2016年5月6日付で信濃毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後4時半ごろ、御柱祭の「建て御柱」が行われていた諏訪市中洲の諏訪大社上社本宮境内で、建て終わった「本宮一」(高さ約15m)の御柱の最上部から、男性(41)が転落した。
男性は、全身を強く打って市内の病院に運ばれたが、同日午後10時3分に死亡した。
警察は6日朝までに現場を実況見分。業務上過失致死の疑いもあるとみて、関係者に事情を聴くなどしている。
諏訪大社の御柱祭では、前回2010年も、諏訪郡下諏訪町の下社春宮境内で行われた「春宮一」の建て御柱で男性3人が落下し、2人が死亡している。
5日は上社里曳(び)きの最終日で、本宮境内で計4本の建て御柱が行われた。
警察によると、事故当時は、本宮一を建て終わった後で、男性は、御柱に巻いた綱と木材の足場を外していた。
近くに止めてあった重機の運転席天井まで約10m落下し、さらに下へ落ちたという。
警察によると、男性は豊田地区の氏子で、本宮一の安全管理を担当。
フックを綱などに引っ掛け、転落を防ぐ安全帯を着けていた。
警察は、安全帯の装着状況や、フックを掛ける綱がどうなっていたかなども調べている。
警察などによると、諏訪大社御柱祭では、1992年の下社山出しの木落としでも男性1人が死亡。
86(昭和61)年には下社山出しの木落としを見物していて落石が当たった女性が、80年には上社里曳きの建て御柱で男性が柱の下敷きになって死亡した。
出典
『「建て御柱」で41歳男性転落し死亡』
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160506/KT160506FSI090005000.php
5月7日付の信濃毎日新聞からも、関連記事が下記趣旨でネット配信されていた。
御柱祭の「建て御柱」を終えた諏訪大社上社本宮で、氏子が「本宮一」の御柱から転落して死亡した5日の事故。
上社側は、今回、前回2010年の御柱祭で2人が死亡した下社春宮の事故を踏まえ、安全最優先で臨んでいた。
氏子らでつくる上社御柱祭安全対策実行委員会は、御柱に乗る氏子に安全帯の装着を義務付け、手順も慎重に確認したが、事故は防げなかった。
原因究明はこれからだが、作業の進め方を点検し直す必要があるとの声も出ている。
死亡した男性の知人によると、男性は以前も、建て御柱で柱に乗った経験がある。
今回は安全管理を担当し、事故当時は、ほかの氏子が下りた後に、柱に幾つも巻き付けてあった綱と木材の足場を外していた。
同実行委は、今回、安全帯装着を義務付けたほか、設計図を基に建て方を確認。
氏子らによると、腰に着けた安全帯につながるロープの先端にはカラビナ状の金具があり、足場の綱などに掛けて転落を防ぐ。
ロープは、一般に1人で2、3本使い、1本を掛け替える間も、残りで安全を確保するという。
10年の事故では、「春宮一」を支えていたワイヤの1本が切断。御柱が揺れ、命綱などを装着していなかったとみられる3人が転落、2人が死亡した。
春宮一の担当地区を含む岡谷市御柱祭典委員会は、今回、安全帯に加えて、別のロープも使って二重に安全を確保するよう、氏子に要請。
これらの安全策を守ると明記した誓約書の提出も求め、14〜16日の下社里曳きに臨む方針だ。
本宮一の建て御柱は5日午後2時ごろ始まり、転落事故が起きたのは午後4時半ごろだった。
柱の上の氏子らは下りるまで安全確保に気を使い、体力も使うという。
諏訪大社大総代会の牛山議長(67)は、「長時間、御柱に立ち続けるのは事故の元。もっと早く下ろせなかったのかとは感じている」と語った。
事故の衝撃は、無事に日程を終えた上社の他地区にも広がった。
大総代の1人は、「亡くなった人の家族や準備を重ねてきた氏子を思うと残念。安全対策は十分やったつもりだが、まだ何か足りなかったのか…」と悔やんだ。
出典
『建て御柱安全策実らず 氏子転落事故「点検し直す必要」声も』
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160507/KT160506FTI090011000.php
ちなみに、4月16日付で信濃毎日新聞からは、5月中旬開催予定の下社御柱祭安全対策打ち合わせ状況が、下記趣旨でネット配信されていた。
上社でも、同じような打ち合わせが行われていたことだろうが・・・。
諏訪大社御柱祭下社里曳き(5月14〜16日)に向けて、岡谷市御柱祭典委員会は、14日、諏訪大社下社春宮と秋宮での建て御柱について、市内で打ち合わせをした。
市内5地区が担当する御柱5本の作業を今回委託する専門業者の団体「建御柱の会西」を招き、安全対策を確認した。
建御柱の会は諏訪地方のクレーン会社や土木業者などでつくり、約40人が参加。
十字形に差し込んだ棒で円柱を回転させてワイヤを巻き取る木製道具「車地(しゃち)」を2基使い、人力で御柱を引き起こす。
会長でクレーン会社社長の西さん(70)は、「多くの氏子に参加して技術を身に付けてもらい、将来的には氏子自身が担える形につなげてほしい」と呼び掛けた。
建て御柱で御柱に乗る氏子は安全帯とロープで御柱に体を固定することを徹底し、大総代が調べて未装着の氏子は乗せない方針を決めた。
氏子には、安全帯を装着し、会の指示に従う、といった4項目についての誓約書を祭典委と会に提出してもらうことも確認した。
出典
『建て御柱、安全対策確認 岡谷市祭典委、専門業者団体と』
http://www.shinmai.co.jp/onbasira/2016/04/post-441.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。