2020年8月1日7時53分に読売新聞から、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
31日午前11時15分頃、山口県岩国市立石町1の下水道工事現場で、作業中のクレーン車が倒れ、アームの先頭部分が近くの道路にあったトラックに直撃した。
トラックの運転席に乗っていた同市昭和町1、自営業中村さん(男性、54歳)が全身を打ち、多発性外傷で死亡した。
山口県警岩国署や同市の発表によると、クレーン車はアームの先頭部分に矢板を地中に打ち込むための器具(約5・1トン)をつけ、矢板(約780キロ)をつり上げていた。
同署は、バランスを崩して前方に倒れたとみている。
市によると、中村さんのトラックは工事とは関係なく、偶然、現場近くの道路にあった。
工事は、近くで建設中の雨水調整槽と下水道管を地中でつなぐための立坑を掘るもので、市が発注していた。
市下水道課は「ご遺族に心よりお悔やみ申し上げる」との談話を出した。
事故当時、近くにいたという40歳代の男性は「雷が落ちたような音がした」と驚いていた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200731-OYT1T50332/
7月31日19時40分にYAHOOニュース(テレビ山口)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
きょう午前、岩国市で転倒したクレーン車のアームがトラックを直撃し、運転席に乗っていた男性が死亡しました。
視聴者が撮影した画像です。
クレーン車のアームがトラックを直撃し、運転席が大破しています。
午前11時20分ごろ、岩国市立石町で作業中のクレーン車が転倒し、音を聞いた近くの作業員が消防に通報しました。
近くの会社の人「雷が落ちたようなすごい音だった。思いもかけない事故で、まさかこんなふうなことが起こるなんて思ってもいなかったのでびっくりしている」。
トラックの運転席には市内昭和町の自営業の男性が乗っていて、レスキュー隊に救出されましたが、死亡が確認されました。
岩国市によりますと、現場では市が発注した雨水をためる調整槽の整備工事が行われていました。
クレーンで矢板をつり上げていたところ、バランスを崩して前に倒れたということです。
男性は作業とは関係なく、たまたまその場にいたということで、警察で事故の詳しい原因を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2b5cf3f9390fc51fa9ed00e5065e9dfee65b5d14
(ブログ者コメント)
以下は、テレビ山口映像の2コマ。
アームの先端部がトラックの運転席にめり込んでいる。
あと1m、いや50cmでも前か後ろに駐車していたら、助かっていた可能性が高いように感じた。
(2021年7月31日 修正1 ;追記)
2021年7月30日10時34分にNHK山口からは、70トンクレーンの計画だったのに25トンクレーンを使っていた、事故前にクレーン車に異常が検知されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によりますと、岩国市から工事の発注を受けた会社などの社員3人は、安全管理上、市に提出しなければならない計画書に、つり下げられるおもりの上限が70トンのクレーン車を使うとしていましたが、実際には上限が25トンのものが使われていたということです。
さらに、クレーン車で作業にあたった会社の社員と社長は、事故の前、クレーン車に異常が検知されていたにもかかわらず、転倒防止のための措置をとっていなかったということです。
このため、警察は5人が安全管理を怠ったことで事故につながったとして、29日、業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
警察は、5人の認否について明らかにしていません。
また岩国労働基準監督署も、クレーン車の操作にあたっていた会社と会社の現場責任者を、労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20210730/4060010499.html
(2022年2月3日 修正2 ;追記)
2022年2月1日17時52分にNHK山口からは、以前から転倒防止装置を解除して作業していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岩国市にある建設会社のクレーン車の操縦士、佐々木被告(男、48歳)は、おととし7月、岩国市内の工事現場で、クレーン車を操縦する際に、転倒を防止する安全装置を解除した状態で作業を行い、クレーン車を転倒させ、近くに止まっていたトラックに直撃し、当時54歳の運転手の男性を死亡させたとして、業務上過失致死の罪で在宅起訴されました。
1日、山口地方裁判所岩国支部で始まった裁判で、佐々木被告は「間違いありません」と述べ、起訴された内容を認めました。
検察側は裁判で、「被告は、少なくとも事故が起きる1年前から安全装置を解除できることを認識したうえで、作業を繰り返していた。クレーン車が転倒することはないと過信したまま作業を行い、事故が発生した」などと指摘しました。
次の裁判は来月1日に行われ、遺族の意見陳述などが行われたあと、結審する予定です。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20220201/4060012491.html
(2022年3月17日 修正3 ;追記)
2022年3月16日13時18分にNHK山口からは、事故当日は安全装置が何度も作動していた、社長が改造していたので安全装置が解除できたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岩国市にある建設会社のクレーン車の操縦士、佐々木被告(男性、48歳)は、おととし7月、岩国市の工事現場で安全装置を解除したままクレーン車を操作して転倒させ、下敷きになったトラックの運転手の男性を死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われました。
16日の判決で、山口地方裁判所岩国支部の徳井隆一裁判官は、「事故当日、安全装置が何度も作動していたにもかかわらず、クレーンが転倒することはないだろうなどと安易に考えて安全装置を解除し、作業を継続していた。まさに起こるべくして起きたものだ。操縦者として基本的な注意義務に違反し、過失の程度は相当に重い」と指摘しました。
一方で、「安全装置が解除できたのは、建設会社の社長が改造を施したからであり、現場の体制自体にも問題があったといえ、事故の責任が被告のみにあるとは言いがたい」などとして、禁錮2年、執行猶予4年の判決を言い渡しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20220316/4060012893.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。