2017年6月21日17時49分にNHK信州から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3年前、坂城町の県立高校で、ハンドボール部の試合中に相手チームの選手と衝突したあと、再び試合に出場させられたことで記憶障害などの後遺症が残ったとして、当時2年生の男子生徒と両親が、学校側の安全管理に問題があったとして、県と高校の顧問の男性教諭らに対し、8400万円余りの損害賠償を求める訴えを長野地裁に起こした。
訴えによると、男子生徒は平成26年12月、ハンドボール部の試合中に相手チームの選手の膝が左の頬にぶつかって倒れ、動けなくなったという。
生徒はコートの外に運ばれたが、顧問の男性教諭に再び試合に出場させられ、帰宅後も体のしびれがおさまらず、脳震とうや頸椎損傷などと診断されて入院した。
21日会見した男子生徒の母親は、「もう二度と同じことを繰り返さないよう、指導者として知識を持ってほしい」と話していた。
出典
『部活中の事故で損害賠償請求訴訟』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/1014434111.html
6月22日付で信濃毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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原告側は、男性が入部から事故までに足首4カ所を疲労骨折し、顧問からは「ぶつかってくる相手をよける者は勇気が足りない」などと指導されたと主張。
事故の際に救急車を呼ばず、試合に再出場させたのは「不適切な指導」で、その結果、重い障害が起き、現在も後遺症がある―としている。
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出典
『14年の坂城高ハンドボール部事故 元部員男性と両親が提訴』
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170622/KT170621FTI090022000.php
2016年10月26日付で毎日新聞長野版からは、詳細な状況などが下記趣旨でネット配信されていた。
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坂城高校の事故報告書によると、2014年12月28日、同校の体育館でハンドボール部の練習試合があった。
午後1時45分ごろ、ゴール前で守備をしていた男性が、シュートを放とうとジャンプした相手選手の膝を顔に受け、倒れた。
男性にその後の記憶はないが、報告書では、他の選手に担がれてコート外に出され、男性顧問が意識の有無などを確認。
1人で約3分休んだ後、出場できることを顧問に伝え、約2分間、再出場したという。
試合後、顧問は家族に連絡し「脳震とうの可能性が高い」と伝え、駆けつけた家族に男性を引き渡し、病院へ行くことを勧めた。
同日午後7時半ごろ、顧問は男性宅に電話を入れ、症状に改善が見られないことを知って病院へ行くよう伝えた。
家族が男性を病院へ連れて行くと、緊急入院することになった。
病院では、男性が脳震とうを起こし、顔面を骨折、頸髄(首の神経)損傷を負っていたことが判明。
事故直後や再出場した時の記憶がないことも分かった。
男性は転院も含め約8カ月、入院。
その間、記憶力など脳の機能に障害が出る高次脳機能障害も発症した。
運動中に頭を打つ事故が起きた時の指導者の対応について、文科省の「学校における体育活動中の事故防止について」(12年7月)や日本スポーツ振興センターの「体育活動における頭頸部外傷事故防止の留意点」(13年3月)は、「脳が再び強い衝撃を受けると、危険度が極めて高まる(セカンドインパクトシンドローム)ため、正常な場合でも1日から数日は練習を休み、安静にし、状態を観察する」などとしている。
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日本体育大の南部さおり准教授(スポーツ危機管理学)は、「再出場はさせるべきではない。セカンドインパクトシンドロームがなくても、一度頭を打てば、外見上は問題が無いように見えても容体が急変する可能性がある。首から上への打撃を受けたら、急性硬膜下血腫など脳へのダメージを疑い、可能な限り動かさず経過を観察することが必要」と指摘する。
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出典
『坂城高 部活動ハンドボール 脳しんとう、試合再出場 識者「指導不適切」 /長野』
http://mainichi.jp/articles/20161026/ddl/k20/040/111000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。