2020年5月26日16時55分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府摂津市が事務的ミスで、60代の男性に対し住民税約1500万円を過大に還付していたことが関係者への取材で明らかになった。
男性は「還付金は、既に借金返済や株取引の損失補塡(ほてん)に充ててしまったので返還できない」と説明している。
市側は返還を求めて法的手段に訴える意向を示しているが、男性の代理人弁護士は「返納請求を受けた時点で使い切っていたので、返還義務はない」と主張している。
弁護士によると、市は2018年7月、男性の口座に住民税の「配当割額及び株式等譲渡所得割額」の還付金として、1667万5577円を振り込んだが、府の調査でミスが判明。
本来の還付額は165万5577円だった。
市は19年10月に「多大な迷惑をかけたことをおわびする」と謝罪し、差額約1500万円の返還を求めた。
しかし、男性は年金で生活しており、返済は困難という。
男性は取材に「市がやることなので間違いないと思っていた。返還を求められた時には頭の中が真っ白になった」と語った。
弁護士は「市のミスが原因なのに、1年以上たった後に責任を取らせるのはあまりにも酷だ」と話す。
男性の弁護士によると、法律上、男性は不当に利益を得たことになるが、民法は手元に残っている利益について返還義務があるとしている。
男性は全額を使ったと主張しているため、市が訴訟を起こした場合、男性側は全面的に争う方針という。
https://mainichi.jp/articles/20200526/k00/00m/040/071000c
5月26日19時38分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府摂津市は26日、住民税の還付手続きのミスで、市内の男性に、約1500万円を過大に支払っていたことを発表した。
市は謝罪した上で返還を求めているが、男性側は「市側の誤り。使ってしまったので返す義務はない」などと主張しているという。
市は返還を求めて提訴など法的措置も検討する。
市によると、平成30年4月、株式譲渡などの所得にかかる住民税の還付手続きを行った際、職員が控除額を誤って入力。
同年7月に男性の口座に還付金として約1500万円多く振り込んだという。
約1年後の昨年10月、課税状況の調査をしていた大阪府からの指摘で発覚。
市は男性に謝罪した上で、2度にわたって全額を返納するよう求めたが、今月26日時点で返還されていない。
市の担当者は、「あってはならないミスだが、本来支払われるべきお金ではなく、今後も男性に返還を求めていく」としている。
https://www.sankei.com/west/news/200526/wst2005260028-n1.html
5月27日13時18分に朝日新聞からは、複数の職員でチェックしていたが気付かなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
複数の職員で確認していたがミスに気づかなかったという。
市民税課は、「点検ポイントについて課内研修をするなど再発防止に努めたい」と話している。
https://www.asahi.com/articles/ASN5W4CHYN5VPPTB009.html
(ブログ者コメント)
関連情報調査結果、弁護士の方の見解が記された下記趣旨の記事が見つかった。
過払いを受けた男が「借金返済や株の損失補填に使ってしまった」と言い張っている理由は、こういうことだろうか?
(2020年5月28日13時43分 YAHOOニュース;弁護士ドットコムニュース)
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はたして、本来の金額よりも多かったとはいえ、すでに使っていた場合、返還しなくてもよいのだろうか。
田沢剛弁護士に聞いた。
【不当利得者には返還義務がある】
民法は、『法律上の原因なく他人の財産または労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(受益者)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う』(703条)と定めています。
不当利得者の返還義務といいます。
さらに、『悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う』としています(民法704条)。
ここでいう『悪意』とは、法律上の原因がないことを知っていることです。
また、逆に『善意』とは、法律上の原因がないことを知らないことです。
以上のことから、703条のほうは、善意の受益者、つまり、法律上の原因がないことを知らずに利得した者が返還しないといけない範囲(金額)を『その利益の存する限度』と定めたものということになります。
【誤って振り込まれたと認識していたかどうか】
この返還すべき利益のことを『現存利益』といいます。
すでに費消された(使ってしまった)部分は含みません。
ただし、形を変えて残っている場合には含みます。
たとえば、遊興費として費消した場合には、残っていないことになりますが、生活費として費消したということであれば、本来の自分の財産は費消されずに残っているため、なお利益として現存することになります。
したがって、今回のケースも、男性が、誤って振り込まれたものであると認識していたかどうか、費消せずに残っているかどうか、費消したとしても形を変えて残っているかどうかによって、結論は変わってくるということになります」
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1af1590d841088c3f3446e83ad937f20eff6970
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。