が出来なくなることを防止するため、ビニール 袋上端部に切り込みを行うことで空気を抜き、その後テープを貼り付けることでビニールからの漏れ防止対策を行うとする運用を実施しており、平成23年から委託作業に係る作業手順書に当該運用を反映していた。
・ビニール袋に切り込みを入れる不適切な管理方法については、当時の担当課独自の判断で運用を開始し、作業手順書が変更されていた。
・当該管理方法に関する知識が不足しており、切り込みを開始した時点、ドラム缶封入作業の委託を開始した時点、切り込みを委託仕様書に明記した時点等、切り込みを入れるリスクを検討し、改善する機会が複数回あったにもかかわらず、改善等が図られていなかった。
出典
『日本原燃株式会社 再処理事業所 再処理施設 平成28年度(第3回)保安検査報告書』
(平成29年2 月 原子力規制委員会)
https://www.nsr.go.jp/data/000179030.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。