2018年9月23日9時32分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
自宅で「酸素濃縮装置」を使っていた呼吸器疾患の患者らが死亡する火災が相次いでいる。
使用中は酸素濃度が高まるため、少しの火気でも火災につながるおそれがあるといい、うち4割はたばこが原因とみられている。
こうした状況を受け、装置に対策を施すことが定められたが、普及には時間がかかるため、国や消防は注意を呼びかけている。
鼻に取り付けられたチューブの先に、たばこの火を近づける。
すると、5秒ほどで激しい炎が上がった。
火はチューブを伝って首の周りへ。
チューブの先端から噴き出し続ける炎がシャツに燃え移っていく。
大阪市消防局が、注意喚起のためホームページで公開している、人形を使った実験映像。
チューブの先端部分は、酸素濃縮装置により、ものを燃えやすくする酸素の濃度が高まるため、こうした火災が起こるという。
大阪では今年6月、酸素濃縮装置の利用者の自宅で火災が相次いで発生した。
和泉市では、50代の男性が死亡。
原因は特定されていないが、男性は顔面付近が激しく焼け、近くに酸素濃縮装置があった。
家族の警察への説明では、男性は装置の使用中にたばこを吸うため、注意していたという。
東大阪市でも、喫煙習慣があった80代の女性が亡くなった。
警察は、チューブや衣服に引火した可能性があるとみている。
ガス販売業者やメーカーなどでつくる「日本産業・医療ガス協会」(東京)によると、装置の使用中に起きたとみられる火災は、2003年から今年5月末までで全国で72件発生し、68人が死亡している。
4割はたばこが原因とされ、ほかにストーブやロウソクの火などが燃え移ったとみられるケースもあるという。
医療機器メーカーや販売業者などでつくる一般社団法人「日本医療機器工業会」(東京)などが、火災を防ぐよう装置の規格の見直しを進め、2月に規格が改められた。
メーカー側は、煙を感知すると、すぐ酸素の供給を止めるなどの対策を進める。
ただ、あるメーカーの担当者は、「ハード面で火災を防ぐのには限界がある。患者本人に喫煙をやめてもらうなど、注意してもらうのが一番」と話す。
大阪市消防局の担当者は、「患者の周りにいる家族や介護関係者も、火気厳禁の徹底を」。
厚労省の担当者は、「酸素濃縮装置の使用中は、装置の周囲2m以内に火気を置かず、医師の指示どおりに使用して欲しい」と訴えている。
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【酸素濃縮装置】
空気中に含まれる酸素を高い濃度に圧縮し、チューブを介して体内に取り込む装置。
病気などで十分な酸素を取り込めない人が、在宅療法のために使う。
大手メーカーによると、在宅酸素療法に取り組む全国の患者数は約16万人と推計されており、ほぼ同数の濃縮装置が普及しているとみられている。
出典
『たばこから引火 酸素濃縮装置、使用中の死亡火災相次ぐ』
https://www.asahi.com/articles/ASL9Q4G7PL9QPTIL009.html
(ブログ者コメント)
同様な情報は、過去にも本ブログで何件か紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。