2011年9月8日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに、副操縦士は3ケ月前まで旧型機に乗務していたなどの新情報を、第2報修正3として掲載します。
(新情報に基づき、タイトルも修正しました)
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/722/
(2014年9月29日 修正3 ;追記)
2014年9月25日12時41分に朝日新聞から、運輸安全委員会が調査報告書を公表したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全日空系のエアーニッポン(ANK)機が3年前、静岡県沖でほぼ裏返しになったトラブルで、副操縦士(当時38)がスイッチの誤操作を12秒も続けながら異常に気づくのが遅れ、慌てて操縦したため、余計に機体が傾いたことがわかった。
国の運輸安全委員会が25日、調査報告書を公表した。
副操縦士はトイレから戻った機長(当時64)を操縦室に入れる際、ドアを開けるスイッチでなく、垂直尾翼のかじを動かすスイッチをひねった。
3カ月前まで乗務していた旧型機のドアのスイッチと、700型機のかじのスイッチが似た場所にあり、副操縦士は調査に誤操作を認めたという。
ANKは訓練の際、両機種のスイッチが紛らわしい点を明確に注意していなかった。
誤操作は断続的に計12秒間に及んだが、機体の姿勢を示すモニターや、かじと連動したペダルの不自然な動きなどを副操縦士は見逃した。
結果、機体は左に傾き急降下。異常に気づき、右に立て直す向きに操縦桿を操作したが、失速警報に驚き、慌てて操縦桿を逆方向に戻したため、機体が再び左に大きく傾き、背面飛行に近くなった。
運輸安全委は、米連邦航空局に対し、判別しやすいスイッチへの改善をボーイングに指導するよう勧告した。
ANKと合併した全日空にも、傾いた機体を戻す訓練の改善を勧告した。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG9R6RL0G9RUTIL01F.html
9月25日12時22分にmsn産経ニュースから、9月25日13時24分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
副操縦士は3カ月前まで約4年3カ月、旧型機に乗務していた。
副操縦士は14秒後に誤操作に気づいたが、慌てて操縦桿を急激に操作したため、機体が左側に最大131.7°傾き、最大荷重も地上の2.68倍に達したとしている。
急降下からの回復操作が不十分だった点について、運輸安全委員会は、副操縦士が失速警報の作動に驚き混乱したため対応が遅れた可能性があると指摘。
また、失速警報を伴う異常姿勢からの回復訓練が未経験だったことも副操縦士の混乱を助長したとの見方を示した。
運輸安全委員会は再発防止に向け、全日空に対し、運航乗務員が1人で運航を継続する場合の基本的順守事項の徹底と、失速警報を伴う異常姿勢からの回復訓練を実施するよう勧告。
ドア解錠と機体の姿勢制御の両スイッチの形状、操作方法が似ていることも問題だとして、米連邦航空局に、スイッチ構造の変更を製造元のボーイング社に検討させるよう勧告した。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140925/dst14092512220005-n1.htm
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140925-OYT1T50082.html
(ブログ者コメント)
2012年1月24日5時1分発信の朝日新聞に掲載されていた図を再確認したところ、コックピットの操作パネルは縦3列に分かれており、今回誤操作したドアスイッチは、旧型機では真ん中のパネルにあった。
それが新型機では左側のパネルに移っており、真ん中のパネルには尾翼かじのスイッチが、従来あった位置よりも上方に、ちょうど旧型機のドアスイッチがあった位置の少し上側に移されていた。
誤操作した副操縦士は3ケ月前まで旧型機に乗務していたとのこと。
これでは間違えても仕方がない。
ハードウエア・システム誘発型ヒューマンエラーの一例だと言えよう。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。