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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2016722956分にniftyニュース(神奈川新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

72283分にNHK横浜からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

撮影スタジオで16人搬送 川崎

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12152-187367/

スタジオで体調不良16人搬送

http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1056978931.html?t=1469223973511

 

21日午後8時20分ごろ、川崎市宮前区宮前平2丁目のアバコ撮影スタジオで、「撮影中に男女2人が気分が悪いと訴えている」と119番通報があった。

男女計16人が発熱や関節の痛み、倦怠感などの体調不良を訴え、病院に搬送された。


消防によると、16人は23~41歳で、呼吸困難やガス中毒の症状。

重傷者はいないという。

 

スタジオでは、午前7時ごろから、CM撮影用に床に水性ペンキ約10ℓを塗った。

その後、27人で撮影を行ったところ、午後1時ごろから数人が気分の悪化を訴え始めた。


消防隊が現場を調査したが、有毒ガス成分は検知されなかった。

換気が不十分だったとみられるという。

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

ブログ者は、水性ペンキであれば溶剤を使っていないので、中毒の危険はないと思っていた。

スタジオの広さは不明だが、27人が入っていたことから考えると、そう狭くはないと思われる。

また、ペンキ10ℓといえば、そう多いとも思えない量。

そういった状況で中毒事故が起きるとは・・・。

塗ったばかりだったとか、撮影用の照明の熱が揮発促進?といった側面もあったかもしれないが・・・。

 

水性ペンキでも中毒になるか調べたところ、以下の情報が見つかった。

油性ペンキに比べ危険性は低いものの、ゼロではない、といったところかもしれない。

 

『建設業における有機溶剤中毒予防のためのガイドラインの解説』

(平成9年3月25日 労働省)

「3.作業管理」について

(1)「危険有害性の少ない有機溶剤等を選択する」とは、塗装作業を行う場合に、有機溶剤を含有する塗料から水性の塗料に代替することを含むものである。

ただし、水性の塗料であっても、上記のMSDS等により、塗料等に含まれる化学物質の危険有害性について把握し、判断することが必要である。

https://www.mmm.co.jp/ohesd/regulations/pdf/reg06.pdf

 

『水性塗料成分1-メチル-2-ピロリドン及びテキサノールによる新築小学校の室内空気汚染』

2010年 室内環境 掲載論文 抄録)

北海道のオホーツク海に面した小学校において,新築校舎使用開始後,全児童17人中10人と教職員9人中3人が様々な体調不良を訴えたため,約1ヵ月後に近隣の地区センターへ避難して授業を行うことになった。

竣工後と症状発症後の民間検査機関による検査では,学校環境衛生基準に定められた8物質及び指針値の設定された13物質はいずれも基準値・指針値を下回っていた。

竣工後約6ヵ月を経過した時点で室内空気中化学物質を精査したところ,指針値の設定されていない1-メチル-2-ピロリドンと2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート(テキサノール)が高濃度(前者の最高濃度:1000μg/m<sup>3</sup>,後者の最高濃度:290μg/m<sup>3</sup>翌月の測定では510μg/m<sup>3</sup>まで上昇)で検出された。

これら2種の化学物質は新校舎内壁面の塗装に使用された水性塗料成分であることが判明した。

これらの低減化を図るために換気の徹底とベークアウトを行った。

また,児童・教職員が体調不良を発生した時点の1-メチル-2-ピロリドンとテキサノール濃度を推定するために,学校の環境を模した温湿度条件で小形チャンバー法による放散量の測定を行った。

その結果,竣工後から校舎使用開始までの1-メチル-2-ピロリドンやテキサノールなどの減少量は少なく,校舎使用開始に伴う暖房の使用によりこれらの放散量が急激に増加し,校舎内の室内空気を汚染したことが推測された。

 

http://ci.nii.ac.jp/naid/130002151353

 

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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