2018年9月14日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
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http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8796/
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http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8795/
(3/3 修正1)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8801/
(2018年9月30日 修正2 ;追記)
2018年9月22日17時56分に朝日新聞から、送電線の故障もブラックアウト発生の一因?など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地震直後の大規模停電(ブラックアウト)は、北海道電力の主力火力発電所の停止だけでなく、送電線の故障による水力発電の停止や、一部地域を強制的に停電させる措置を使い切るなど、複合的な要因が重なって起きたとみられることが分かった。
事故原因を調べるため、21日に東京都内で開かれた国の電力広域的運営推進機関(広域機関)の検証委員会の初会合で、明らかになった。
広域機関によると、6日午前3時8分の地震直後、震源近くにある道内の最大の火力、苫東厚真発電所の2、4号機が停止したほか、1号機も出力が低下し、計121万KWが一気に失われた。
北電は、すぐに本州から電力融通を受けて供給力を増やす一方、1回目の強制停電で124万KWの需要を減らしたが、このとき、北海道東部につながる主要3送電線が故障し、この地域の水力がすべて停止したことが明らかになった。
送電線の故障が地震によるものかは不明だが、送電線が機能していれば、計43万KWの供給力を維持できた計算になる。
地震後まもなく、起きた人たちが照明やテレビをつけたことで電力需要は増えていったが、本州からの融通やほかの火力の出力を増やし、いったんは需給バランスは持ち直した。
3時20分すぎ、苫東厚真1号の出力が約20万KW分低下したため、北電は2回目の強制停電に踏み切った。
これで16万KW分の需要を減らし、需給バランスはやや改善した。
ところが、同24分に苫東厚真1号が停止し、供給力が10万KW分減った。
ここで北電は3回目の強制停電を実施したが、減らせた需要は6万KWにとどまり、需給バランスを回復できなかった。
周波数が低下し、動いていた火力なども、故障を防ぐために一斉に停止した。
本州からの融通もできなくなり、ブラックアウトに陥った。
3回の強制停電で減らした需要は146万KW。
地震直前の道内の需要の約半分を占める。
3回目に、あと数万KW分多く強制的に停電できていれば、ブラックアウトを防げた可能性もある。
検証委の横山明彦委員長(東京大教授)は、「経済性も含め、どれだけの負荷遮断(強制停電)を持つべきか議論したい」と述べた。
また、地震の直前、苫東厚真の3基はフル出力の9割と高出力で運転する一方で、道内のほかの火力発電所はフル出力の3割程度か、停止中だった。
苫東厚真は海外産の石炭を燃料に使い、発電コストが安い。
経済性を重視するあまり、リスク分散をせずに最大火力に過度に依存していた可能性もあり、今後の検証での焦点となる。
出典
『北海道ブラックアウト、見えた複合要因 送電線まで故障』
https://www.asahi.com/articles/ASL9P4QQSL9PULFA01N.html
9月22日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
検証委は、10月中の中間報告を目指す。
【検証委の議論で注目された主なポイント】
・北海道電力の負荷遮断の最大容量(146万KW)は適切だったか
・1回目の負荷遮断(130万KW)実施後、設定ミスで再送電された6万KWが全体の需給に与えた影響
・地震発生直後に送電線の異常で発生した道東・北見エリアの一時的な停電が全体の需給に与えた影響
・道東・北見エリアの一時的な停電で出力を停止した水力発電(43万KW)の脱落分がブラックアウトに与えた影響
・地震後も稼働していた苫東厚真1号機が徐々に出力を低下させ、ブラックアウト直前に出力停止に至った理由
・ブラックアウト直前、最後の3回目の負荷遮断(6万KW)で周波数を回復できなかった理由
出典
『北海道地震 ブラックアウト 負荷遮断、設定量検証へ 来月中間報告』
https://mainichi.jp/articles/20180922/ddm/008/040/105000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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