2015年11月10日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
(新情報に基づき、第1報ともども、タイトルも修正しました)
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5362/
(2015年11月21日 修正2 ;追記)
2015年11月12日付で朝日新聞新潟全県版(聞蔵)から、原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東電は、11日、中間報告を記者団に説明。
施工業者に一般ケーブルと分離するよう具体的な指示をせず、確認もおろそかにしていた実態を明らかにした。
また、安全対策工事の設計管理で保安規定違反の疑いが判明した問題でも、独自の調査結果を発表。
現時点で、807件の工事のうち、348件で設計管理の不備が見つかったという。
11月13日付で朝日新聞新潟全県版(聞蔵)から、原因に関するより詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同原発の横村所長は、12日の定例会見で陳謝。
一般ケーブルと区分分離することを明記した社内向けマニュアルが存在せず、工事を管理する社員の認識が不足し、施工業者に的確な指示がされていなかったことを認めた。
区分分離などを定めた社内マニュアルの存在について、横村所長は、「こういう風にしなさいと明記したものはなかったと思う」と説明。
区分分離に関する社員教育が行われていないことが「問題の出発点だった」とし、原因を徹底究明した上で、マニュアルなどを整備していく考えを表明した。
また、安全対策工事のうち348件で設計管理の不備が見つかった問題についても言及した。
社内マニュアルは存在したものの、記載があいまいだったり、読みこなすのが難しいという弱点があったと説明。
「マニュアルの分かりにくさが、ルールに基づいた運用が行われなかった原因と考える」と話した。
(ブログ者コメント)
○東電HPに掲載されている11月11日付のプレスリリースには、問題点や背景要因などについて、以下のように記されている。
<問題点>
(1) 当社側から技術基準に適合させるように工事共通仕様書にて要求を行っていたが、中央制御室床下へのケーブル敷設に関する区分分離について、具体的な要求をしていなかった。
そのため、施工企業は施行要領書に区分分離に関する仕様を盛り込んでいなかったこと。
(2) 施工企業から提出された施行要領書には区分分離に関する仕様、現場のケーブルルートが盛り込まれていなかったが、当社は当該の要領書を確認後、施工企業へ返却していたこと
(3) 中央制御室床下の安全系と一般系の区分分離表示がなされているものの不十分であり、分離板の表示もなかったこと
(4) 当社は区分分離通りのケーブル敷設について当社による立ち会い項目として設定しておらず、施工状態の妥当性を確認していなかったこと
<背景要因>
その後、上記問題点について、要因分析を行った結果、以下の背景要因を抽出しました。
(1) 中央制御室床下の区分分離に関する正式な設備図書*5がなかったため、当社および施工企業の双方において、中央制御室床下の構造や区分分離に関して教育が不足していたこと
(2) 当社および施工企業は、中央制御室床下の構造や区分分離に関する知識が不足していたことに加え、計画段階において、これで問題ないかというチェックが欠けていたこと
<再発防止対策>
現時点における主な今後の再発防止対策として、以下を実施していくこととしました。
●中央制御室床下の区分分離に関する設備図書を整備し、関係者に周知するとともに、当社および施工企業は、中央制御室床下の構造およびケーブル敷設の区分分離等のケーブル敷設の機能維持に関する教育を行うこととしました。
また、要求事項が明確になるよう専門的知識を有する社員によるチェックを実施することとしました。
(背景要因(1)(2)に対応)
●ケーブルを敷設する際は仕様書等で調達要求事項を明確にし、要求事項を満足するようなケーブルルートとなっていることを工事施行要領書にて確認することとしました。
(問題点(1)(2)に対応)
●中央制御室床下のケーブル敷設スペースおよび分離板について、安全系と一般系の識別が明確になるように表示を改善することとしました。
(問題点(3)に対応)
●当社は立ち会い項目を設定し、計画通りに中央制御室床下のケーブル敷設が実施されたことを立ち会い確認することとしました。
(問題点(4)に対応)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2015/1263286_6818.html
○ブログ者は、東電の安全管理に関し、第三者からいろいろと辛辣な意見が出されても、それらは枝葉末節部分の抜けで、東電ほどの大会社であれば大筋はしっかりと管理できている筈・・・と、根拠レスだが思っていた。
それゆえ、第1報では「さておき」扱いしたのだが、それが今回、法規制内容がマニュアルに落とし込まれていなかったという報道に接し、どうもそうではないのかもしれない・・・と思い始めた。(その報道が正だと信じての話だが・・・)
振り返れば、その思いは、グレーチング通路の端のハシゴ昇降口に、転落防止のイロハである安全バーが設置されていないように見えた以下の報道に接した時から、芽生え始めていた。
2015年1月26日掲載
2015年1月19日 新潟県柏崎市の東京電力柏崎刈羽原発タービン建屋で機器点検中、設備の写真を撮ろうとしてグレーチング通路端のハシゴ昇降口から3.5m下に転落し重傷 (修正1)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4589/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。