2018年5月26日15時32分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県大府市は25日、認知症の人が屋外を歩き回る行動を指す際に用いられる「徘徊」という言葉を使わないと宣言した。
「目的もなく、うろうろと歩き回る」というのが本来の意味だが、「認知症の人の外出は危険」といった誤解や偏見につながる恐れがあるという。
近年、いろいろな言葉で言い換える動きが広がっており、記者会見で岡村市長は、「認知症の人の行動や気持ちを正しく理解することが大切だ」と語った。
同市は4月、認知症の予防や認知症に優しいまちづくりに取り組む「認知症に対する不安のないまちづくり推進条例」を全国に先駆けて施行。
これを機に同市の姿勢を公表し、市職員に使わないよう指示した。
さらに、市民や関係機関に見直しを呼びかけている。
市では、法令などに記されている文言を除き、徘徊という表現を原則使わず、伝えたい内容に応じて言い換える。
例えば、「徘徊」は「ひとり歩き」、「徘徊高齢者」は「行方不明となるおそれのある人」、「外出中に道に迷った人」などとする。
また、同市は6月から、認知症の高齢者らを対象とした個人賠償責任保険について、認知症の高齢者らの事前登録と保険加入申し込みを受け付ける。
認知症の高齢者らが第三者にけがを負わせたり、物を壊したりするなどした場合、本人に代わって法律上の賠償責任を補償する。
保険料は1人当たり2000円。
6月22日午後2時から、市役所で保険加入希望者を対象にした説明会を開く。
市のこうした取り組みの契機になったのが、同市のJR東海道線で2007年、認知症の男性(当時91歳)が列車にはねられた死亡事故。
男性の家族がJR東海から約720万円の賠償を求められ、1、2審が家族に賠償を命じたが、最高裁がJR東海の請求を棄却した。
同市在住の男性の長男(67)は、「認知症の人や、その家族を支援しようという動きはうれしい。この動きがもっと広まり、認知症に対する理解が進むことを期待したい」と話した。
出典
『「徘徊」の言葉使わず「ひとり歩き」…市が宣言』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180526-OYT1T50062.html
5月24日9時27分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
「徘徊」という言葉は使いません――。
愛知県大府市は、行政文書や広報で、「徘徊」を「一人歩き」や「一人歩き中に道に迷う」など、状況に応じて言い換えることを決めた。
ここ数年、認知症の当事者から、「目的もなく歩き回るという意味の『徘徊』は実態にそぐわない」との声が上がっている。
兵庫県や東京都国立市、福岡県大牟田市なども、「徘徊」の使用を取りやめた。
大府市は昨年12月、「認知症に対する不安のないまちづくり推進条例」を全国で初めて制定し、今春、施行した。
関係者によると、大府市は、当事者の声や他自治体の動きを踏まえ、今後、「徘徊高齢者」を「外出中に道に迷った人」などと言い換える方針だ。
認知症の人の外出は、目的や理由があることが多い。
徘徊と表現することで「外出は危険という誤解や偏見につながる恐れがある」として、市は市民や関係団体にも理解を求める。
大府市では2007年に、認知症の男性(当時91)が列車にはねられて亡くなった。
この事故をめぐり、遺族がJR東海から損害賠償を求められたが、最高裁で賠償責任はないと結論づけられた。
長男(67)は、大府市の対応について、「率直にうれしい」と歓迎する。
長男は、父の死が「徘徊」と報道されるたびに、認知症の人が危険な存在という誤ったイメージが広がっているように感じたという。
「ほかの自治体や報道機関にも、この流れが広がって欲しい」と話す。
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朝日新聞は今年3月から、認知症の人の行動を表す際に「徘徊」の言葉を原則として使わず、「外出中に道に迷う」などと表現しています。
今後も、認知症の人の思いや人権について、様々な側面から読者のみなさんと考えていきます。
出典
『「徘徊」言い換え優しい街に 認知症JR事故あった大府』
https://www.asahi.com/articles/ASL5Q4FXCL5QOIPE014.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。