2024年12月30日7時33分にNHK京都から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
有毒のガス、硫化水素を人工の化合物で無毒化することにマウスによる実験で成功したと同志社大学などの研究グループが発表しました。
グループでは、将来的に硫化水素中毒の解毒剤として救急現場での実用化が期待されるとして、安全性などの確認を進めていくことにしています。
硫化水素は腐った卵のような刺激臭のある有毒ガスで、火山や温泉などの自然界や石油やガスの生産現場で発生し、濃度が高ければ急性中毒で死亡するおそれがあります。
同志社大学理工学部の北岸宏亮教授らの研究グループは、硫化水素に強く結合する特殊な人工の化合物に注目し、急性中毒を再現したマウスで化合物の効果を確かめる比較実験を行いました。
その結果、化合物を与えなかったマウスはおよそ8割が5分程度で死んだのに対し、与えたマウスはおよそ8割が回復し、解毒作用が確認されたということです。
化合物は尿を通じて体外に排出され副作用は確認されず、研究グループでは、将来的に解毒剤として救急現場での実用化が期待されるとしています。
北岸教授は、「患者が安心して治療を受け、医師が安心して患者に投与できるよう、安全性などの確認をさらに進めたい」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20241231/2010021628.html
以下は2024年12月10日付で同大からプレスリリースされた内容(抜粋)。
同志社大学の研究グループでは、2023年2月に、一酸化炭素(CO)およびシアン中毒の同時解毒剤として、hemoCD-Twinsの開発に成功しています(2023年2月プレスリリース、図1)¹⁾。
今回はこのhemoCD-Twinsの構成成分であるhemoCD-PおよびhemoCD-Iのそれぞれについて、硫化水素に対する結合性能を調査し、その結果hemoCD-Iが生体内の硫化水素の結合部位(ヘモグロビンなど)よりも約10倍程度優れた結合性能を示すことが新たに判明し、中毒の解毒剤として応用できることを明らかにしました。
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本研究成果は、火災などで発生するガス中毒の治療薬シーズとして開発を進めているhemoCD-Twinsの治療適用範囲を拡大するものです。
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https://www.doshisha.ac.jp/news/detail/001-0a8KBt.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。