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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2016811949分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

精神的ショック前後のささいな記憶はなぜ残る? 富山大がメカニズム解明 PTSD治療も

http://www.sankei.com/west/news/160801/wst1608010061-n1.html 

 

大地震で被災した日の食事内容を覚えていることが多いように、強い精神的ショックを受けた前後のささいな出来事が長く記憶される仕組みがマウスの実験で分かったと、富山大などのチームが1日付の英科学誌に発表した。

それぞれの出来事を記憶する脳の神経細胞集団が重なることが原因という。

 

つらい記憶が突然よみがえる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状は、ささいな記憶が引き金になることもある。

チームの井ノ口馨・富山大教授(脳科学)は、「トラウマ記憶と別の記憶を引き離す手法が開発されれば、PTSDの治療につながる」と期待している。

 

チームは、マウスに新しいおもちゃを与え、反応を調べた。

マウスにとってはささいな出来事で、1日後にはおもちゃのことを忘れたが、おもちゃを与える前後1時間以内に、圧迫感のある狭い箱に入れてマウスに強いストレスを加えると、おもちゃを覚えていた。

 

異なる二つの出来事は、マウスの脳内で別々に記憶されることが多いが、強いストレスを経験したマウスの脳の海馬で神経細胞を調べると、二つの出来事を記憶した細胞の領域の大部分が重なっていたという。

 

 

812015分にNHK NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

「フラッシュバック現象」の仕組み マウス実験で解明

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160801/k10010617101000.html

 

日常生活の何気ないことが引き金になって過去のつらい経験を思い出す「フラッシュバック現象」が起きる仕組みを、富山大学などのグループがマウスを使った実験で明らかにし、PTSD=心的外傷後ストレス障害の治療法の開発につながる成果として注目されている。

 

富山大学の井ノ口馨教授などのグループは、マウスをおちょこなど形に特徴がある物体とともに箱の中に入れ、平常の場合と怖い経験をした場合とで、物体についての記憶がどのように変わるか調べた。


その結果、平常の場合、マウスは24時間後には物体の形を忘れていたのに対し、怖い経験をした場合は、24時間後も物体の形を覚えていたという。


また、マウスの神経細胞を調べた結果、物体の形を覚えていた細胞は、怖い経験そのものを覚えていた細胞とおよそ70%重なっていることが分かり、こうした重なりが、日常生活の何気ないことが引き金になって過去のつらい経験を思い出す「フラッシュバック現象」の原因になっているとみられるという。


井ノ口教授は、「今後、さらに研究を進めて、つらい体験と、その際の何気ない経験の両方を記憶している細胞の活動を弱めて『フラッシュバック現象』が起きるのを防ぐことができれば、PTSDの症状を和らげる治療法の開発につながる可能性がある」と話している。

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

以下は、関連研究と思われる、科学技術振興機構(JST)と富山大学の連名記事。

 

恐怖記憶を思い出す時の脳内アクチビン活性が記憶の運命を制御する

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20100323/

 

JST目的基礎研究事業の一環として、富山大学 大学院医学薬学研究部(医学)の井ノ口 馨 教授らは、動物が恐怖記憶を思い出す時の、脳内たんぱく質の一種アクチビオンの活性が、思い出した記憶を強化されるか消去されるか、その後の運命に対して重要な制御因子であることを突き止めました。

 

記憶は、学習―獲得―保持―想起という過程を経て形成されます。最近、げっ歯類(ネズミの仲間)を用いた研究から、一度形成された記憶は想起に伴って不安定化し、その後“再固定化”と呼ばれる過程を経て強固になっていくことが見いだされました。

 

また、“消去学習”というプロセスを経ることで恐怖記憶が弱くなる現象も知られています。

 

再固定化と消去学習の研究は現在盛んに行われていますが、その分子機序には未だ不明な点が多く、医学応用への展開も今後の課題として残っていました。

 

本研究グループは今回、アクチビンに着目し、脳内アクチビンと恐怖記憶との関係を調べました。

この研究を行うため、まず脳内アクチビン活性を人為的に制御できる遺伝子操作マウスを世界で初めて作製しました。

 

このマウスを用いた研究により、記憶の再固定化が起きる実験条件下では、いったん強固に形成された恐怖記憶でも想起時に脳内アクチビンを阻害すると、その後、恐怖記憶が減弱すること、また消去学習が起きる実験条件下では、想起時に脳内アクチビン量を増やすと消去学習が抑制され、いったん形成された恐怖記憶が消去されにくくなることが分かりました。

 

これらの結果から、脳内アクチビンは恐怖記憶の再固定化と消去学習の両方を制御していることを明らかにしました。

 

この成果は、アクチビンを標的として、他の記憶には影響を与えずに想起したトラウマ記憶のみを選択的に減弱させるという心的外傷後ストレス障害(PTSD)治療法開発への展開が期待できます。

 

本研究は、藤田保健衛生大学 総合医科学研究所の上田 洋司 助教らと共同で行ったもので、本研究成果は、2010年3月23日(米国東部時間)に米国科学雑誌「Learning and Memory」のオンライン速報版で公開されます。

 

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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