2017年7月16日付で毎日新聞筑後版から、今回の豪雨被害の特徴は「ため池決壊」と「山腹崩壊」だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州北部豪雨で現地調査をした土木学会の調査団長で、九州大大学院の島谷幸宏教授(河川工学)が15日、八女市で講演し、今回の豪雨の特徴について、「ため池の決壊」と「山腹崩壊」を挙げた。
2012年の九州北部豪雨から5年を迎えたのを機に、「矢部川をつなぐ会」などが企画したシンポジウムの一環。
島谷教授は、「ため池は治水上、効果があるが、決壊すると大きな被害が出る。ため池の下流に多くの流木が流れ、甚大な被害をもたらした」と述べ、ため池の管理が社会的問題だとの認識を示した。
また、「今まで見たことがないほど至る所で山腹崩壊が起き、流木や土砂が下流に流れた」と報告した。
会場からは、山の状態と災害との関係の質問も出た。
島谷教授は、「災害の主たる原因が豪雨であることは間違いないが、山の状態や管理について考えないといけない」と答えた。
さらに、「樹木を山から出にくくするとか、どこかで捕捉するとか、被害を少しでも減らす対策を考えないといけない」と話した。
復興計画の策定にあたっては、人や財産を守る安全面だけではなく、文化的なものや環境も一体となって戻すことが重要だと指摘した。
出典
『「ため池決壊」「山腹崩壊」 土木学会調査団長が八女で講演、特徴挙げる /福岡』
https://mainichi.jp/articles/20170716/ddl/k40/040/220000c
7月15日付で毎日新聞東京版からは、極めてまれな豪雨だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日から福岡、大分両県を襲った九州北部豪雨で、甚大な被害が出た福岡県朝倉市付近の6日午前0時までの24時間雨量が約1000ミリに達していたことが、気象庁の解析で分かった。
多数の犠牲者が出ている同市の杷木(はき)地区など、市南部に雨が集中していた。
3時間の解析雨量も約400ミリで、2014年の広島土砂災害(約250ミリ)や、15年の関東・東北豪雨(約200ミリ)を大幅に上回り、記録的な大雨が短時間に集中して降ったことがうかがえる。
気象庁の担当者は「極めてまれな豪雨だった」と話している。
出典
『九州北部豪雨 1日雨量1000ミリ超 福岡・朝倉付近「極めてまれ」 気象庁が解析』
https://mainichi.jp/articles/20170715/ddm/041/040/100000c
7月12日18時50分にNHK NEWS WEBからは、確認されただけで斜面崩壊は790カ所だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
専門家が雨量計のデータを詳しく分析したところ、猛烈な雨が狭い範囲に集中し、9時間余りにわたって降り続いていたことがわかった。
3年前の広島市の土砂災害の際にも猛烈な雨が降り続いたが、その時間は2時間半程度だったということで、これほどの長い時間、猛烈な雨が降り続いた例はあまりなく、極めてまれな現象だと指摘している。
一方、民間の測量会社「パスコ」は、今回の豪雨災害で被害を受けた福岡県や大分県で発生した土砂災害の状況を、ヘリコプターや人工衛星が撮影した写真から解析した。
その結果、斜面の崩壊が確認された場所は、これまでにおよそ790か所にのぼることがわかった。
その9割以上は福岡県朝倉市の杷木地区や黒川地区など、猛烈な雨が降り続いた朝倉市の山の斜面に集中している。
パスコによると、まだ確認できていない地域もあるということで、今後の調査で、斜面が崩壊した場所がさらに増える可能性があるという。
出典
『九州北部豪雨 長時間続いた猛烈な雨の実態は』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170712/k10011056041000.html
7月14日18時52分に日テレNEWS24からは、流木による被害拡大に焦点を合わせた下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
今回、被害を拡大させた理由の1つとみられている流木。
災害復旧の大きな障害にもなっている。
こうした事態を受け、国や自治体は会議を開催。
流木の撤去を早急に行うべく、話し合いが行われている。
【流木が被害を拡大させたワケ】
橋に引っかかった流木が川の水をせき止め、あふれた水が濁流となり、町をのみ込んだ可能性があるという。
今回の豪雨で特に大きな被害を受けた福岡県の朝倉市では、おびただしい量の流木が確認されている。
朝倉市や隣の東峰村、大分県日田市では林業が盛んで、山に植えられていたスギが大量に、土砂と一緒に流れ出た。
13日に福岡県が公表したデータによると、朝倉市と東峰村で少なくとも20万トンの流木が確認されたということだが、大分県を含めた流木の全体量はまだわかっていない。
【大量の流木が押し寄せたワケ】
周辺が崩れやすい地質だったということも考えられるが、流木被害の専門家は、森の管理不足も指摘している。
スギなどの植林地は、人の手で木を間引く間伐をしないと太陽の光が入りづらくなり、しっかりと地面に根を張ることができない。
そのため、間伐を行わないと強風や大雨などの際に倒れやすくなったり、辺り一帯の地盤が崩れやすくなってしまったりする。
【正確な実態把握を】
内閣府の担当者は、今回のような流木の被害について、「根本的な対策をとれる段階に至っていない」と話している。
だからこそ、事態が落ちついたら、今回の流木の量、流れた原因、その経路などを調査し、実態を把握することが肝心だ。
さらに、林野庁によると、森の管理不足は九州だけではなく全国各地で見られるということで、専門家は、「今回のような記録的豪雨が発生した場合、各地で同様の被害が起こる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
出典
『九州北部豪雨 「流木」で被害拡大のナゼ』
http://www.news24.jp/articles/2017/07/14/07367025.html
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。