2017年1月31日に掲載し2月10日に修正した第4報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第5報修正5として掲載します。
第4報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6719/
(2017年2月16日 修正5 ;追記)
2017年2月10日6時0分に西日本新聞から、陥没の兆候を示す数値を、レベル1になった以降、確認していなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
陥没の兆候を示す数値に関し、現場では、事故前日の夕方に最初の異常値を計測、陥没直前には工事停止が必要なレベルにまで達したが、JV側はこの間の数値の推移を確認しておらず、状況を把握しないまま工事が行われていたことが分かった。
市は、「事故を未然に防止できる機会を逸した可能性がある」としている。
事故原因は国の第三者委員会が調査中で、JV代表の大成建設は西日本新聞の取材に「原因究明に関する回答は差し控える」と話した。
JVは当時、トンネルを支える鋼材にかかる圧力を1時間ごとに自動計測し、朝夕の2回確認していた。
事故前日の昨年11月7日午後5時ごろ、現場点検と市への報告が義務付けられた管理値レベル1を超過。
JV側は午後7時半ごろに確認した。
市に報告しなかったことについて、JV側は「他の計測値を総合的に評価し、予想の範囲内と考えた」と述べた。
計測値はその後、8日午前1時ごろに軽度の対策工事を要するレベル2、午前2時ごろに工事停止が必要なレベル3へ上昇したが、JV側は数値を確認していなかった。
また、トンネル周辺の吹き付けコンクリートへの圧力も、8日未明にレベル1を超えていたという。
これらの圧力計測は、地表面の沈下などの測定に追加する補助的な位置付け。
鋼材の圧力計測について、JV側は聞き取りに対し「通常1週間分まとめて報告する。これまでも適宜報告し、対応していた」と説明した。
一方、市は「注意しながら掘削を進めるべきだとの助言・指導に、JV側が対応できていなかった」としている。
出典
『異常値、推移確認せず JV工事中、停止レベルに 博多道路陥没』
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/307119
(2017年4月29日 修正6;追記)
3月30日6時0分に西日本新聞から、報告書(案)に関する下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、過去記事ともどもタイトルも修正した)
西日本新聞が入手した報告書案によると、現場の上部には地下水を含むまとまった砂質層があり、その真下の風化した岩盤層には亀裂などがあった。
こうした岩盤を掘削したため、水圧が作用して亀裂や緩みが「水みち」(地下水の通り道)となり、連続的な剥落と漏水が起きて大規模な陥没につながったと推定している。
具体的には
(1)岩盤層の潜在的な亀裂や弱い部分を適正に評価できなかった
(2)亀裂や弱い層が水みちとなり、局所的に水圧が掘削面にかかった
(3)岩盤の遮水性や水圧に対する耐力の限界について、工学的判断が不足していた
(4)止水のため地上からの薬液注入(地盤改良)を実施しなかった
可能性を列挙した。
市とJV側は、落盤対策として、地上からではなく、トンネル内部から斜め上に打ち込んだ鋼管を通じて薬液を注入する補助工法を選んでいた。
報告書は、また、副次的な要因として、
▽トンネルの天井を約1m低く設計変更し、扁平な断面にしたことで、天井の強度が低下した
▽補助工法の一部鋼管を切断したことで、鋼管が上下に重なる部分が短くなった
可能性も指摘した。
出典
『弱い岩盤対策不十分 博多駅前陥没第三者委 最終報告案、責任所在示さず』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/318056
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。