2017年6月23日に信濃毎日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
県は、下水道管を流れる下水の温度が年間を通じて安定している特長に注目し、外気との温度差を冷暖房や給湯に利用する取り組みを進める。
県管理の下水道管は、計約190kmに及ぶ。
この「下水熱」の利用を民間事業者に開放。
本年度内に諏訪赤十字病院(諏訪市)が冷暖房に利用する設備を整備する予定だ。
県によると、都道府県施設で下水熱を利用する例は、全国初とみられる。
県生活排水課によると、下水道管内の水温は年間を通じて20℃度前後で、「冬は温かく、夏は冷たい」特長がある。
同病院では、近くの地下を通る県諏訪湖流域下水道の下水道管に樹脂製の「採熱管」を設置し、不凍液を循環。
ヒートポンプと呼ばれる装置で熱を取り込み、冷暖房に利用する=イメージ図。
同病院は、下水道管約50mの区間に採熱管を設置する予定で、年度内に完成の見込み。
同病院に取り組みを提案した中部電力子会社のシーエナジー(名古屋市)は、「導入前と比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を50%削減できる」とする。
同病院は、「光熱水費の抑制効果も期待したい」としている。
下水熱を巡り、国は2015年、下水道法を改正して、民間事業者が下水道管に熱交換器などを設置することを可能にし、利用促進を図っている。
これを受け、県は、民間事業者が県管理の下水道管で下水熱を利用する際の手続きを定めた要領を作り、22日に公表した。
県は、諏訪湖のほか、犀川安曇野、千曲川上流・下流の各流域に下水道を抱える。
下水熱を利用する事業者からは料金を徴収する予定で、県生活排水課は、「事業者はコストを抑えることができ、県は下水施設を有効活用できる」と、双方に利点があると強調している。
出典
『「下水熱」冷暖房や給湯に 県が取り組み、諏訪赤十字病院が整備へ』
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170623/KT170622ATI090019000.php
(ブログ者コメント)
〇国交省資料は下記参照。
『下水熱でスマートなエネルギー利用を ~ まちづくりにおける下水熱活用の
提案 ~』
http://www.mlit.go.jp/common/000986040.pdf
〇本ブログでは、下水道法改正前の2013年11月、仙台市の大手スーパーで実証実験が開始されたという報道を紹介している。
2013年11月23日掲載
『2013年11月15日報道 仙台市は震災で壊れた下水道管の復旧に際し積水化学の協力のもと下水道の熱をヒートポンプで回収することにし、その実証実験を今月から開始した』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3440/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。