2021年6月29日9時59分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
信号が変わるタイミング(周期)の設定ミスで事故が起きたとして、重傷を負った元神戸市職員の男性(54)が、信号機を管理する兵庫県や相手の運転手などに損害賠償を求めた裁判の判決が、神戸地裁であった。
後藤慶一郎裁判長は信号の設定ミスを認め、県などに約7760万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
25日付。
判決によると、事故は2013年7月、神戸市東灘区内の信号機のある交差点で起きた。
男性はごみ収集車を運転して交差点を東から左折して進入し、南から右折してきた大型トラックと衝突。
脚の骨が折れ、自力歩行が難しくなった。
判決は、この交差点では信号周期の設定などから、双方の車が交差点に入ることができる「どっちも青」の状態が7秒間あったと認定。
「信号機の設置と管理に瑕疵(かし)があったと言わざるを得ない」と指摘した。
兵庫県警は、同様に「どっちも青」の状態になる交差点4カ所について、16年までにすべて解消したという。
県警監察官室は「判決内容を検討し、関係機関と協議の上、今後の対応を決めたい」としている。
https://www.asahi.com/articles/ASP6Y3256P6XPIHB01H.html
6年前、2015年7月1日11時0分に産経新聞westからは、裁判で無罪判決がでていた、「どっちも青」信号は全国で他にもある、現場はK字型の変則交差点で被告が右折した道路を走ってみると鋭角でUターンに近かった、交通量の多い道路に左折矢印信号を設置した際に「どっちも青」設定になったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
信号「青」で進入した交差点。
もし、別方向から入ってくる車の信号も「青」だったら-。
そんな状況下で起きた車同士の衝突事故をめぐる刑事裁判で、自動車運転過失傷害罪に問われた大型トラックの40代の男性=堺市中区=に対し、神戸地裁が6月、「信号周期の設定に不備があった」として無罪判決=確定=を言い渡した。
大型トラックと軽自動車が衝突した今回の事故で、双方の信号は同時に7秒間「青」を示す設定だった。
ドライバーや歩行者にとっては「まさか」の状況だが、実は、2方向の信号が「青」となる交差点は、全国でほかにもあるという。
判決を受けて兵庫県警は、現場の交差点などで新たな対策に着手した。
危険から身を守るためにだれもが頼る信号に、実は〝死角〟が潜んでいるのかもしれない。
【検察は控訴断念】
事故は平成25年7月24日午前10時15分ごろ、神戸市東灘区魚崎浜町の市道交差点「魚崎浜町交差点」で発生した。
男性が運転する大型トラックが南から交差点に入り、南東に鋭角に右折しようとしたところ、東から左折してきた軽自動車と衝突。
相手の男性が股関節骨折などの重傷を負った。
交差点は、南北方向を走る直線道路に、東からの道路と、南東からの道路が接続する「K字型」。
事故当時、大型トラックの対面信号は青色、軽自動車側の信号は左折可の青色矢印をそれぞれ表示。
いわゆる「青青」状態だった。
「刑事裁判になるとは…」。
男性の代理人弁護士は、昨年9月末ごろに男性方に届いた起訴状に驚きを隠せなかった。
弁護士は事故直後、男性が勤める堺市内の運送会社から代理人として依頼を受けた。
だがそれは、保険会社や相手方との交渉など金銭的な対応を想定したものだった。
起訴された男性の公判は昨年12月から計7回開かれた。
検察側は公判で「仮に対向信号が青だったとしても、男性が右折直前に進行方向を見て安全を確認する義務があった」と主張。
相手の軽自動車の男性のけがが、約260日以上の加療を要する重傷だったことなども考慮し、男性の過失を指摘した。
しかし6月10日、神戸地裁が下した判決は、検察側の想定を超えたものだった。
平島正道裁判長は、「双方の走行を同時に可能とする交通規制が相当でないことは明らか。被告の刑事責任を問うことはできない」と判断。
男性の無罪とともに、信号周期設定に不備があったことにも言及し、県警に改善を求めた。
判決後、ある検察幹部は、「交差点の信号は、あくまで、交差点内への侵入を規制するもの。中に入ると、ある種の『無法地帯』で、安全確認の注意義務は、どのドライバーにもある」との見方を示したが、地検は控訴を断念した。
男性が注意義務を怠ったことを立証するには証拠が不十分で、無罪判決を覆すのは困難と判断したとみられる。
「そもそも、刑事責任があるとして起訴する案件だったのか、疑問に感じる。無罪は当然のことだ」。
男性の弁護士は、こう話した。
【「早く直して」】
事故現場を訪ねた。
交差点の周辺には工場が建ち並ぶため、交差点内は絶えずトラックなど車両が行き交う。
しばらく待っていると、双方の信号が青を示した。
「1、2、3…」。
時計の秒針に合わせて数えると、確かに7秒間。
その間、左折可の信号に促されるように、数台の車が通りすぎ、鋭角に右折する車とすれ違った。
被告だった男性が乗っていた大型トラックと同じように、実際に車を運転し、同じ進路をとってみる。
右折というよりはむしろUターンに近い角度で曲がるため、車内から見える視界は瞬く間に左右が反転した。
通常の右折とは比べものにならないほど、自然と、周囲に注意を払った。
事故相手の軽自動車と同じ進路も走ってみた。
信号が赤になってから間もなく、左折進行可を示す青色矢印がともる。
通常の十字路交差点と同様に、ほぼ直角に曲がるため、スムーズに左折を終えた。
近くの運送会社に勤める男性(45)は、「事故も聞いたことがなかったが、信号に不備があるなら、早く直してもらわないと怖い」と不安をのぞかせた。
【信号改善の契機に】
県警によると、信号の周期の設定方法に統一の基準はなく、各都道府県警が独自に交差点の形状や交通量、地域の要望、事故数に合わせて設定。
渋滞や事故が起きれば、その都度対応して、設定を見直している。
今回の交差点には昭和44年11月に信号を設置。
遅くとも52年度には、左折用の矢印が設置されたことが確認できる。
事故の軽自動車と同じルートで左折する車両の交通量が多く、左折時間を長く取ろうとした結果、現在のように同時に青になる設定になったという。
現場での同様の事故は、過去10年では、平成19年にトラック同士が衝突する事故が1件あっただけで、県警は「特に危険な交差点という認識はなかった」。
しかし、今回の無罪判決を受けて、事故防止のために路面に誘導線を引く方針を決定。
さらに、県内で他に似た形状の交差点がないか調査を行い、この交差点以外に4カ所あることが分かった。
4カ所では、いずれも過去10年間で追突事故などはあったが、重大事故は発生していない。
県警は「交通量調査などを行い、必要があれば何らかの対策を検討したい」としている。
男性の弁護士も、「こうした信号が是正されれば、事故自体も減少し、道路の安全向上につながるはず」と期待を寄せる。
交通訴訟に詳しい高山俊吉弁護士(東京弁護士会)によると、今回の事故があったような変則交差点は、全国的な数は不明だが、少なくないという。
高山弁護士は、「信号を適切に運用しないと、信号を信頼して走行する全国のドライバーに混乱が生じる。今回の判決はそれを危惧しており、現場の交差点の状況を反映した周期になっているかどうかを再考する機会ととらえるべきだ」と話している。
https://www.sankei.com/article/20150701-27UZFSVBFJPCBP6DB3UADR3YTQ/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。