2017年4月13日10時16分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大規模なマラソン大会のコース近くに住んでいる人が開催日に心臓発作を起こした場合、別のエリアの人に比べて1カ月以内に死亡するリスクが13%以上高いとする研究結果を、米ハーバード大のチームが米医学誌に13日、発表した。
米国の11都市で2002~12年に開催された大会を調べた。
広範囲にわたる交通規制によって救急搬送時間が普段より長くなるため、初期治療が遅れて症状が悪化する可能性がある。
チームは、「心疾患の治療は一刻を争う。住民が素早く救命措置を受けられるよう、都市レベルでの対策が必要だ」と指摘。
大規模な交通規制が予想される20年の東京五輪でも、十分な備えが求められそうだ。
チームは、ニューヨークやボストン、ホノルルなど主要なマラソン大会のコース近くに住んでいて、当日に心筋梗塞や心不全を起こした65歳以上の患者約1000人を調査。
すると、1カ月以内の死亡率は他の地域や別の日の患者に比べて3%高く、統計的な分析では死亡リスクが13%超上昇していた。
救急車が病院に着くまでの時間は、交通規制で通常より平均4分半長くなっていた。
チームは、到着の遅れが初期治療の効果に影響したとみている。
日本のマラソン大会では、緊急時にコース内を救急車が通行できる措置が取られている場合がある。
ただ、実際にどのような影響が救急医療にあるかは、不明な点が多いのが現状だ。
米医学誌は、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン。
【国士舘大の田中秀治教授(救急医学)の話】
マラソン大会の交通規制が救急医療に及ぼす影響を示した研究で興味深い。
米国は、大会時に広範囲に長時間、交通遮断してしまうため、こうした結果になったと考えられる。
日本の大会は、遮断を最低限にとどめたり部分的に通行させたりする工夫をしており、結果がそのまま当てはまることはなさそうだ。
ただ、建物が密集した大都市で長時間の交通規制を行う場合は起こり得ることなので、日本も同様の検証が必要かもしれない。
【九州大の永田高志助教(救急災害医学)の話】
マラソン大会でのランナーの心肺停止例は多く報告されているが、開催地の住民の救急医療に対する影響を、死亡率の増加という形で示した初の研究だ。
交通規制によって病院への到着が4分半も遅れる影響はかなり大きい。
調べれば、日本の大会でも同様の影響が出ているかもしれない。
2020年の東京五輪などに向けた一つの教訓として受け止め、大規模なイベント開催が地域社会に与える影響を考える機会にしてほしい。
(共同)
出典
『マラソン大会 コース沿い住民心臓発作死亡率高い 米調査』
http://mainichi.jp/articles/20170413/k00/00e/040/212000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。