2017年2月28日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6823/
(2017年3月11日 修正2 ;追記)
2017年3月4日21時10分にNHK関西NEWS WEBから、大阪の個人業者の海苔加工所からノロウイルスを検出し遺伝子が一致したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、第1報ともども、タイトルも修正した)
大阪市が、原因と特定された「刻みのり」を製造した大阪市北区ののりの加工所を2月27日に調査した結果、トイレの周辺やのりの裁断機の付近など8か所からノロウイルスが検出され、東京都が検出したウイルスと遺伝子の型が一致したという。
また、市の聞き取りに対し、この加工所を営業する男性は、去年12月下旬におう吐などの症状があったと話しているという。
このため、市では4日、この加工所を当面の間の営業禁止と問題の商品の回収命令の処分にした。
回収対象となるのは、賞味期限がことし12月1日の「キザミのり2ミリ青」で、これまでに780袋が出荷され、業務用だが、一部は一般家庭に流通している可能性もあるという。
出典
『集団食中毒 のり加工所を処分』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20170304/4454031.html
3月5日付で毎日新聞東京版からは、ノロウイルスは手洗いしたぐらいでは落ちないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
集団食中毒の原因が給食で使用された刻みのりから検出されたノロウイルスと分かり、驚きが広がっている。
のりは製造過程で加熱されて、ウイルスが死滅するイメージが強いが、今回は加熱後の作業で混入したとされており、食品加工の衛生管理に警鐘を鳴らす形になっている。
食中毒の原因となった刻みのりは業務用食品を扱う「T社」が販売し、各地に流通した。
東京都などによると、1月に和歌山県御坊市の小中学校などで800人超、2月下旬には東京都小平市の小学校2校で100人超が症状を訴えた集団食中毒でも同じ製品が給食に使われ、3市で検出されたノロウイルスの遺伝子データが一致した。
立川市内でそば店を営む女性(42)は、「ニュースで、のりからノロウイルスが出たと知り、とても驚いた。のりはあぶって使っていましたが、徹底しないと」と話した。
都の担当者は、「加熱後の食材から広域で大規模にノロウイルス感染による集団食中毒が広がった例は、聞いたことがない」という。
ノロウイルスは、85℃から90℃で90秒以上加熱すれば、死滅するとされる。
この刻みのりの製品化の際、90℃で2時間加熱した養殖ノリを240℃程度で7秒間焼いたといい、加熱前にウイルスが付着していたとすれば、この過程で死滅したはずだ。
だが、のりを細かく刻む機械がないT社は、加熱後の製品の裁断作業を大阪市内の加工業者に委託していた。
大阪市によると、のり加工業者は保健所の営業許可の対象ではなく、のりを素手で扱うことを禁じる規定もない。
加熱後の工程に盲点があった形だ。
立川市の清水市長は、原因が判明した直後の先月28日の記者会見で、「給食にのりを使うのは厳しくなる。(感染の危険性がある)生野菜などの食材もあり、給食(提供)の環境はより難しくなる」と困惑気味に話した。
ノロウイルスに詳しい北里大の高橋孝教授(感染症学)の話によると、ノロウイルスは冬場の気温4℃の低温でも、2カ月生き残ると言われている。
感染している場合、排せつなどの後に手洗いしても、指にウイルスが付着したまま残り、素手で扱った食品を通じて食中毒を引き起こす可能性がある。
今回の件を教訓に、食品食材を扱う全ての人が、感染を防ぐルールを考え直す必要がある。
出典
『東京・立川の給食集団食中毒 「のりからノロ」波紋 裁断業者、素手で作業 加熱後の工程に盲点』
http://mainichi.jp/articles/20170305/ddm/041/040/074000c
『東京・立川の給食集団食中毒 「のりからノロ」波紋 ノロウイルスに詳しい北里大の高橋孝教授(感染症学)の話』
http://mainichi.jp/articles/20170305/ddm/041/040/072000c
(ブログ者コメント)
〇ノロウイルスによる食中毒は流水による手洗で防げる、そう思っている人は、結構多いのではないだろうか?
かく言うブログ者も、その一人だった。
しかしながら調べてみると、広島県HPに「流水で15秒手洗いしてもウイルスは1%ほど残っている」という趣旨の記述があった。
また、手洗いミスの頻度が高い手の部分の解説図も掲載されていた。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/168/tearai.html
大阪の業者も、食中毒症状が出ていたのに、流水手洗いだけで済ませていたのだろうか?
T社が大阪の業者に対し、なぜ手袋を着用しなければならないか、その理由をしっかり伝えていれば、今回の事故は防げていた・・・かもしれない。
〇御坊市、立川市、小平市以外、久留米市の事業所食堂でも、同じ刻み海苔を食べて39人が発症している。
(2017年3月19日 修正3 ;追記)
2017年3月17日17時56分にNHK和歌山から、御坊市で手洗い講習会が開かれたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
給食施設の関係者などが食中毒を防ぐ手の洗い方を学ぶ講習会が、和歌山市で開かれた。
これは、御坊市の集団食中毒を受けて、県などが開いたもので、会場の県民文化会館には、県内の給食施設や飲食店の関係者など、300人余りが集まった。
講習会では、まず、食品衛生の専門家が講演を行い、おととしまでの3年間に全国で起きた食中毒の患者の約6割はノロウイルスが原因だったとしたうえで、感染の予防には適切に手を洗うことが重要だと述べた。
このあと、日本食品衛生協会から「手洗いマイスター」に認定された指導員が、完全にウイルスを洗い流す正しい手の洗い方を説明し、参加者たちは、指導員のまねをしながら、指の付け根や爪の間などを入念に洗う方法を学んでいた。
講習会のあと、和歌山市で学校給食を作っている女性は、「ノロウイルスの怖さや手洗いの大切さがよくわかりました。職場に戻ったら、ここで学んだことをみんなに伝えたい」と話していた。
出典
『集団食中毒受け 手洗い講習会』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/2043917441.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。