2020年3月19日20時55分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市灘区の六甲山牧場を運営する神戸市の外郭団体・一般財団法人神戸みのりの公社(同市西区)は19日、飼育担当の職員がヒツジやヤギなどの死骸約60匹を敷地内に埋めていたと発表した。
動物の管理が現場任せになっていたことが不適切な処理の常態化を招いたとみられ、同公社は管理やチェック体制などの再発防止策を示した。
同公社によると、2013年ごろから19年11月までの間、飼育担当の職員9人が、老衰で死んだり死産だったりしたヒツジやヤギ、ブタ、ウサギ、アヒル、モルモットの死骸計約60匹を敷地内の複数箇所に埋めていた。
神戸新交通(同市中央区)の不祥事を受けた、弁護士による外部調査で発覚。
同公社の通報を受け、兵庫県警が廃棄物処理法違反などの疑いで捜査している。
動物の死骸は、県姫路家畜保健衛生所や処理業者の施設に運んで処理する必要があるが、繁忙期で運ぶ時間がなかったことや、弔いの気持ちから、一般の利用者が立ち入らない場所に埋めていたという。
死骸の約4割を埋却しており、病気で死んだ場合は正規の手続きで処理していた。
このほか、16年2月から18年9月にかけて、食品として使用できない牛乳を人が立ち入らないエリアに廃棄していたことも判明し、警察に通報した。
牧場は、消毒や安全性確認を行った上で、通常通り営業。
一方で、処理の記録や確認も不十分だったことから、マニュアルや管理台帳を再整備するほか、管理職によるチェック体制の構築などに取り組む。
久元喜造市長は同日の定例会見で、「極めて不適切な行為。同公社が把握できていなかったのはガバナンス(統治)の問題だ」とし、人事労務管理の確立などを求めた。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202003/0013205113.shtml
3月19日13時14分に同じ神戸新聞からは、大型動物は適正に処理していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7年前から、担当の飼育員たちが死んだヒツジやヤギなど約60体を敷地内の立ち入り禁止エリアに埋めていたことが発覚した神戸市立六甲山牧場(同市灘区六甲山町)。
繁忙期で人手が足りないときなどに、動物の死骸を適正に処理していなかったという。
「飼育員の間で(死骸処理の)マニュアルが徹底されず、前例踏襲の中で『そこに埋めといたらいいんじゃないか』という安易な発想があったようだ」
同牧場を運営する神戸みのりの公社(同市西区)の長沢理事長は記者会見で、「飼育員に法令違反の認識がなかった」とし、「お客さまにご迷惑をかけ申し訳ない」と謝罪した。
昨年11月までに飼育員9人が敷地内に埋めた動物は、ヒツジやヤギ、豚、ウサギ、アヒル、モルモットの6種で推計64体。
同牧場では牛や馬も飼っているが、大型動物は適正に処理していたという。
同公社によると、1歳以上のヤギやヒツジなどの死骸は姫路市の姫路家畜保健衛生所へ、1歳未満のヤギ、ヒツジや小動物の死骸は産廃処理業者の施設まで運んで処理する必要がある。
牧場から姫路まで運ぶと往復などで数時間かかることから、人手が足りない繁忙期や土日には死骸をすぐに運搬せず、敷地内に一時的に保管することもあったという。
長沢理事長は、「(死んだ動物を)そばに置いてあげたいという気持ちもあった」と説明する飼育員もいたとし、「マニュアルや動物管理のチェックを徹底したい」と述べた。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202003/0013205257.shtml
3月19日17時20分にNHK関西からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
公社によりますと、飼育員らは違法とは思っていなかったということで、調査に対して「自分たちで弔いたかった」と話していたということです。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200319/2000026725.html
3月19日14時40分に産経新聞からは、市が外郭団体に要請した不正有無調査の中で発覚したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
公社は、牧場や周辺の水質・土壌調査では異常はなかったとしている。
神戸市が各外郭団体に要請した不正の有無に関する調査の中で、職員アンケートや情報提供窓口への相談から発覚した。
https://www.sankei.com/west/news/200319/wst2003190025-n1.html
3月19日19時36分に毎日新聞からは、第三セクターの不祥事を受けた調査だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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他に、乳牛の飼育を担当していた職員が16年2月~18年9月、未開放の区域に牛乳を捨てていたことも発覚。
乳牛が病気などのため、人が飲めない牛乳だったといい、職員は「肥料になると思った」と話しているという。
いずれも、神戸市の第三セクターの不祥事を受けた弁護士事務所によるアンケートで発覚。
公社は近く、関係者を処分する方針。
https://mainichi.jp/articles/20200319/k00/00m/040/204000c
(2020年9月9日 修正1 ;追記)
2020年4月26日16時50分に朝日新聞からは、人手不足などが原因だった、法律上は廃棄物扱いなど、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
本来は、産業廃棄物業者や県の家畜保健衛生所に引き渡して処理するのが手順だ。
牧場内に埋めたのは、繁忙期に外に運び出す人手が足りなかったり、適正な処理の手順が飼育員に伝わっていなかったりしたためだという。
ただ気になるのは、同公社によると「可愛がっていたのでそばにおきたかった」と説明した飼育員がいたことだ。
ゴミとして処理するのにちゅうちょし、牧場にいる仲間の近くにおいてあげたい気持ちがあったという。
動物を埋葬してはいけないのか。
廃棄物処理法で、「動物の死体」は「廃棄物」とされている。ゴミ扱いだ。
さらに、牧場など畜産業から出る死骸は「産業廃棄物」と定められている。
環境省によると、畜産業からは動物の死骸が大量に出て、悪臭も発生する。
一般に処理が難しいため、産業廃棄物に指定されている。
一方、動物園やペットショップで扱われる動物の死骸は「一般廃棄物」にあたる。
こちらも法律上はゴミだが、実際にはゴミ扱いしないよう、工夫しているところは多い。
神戸市では、一般廃棄物にあたる死骸は、原則として市動物管理センターの専用焼却炉で処分している。
道路で車にひかれた動物や、神戸市立王子動物園(同市灘区)などからも引き取っているという。
神戸どうぶつ王国(同市中央区)では、園内にある専用焼却炉で処分している。
遺骨は業者に引き取ってもらっているが、園内に慰霊碑がある。
佐藤園長は、「理念的にゴミとは扱えず、遺体という位置づけだ」と話す。
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https://www.asahi.com/articles/ASN4T6VX1N48PIHB01P.html
2020年9月9日付で毎日新聞兵庫版からは、初公判が始まったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
廃棄物処理法違反に問われた元副場長2人の初公判が8日、神戸地裁で開かれ、いずれも「間違いありません」などと起訴内容を認めた。
起訴状などによると、牧場を運営する「神戸みのりの公社」の職員で、飼育の責任者だった男性(49)は2015年12月~18年12月、部下に指示して羊とヤギ計7頭の死骸を牧場の敷地内に埋めたとされる。
またチーズ製造や浄化槽管理の責任者だった男性(48)や部下らと共謀し、16年4月~18年8月に食品として使えなくなった牛乳約7045リットルを敷地内の土中に流したとされる。
検察側は冒頭陳述で、死骸は産業廃棄物の処理業者に委託していたが、「正規処分の労力を節約するため、牧場内に埋めるよう部下に指示した」と指摘。
牛乳は浄化槽に流して廃棄していたが、15年2月に神戸市から指導を受け、土中への処分を考えたと述べた。
https://mainichi.jp/articles/20200909/ddl/k28/040/341000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。