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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2022429193分にYAHOOニュース(読売テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

奈良県の近鉄橿原線の踏切で、全盲の女性が列車に接触し死亡した事故で、女性が「点字ブロック」に気づかず踏切に進入していたことがわかりました。

点字ブロックが一部破損していたことが影響した可能性もあります。  

事故直前の防犯カメラの映像です。

白杖を持った女性が、点字ブロックに気づかず踏切に進入します。

渡り終える直前に警報機が鳴りますが、女性は踏切に“入る前”と錯覚したのか、立ち止まり、事故は起きました。  

4月25日午後6時過ぎ、奈良県大和郡山市の近鉄橿原線の踏切内で、近くに住む高垣さん(当時50)が列車と接触し、死亡しました。
高垣さんは全盲の女性でした。  

藤本記者:
「事故に遭った女性は、踏切前にある点字ブロックに気づかずに踏切を渡ろうとしました。その後、警報機が鳴り、踏切内だと気づかなかった女性が立ち止まった後、電車に接触したとみられています」。

事故はなぜ、防げなかったのでしょうか。  

高垣さんを古くから知る、視覚障害のある岩さん(男性)が28日、事故現場を訪れました。  

岩さんと同じく視覚障害のある花田さん(女性):
「あんまり(道路の)端に行くと線路に落ちるので、やっぱりこう(真ん中)歩きます。真ん中へんを」

視覚障害のある人が現場の踏切を渡る場合、道が狭いことから、線路側に落ちないように、少し、道の真ん中の方を歩くといいます。  

現場の点字ブロックは踏み切りの四隅にだけ設置されていますが、事故当時、点字ブロックは経年劣化によって一部破損していたことがわかりました。  

視覚障害者は、白杖と、足の裏の感覚を頼りに道を歩きます。

そのため、点字ブロックが正確な役割を果たさなければ、命の危険に繋がります。  

花田さん:
「たまたま、そこ(点字ブロック)を踏んだら分かるけど、踏まなければ分からないという位置に置かれると、見えていない者にとっては、どこを踏んで良いのかがわからない」。

岩さん:
「全体的に(点字ブロックを)張ってもらうということが、これからの要望になる」  

現場近くの他の踏切では、点字ブロックそのものが設置されていないところも数多くありました。

今回の事故を受け、奈良県視覚障害者福祉協会の辰巳会長は、「自ら命を守るため、危機意識を高める必要もある」といいます。

「レールから遮断機までは何十センチあるとか、踏切内の行動の研修を当事者がやって把握しておくということが必要だと思う」  

藤本記者:
「人や車の多く行き来う踏切で、誰かひとりでも女性の異変に気づいていれば、事故は防げたかもしれません。私たちが目の不自由な方々に寄り添い、困っていれば声をかけ、危険があれば知らるなど心がけることが大切です」











https://news.yahoo.co.jp/articles/61390486b910c4677b5ed382baa03cc056d1eb39

 

4281950分にNHK奈良からは、1週間前に引っ越してきたばかりだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

高垣さんは、糖尿病をわずらったあと、21歳の時、目が見えなくなりました。

1人で旅行に行くほど活発だったということで、鍼灸師の資格を取り、1週間前には、現場近くに引っ越したばかりでした。

 

【点字ブロックなく 位置を把握するのが難しい】

事故の翌日の26日、奈良県の視覚障害者でつくる団体の辰巳会長が現場を視察し、花を手向けました。

団体はこれまで、視覚障害者が踏切の中か外かを把握できる点字ブロックの設置を求めてきましたが、団体によりますと、奈良県内ではまだ、どこにも設置されていないということです。

辰巳会長は今回の事故を踏まえて、改めて国などに対して踏切内の点字ブロックの設置を求めていく考えを示した上で、「事故に遭いそうな視覚障害者を見かけた場合は、すぐに声をかけて危険を知らせてほしい」と話していました。

 

【立ち位置を把握できる 豊中市の踏切は】

大阪・豊中市にある阪急宝塚線の服部天神駅近くの踏切では、中に点字ブロックが設置されています。

ここでは、踏切の中と外で、点字ブロックの突起の形や配置が異なり、視覚障害者が自分の立ち位置が把握できるようになっています。

大阪府では、近くの福祉施設を利用する視覚障害者の要望を受け、警察、鉄道会社などと協議したうえで、平成22年に設置しました。

設置後も、視覚障害者の意見を取り入れて点字ブロックの位置を変更するなど、調整を続けているということです。

設置費用はおよそ20万円でした。

大阪府池田土木事務所の山口主査は、「安心して渡ってほしいと設置しました。鉄道会社などとの調整のためにも、全国的な基準の整備が必要だと思います」と話していました。

 

【点字ブロックの設置基準は】

点字ブロックの設置基準は、国の省令やガイドラインで示されています。

国土交通省によりますと、点字ブロックは省令で「必要な場所に設置する」と定められていて、「必要な場所」がどこかは、関係者が協議して個別に判断するということです。

設置は、その道路の管理者が行います。

ただ、踏切内については、ガイドラインなどはないということで、「自治体が地域の状況に応じて個別に判断していほしい」としています。

このため、踏切内に点字ブロックが設置されているのは、関西では阪急電鉄の2か所と南海電鉄の2か所の、あわせて4か所に留まっています。

JR、近鉄、京阪電鉄、それに阪神電鉄には、踏切内に点字ブロックが設置されている場所はないということです。

 

【バリアフリーに詳しい専門家は】

踏切内の点字ブロックの設置が進んでいない現状について、バリアフリーに詳しい筑波大学の徳田克己教授は、「点字ブロックがあれば、その上に乗っていれば踏切の中にいて危険だとわかるので、命を守るために必要だ。国や自治体は優先度を高く考え導入を進めてほしい」と話していました。

そのうえで、視覚障害者側の対策としては、「踏切内に取り残された場合の避難のしかたなどを学ぶ勉強会を福祉関係者や障害者団体が開いて、知識を得てほしい」と話していました。

・・・









https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20220428/2050010291.html

 

(ブログ者コメント)

道路の端は落ちるかもしれないので歩かないとのこと。
映像を見ても、実際、高垣さんは道路端から距離をとって歩いており、仮に点字ブロックが破損していなくても、その上は通っていなかったように見えた。
この点字ブロックを設置した際、設置位置について視覚障碍者の方の意見を聞いたのだろうか?

 

(2022年5月20日 修正1 ;追記)

20225181531分に毎日新聞からは、踏切内はゴム鋪装かつ傾斜もあるので道路との違いは分かるなど、全盲の記者?が現場に行っての感想などが、下記趣旨でネット配信されていた。

事故の状況や考えられる原因は何か。
再発防止策はあるのか。

全盲の私自ら体験して確かめるべく、白杖(はくじょう)を手に、日本歩行訓練士会事務局長で日本ライトハウス養成部部長代理の堀内K子さん(59)と共に現場に立った。

 

【点字ブロック、かなり摩耗】

「かなり危険な踏切」。
私が現場で最初に感じた印象だ。

踏切は幅47メートル、奥行き82メートル。
電車が南北に走り、1車線一方通行の道路が東西に横切る。
車はひっきりなしに通る。

踏切につながる道に歩道はなく、白線で区切られた路側帯だけ。

しかし、踏切から2歩ほど手前の白線上には,黄色い警告用の点字ブロックが敷かれている。

堀内さんから「点字ブロックがかなり摩耗している」と教えられ、手を伸ばす。

縦横2枚ずつ並ぶ点字ブロックのうち、右上の1枚が完全にはがれていた。

道路と踏切の違いは、私にはよく分かった。

踏切の手前には上りの傾斜があり、踏切内の路面は硬いゴム製でつるつるしていて、渡り終えると下りの傾斜になるからだ。

近鉄によると、2005年にアスファルトからゴム製舗装への改良工事を行ったという。

点字ブロックの敷設も,この時期のようだ。

視覚障害者団体が23年要望して実現した。

 

【カメラに残る事故状況】

亡くなったのは、近くで治療院を営む高垣Y子さん(50)。

近鉄によると、運転士が踏切内にいる人に気づき、急ブレーキをかけたが、間に合わなかった。

踏切には「障害物検知装置」が設置されている。

装置から出た光線が踏切内で立ち往生した車などで4秒以上遮られると、運転士に知らせるシステムだ。

しかし、今回は検知できる状況ではなかったため、作動しなかった。

事故の状況は、警察が入手した監視カメラに残っていた。

高垣さんは踏切の西側から道路左端の白線付近を歩いていく。
右手に白杖を持ち、路面をたたいて進む。
やがて白杖を左手に持ち替え、右のポケットから取り出したスマートフォンのようなものを胸のあたりに構え、うつむいたまま歩く。
踏切内の中央を越え、2本目の線路を過ぎたあたりで足を止める。
遮断機が下りる警報音が鳴ったようだ。

その後、スマホのようなものを右ポケットにしまい、白杖を右手に持ち替え、車から身を守るように左に1歩動く。
あと少しで踏切の外に出る位置だ。

しばらく立ち止まっているが、急に回れ右をして戻ろうとし、南から走ってきた電車にはねられる。

奈良県警郡山署によると、目撃者は、高垣さんとすれ違った人が1人、踏切近くから見た人が1人。
事故そのものを見た人はいない。

同署は、高垣さんが立ち止まったのは踏切の手前と勘違いしていた恐れがあると考えている。

電車の警笛で踏切に近づきすぎていると思い、離れようとしたのではないかとみる。

映像を見た堀内さんは、「警報音を聞き立ち止まった時点では踏切の手前にいると判断したかもしれないが、電車の警笛で踏切の中にいると思い、慌てて外に出ようとしたのでは」と推測する。

私も、踏切の手前の傾斜は緩やかで、終わる直前は平たんなうえ、足裏の感覚も似ていると感じた。

急に鳴り出す警報音は、初めかなり大きく、びくっとする。
そのうえ電車の警笛を聞けば、相当動転するだろう。

 

【迂回路あったが…】

事故現場には、迂回(うかい)路がある。
66メートル南にある踏切を通るルートだ。

この踏切の幅は事故現場の半分ほどで、車は通らない。

視覚障害者からの要望で、手前の中央には13年、4枚の黄色い警告用点字ブロックがT字形に付いた。

だが、高垣さんの治療院からは遠くなり、そもそも、この迂回路を知らなかった可能性もある。

 

【再発防止へ提案】

現場を歩いたという奈良県視覚障害者福祉協会の会長で全盲の辰巳さん(男性、64歳)は、次の三つを提案する。

①踏切内のエスコートゾーン(点字ブロックのように足裏で分かる突起)の設置

②踏切内の様子を確かめ、危険回避の行動を学ぶ研修会

③踏切での街行く人からの声かけの啓発

事故後、大和郡山市や障害者団体、近鉄、警察による話し合いも持たれている。

そこでは、踏切の中にいるのか外にいるのかが、遮断機に触ったり警報音を聞いたりして分かるような工夫を求める声も出たという。

市は、「早期に改善したい」と話す。

まずは、はがれた点字ブロックの早急な修復など、考えうる限りの手立てで再発防止に全力を尽くしてほしい。

https://mainichi.jp/articles/20220518/k00/00m/040/083000c

 

 

 

  

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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