2016年11月14日18時38分にNHK札幌から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午後0時半ごろ、小樽市花園3丁目の工事現場で、「足場の上で20代の男性作業員が意識を失った」と、別の作業員から消防に通報があった。
警察によると、倒れていたのは札幌市白石区の建設作業員の男性(26歳)で、心肺停止の状態で病院に運ばれたが、まもなく死亡が確認された。
現場は国道5号線沿いにある3階建ての空きビルで、男性は、ビルを解体するため外壁に足場を組む作業をしていて、当時、高さ8mほどの4段目の足場の上にいたという。
4段目の近くには電線があることや、同僚が、バチバチッという音を聞いていることから、警察は、男性が電線に触れて感電したとみて、詳しい状況を調べている。
出典
『作業員死亡 電線に触れ感電か』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20161114/4389691.html
(ブログ者コメント)
映像では、電線から数cmしか離れていない場所に足場が組まれているようにも見える。
2016年9月12日20時9分にNHK佐賀から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前9時半ごろ、鹿島市浜町の浜川にかかる歩道専用の橋の上で「魚釣りをしていた人が感電したようだ」と、付近の住民から警察に通報があった。
現場には、近くに住む92歳の男性が倒れていて、男性は佐賀市の病院に搬送されたが、全身にやけどを負う重傷となっている。
警察によると、現場は、JR長崎線の鉄橋脇に平行してかかる歩道専用の橋で、この橋のおよそ5m上には、2万ボルトの電流が流れるJRの高圧の電線があり、男性の近くには焦げた釣りざおが落ちていたという。
通報した男性は、「ボンという音がした。見たら橋の上から煙が出ていた」と話しているということで、警察では、この男性が釣りをしているときに釣りざおがあやまってJRの高圧線に触れてしまい、男性が感電したのではないかとみて、当時の状況を詳しく調べている。
JR九州によると、この事故でJR長崎線に影響はなかった。
出典
『竿が電線に釣り人感電し重傷』
http://www.nhk.or.jp/lnews/saga/5085611001.html?t=1473722681858
(ブログ者コメント)
○映像によれば、橋の欄干部に、上に2万ボルトの電線が通っているので釣り竿や凧が触れると感電する恐れがある旨、イラストで表現された警告板が取り付けられている。
釣りや凧あげをする人が多いからか?
それとも、過去に同じような感電事故があったからか?
○釣り竿などが電線に触れて感電した事例は、本ブログでも数件ほど紹介済。
2016年9月10日20時20分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月10日20時1分に時事通信から、9月10日18時14分に読売新聞から、9月10日21時0分に毎日新聞から、9月11日21時46分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午後0時5分ごろ、東京都八王子市暁町の擁壁工事現場で作業員の男性4人が感電し、病院に搬送された。
このうち、50代男性が感電による不整脈で、約2時間後に死亡した。
30代の男性は、意識不明の重体。一時、心肺停止となったが、AEDで呼吸が回復した。
別の30代と40代の男性は、手足のしびれの軽傷を負った。
警察によると、工事は緑地ののり面の補強のためのもので、擁壁に沿って足場を組み、長さ約6mの1本の鉄の棒「アンカー」を5人で持ち上げ、コンクリート製の壁の、地面に対して水平に開けた穴に差し込む作業を行っていた。
5人のうち、1人は無傷だった。
男性らがアンカーを差し込む際、アンカーの端が近くの電線に触れ、感電したとみられる。
男性らは、電線と同じ高さに組まれた足場の上に立っていた。
一方、「防護管」と呼ばれる感電を防ぐためのプラスチック製のカバーが鉄棒に取り付けられていなかったことが、11日、工事元請けの建設会社への取材で分かった。
警察は、4人の身元の確認を急ぐとともに、業務上過失致死傷の疑いもあるとみて、現場の安全確保が適正になされていたか調べている。
現場は、JR八王子駅の北約2kmの住宅地。
近所の男性(77)は、「事故当時、周辺は45分ほど停電した」と話した。
出典
『工事現場で感電 作業員4人死傷 東京・八王子』
http://www.sankei.com/affairs/news/160910/afr1609100007-n1.html
『工事中に感電、4人死傷=持った鉄棒が電線接触-東京』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016091000298&g=soc
『鉄棒挿入中に電線に触れ感電、作業員4人死傷』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160910-OYT1T50066.html?from=ycont_top_txt
『工事現場 作業員4人が感電…1人死亡、1人重体 八王子』
http://mainichi.jp/articles/20160911/k00/00m/040/030000c
『感電防止カバー使用せず 4人死傷の感電事故、東京』
http://this.kiji.is/147684890345832456?c=39546741839462401
(2017年9月27日 修正1 ;追記)
2017年9月25日15時49分にNHK首都圏から、過去にも感電事例があったがケガしなかったので再発防止策をとらなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 (新情報に基づき、タイトルも修正した)
警視庁は、感電を防止する措置をとらなかったとして、現場の責任者を業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。
警視庁によると、当時、鉄製の棒を地面に掘った穴に差し込む作業をしていて、棒を持ち上げた際に高圧線に接触したとみられているが、その後の調べで、感電しないようにするためのプラスチック製のカバーを棒に取り付けていなかったことがわかったという。
また、以前にも同じように作業員が感電することがあったが、けがはなく、再発防止策を取っていなかったという。
警視庁は、安全管理が不十分だったとして、工事を請け負っていた業者の40歳の現場責任者を25日、業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。
警視庁によると、容疑を認め「注意不足だった」などと話しているという。
出典
『4人死傷感電事故責任者書類送検』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170925/0000965.html
9月25日18時13分に産経新聞からは、保護具を現場に用意していたが使わなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警視庁八王子署は25日、業務上過失致死傷容疑で、現場責任者だった青森県むつ市の男性会社員(40)を書類送検した。
八王子署によると、工事現場では過去に同様の事故が2度あったため、鉄棒用のカバーとゴム手袋を用意していたが、事故当時は使用していなかった。
男性は「危ないのは分かっていたが、大丈夫だと思った」と、容疑を認めている。
出典
『現場責任者の男性書類送検 感電事故で業過致死傷容疑』
http://www.sankei.com/affairs/news/170925/afr1709250022-n1.html
2016年9月7日19時46分にNHK札幌から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午後、札幌市北区のバスターミナルの変電室で修理に訪れていた作業員の男性が感電し、手や頭にけがをして病院で手当てを受けている。
7日午後1時前、札幌市北区のバスターミナルの1階にある変電室で、修理に訪れていた作業員の男性が倒れているのを警備員が見つけて、消防に通報した。
警察や消防によると、男性は作業中に感電し、右手にやけどを負ったほか、頭から出血した状態で病院に運ばれて手当てを受けているということで、詳しいけがの程度はわかっていない。
この事故で、バスターミナルは待合室などが、一時、停電したが、バスの運行に影響はなかったという。
警察は、男性が感電した詳しい状況を調べている。
出典
『変電室で感電 男性1人けが』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20160907/5474581.html
2016年9月3日1時5分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後2時半ごろ、愛知県みよし市三好次町笠松の市立学校給食センターの天井裏で、電気工事をしていた自営業の男性(52)が倒れているのを別の作業員が見つけ、119番通報した。
男性は市内の病院に運ばれたが、間もなく死亡した。
感電したという。
警察と市によると、市給食センターは耐震化などの工事中だった。
男性は、発見された際、左手に絶縁体、右手にニッパーを持っていた。
警察は、何らかの原因で過って感電したとみている。
市給食センターは、市内の8小学校、4中学校、7公立保育園向けに、1日計約7600食を作っている。
事故の影響で、5、6の両日は給食を提供できないという。
小中学校では弁当の持参を呼びかけ、公立保育園は園で調理する。
7日以降の対応は未定という。
出典
『天井裏で電気工事の男性感電死 愛知の学校給食センター』
http://www.asahi.com/articles/ASJ9301X8J92OIPE02F.html
2016年7月13日にテレビ大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月15日付で朝日新聞大分全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
13日午後、別府市のホテルで塗装作業をするため足場を組み立てていた男性が倒れているのが見つかった。
男性は電線に触れて感電したとみられていて、搬送先の病院で亡くなった。
事故があったのは、別府市北浜のホテル。
警察や消防によると、13日午後2時20分ごろ、「男性が倒れた」と通報があった。
倒れていたのは、大分市高江南の足場設置会社役員、石川さん(28歳)で、病院に搬送されたが、その後、亡くなった。
石川さんは、ホテル外壁の塗装作業をするための足場を約7m高さで組み立てていたところ、誤って作業場所近くの電線に触れて感電したとみられていて、警察が事故の詳しい原因を調べている。
この事故の影響で、周辺のおよそ70世帯が一時停電したが、その後、復旧している。
出典
『足場組み立て中、感電死』
https://www.tostv.jp/news/backnum.php?pg=3&wd=
2016年6月18日9時52分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月19日0時55分に千葉日報から、6月19日付で朝日新聞ちば版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
18日午前1時半ごろ、成田空港のA滑走路西側にある照明変電所内で「男性作業員が感電した」と、消防に通報があった。
救急隊が駆けつけたときには男性は心肺停止の状態で、病院に搬送されたが、死亡が確認された。
警察によると、男性は、滑走路にある照明の管理などを行っている会社の30代の社員とみられ、少なくとも3人でケーブルの保守点検作業をしていて、男性はケーブルにラベルを貼る作業中に誤って通常使用しない変圧器に触れてしまったという。
警察は、死因は感電死とみて、男性の身元の確認を急ぐとともに、詳しい状況や原因を調べている。
成田空港会社によると、この時間は夜間で航空機の発着はなく、運航に影響はなかったという。
出典
『空港変電所で作業員が感電死か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/1083268701.html?t=1466280873400
『成田空港で点検作業中の男性感電死 成田空港署』
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/331473
(2017年1月22日 修正1 ;追記)
2017年1月19日付の毎日新聞千葉版紙面に、事故当時のやや詳しい状況が下記趣旨で掲載されていた。
1月19日付の千葉日報紙面にも、同趣旨の記事が掲載されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
成田労基署は、18日、危険防止措置を取っていなかったとして、労安法違反の疑いで、男性の勤務先だった成田国際空港(NAA)の子会社「NAAファシリティーズ」(成田市)と、同社の航空照明課の男性班長(42)を書類送検した。
容疑は、昨年6月18日、成田空港内の照明変電所で、高圧ケーブルに貼ってあった温度を示すサーモラベルの交換作業を男性にさせた際、電源の停止を確認しなかったとしている。
交換作業中だった同課の男性作業員がケーブルを引き抜き、感電した。
同署によると、男性は班長と同僚の3人で作業していた。
電源を停止するのは男性の役割だった。
男性班長は、「(停電したかを確認する)検電をしなかった」と話しているという。
2016年6月9日付で仙台放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月10日付で朝日新聞宮城全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後4時10分ごろ、栗原市栗駒文字の山林で、杉の木を伐採していた岩手・一関市の会社員・後藤さん(男性、64歳)が倒れているのを、同僚の男性が発見した。
後藤さんは一関市内の病院に運ばれたが、およそ2時間後に死亡した。
警察によると、伐採していた約20mの木が高圧電線に倒れ、後藤さんは、その木を取り除こうとした際に、使っていたチェーンソーが電線に触れて、感電したとみられている。
後藤さんは右半身をやけどしていて、近くには燃えたチェーンソーが落ちていたという。
警察で、事故の原因について、くわしく調べている。
出典
『栗原市の山林で伐採中の男性が死亡 倒木取り除く際に感電か』
http://ox-tv.jp/nc/smp/article.aspx?d=20160609&no=15
(ブログ者コメント)
報道タイトルを見た瞬間、倒木に電流が流れて感電?と思ったが、そうではなかったようだ。
映像によれば、現場は林の中。木々の間に電信柱が立ち、そこを電線が通っている。
なんらかの方法で、その電線の近くまで上り、電線に接触している枝などを切ろうとしていたのだろうか?
21日午後0時半ごろ、群馬県玉村町飯倉にある町立芝根小学校の敷地内にある変電施設で、自営業の男性(23)が倒れているのを、近くにいた別の作業員が見つけた。
男性は救急車で病院に運ばれたが、およそ5時間後に死亡が確認された。
警察によると、この小学校にはこれまでエアコンがなく、新たに設置されることになっていたという。
男性は1人で変電施設の配線作業をしていたということで、警察は、作業中に感電したとみて、詳しい死因を調べている。
出典
『エアコン設置作業中に感電死か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/1066959061.html?t=1463951347164
2016年3月17日13時6分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月17日20時6分に大分放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午前1時半ごろ、中津市大新田のJR日豊線の線路の横の変電所で、電線を取り替える作業を行っていたJRグループ会社の協力会社作業員(男性、66歳)がぐったりしているのを同僚が見つけた。
連絡を受けた消防が、およそ10分後に駆けつけたが、その場で死亡が確認された。
警察では、男性の体にやけどのような痕があるほか、男性がいた方向からバチバチという音が鳴るのを同僚が聞いていたことなどから、男性が感電したものとみて、詳しい状況や原因を調べている。
一方、JRによると、男性は同僚6人とともに、午前0時すぎから、電車に電気を供給するための変電設備の電線を取り替える作業を、およそ4mの高さの電線の横で行っていたという。
送電線の電流は、午前1時34分に停止させる予定だった。
警察は、その直前に、男性が誤って送電線に接触したとみて、事故の原因を調べている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/5073769291.html?t=1458252743374
http://www.e-obs.com/news/detail.php?id=03170033193&day=20160317
3月17日12時0分に大分朝日放送からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、男性作業員は、宙吊りになった状態で見つかった。
死因は感電死で、ほぼ即死だったとみられる。
2万ボルトの電流が流れていたとみられる。
JR九州によると、午前0時から数回に分けて電流を止め、絶縁状態で作業をしていたが、何らかの理由で電流が通っている時間帯に作業が進められたという。
出典URL
http://www.oab.co.jp/news/?id=2016-03-17&news_id=8012
2016年2月24日12時32分にNHK松江から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午後1時20分ごろ、奥出雲町三成の山林で鉄塔に登って電気工事をしていた会社員の男性(25)が心肺停止になっているとの通報があり、病院に運ばれたが、およそ3時間後に死亡した。
死因は感電死だという。
警察や中国電力によると、男性は老朽化した鉄塔の撤去作業の準備のため、高さおよそ20mの鉄塔に登ってアースを取り付けていたという。
警察は、男性と一緒に作業していた人から話を聞くなどして、当時の状況を調べている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/4033145601.html?t=1456352301018
2月23日22時48分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
作業を発注した中国電力などによると、男性は、高さ約20mの鉄塔の最上部で、部品を交換するため寸法などを測っていた。
救出に伴い送電を止めたため、奥出雲町などの約1万1200戸が、約1時間にわたり停電した。
出典URL
http://www.sankei.com/west/news/160223/wst1602230121-n1.html
2月24日付の山陰中央新報紙面には、下記趣旨の記事が掲載されていた。
中国電力島根支社などによると、男性は、高さ20mの鉄塔の部品を交換する調査のため、地上約18m付近でアースの取り付け作業をしていた。
電線から鉄塔にアースを架けようとした際、感電したとみられる。
当時、男性を含めて計7人が現場にいた。
同支社によると、鉄塔には計6本の電線(各11万ボルト)が張られており、作業する3本の送電は止まっていたという。
2015年12月21日15時46分にNHK首都圏NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし7月、静岡県西伊豆町で起きた事故では、川岸に設置された動物よけの電気柵で家族連れなど7人が感電し、2人が死亡、5人が大けがをした。
経産省によると、事故があった電気柵は自作によるもので、市販されている電気柵専用の電源装置が使われていなかったという。
このため経産省は、自作によって電気柵を設置する場合の規制を強化することを決めた。
具体的には、電気工事士法の施行規則を近く改正することで、自作の場合は、電気工事士の資格がなければ設置ができないようにする。
さらに、子どもが感電する事故を防ぐため、危険を示す表示には、今後、漢字ではなくひらがなで「きけん」と表示することも新たに求める方針。
経産省では、関係団体などを通じて、引き続き、注意を呼びかけることにしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20151221/4486941.html
(ブログ者コメント)
西伊豆町の感電事故は下記記事参照。
015年7月19日 静岡県西伊豆町で川遊び中の児童が電気柵に触れ、救助に行った親ともども感電して7人死傷、柵は自作で漏電遮断器はなく400ボルトに昇圧していた
(第1報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5057/
(第2報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5441/
2015年7月26日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5057/
(2015年12月7日 修正1 ;追記)
2015年12月1日13時10分に朝日新聞から、容疑者死亡のまま書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡県警は1日、電気柵を設置し、事故後に自殺した同町の男性(当時79)を重過失致死傷の疑いで、容疑者死亡のまま書類送検した。
県警によると、男性は、法令で定められた安全装置が取り付けられていない不完全な電気柵を設置したことで、柵に触れた子どもや助けようとした親ら7人を死傷させた疑いがある。
電気柵は、川の土手のアジサイを守るため、男性が電線などの資材で自作。
誰もが立ち入れる場所に、通常は必要な、電流を弱めて制御する装置などをつけずに家庭用の電源に直結した危険な電気柵を設置したことなどが重大な過失にあたる、と県警は判断したという。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASHD13T56HD1UTPB00D.html
12月2日付で読売新聞静岡版からも、同趣旨の関連記事がネット配信されていた。
国やメーカーは、安全対策が講じられた電気柵の使用を求めている。
県が7~9月に一斉点検して把握できた電気柵7133か所のうち、経済産業省令を満たさないものは、1009か所(約14%)に上った。
危険を知らせる表示の不備が927か所と最も多かったが、現在までにすべてで対策が取られたという。
事故後、経産省は、自作の電気柵に対する規制の強化を検討した。
県も、パトロールの年2回実施を決めるなど、再発防止に向けた動きが進む。
ただし、現状でも電気柵を設置する際に自治体への届け出義務などはなく、安全対策は設置者に委ねられている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/local/shizuoka/news/20151201-OYTNT50304.html
12月2日7時0分に産経新聞静岡版からは、『西伊豆の電気柵事故 安全対策に不備重なる 県警「立ち入り予見できた」』というタイトルで、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
西伊豆町の電気柵感電事故をめぐる県警の捜査では、事故直前に電気柵の電線が断線し、人体に危険が及ぶ50mA超の電流が川に流れ出ていたことが分かった。
電気柵を自作した無職男性は、県警の事情聴取に「普段は夜間にしか電源を入れていないが、当日は切り忘れていた」と供述。
県警は、「過去にも男性の親族が川遊びをしており、電気柵に人が立ち入る可能性は予見できた」として男性の過失を認め、被疑者死亡のまま立件に踏み切った。
県警捜査1課によると、男性はアジサイの花壇をシカなどの食害から守るため、平成19年に電気柵を設置した。
当初はバッテリー電源を使用していたが、故障したため、24年ごろに家庭用のコンセントに電源を変更。
男性は電気関係の仕事に従事した経験があり、変圧器を使って電圧を数百ボルトにまで上昇させていた。
今回の事故では、川遊びをしていた3人に加え、助けに向かった4人も次々と感電。
被害者の一人は、「最初に川遊びを始めたときはしびれるようなことはなかった」と話しており、事故直前に電線が何らかの原因で断線して川に垂れ、漏電が始まったとみられることが分かった。
さらに、警察の再現実験で、少なくとも50mA以上の電流が川の中に流れていたことが判明。
捜査関係者は、「50mAの電流が1秒間体内に通電した場合、死亡するケースがある」と指摘している。
同課は、男性の具体的な過失として、
(1)「立ち入り禁止」などの危険表示をしていなかった
(2)通電は夜間のみだったが、当日は電源を切り忘れていた
(3)漏電時に電流を止める漏電遮断器を設置していなかった
(4)家庭用電源と変圧器を使用し、数百ボルトまで電圧を上げていた
の4点を認定。
男性による安全対策の不備が複数重なり、7人が死傷する事故につながったと結論づけた。
西伊豆町の電気柵感電事故を受け、県はこれまで、県内全域の電気柵を緊急点検して改善を促すなどの対応策を取ってきた。
しかし、各農家に対して立ち入り調査を行うなどの強制権がないため、設置者の自主的な対応に頼らざるを得ない状況が続いている。
県によれば、事故後に電気柵の緊急点検を実施した結果、7133カ所のうち1009カ所で「危険表示が不十分」などの不備が確認された。
不備があった電気柵の管理者に対して県と市町が是正を要請し、9月末までに全ての電気柵で改善が行われたと発表している。
県ではこのほか、県主催の鳥獣被害対策会議で各市町の担当者に電気柵の適正な設置方法を記したパンフレットを配布したり、電気柵の設置実習を行うアドバイザー研修会を開いて電気柵の取り扱い指導を強化するなどの対策を取っている。
県農山村共生課の繁村課長は、「事故が起きるまで電気柵に対する危険性の認識が薄かったので、周知徹底はこれからも続けていく」とする一方、「県や市町は農家に立ち入って指導する法的権限がないので、注意喚起をするしかない。最終的な安全管理は、設置者個人の対応に頼る部分が大きい」と課題も口にする。
電気柵の設置数が700カ所と伊豆半島で最も多かった伊豆市では、202カ所で危険表示に関する不備が確認された。
市は、補助金制度を使って電気柵を設置する農家に対しては設置方法の指導を行っているが、煩雑な手続きを嫌って制度を利用せずに個人で設置する農家も多い。
市農林水産課は、「パトロールは継続していくが、長期的に全ての設置状況を把握するのは困難だ」と指摘する。
一方、事故があった西伊豆町では、電気柵を扱う量販店が購入者に注意喚起を行うなど、町全体で安全管理の周知徹底に乗り出す動きも始まっている。
町産業建設課の担当者は、「電気柵は鳥獣被害対策にとても有効な手段。間違った手法で使わない限り安全なので適正に利用してほしい」と呼び掛けている。
出典URL
http://www.sankei.com/region/news/151202/rgn1512020018-n1.html
2015年9月15日19時27分にNHK宇都宮から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
栃木県は、豪雨による被害の復旧作業などで、浸水した太陽光発電の設備や壊れたパネルに触れると感電するおそれがあるとして、がれきなどを片付ける際にはゴム手袋などをつけるよう呼びかけている。
栃木県内では、豪雨で建物が浸水する被害が相次ぎ、県は、住宅の屋根などに設置された太陽光発電の設備にも、浸水したりパネルが割れたりする被害が出たおそれがあると見ている。
県によると、太陽光発電の設備は、浸水したり、パネルが割れて一部になったりしても、光が当たれば発電し、人が触ると感電するおそれがあるという。
今のところ、県内で、人が感電したという報告はないが、県は、太陽光発電の施設にはむやみに近づかないよう、呼びかけている。
また、がれきなどの中に割れたパネルがあった場合も、素手では触らず、ゴム製の手袋や長靴をつけて片づけをするよう、呼びかけている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/1094973431.html?t=1442348061864
9月12日13時23分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
各地の豪雨や洪水で浸水した太陽光発電設備について、太陽光発電協会(東京都)などが、「近づいたり触れたりせず、専門の業者に連絡してほしい」と呼びかけている。
太陽光パネルに光が当たると、水没していても発電される可能性が高い。
複数枚のパネルがつながった状態だと、高い電圧が発生することもある。
発電パネルのほか、発電した電気を交流に変換する「パワーコンディショナー」などの付属設備も、感電の原因になる恐れがあるという。
協会はこのため、周辺にロープを張るなど、関係者以外の接近を防ぐ対策をとるよう求めている。
復旧作業などでやむを得ず触れる場合は、ゴム手袋や長靴を使うよう勧めている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150912-OYT1T50090.html
(ブログ者コメント)
太陽光発電協会から9月11日付で発表された資料は、下記参照。
「太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について」
http://www.jpea.gr.jp/pdf/t150911.pdf
2015年8月20日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡県西伊豆町の川岸に設置された電気柵で7月、7人が感電し2人が死亡した事故を受け、農林水産省は19日、全国の電気柵に関する調査結果を発表した。
電気柵は少なくとも約10万カ所あり、このうち7%に当たる約7000カ所で安全対策が適切に講じられていなかった。
農水省は、継続的に安全対策を周知するよう、都道府県に文書で要請した。
電気柵は、田畑への野生動物の侵入を防ぐためなどに設置されている。
都道府県や独立行政法人などから報告があった電気柵は9万9696カ所。
経済産業省は省令で感電防止策を定めており、7090カ所で何らかの違反が見つかった。複数の違反が見つかったケースもあった。
違反の内訳は、
・危険を知らせる表示の不備6713件
・漏電遮断装置が設置されていなかったり、規定以上の電流が流れていたりする606件
・スイッチに関する不備49件
・家庭用電源(100ボルト)を柵に直接つなぐなど電源装置の不適切22件。
農水省は今後、電気柵の安全な使用を呼びかけるポスターを作製し、全国の全市町村などに発送する。
出典URL
http://mainichi.jp/shimen/news/20150820ddm012040114000c.html
8月20日0時34分に共同通信からも、下記趣旨の関連記事がネット配信されていた。
静岡県で7月に獣害防止用の電気柵により2人が感電死した事故を受け、経済産業省など関係省庁の対策会議が19日開かれた。
農林水産省が都道府県を通じて全国の農牧地など10万カ所近くの電気柵を点検し、7・1%に当たる7090カ所で危険性を知らせる看板がないといった不備が見つかったと報告された。
会議では、都道府県や関係団体に安全策の周知徹底を求めることを確認。
指導を受けても対策を施さない業者などには、経産省が電気柵の使用停止を命じるといった措置を取るとした。
農牧地などの安全点検は7月下旬~8月中旬に実施し、危険性の表示なしが6713件あった。
出典URL
http://www.47news.jp/CN/201508/CN2015081901002008.html
2015年8月19日19時15分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月19日19時0分にテレビ大分から、8月20日付で毎日新聞大分版と朝日新聞大分全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
佐伯市で電柱に登って作業していた九州電力の関連会社の社員が死亡し、警察は感電死とみて、詳しい状況や原因を調べている。
19日午前9時15分すぎ、佐伯市蒲江の空き地で電柱に登って作業を行っていた男性がぐったりしているのを、同僚らが見つけた。
連絡を受けた消防が男性を救助し病院に搬送したが、死亡が確認された。
警察の調べによると、亡くなったのは九電工社員の男性(22歳)。
男性は、電柱の交換工事のため、命綱をつけた上で今の電柱の横に立てた新しい電柱に登り、電線を固定するための金具を取り付ける作業を1人で行っていた。
発見されたときは、およそ7mの高さで腰のベルトを電柱につないだまま、意識を失っていたという。
男性の左の肩には電気が通ったとみられるあざが残っていたため、警察では死因は感電死とみて、詳しい状況や原因を調べている。
感電防止のため、周辺の電線は黄色い絶縁カバーで覆われていたが、何らかの原因で左肩が家庭用低圧線(100~200Ⅴ)の絶縁されていない部分に接触したとみられている。
工事を委託した九州電力大分支社によると、男性は入社5年目で、作業には習熟していたという。
九州電力大分支社は、「事故を引き起こしたことは誠に遺憾です。再発防止策を講じてこのような事故が発生しないように努めて参ります」と話している。
九電工は20日、県内のすべての工事を原則中止して、安全点検を行う。
九電管内で過去5年間に起きた感電事故は2件。
2010年に長崎県で作業員が死亡したほか、今年2月には宮崎県で作業員が重傷を負っている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/5074252021.html?t=1440018289684
https://www.tostv.jp/news/index.php?nno=17486
http://mainichi.jp/area/oita/news/20150820ddlk44040284000c.html
(ブログ者コメント)
今年2月の事例は下記参照。
2015年3月3日掲載
2015年2月23日 宮崎市で高所作業車に乗って電柱の点検作業中、誤って6000ボルトの高圧線に触れて手などにやけど
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4660/
(2015年9月15日 修正1 ;追記)
2015年8月20日付の大分合同新聞紙面に、補足的内容の記事が下記趣旨で掲載されていた。
近くにいた同僚男性と警備員男性がうめき声を聞き、事故に気付いた。
男性は、安全帯を取り付けた電柱にぶら下がった状態になっていた。
左肩に感電したとみられるあざがあった。
同僚は、電柱に上って心臓マッサージをしたという。
九電によると、男性を救出するために高圧線の区間停電をしたため、近くの民家など約150戸が約50分間、停電した。
2015年7月30日付で苫小牧民放から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
白老町内の肉牛牧場で26日、黒毛和牛の肉用牛21頭が牛舎内で死んでいるのが見つかった。
北電室蘭支店の現地調査で牛舎の漏電ブレーカーに不具合が見つかった他、胆振家畜保健衛生所の調べで死んだ牛に外傷や伝染病などの病原がない状況から、町役場などは、漏電による感電死の可能性が高いとみている。
胆振総合振興局農務課は、「(漏電が原因なら)人間も危なかった。農業団体などへ注意喚起を検討したい」としている。
事故が起きたのは、町内石山地区で黒毛和牛約60頭を飼養する肉牛生産牧場。
26日午後5時30分ごろ、牧場経営者の家族が自宅近くの牛舎で牛がぐったりしているのを発見。110番通報した。
牛は、餌を与える際に使う金属製の留め具「スタンチョン」で首が固定された状態だった。
家族が留め具のロックを解除すると、1頭は抜け出したものの、残る21頭は死んでいた。
経営者が給餌した同日午後4時30分ごろは、異常はなかったという。
同牧場では牛舎で31頭を飼養し、事故当時は、繁殖用の雌牛22頭をスタンチョンで固定していた。
死んだ牛の中には、妊娠中の牛も数頭いたといい、「被害総額は少なくとも1千万円以上にはなる」と関係者は話す。
胆振総合振興局は、「道内では過去に漏電が原因とみられる畜舎の火災事故なども起きている」とし、今回の事故を受けて注意喚起など対策に乗り出す考え。白老町農林水産課も「農家などに事故防止の周知徹底を図りたい」としている。
出典URL
http://www.tomamin.co.jp/20150728460
7月30日11時51分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道白老町の畜産農家の牛舎で、牛21頭が死んでいたことが30日、苫小牧署などへの取材で分かった。
首にやけどのような痕があったといい、牛舎電気設備の漏電による感電死とみられている。
道胆振家畜保健衛生所によると、死骸は26日に見つかった。
牛舎内で電気が漏れ、餌の奪い合いを防ぐため牛ごとに首を固定する柵状の金属器具「スタンチョン」を通じて感電したらしい。
牛はいずれも肉牛を産ませるための雌。一部の牛を解剖したが、これまでに病原菌や毒物は検出されてないという。
町農林水産課の担当者は、「感電死は聞いた事がなく驚いている。農家に設備を点検するよう呼びかける」と話している。
出典URL
http://www.sankei.com/affairs/news/150730/afr1507300011-n1.html
2015年7月21日13時27分にNHK金沢から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月21日20時0分に北陸放送から、7月21日19時17分に日テレNEWS24からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
今月17日、津幡町で、95歳の女性が動物よけの電気柵に触れて転倒し、病院に運ばれていたことがわかった。
女性にケガはなかった。
消防や町などによると、今月17日午後2時ごろ、津幡町竹橋で、95歳の女性が田んぼの周りに設置された電気柵に触れ、ショックで転倒した。
女性は一時、起き上がれなくなり、通りがかった人に発見され、病院に運ばれたが、ケガは無かったという。
竹橋地区ではイノシシなどの田んぼへの侵入を防ぐため、今月6日から9日にかけて地元の農業関係者で作る竹橋営農組合が、津幡町の支援で総延長約4km、高さ40cmの電気柵を設置したばかり。
電気柵は、乾電池を電源に、1分おきに4000ボルト近い電圧で電流が流れている。
電気柵に触れて病院に運ばれた女性は、NHKの取材に対し、「触れると手も足も動かなくなってびっくりした。近所の人に助けてもらえて本当によかった」と話していた。
女性によると、電気柵の近くにある自分の畑の手入れをしていた時に、誤って手が柵に触れたという。
電気柵をめぐっては、19日に静岡県西伊豆町の川岸で、家族連れなど7人が感電し、男性2人が死亡する事故が起きている。
津幡町では、事故が起きる前の今月中旬から、地区の住民に対し、電気柵に触れないよう注意を促す文書を配布していたが、事故を受け、今後、改めて注意を呼び掛けていくことにしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/3023502341.html?t=1437511417919
https://www.mro.co.jp/news/detail.php?cd=3744935
http://www.news24.jp/nnn/news890107149.html
(ブログ者コメント)
所定の安全策がとられていたのでヒヤリで済んだ事例かと思われるが、この程度の事例であれば、全国的に結構あるのかもしれない。
同時期に西伊豆町での死亡事故がなければ、この事例は報道されなかった可能性がある。
2015年7月20日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月20日1時27分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午後4時40分ごろ、静岡県西伊豆町一色で、川遊びなどをしていた子ども2人を含む男女7人が感電し、病院に搬送された。
うち、川崎市宮前区の男性(42)ら男性2人が死亡し、8歳の男児と42歳の女性の2人が重症となった。
川岸に設置された動物よけの電気柵の電線が原因になった可能性もあるとみて、警察が調べている。
警察によると、川で遊んでいた男性と男児2人が感電。
叫び声に気付いて助けに向かった4人も、次々と感電したという。
柵に電気を送るための電線の一部が切れて、川の中につかっていた。
事故があった電気柵は幅約10m、高さ約1m。アジサイをシカなどから守るために、川岸から約1m離れた斜面に設置されていた。
電気柵は、田畑や牧場などで野生生物の侵入を防いだり、家畜の脱走を防いだりするために設置される。
近年は、野生生物が農作物を食い荒らす被害を防ぐために広く使われており、インターネットでも多くの種類が販売されている。
ただ、高圧電流で電気刺激を与える仕組みであるため、経済産業省や業界団体は設置に関する基準を設けるなど、安全面への注意を呼びかけている。
業界団体「日本電気さく協議会」のホームページによると、2009年8月、兵庫県南あわじ市で、家庭用電源から直接電気を流していた電気柵に感電し、男性が死亡する事故が起きている。
こうした事故を防ぐため、電気事業法などで感電防止の措置が定められている。
人が容易に入れる場所に設置する際は、「感電注意」などと表示することになっているほか、家庭用の100ボルトの電源から直接、電気柵に電流を流すことは禁じられている。
業界団体などは、電気柵に電気を引く際は、人体に影響を与えない程度に電流を小さくするなどの機能がある専用の電源装置の使用を求めている。
市販されているが、インターネット上には、自作の方法を紹介するページもある。
近所の男性(70)は、電気柵について「仮に触っても、普通はびりっとくる程度の電気の強さ。なぜこんなことになったのか」と話した。
出典URL
http://mainichi.jp/shimen/news/20150720ddm041040236000c.html
http://www.asahi.com/articles/ASH7M666TH7MUTPB01G.html
以下、続報のポイントのみ記す。
(7月21日0時54分 朝日新聞)
最初に男児1人が土手に設置された動物よけの電気柵に触れて感電し、助けようとした大人らが次々に感電した可能性が高いことが20日、捜査関係者への取材でわかった。
男児がやけどなど左手に大けがをしていたことや目撃証言から、県警が判断した。
http://www.asahi.com/articles/ASH7N52C6H7NUTIL014.html
(7月22日1時0分 毎日新聞)
電気事業法で30ボルト以上の電源を使用する電気柵に義務付けられた漏電遮断装置が付いていなかったことが、静岡県警への取材で分かった。
県警は、現場での通電実験で切れた電線が川の中でも漏電し続けることを確認。
遮断装置がなかったために、被害が拡大した可能性もあるとみて、調べている。
電気事業法に基づく省令は、家庭用コンセントから電気を引く場合、15ミリアンペア以上の漏電が起こると0.1秒以内に遮断する装置を設置するよう定める。
業界団体によると、装置があれば、柵の電線が切れた後に電気が流れ続けることはないという。
高橋健彦・関東学院大教授(建築電気設備学)によると、電気が体に与える影響は、電流の大きさと流れた時間による。また、心臓を通ると危険だ。さらに、体がぬれていると電気抵抗が下がるので、乾いているときより大きな電流が流れて危険性が増す。
家庭用電源のブレーカーが落ちるのは、10〜60アンペア。
国際電気標準会議によると、体に10ミリアンペアの電流が2秒以上流れると、筋収縮や呼吸困難が起きる恐れがある。
また、50ミリアンペアの電流が1秒を超えて流れると、心室が細かく震えて収縮しなくなる心室細動が起き、死ぬ場合もある。
高橋教授によると、体が電気柵に直接触れなくても、電線が川につかって電気が流れていれば、負傷や死亡につながる可能性があるという。
1977年には東京都内で、自宅のコンセントから電気を取っていた庭の池の水銀灯が漏電し、池に落ちた7歳の女児と、助けようとした女性が感電死した事故も起きている。
http://mainichi.jp/select/news/20150722k0000m040107000c.html
(7月22日18時33分 読売新聞)
死亡した2人の左手のひらに重いやけどの痕があったことが22日、捜査関係者への取材で分かった。
県警は、2人が直接電線を触り、感電による心停止が原因で亡くなったとみて、同日、司法解剖して詳しい死因などを調べる。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150722-OYT1T50116.html?from=y10
(7月24日14時41分 静岡新聞、7月23日9時40分 NHK静岡)
男性が、住居の漏電遮断器が作動することによる停電を避けるため、農機具小屋に変圧器を設置していた可能性のあることが24日、関係者への取材で分かった。
事故当時、住居の漏電遮断器は作動していなかったという。
関係者によると、男性が使用した変圧器は「絶縁トランス」と呼ばれる種類の器具だった。
絶縁トランスは通常、病院の集中治療室(ICU)や手術室などの「医療用コンセント」に利用され、配電盤の漏電遮断器による一斉停電を回避している。
男性は、住居の配電盤から農機具小屋に引き込んだ家庭用コンセント(100ボルト)から電源を取り、途中、変圧器を介して電圧を440ボルトに引き上げ、事故のあった場所のほか、裏山の畑など総延長300mの電気柵に電気を供給していた。
警察は、遠くの電線に一定の電気を流すため電圧を高くした可能性もあるとみて、詳しく調べている。
こうした複雑な配線は、所有者が自分で行っていたという。
http://www.at-s.com/news/detail/1174217186.html
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3033557411.html?t=1437685256997
(7月24日22時51分 朝日新聞)
男性(79)の妻が24日、取材に対し「(夫は)いつも朝、出かける時には電源を切っていた。その日に限って切り忘れた」と話した。
男性は普段、納屋の中にあるコンセントからプラグを抜き差しして使用していたとみられる。
http://www.asahi.com/articles/ASH7S5J6NH7SUTIL045.html
(7月24日23時6分 毎日新聞)
妻は、「(夫は)昔は電気関係の仕事をしていたから、電気柵は配線も含め全部、本人が設置した」とも話した。
http://mainichi.jp/select/news/20150725k0000m040121000c.html
(関連情報)
(7月22日 産経新聞west)
感電事故」の「電気柵」年1万キロ、爆発的に普及…届け出不要、実態つかみ切れず
http://www.sankei.com/west/news/150722/wst1507220116-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。