2017年10月12日20時9分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州電力は12日、九州7県での火力発電所や水力発電所での燃料タンク設置を巡り、労安法で工事開始前に労基署へ提出するよう定められている工事計画を提出していなかった例が、この45年間で238件あったと発表した。
九電は、「法令に対する理解不足が原因。再発防止対策を行う」と説明している。
安全上の問題はないという。
九電によると、燃料タンクなどの設備の設置や建て替えをする場合、労災事故を防ぐため工事開始の30日前までに工事計画を提出することが規定されている。
東京電力が平成28年に同様の事案を公表したため確認したところ、発覚した。
社内マニュアルには、工事計画を事前提出することが記載されていなかった。
九電は工事計画を後から各地の労基署に提出するなどしたという。
出典
『労基署へ書類提出45年怠る 九電「法令の理解不足」』
http://www.sankei.com/west/news/171012/wst1710120078-n1.html
(ブログ者コメント)
〇10月12日付の該社プレスリリースに下記記述があった。
該当設備設置時には、消防法に基づく許認可等の手続きや検査他を適切に実施しております。
また、設置後も、定期的な日常点検や消防法に基づく点検を計画的に実施しており、安全上の問題はありません。
http://www.kyuden.co.jp/press_h171012-1
〇長年、問題ないと思ってやってきたことでも抜けがあることがある・・・そんな事例として紹介する。
それにしても、九電が東電事例を受けて調査したのは何故だろうか?
自主的に他社事例を横展開したのであれば、感度のよい動きだ。
官庁からの指示で調査したとすれば、他の電力会社からも、今後、情報が出てくるかもしれない。
2017年10月8日21時5分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月8日23時59分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸製鋼所は8日、自動車や航空機メーカーなど約200社に納入したアルミ板や銅製品について、工場の出荷段階で強度や寸法をチェックする検査証明書を書き換えるなどの不正が見つかったと発表した。
同社は「(自動車など)最終製品の安全性には影響はない」(梅原副社長)とみているが、今後、納入先の企業と品質面や安全性への影響を調査するという。
不正が見つかったのは、同社が2016年9月~17年8月に生産したアルミ製品(板、押し出し品)約1万9300トン、銅製品約2200トンなどで、この期間に同社が出荷したアルミ・銅製品の約4%に当たる。
出荷前の自主検査で、顧客企業との契約上の仕様が満たされていないことがわかったあと、添付する「検査証明書」のデータを改ざんしていた。
日本工業規格(JIS)が定める水準は満たしていたという。
今年8月、社内の監査で検査証明書のデータ改ざん、捏造の事実が発覚した。
今回の調査は過去1年間だが、不正が見つかった国内4工場では、データの改ざんなどが少なくとも約10年前から続いていたという。
納入先の約200社は、自動車メーカーのほか、電機メーカー、飲用容器メーカーなど、多岐にわたる。
メーカー各社は神戸製鋼に対し、アルミや銅製品の寸法、強度などを指定。
神戸製鋼は納入前にメーカー側の要求を満たしているかをチェックし、検査証明書にデータを記入する。
梅原副社長は、「納期に間に合わせるため、担当者がついデータを書き換え、それが続いてしまったのではないか」と釈明したが、工場の管理職も不正を黙認しており、不正は組織ぐるみだった可能性が高い。
三菱重工業によると、開発中の国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)にも神戸製鋼のアルミが使われているが、「安全性に問題がないことを確認した」という。
また、JR東海道新幹線の車両の台車部分に使用しているほか、トヨタ自動車は一部車種のボンネットなどに使用しており、リコール(回収・無償修理)に発展する可能性もある。
神戸製鋼は、川崎会長兼社長を委員長とする品質問題調査委員会を設置し、外部の法律事務所に不正に関する調査を依頼。
調査結果を踏まえ、再発防止策などを策定する。
出典
『神戸製鋼 データ不正 アルミ・銅 強度不足も』
https://mainichi.jp/articles/20171009/k00/00m/020/011000c
『神戸製鋼、アルミ部品など強度改ざん 200社に出荷』
http://www.asahi.com/articles/ASKB84K3HKB8ULFA003.html
10月M8日22時50分に朝日新聞からは、下記趣旨の解説的記事がネット配信されていた。
神戸製鋼所で、また、品質管理の不祥事が発覚した。
自動車に使われるアルミニウム製品の強度などを偽って出荷。
1年前、グループ会社でばね用ステンレス鋼線の強度偽装の不祥事が起きたばかり。
不正は本体を含む「組織ぐるみで常態化」していたことになる。
信頼性は損なわれ、経営責任が厳しく問われる。
8日に記者会見した梅原副社長は、「実際に手を下したり黙認したりしていたのは、管理職を含めて、過去1年間で数10人」と語り、「組織ぐるみか」と問われ、「はい」と答えた。
不正の背景は、「納期を守り、生産目標を達成するプレッシャーの中で続けてきた」と分析。
一方で、「品質に関する意識が弱いとは考えていない。(納入先との)契約を守る意識が低かった」と釈明した。
不正は、今秋の社内監査を控え、工場での自主点検で見つかった。
梅原氏は、「かなり古い時期から(不正が)あった」とも話した。
10年前から改ざんが続いているケースも確認され、常態化の可能性を認めた。
今回、検査回数を少なくする手抜きも発覚した。
昨年の不祥事発覚で、「一気に是正すると影響が大きく、踏み切れなかったようだ」と説明した。
再発を防ぐ取り組みが不十分だったと認めた形だ。
・・・・・
(以下、社長会見の要旨)
・・・・・
出典
『強度偽装、組織ぐるみで常態化 神戸製鋼「納期の重圧」』
http://www.asahi.com/articles/ASKB85GB7KB8ULFA004.html
10月11日8時9分に朝日新聞からは、下記趣旨の続報的記事がネット配信されていた。
・・・・・
神鋼は、今年8月末までの1年間に出荷したアルミ・銅製品の一部で、納品先に約束した製品の強度やサイズなどの条件を満たしていないにもかかわらず、添付する「検査証明書」のデータを書き換え、適正なものと偽って出荷していた。
工場の従業員が端末を操作して偽装データを入力。
操作記録から、操作者は特定されているという。
納品先との契約では、製品検査の回数も決められている。
だが、検査証明書には、約束したサンプル検査の回数に満たないのに、架空の数字を書き込んで必要な検査を実施したように装った記載もあったという。
・・・・・
なぜデータ改ざんが行われたのか。
梅原副社長は8日の記者会見で、生産現場で従業員が、「暗黙の了解を感じていた可能性がある」と述べた。
改ざんが組織ぐるみで常態化していたことを、おおよそ認めた。
神鋼幹部のひとりは、現場の品質判断を契約内容に優先しても問題がないという「過信」が背景にあったと指摘する。
製品には、生産過程で強度や寸法にばらつきが出る。
仕様書に明記された範囲に収まらない場合でも、一定の範囲内なら、納品先から苦情はほとんどない。
ベテランの従業員が長年の経験をもとに、「苦情が来ない程度なら」と、数値を偽装していた、と打ち明ける。
同じ工場で20年以上も働くベテランが品質管理を担い、こうした手法が続いていたとみる。
・・・・・
神鋼は2017年3月期まで2年連続で純損失だった。
アルミ・銅製品を「成長戦略の柱」と位置づけ、巻き返しをはかっていた矢先に、信頼が損なわれた。
10日の株価は前週末の終値より300円安い1068円で、値幅制限の下限(ストップ安)まで下落した。
出典
『神鋼、品質軽視の体質 データ改ざん「暗黙の了解」か』
http://digital.asahi.com/articles/ASKBB4303KBBULFA00W.html?rm=620
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
2017年10月14日5時0分に朝日新聞からは、品質より納期優先だった可能性もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
13日の発表で、不正製品の納入先は、これまでの約270社から国内外の約500社に増えた。
不正を行った拠点も海外に広がった。
阪急電鉄やパナソニックが、不正製品を鉄道車両や自社製品に採用していたことも明らかにした。
神鋼はグループを含めた全社調査を急ぐが、新たな不正は今後も出てきそうだ。
・・・・・
今回不正があった鉄鋼や銅、アルミの素材は自動車や鉄道、航空機などの部品向けが多く、取引相手はメーカーだ。
不特定多数の消費者の目にさらされ、品質がチェックされる製品とは異なり、決まった取引先とのつき合いの中で納入することが多い。
長年の取引関係の中で、メーカーとしての裁量を逸脱し、ルールを守る感覚がおろそかになった可能性がある。
・・・・・
国際競争の激化で低コストや短納期の要求が強まり、品質が犠牲になった可能性もある。
神鋼の元首脳は、「納期や歩留まりへのプレッシャーが製造現場で当たり前になっていた」と指摘する。
不正なアルミ製品を出荷していた大安(だいあん)工場(三重県いなべ市)の元社員は、「『納期遅れの解消』が職場のスローガンだった」と話し、データ改ざんが約20年前にもあったと証言する。
品質より納期を守ることを優先する雰囲気があったという。
・・・・・
市場の評価は厳しく、神鋼の株価は不正発覚前の6日終値に比べ4割下がった。
取引先は世界中に及び、今後も芋づる式に不正が出れば、事業継続そのものが危うくなりかねない。
取引先に疑心暗鬼が広がるのは、不祥事が今に始まったものではないからだ。
99年には総会屋への利益供与が明らかになり、09年には政治資金規正法違反も発覚。
16年にもステンレス鋼線の強度偽装が明るみに出た。
取引銀行の幹部は、「まだ全体像が見えないが、組織ぐるみの問題」。
別の銀行幹部も、「どんどん新しい不正が出てきて底が見えない」と話す。
・・・・・
出典
『(時時刻刻)神鋼、不正底なし 海外に飛び火、対応後手』
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13179185.html?rm=150
(2017年10月20日 修正1 ;追記)
2017年10月16日5時0分に朝日新聞からは、品質保証担当者もデータを改竄していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
製品の品質を最終確認し、場合によっては出荷を差し止める権限を持つ品質保証担当者が自ら、検査データを改ざんしていた例があることがわかった。
製造部門から独立し、品質の維持を厳しく監視することが求められている立場の従業員が積極的に関わっていたことで、改ざんが組織ぐるみだった構図がさらに強まった。
同社関係者によると、国内の工場で品質保証担当者が自ら、端末に入力済みのデータを架空のものに書き換えたり、捏造したりしていた例があった。
改ざんに直接関与した担当者は複数おり、約10年前から続いていたとの証言もある。
製造部門の改ざんを黙認していた担当者もいるという。
品質保証担当者は、出荷前に行う検査のデータが検査証明書に正しく記載されているか、製品の品質が顧客との契約を満たしているかなどを最終的にチェック。
品質を満たさない製品と判断すれば、出荷が見送られる。
納期に追われ、製造や営業の担当が品質を後回しにするのを防ぐために、強い権限が与えられている。
一方、組織上は品質保証担当者も工場長の指揮下にある。
製造担当者が異動で品質保証担当になることも多く、「顔見知りに厳しいことを言いにくく、独立性を保ちにくかった」と同社幹部は話す。
神鋼では昨年6月、グループ会社の神鋼鋼線ステンレスの製品でJISの強度を満たしていない違反が発覚。
品質保証の責任者を兼ねる製造幹部が改ざんをしていたことから、神鋼は11月、本社に品質統括室を作って検査態勢の強化を進めていた。
出典
『最終関門の品質保証担当まで積極改ざん 神鋼不正品問題』
http://digital.asahi.com/articles/ASKBH4RNJKBHULFA004.html?rm=437
10月18日18時54分に産経新聞westからは、裏マニュアルのようなメモが品質担当者間で引き継がれていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸製鋼所のアルミ・銅部門で1990年代に働いていたOBが18日、共同通信の取材に応じ、仕様を満たさない製品を顧客に無断で納入しても問題とならない許容範囲をメモにして、歴代の担当者が引き継いでいたと証言した。
不正の手口を継承する事実上の「手引書」の存在が裏付けられた。
組織ぐるみのデータ改ざんが見つかった部門で、不正の常態化が明確になった。
軽微な性能不足など、顧客との間であらかじめ取り決めた仕様に満たない製品は、了解を得た上で「特別採用」として引き取ってもらうケースがある。
しかし神戸製鋼では、過去に納入して問題とならなかった不合格品の事例を「トクサイ(特別採用)範囲」と称するメモにして申し送りし、歴代担当が無断納入の判断基準に使っていた。
同じく90年代にアルミ・銅部門にいた別のOBは、無断納入を続けてきた背景に関し、顧客との取引長期化に伴って「大丈夫だろうと、なれ合いみたいなところがあった」と説明した。
さらに別のOBは、特別採用は40年以上前から業界の慣習として存在したと指摘した。
出典
『OB証言「不合格品納入、40年以上の習慣」 不正の手引書で引き継ぐ』
http://www.sankei.com/west/news/171018/wst1710180057-n1.html
2017年10月19日22時7分に毎日新聞からは、背景に関する社員などの見方が、下記趣旨でネット配信されていた。
神戸製鋼所の品質検査データの改ざん問題で、本社がある地元・神戸の社員や元社員にも動揺が広がっている。
毎日新聞が入手した社員向けの内部文書では、今回の問題を「創業以来の最大の危機」として全社一丸となるよう呼び掛け、悲壮感を漂わせている。
「今、世間からの『信頼』を失っている」「信頼回復には大変な努力が必要」。
ある部門で14日付で回覧された文書には、こんな言葉が並ぶ。
そして「誠心誠意をもって取り組めば、苦境は必ずや乗り越えられる」などと記されている。
文書を目にした50代男性社員は、「なぜごまかしていたのか。現場で働く者として理解できない。一生懸命仕事しているのに『なんでや』という気持ちです」と憤る。
1970年代に入社。
今回の改ざん問題に直接関わる部署ではないが、入社当時と比べて、近年は過度な成果主義になっていると感じる。
「管理職は(生産量などの)目標値を達成したという報告しか求めず、報告が上手な人が評価される体質があると感じていた。データ改ざん問題は、そこに原因があるのではないか」。若手にも不安が広がっているといい、「気付かなかった我々も会社全体を考え、変わっていかねばならない」と話し、責任を感じている。
OBからも心配の声が上がる。
神戸市内に住む50代の元社員は、「神戸製鋼は元々、高い技術を持っている。問題の背景には『取引先の要求通りにしなくても大丈夫』という甘えがあったのでは」と話す。
同業他社と比較して「野武士的」な社風があったと言い、「これ以上世間からたたかれるのはOBとしてもつらい」と心情を明かした。
出典
『地元で社員に広がる動揺「創業以来の危機」』
https://mainichi.jp/articles/20171020/k00/00m/040/060000c
2017年9月29日23時56分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日産自動車で、国内で車両を組み立てる全工場でのずさんな運営が明るみに出た。
本来は、社内で検査員と認められた従業員が完成車を検査する必要があるが、守られていなかった。
新車登録前の6万台の検査がやり直しとなり、ユーザーに渡った100万台規模も対象の可能性がある。
法令軽視の批判は免れず、ブランドイメージや業績への悪影響は避けられない。
自動車メーカーは、工場で車を生産する最終段階で「完成検査」を行う。
本来は国が行う検査を、工場で代行しているような形だ。
完成検査を受けた証明が、安全に路上を走る車としての「お墨付き」となる。
その後、販売店に出荷され、ナンバーを付けてユーザーに引き渡される。
こうした仕組みは、道路運送車両法や関連の実施要領などで定められている。
国が定めた実施要領では、各社が知識や技能を考慮し、自社であらかじめ指名した従業員が検査するよう求めている。
しかし日産では、認定されていない「補助検査員」が、一部の検査を行っていた。
全工場で日産が認めた正規の「完成検査員」は約300人で、補助検査員は約20人。
この補助検査員が、完成検査員が行うべき業務を行っていた。
完成検査員かどうかは、バッジの有無で判別できる。
補助検査員は作業に習熟しているが、レベルには個人差があるという。
日産の社内調査では、補助検査員が検査をすることが問題だという認識もない従業員もいた。
安全性が重視される自動車の生産現場で、法令を守る認識が欠けていたことになる。
この状態がどれだけ続いていたかについて、日産は「調査中」としており、長期にわたって常態化していた可能性がある。
問題があったのは、追浜工場(神奈川県)、栃木工場(栃木県)、日産九州(福岡県)、日産車体(神奈川県)、同社傘下のオートワークス京都(京都府)、日産車体九州(福岡県)で、国内の車両組み立ての全6工場だ。
9月18日、国交省が日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)に抜き打ちで立ち入り検査して発覚した。
日産はその時点まで、事態を把握していなかった。
現時点で、ユーザーへの引き渡し前で新車登録されていない6万台は、引き渡し前に検査をやり直す。
委託先の三菱自動車がつくっている軽自動車を除き、国内で生産・販売する「セレナ」「エクストレイル」など、全車種が含まれる。
ただ、すでに引き渡された車は登録され、路上を走っている。
いつから問題があったかがわからず、影響台数は特定できていない。
新車登録から3年後に車検を受けていれば、正規の検査を受けた形になるとみられる。
日産の国内販売は、軽を除くと年間38万台程度。
初回の車検前の車が対象の場合、計100万台規模の再検査が必要となる可能性がある。
再検査の方法は、決まり次第、ユーザーに連絡するという。
日産は、検査自体は、必要な全項目について実施したと説明しており、特に、車検を経た車の安全は確保されているとの認識だ。
すでに全工場で正規の検査員が確認するように改めており、今後の生産停止は考えていないという。
ただ、販売現場では対応に追われ、新車販売に影響が出る可能性がある。
日産は、国内ではトヨタ自動車やホンダなどに離されていたが、昨年に出した「ノート」のハイブリッド車(HV)がヒットした。
10月2日には、エコカー戦略の中核を担う電気自動車の新型「リーフ」を発売する。
だが、リーフも一部は再検査が必要で、当分、引き渡しができない。
リーフはブランドを背負う車だけに、日産のイメージにも悪影響が及ぶ。
日産の西川社長は、日本自動車工業会の会長を務める。
間近に迫った東京モーターショーを主導する立場だが、自社が信頼を損なう事態を招いてしまったことになる。
出典
『全工場でずさん検査、日産打撃 法令軽視の批判は必至』
http://www.asahi.com/articles/ASK9Y6CXTK9YULFA02T.html
10月2日18時4分にNHK首都圏からは、日産は250億円超かけてリコールするという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西川社長が先ほど午後6時から、横浜市の本社で記者会見した。
この中で西川社長は、2014年10月から先月までに製造し、すでに販売したおよそ121万台について、検査に不備があったとして点検をやり直すため、今週中に国交省にリコールを届け出ることを明らかにした。
さらに、これとは別に、販売されずに在庫となっているおよそ3万4000台についても、検査に不備があったとしている。
また西川社長は、リコールに必要な費用について、250億円を超える可能性があるという見通しを示した。
出典
『日産 検査不備「120万台超」』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20171002/0001391.html
10月4日22時20分に産経新聞からは、完成検査のやり方に関する、やや詳しい記事が下記趣旨でネット配信されていた。
偽装があったのは、新車の出荷前にブレーキ性能や排ガス量などが基準を満たしているかを確認する「完成検査」。
本来は、約5つの工程ごとに、資格を持った検査員が確認後、記録書類の完成検査票に押印して次の工程に進める。
日産工場では、資格を持たない補助検査員だけで工程を担当させるなどした上、有資格者が実施したように押印していた。
出典
『日産自動車、無資格検査で検査書類を偽装 国交省、違反の組織性調べる』
http://www.sankei.com/affairs/news/171004/afr1710040032-n1.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
10月7日5時0分に朝日新聞から、今回事案の背景を推定した、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社は6日、国交省に38車種、約116万台の大量リコール(回収・無償修理)を届け出た。
・・・・・
無資格者による検査について日産は、これまでの会見などで「現場の認識不足」が主因との見方を示し、国交省に指摘されるまで、経営陣は問題を把握していなかったとしてきた。
しかし実際は、無資格の「補助検査員」が検査したのに、書類に資格者の「完成検査員」の名前や印章を使うなど、組織的な不正隠しが疑われかねない状況だ。
なぜ無資格者が検査したのか。
日産は否定するが、社内には「検査員の数が足りない、やりくりできないという面があったのでは」(同社関係者)との声がある。
国交省は法令などで、各社が独自の基準で検査資格を与えるよう求めている。
日産で「完成検査員」の資格を取るには、最低3カ月はかかる。
無資格の「補助検査員」は、これに満たない期間の実習でも習熟したとみなされ、検査にあたっていた。
日産の完成検査員は約300人で、補助検査員は約20人。
国内生産が日産よりやや少ない規模のマツダは、登録した正規の検査員が約600人いる。
日産が人手に余裕があったとは言いがたい。
補助検査員には、3カ月や半年といった期限で雇われる期間従業員もいた。
資格を取るのを待つと、雇用期間満了までの期間が短くなってしまうため、無資格の期間従業員を検査にあたらせた可能性もある。
・・・・・
日産は、長く経営トップを務めたカルロス・ゴーン会長のもと、世界の工場で生産効率を競わせてきた。
世界生産のうち、日本での生産は2割に満たない。
全世界での販売に占める国内販売比率は低下している。
無資格での検査は、国内の法令に反する可能性があるが、輸出向けは問題にならない。
全世界で販売する車をつくる中、比率が下がっている国内向け車での法令順守体制が次第におろそかになった可能性がある。
・・・・・
出典
『日産の偽装、組織的か 「検査員不足」の指摘 リコール、38車種116万台に』
http://www.asahi.com/articles/DA3S13169713.html?ref=nmail_20171007mo
10月8日4時4分に朝日新聞からは、工場で帳簿管理している有資格者のハンコを補助検査員が借りて押印していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
完成検査は、通常、資格を持つ検査員が項目ごとに車体の機能を確認して、書類に自身の印鑑を押す。
だが日産では、資格のない補助検査員による検査が常態化。
その際、書類には有資格者名の印鑑を押し、正しく検査が行われたかのように偽装していた。
関係者によると、有資格者の印鑑は工場で複数用意され、無資格者はそれを借りて書類に押す仕組みだった。
どの印鑑を誰に貸したかは、各工場が帳簿で管理していたといい、工場内では偽装工作が公然と行われていたとみられる。
こうした行為はほぼ全ての工場で行われ、組織的に偽装を慣行していた疑いが浮上した。
・・・・・
検査は、本来、国がするべきものだが、大量生産を可能にするため、各社が認定制度を設けて信頼性を担保し、「代行」する仕組み。
国交省は、検査に不備がないか定期的に監査しているが、書類を信頼して行われており、書類自体が偽装された場合、不正を見抜くことは難しいという。
出典
『偽装用印鑑、帳簿管理で貸し出し 日産、組織ぐるみか』
http://digital.asahi.com/articles/ASKB66VT0KB6UTIL07S.html?rm=347
(2017年10月20日 修正1 ;追記)
2017年10月20日付で東洋経済オンライン(読売新聞)から、問題発覚後も4工場で不適切検査を続けていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日産自動車は19日、無資格の社員による完成車両の検査が、9月の問題発覚後も国内4工場で継続していたことが判明し、国内全6工場で生産した国内向けの全車両の出荷を停止したと発表した。
停止期間は2週間以上になる見通し。
日産によると、すでに無資格検査が継続していたことが発覚した日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)以外に、追浜工場(同県横須賀市)、栃木工場(栃木県上三川町)、日産自動車九州(福岡県苅田町)の3工場でも続けていたことが、弁護士などの第三者を含む社内調査チームの調査で明らかになった。
無資格の社員が検査をしないよう、再発防止策を取ったにもかかわらず、現場が従っていなかった。
具体的には、今月17日夜、追浜工場で無資格の社員が、ブレーキの利き具合やライトの点灯状況などをチェックする「完成検査」を行っていた。
18日にも、栃木工場、日産自動車九州での不正が続いていたことが判明。
完成検査を国に届け出た本来の場所と異なる場所で行ったケースも見つかった。
日産は9月29日に無資格検査問題を公表。
西川社長は今月2日の記者会見で、「全て認定した検査員が行う体制になった」と説明していた。
その後も不正が続いたことに、西川氏は19日、「まさに不徹底と申し上げるしかない」と述べた。
生産台数に見合った人員を配置しなかったことも影響したとみられる。
日産は再発防止策として、検査の現場には有資格の完成検査員しか立ち入ることができないように「セキュリティーゲート」を設置する。
各工場で適正に検査が行われているかどうかを確認するため、外部の専門機関による監査も実施する。
西川氏は「2週間程度をかけてやろうと思っている」と述べた。
出典
『日産甘さ露呈、経営責任に発展する可能性も 国内出荷を停止…4工場で無資格検査を継続』
http://toyokeizai.net/articles/-/193903
10月19日21時3分に朝日新聞からは、3工場では本来の検査ラインの外側で不適切検査を続けていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月に国から指摘を受けた後も、国内の完成車工場全6工場のうち4工場で、検査に無資格者が関わっていた。
4工場のうち、追浜(神奈川県)、栃木(栃木県)、傘下の日産自動車九州(福岡県)の3工場では、18日まで、ブレーキ性能などを最終確認する完成検査の一部を、規定の「検査ライン」の外側で実施していた。
ライン内では有資格者が検査していたが、外側では資格のない従業員が検査していた。
自動車メーカーは、検査ラインの設計を国交省に届け出て厳格に管理することが求められているが、日産では設計の一部を無断で変更していた。
同社は実態を把握しておらず、第三者を交えた社内調査で発覚したという。
3工場のほか、日産車体湘南工場(神奈川県)でも、ハンドル機能を確認する工程での無資格検査が先日発覚。
日産は、この不正を公表してこなかったが、この日、あわせて発表した。
出典
『日産、全車両の出荷停止 国の不正指摘後も無資格検査』
http://digital.asahi.com/articles/ASKBM5VV8KBMUTIL034.html?rm=376
2017年9月22日19時49分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋市上下水道局は22日、市内の水処理センター2カ所で、水道法に違反して、水道給水管に下水処理水やポンプ冷却水の配管をつなげていたと発表した。
汚水が逆流しないようにバルブは常に閉めていたため、水道水に混ざることはなかったという。
同局によると、西山(名東区)では、下水処理水を使って機械を洗浄している。
2013年10月から、予備の機械洗浄水を水道水で確保するため、水道給水管と下水処理水管をつなげた。
打出(中川区)では、ポンプ冷却水に循環水を使っているが、05年7月から、予備の冷却水を水道水で直接確保するため、水道給水管にポンプ冷却水管を接続していた。
東京都足立区で今月、配管の誤接続のため、下水処理水が一般家庭に供給される事故があったことを受け、市は水道給水管以外の配管がある市内の全67施設を点検。
その結果、2施設の誤接続が分かった。
水道給水管に、それ以外の水管をつなぐことは水道法が禁じており、同局は「水道法や、誤接続による危険性への認識が足りなかった」と釈明している。
出典
『水道管と下水管を誤って接続 名古屋市「逆流なし」』
9月22日19時44分に名古屋テレビからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋市上下水道局によると、名東区の「西山水処理センター」で4年前、下水をろ過する機械を洗浄するための増圧ポンプが故障したときに備え、水道管を下水管に接続した。
下水が水道管に混入し一般家庭に給水されることはなかったという。
違法であることがわかり、接続した部分は14日に撤去されている。
出典
『水道管と下水管を一時接続 下水の水道管混入はなし 名古屋市上下水道局』
https://www.nagoyatv.com/news/
9月22日20時11分に日本経済新聞電子版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
設備を担当した職員が水道法や誤接続の危険性について認識が不足していた。
「再発防止に努める」(同市)という。
出典
『名古屋市、2カ所で「水道管の誤接続」発見』
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFD22H2J_S7A920C1CN8000/
(ブログ者コメント)
足立区の事例は本ブログでも紹介スミだが、当該記事掲載以降、他の自治体で横展開対応しているという情報は一度も目にしなかった。
しかし、感度の良い自治体は横展開対応していた・・・ということだろうか?
それとも、国から調査するよう指示などがあったのだろうか?
2017年9月13日18時1分にテレビ朝日から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月13日にTBS NEWSからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東京・足立区で、飲料用ではない、下水を処理した水が誤って水道に逆流するトラブルがあった。
高度な処理が施され、健康には問題ないということだが、この水でお米を炊いてしまった人もいるという。
「水道水から異臭がする」。
トラブルがあったのは10日午後3時ごろ。
足立区の住民から通報があり、都の水道局職員が訪問すると、水道の蛇口から黄色っぽく濁った水が出ていたという。
原因は近くにある建設残土のリサイクル施設のトイレにあったことが判明。
家庭から出たのは、下水を処理した水だった。
都によると、高度な処理をしているため、口にしても健康への影響はないという。
足立区の27世帯に配水され、なかには、この水を飲んだり、米を炊いてしまった人もいるという。
周辺の住民男性:「シャワーをしていた娘が出てきて、『臭いんだ』って言ったんですよ。『水がどぶ臭い』って。トイレから出る汚水なんで、いくら処理しているとはいってもちょっと良い気分じゃないですね」
住民女性:「知らせがくるまでは、煮炊きに使ったり飲んだりしてました」
なぜ、逆流したのか。
そもそも水道法で、水道の給水管は他の水の管と直接、つなげてはいけないと定めている。
この施設では、下水処理水をトイレの洗浄用に使っていた。
しかし、出が悪かったため、水の量を確保しようと、5年前にトイレの改修工事をした際、当時の作業員が勝手に水道管を取り付けてしまったという。
その後、下水のバルブは閉じていたというのだが、トイレが詰まり、その修理をしている際に誤ってバルブを開けてしまったがゆえ、処理水が水道水側に逆流してしまったとのことだ。
水道よりも下水処理水の方が圧力が大きかったため、水道管に逆流して周辺の27世帯にいってしまったという。
下水処理水の逆流事故は全国でも例がないということで、東京都は、他にも同じような配管をしていないか点検するなど、再発防止を徹底していくという。
出典
『「どぶ臭い」下水処理水が水道に逆流 原因は?』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000109941.html
『水道蛇口から下水処理水、東京・足立区の住宅』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3155737.html
2017年9月12日付で東京都下水道局からは、下記趣旨の記事がプレスリリースされていた。
1.経過等
1.平成29年9月10日、東京都足立区中川地先のお客さまより水道局へ「水道水から異臭がする」との連絡があり、翌11日、水道局より下水道局に対して「中川水再生センター」内の状況を調査するよう依頼がありました。
2.至急、現場調査した結果、東京都下水道サービス㈱に運営を委託している「中川建設発生土改良プラント」で使用している三次処理水※配管と水道の給水管を、同社が当局に無断で誤接続させていることが判明しました。
このため、同日11時に接続箇所のバルブを閉塞するとともに、12時30分に誤接続を解消いたしました。
※三次処理水
中川水再生センターで処理し塩素を入れた二次処理水を、繊維ろ過でさらに高度に処理したもの
2.調査結果
委託会社にヒアリングした結果、以下の事項が判明しました。
1.「中川建設発生土改良プラント」では、三次処理水を車両の洗浄及びトイレ洗浄等にも利用していましたが、センター内の工事等で、三次処理水の供給が停止することがありました。
このため、平成24年にトイレ改修を行った際、トイレ洗浄水の量を確保するため、三次処理水配管と水道の給水管を誤接続させました。
2. 通常、三次処理水配管のバルブを閉じておりましたが、9月10日にバルブを開けてトイレ排水管の掃除を行い、バルブを閉め忘れたことが判明しました。
3.このため、給水管が接続している水道よりも水圧の高い三次処理水が、給水管から水道管に逆流したと考えられます。
※水道局にて近傍の消火栓から採水した水を検査した結果、飲用可の結果がでております。
出典
『三次処理水配管と水道の給水管との誤接続について』
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/news/2017/0912_2669.html
(ブログ者コメント)
テレビ朝日の映像によれば、トイレの水タンクに処理水を供給する細いフレキシブル配管に、バルブを介して水道配管を接続していた模様。
2017年7月24日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
屋外に設置したコンテナを収納スペースとして貸し出す「レンタルボックス」の人気が高まる中、建築基準法に適合しない違法コンテナによる営業が横行している。
消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は、「耐震性や防火対策が不十分で、事故の危険がある」として、実態把握や対策強化の必要性を指摘している。
【個人向けレンタル】
東京都心から電車で40~50分のベッドタウン。
閑静な住宅街を歩いていると、突如、武骨なコンテナ群が現れた。
特定の企業の倉庫ではなく、一般の人に荷物の保管場所として貸し出されている賃貸スペースだ。
2層に連結された複数のコンテナが計40~50の小部屋に仕切られ、それぞれに入り口が取り付けられている。
利用者は24時間、自由に荷物を出し入れできる。
こうしたレンタルボックスは、業界団体の推計で全国約6600カ所に約27万室。
公的な統計はないが、需要の高まりとともに、市場は年々拡大している。
【固定せず規格外も】
国交省によると、収納スペースとして継続的に使用されるコンテナは建築物とみなし、土台になる基礎工事をして地面に固定する必要がある。
しかし、実際に見ると、空き地に重ね置きしただけのコンテナが少なくない。
これらは、耐震性や防火対策について建築基準法で定められた審査を受けておらず、地震などの災害で倒壊する危険性が指摘されている。
コンテナ自体も、日本工業規格(JIS)に適合する必要があるが、中古の外国製海運コンテナをそのまま使用しているケースもある。
新しいJIS規格のコンテナは、規格外の中古に比べ4~5倍コストがかかる。
複数の業界関係者は毎日新聞の取材に、「合法コンテナだけで営業している業者など、ほとんどない」と証言した。
【取り締まりに限界】
一方、国交省は2014年12月、こうした違法なレンタルボックスの取り締まり強化を求める通知を各自治体に出している。
通知の中で、特に複数積み重ねたコンテナについて、「地震発生時に転倒し、周囲に危害を及ぼすおそれがある」と指摘した。
しかし、違法建築はそもそも届け出がないため、存在を把握するのが難しい。
首都圏のある市担当者は、「パトロールで発見するしかないが、そこまで人手をかけられない」と打ち明ける。
多くの自治体は、住民から苦情があった場合にのみ、業者を指導する対応にとどまっている。
さらに、指導をしても撤去に至るケースはまれだ。
消費者事故調が全国の31自治体に聞き取り調査をしたところ、「業者側が建築物ではないと主張し、指導に応じない」といった回答もあった。
収納スペースを貸し出すこれらのサービスは、利用者の荷物を預かる「トランクルーム」とは異なり、倉庫業として国に登録する必要がない。
土地とコンテナさえあれば、初期費用をあまりかけずに誰でも参入でき、違法な営業が横行する一因になっている。
消費者事故調は、レンタルボックスをめぐるこうした現状を問題視し、先月末に調査結果を公表。
「多くが住宅街にあり、倒壊などの事故が起きてからでは遅い。業者側に、より厳しく法令順守を求めていく必要がある」として、国交省に対策を講じるよう呼び掛けた。
出典
『くらしナビ・ライフスタイル 違法コンテナ物置、横行』
https://mainichi.jp/articles/20170724/ddm/013/040/060000c
以下は、上記記事と同時に配信されていた識者の話し。
基礎に固定されていないコンテナは、傾いたり転倒したりする危険性を否定できない。
耐震や防火など安全性について一定の審査を受ける必要がある。
一方、鋼材にJIS規格を要求する現在の基準は厳しすぎて、従わない業者が横行する原因にもなっている。
建築基準法で一律に規制するのではなく、倉庫としての安全性を確保するための新たな基準を定め、業者を管理すべきだ。
出典
『コンテナ建築に詳しい建築家の吉村靖孝・明治大特任教授の話』
https://mainichi.jp/articles/20170724/ddm/013/040/064000c
(ブログ者コメント)
○記事に記されている国交省の通知は、下記参照。
『コンテナを利用した建築物に係る違反対策の徹底について』
http://www.mlit.go.jp/common/001066940.pdf
○レンタルコンテナではないが、積み上げていた小型コンテナが
風で崩れた事例もある。
2012年6月19日掲載
『2012年6月15日 北九州市で運送会社の敷地内に積んであった小型コンテナが強風で崩れ、敷地脇の歩道を歩いていた女性2人が死傷 (修正1)』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/1944/
2017年6月30日19時17分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国内大手の原薬メーカー「Y化学工業」(和歌山市)が、解熱鎮痛剤に中国製を無届けで混入させていた問題を受け、厚労省は30日までに、原薬メーカーなどに立ち入り検査をする際には原則的に無通告で実施するよう、各都道府県に通知を出した。
この問題では、Y化学工業が国の審査を経ないまま、2009年2月からアセトアミノフェンに安価な中国製を混入するなどしていた。
和歌山県などは、会社側に通告した上で立ち入り検査をしていたが、不正は見つからず、今年5月下旬、無通告での立ち入り検査を実施したことで判明した。
これまでの厚労省通知は、組織的な隠蔽を防止するため、「必要に応じて、無通告での立ち入り検査を実施」としていた。
今回の通知では、原薬メーカーなど影響が大きい企業は、優先順位を決めた上で、原則的に無通告での立ち入り検査を実施するよう、明記した。
和歌山県などの調査では、抗てんかん薬の成分ゾニサミドの製造で、同社が使用する薬剤を無届けで変更していたことも発覚。
県は28日、医薬品医療機器法に基づき、22日間の業務停止命令と業務改善命令を出した。 (共同)
出典
『厚労省 立ち入り検査は無通告で 和歌山・中国製混入受け』
https://mainichi.jp/articles/20170701/k00/00m/040/033000c
事件のあらましは、2017年6月22日14時45分に朝日新聞から、下記趣旨でネット配信されていた。
多くの風邪薬で使われている解熱鎮痛剤のアセトアミノフェン(AA)製造で国内最大手の原薬メーカー「Y化学工業」(和歌山市)が、自社で作ったAAに安価な中国製AAを無届けで混ぜて水増しし、製薬会社に出荷していたことがわかった。
医薬品医療機器法(薬機法)違反にあたり、厚労省が5月に立ち入り調査を実施。
指導権限を持つ和歌山県が近く、処分する方針だ。
民間調査会社によると、国内でAAを製造しているのは2社で、Y化学が国内シェアの約80%を占めている。
AAを仕入れた製薬会社が調合して風邪薬をつくり、病院で渡される薬や市販薬として広く販売している。
厚労省の立ち入り後、同社はAAのほか、全製品の出荷を自粛している。
関係者によると、Y化学は米国産の原料などを使い、和歌山市内の工場でAAを製造している。
しかし、これとは別に中国で作られた安価なAAを輸入し、自社で作ったAAに混ぜて出荷していたという。
費用を節減し、生産量を上げるためとみられる。
・・・・・
出典
『風邪薬成分、中国産で水増し 国内最大手』
http://digital.asahi.com/articles/ASK6Q2HSGK6QUBQU002.html?rm=469
6月23日13時56分に朝日新聞からは、立ち入り検査の連絡を受けると中国製AAを倉庫に隠し、製造記録を偽造していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社が、和歌山県による定期的な立ち入り検査などの際、中国製AAを隠したり製造記録を偽装したりしていたことが、同社関係者の証言でわかった。
こうした行為は医薬品医療機器法違反にあたり、県がY化学から事情を聴くなど、調査を進めている。
製薬会社への指導権限は都道府県にあり、和歌山県は2年に1回、定期的に立ち入り検査をして、違法行為がないか点検している。
また、山本化学からAAを仕入れている製薬会社も、品質チェックのために同法に基づいて現地監査をする。
Y化学の関係者によると、同社では2階建ての工場に設置してある約2000ℓの釜でAAを作っているが、AAが出来上がったあと、釜の上部から中国製AAを入れて水増しし、混ぜていたという。
中国製AAはドラム缶のような容器に入れ、普段は工場隣の倉庫に保管している。
これを一定量ごとに工場に移し、混入していた。
しかし、県の立ち入り検査などの予定が事前に連絡されると、前日夜か当日朝に工場内に残る中国製AAを倉庫に戻し、倉庫の鍵を閉めていた。
検査では、中国製AAの存在は明かしていなかったという。
さらに、普段は製造記録をほとんど付けていなかったが、立ち入り検査などの際には事後的に作成した記録を示し、普段から付けていたように装っていたという。
・・・・・
出典
『検査で中国製隠す 製造記録も偽装 風邪薬混入』
http://www.asahi.com/articles/ASK6R4J3DK6RUBQU00L.html
(2017年8月17日 修正1 ;追記)
2017年8月15日20時12分に産経新聞westから、9年前の別製品試作が進展せず中国産AAが13トン残ったため、在庫処分として自社製品に混ぜたことが発端だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月16日0字23分にNHK関西からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
同社が不正の動機について、「別製品の試作で使った中国製AAが約13トン残り、在庫処分するためだった。経営者が利益の確保を優先させた」と和歌山県に報告していたことが15日、同県への取材で分かった。
県薬務課によると、同社は県に提出した改善計画書で「平成20年に中国製AAを使う製品製造の計画があった」と説明。
ところが計画は進展せず、中国製AAが約13トンも余ったため、当時の製造管理責任者が在庫処分方法として、自社製のAAに中国製AAを混ぜ始めたという。
出典
『中国製混入、動機は「在庫処分」 大手原薬メーカー「山本化学工業」が和歌山県に説明』
http://www.sankei.com/west/news/170815/wst1708150075-n1.html
『中国製混入 “在庫処分のため”』
http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20170816/3070952.html
2017年6月18日21時30分に新潟日報から、事故発生を伝える、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月19日22時49分に毎日新聞から、6月19日18時27分にNHK新潟から、6月19日7時5分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午後4時半ごろ、新発田市滝谷の滝谷森林公園内の加治川で遊んでいた新潟市北区の母親(45)と小学4年の息子(9)が流され、病院で治療を受けた。
上流の「加治川治水ダム」を管理する県から予告なく放流され、川の水位が上昇したことが原因とみられる。
県が18日未明、発表した。
事故を受け、放流の予告ルールを見直す考えを明らかにした。
県によると、母親と息子は17日、家族4人で公園を訪れた。
2人が川に入って遊んでいたところ、水位が徐々に上昇。
水深の浅い川の中央部に避難したが、さらに水位が上がり、母親は下流に約100m、息子は数m流された。
公園を管理する新発田市職員や他の公園利用者が119番通報。
2人は公園職員らに救助された後、母親は低体温症の疑いで、息子は擦り傷を負って同市内の病院に搬送された。
治療を受けたが、2人とも命に別条はないという。
加治川治水ダムでは、「羽越水害復興50年事業」の一環として、17日午後2時前から約50分間、一般客にダムからの放流を公開する「観光放流」が行われ、毎秒3.5~9.5トンを流した。
その後も水位調節のため放流を続け、午後3時40分ごろ、水量は毎秒26トンとピークに達した。
このイベントでは、水を滝のように流すため、ダムの放流量をしぼった後、放流量を増やして貯水量を調整する措置を実施。
下流では一時的に水かさが減り、川の中に入れる状態になっていた。
ダムから放流された水は、約50分後に約4.5km下流の滝谷森林公園に届くため、母子が流された午後4時半ごろ、事故現場の水位は最も高くなり、放流前の約15cmから約75cmに上がったとみられる。
公園を管理する新発田市の臨時職員で、親子が流されるのを目撃した男性は、「はじめはゆっくりしていた水の流れが一気に強くなり、急な増水に恐怖を感じた。周りにいた人たちが親子に『頑張れ』と声をかけていていた。」などと話していた。
公園管理事務所から放流をやめるよう連絡を受け、午後4時40分にゲートを閉めた。
県は、加治川治水ダムの放流により、ダムから約11km下流の水位観測所で、30分間で20cm以上の水位上昇がある場合、流域の新発田市、聖籠町などに事前連絡し、サイレンを鳴らして警告した上で放流すると規則で定めている。
ただ17日は、水位の上昇を30分間で20cm未満と見込み、事前連絡をしなかった。
しかし、水難事故現場は水位観測所より上流部にあり、60cm程度の上昇があった。
これまで、毎秒26トンを放流した際に事故はなかったという。
県河川管理課は、「このような事態を招き申し訳ない。放流の際は水位に関係なく、事前連絡やサイレンを鳴らすことを検討するなど、再発防止に努めたい」と話した。
出典
『新発田・加治川で母子流される 県が予告なくダムから放流』
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20170618330446.html
『水難事故 ダムの放流で親子けが 新潟県、事前に周知せず』
https://mainichi.jp/articles/20170620/k00/00m/040/066000c
『ダム放流告知せず下流の親子けが』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1034381211.html
『ダム放流を知らされず 母子流されるも無事 新潟・新発田』
http://www.sankei.com/region/news/170619/rgn1706190022-n1.html
6月20日12時41分にNHK首都圏からは、国交省が全国に横展開通知を出したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省は20日、全国でダムを管理する都道府県や独立行政法人の水資源機構、それに国交省の地方整備局の担当者に対して、同じような事故を防ぐため、安全確保の徹底を求める通知を出した。
通知では、川の利用者が多くなる時期を迎えることから、観光放流などを行う際には、下流の安全に十分注意するよう求めている。
出典
『ダム放流事故受け国交省が通知』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170620/4407711.html
6月20日17時53分にNHK新潟からは、告知しなかったのはルール違反だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県は19日の記者会見で、「放流の告知は、ダムの運用ルールを定めた県の細則にもとづいて放水量を基準に行うが、今回は基準以下だったため告知しなかった」と説明していた。
しかし、20日の定例記者会見で米山知事は、報道陣から「細則には、ゲートを開けて放流を行う際に告知すると書いてあり、これまでの説明には誤りがあるのではないか」と問われたのに対し、「細則に明らかに抵触している。大いに反省すべきだ」と述べ、県がダムの運用ルールに違反し、告知を行っていなかったことを認めた。
そのうえで、今月26日までに再発防止策をまとめる考えを示した。
出典
『知事「告知せず放流ルール違反」』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1033932711.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
6月24日8時20分に新潟日報からは、観光放流は初めてだった、ゲートを開けて放流する際は事前に予告というルールを長年の慣習で守っていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県が加治川治水ダム(新発田市)をPRするために初めて行った「観光放流」により、下流の加治川で遊んでいた親子が流され負傷した事故から、24日で1週間となった。
県が自ら定めたルールに違反し、予告なしで放流したことが原因だった。
以前から観光放流をしている県外のダムの関係者からは、「考えられない」と疑問の声が上がる。
県の危険極まりない対応と認識の甘さが浮き彫りになり、効果的な再発防止策が急務となっている。
「予告のない放流はあり得ない」。
1958年から観光放流を行う鳴子ダム(宮城県大崎市)の担当者は、本県の対応に首をかしげる。
鳴子ダムでは、放流をサイレンなどで予告し、釣り人などがいないか巡視で確認するという。
徳山ダム(岐阜県揖斐川町)でも、放流前に危険性をホームページで告知し、チラシやポスターで周知を図っている。
担当者は、「ダムや川の近くにいる人が観光放流を知らなかった、ということが起こらないよう、徹底している」と、安全確保に細心の注意を払っていることを強調する。
17日夕に起きた加治川の事故では、新発田市滝谷の滝谷森林公園で遊んでいた新潟市北区の親子が流された。
予告のない放流により、川の水位が約15cmから約75cmにまで急上昇したとみられる。
水難学会(長岡市)の会長を務め、水難事故に詳しい長岡技術科学大の斎藤秀俊教授=物質材料工学=は、「膝上まで水がくれば、大人でも流される。一度流されれば、流れに逆らうことはできない。奇跡的に助かったと考えるべきだ」と指摘。
一歩間違えば大惨事につながりかねなかったとみる。
県は、こうした水位上昇が招く危険性を考慮しておらず、これまでの会見では「想像力が欠けていた」としている。
県のルールでは、そもそも、ゲートを開けて放流する際はサイレンなどで予告することを定めていた。
しかし県は、「長年の慣習」(県河川管理課)で、守ってこなかった。
国も、今回の事態を重く見ている。
国交省河川環境課は、「今後、新潟県による事故原因調査の結果を待ち、さらなる対応を検討する」と話した。
県は26日、再発防止策を公表する。
ルールの見直しと徹底に加え、事故の公表が翌日の未明にまで遅れた広報体制の改善なども焦点となりそうだ。
出典
『予告なし放流 再発防止策急務 加治川水難事故から1週間』
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20170624331456.html
(ブログ者コメント)
〇各種報道を総合して考えると、「放流する際は予告する」ルールに対し、「水位観測所での水位上昇が30分で20cm未満と予想される場合は予告不要」という解釈で運用していた、ということかもしれない。
〇今回の観光放流は最大で毎秒26トン。
過去の同量放流時に事故はなかったということだが、それはタマタマだろう。
それよりも、過去の26トン放流時に水位観測所の水位はどれほど上がっていたのか、そこが知りたいところだ。
(2017年6月28日 修正1 ;追記)
2017年6月26日17時41分にNHK新潟から、ゲート操作時間もルール違反だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県は26日、県庁で事故が発生した経緯や対応の不手際について、これまで調査した結果を発表した。
それによると、放流する際のルールでは、水位の急激な変化を抑えるため、ゲートを開けたり閉めたりする操作ごとに10分の間隔を開けるよう決められていたが、事故が起きた当日は、ルールに反して2回にわたり、10分より短い時間でゲートを操作していたという。
また、問題となったダムのほかにも、7つのダムでサイレンなどで告知せずに放流を行っていたことも明らかになった。
こうしたルール違反の運用は、少なくとも、およそ30年間にわたって行われてきたという。
さらに今回の放流は、前日の今月16日に、現場の担当者など6人だけで実施を決めていたということで、実施計画は作らず、放流自体が安全かどうか十分な検討を行っていなかったという。
記者会見した県土木部の美寺部長は、「危機管理意識が欠如していたと言わざるを得ない。流された親子や家族におわびし補償についても誠心誠意対応したい」と陳謝した。
出典
『ほかの7ダムも告知せずダム放流』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1034441662.html
6月26日18時54分に共同通信からは、サイレンを鳴らさなくなった理由について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県によると、1980年代後半ごろまではサイレンで周知していたが、その後は「周辺住民からサイレンがうるさいといった苦情があった」などとして、慣習としてサイレンを鳴らさなくなった。
出典
『放流事故、慣習でサイレン使わず 新潟県の加治川治水ダム』
https://this.kiji.is/252009311121769974?c=39546741839462401
6月27日11時28分にNHK首都圏からは、ダムの操作規則に「観光放流」が追記されるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省は、新潟県のダムを操作する際の規則の中に「観光放流」についての記載が無かったことが曖昧な運用につながり事故を招いたとして、27日、全国のダムを管理する都道府県や国交省の地方整備局の担当者などに対し、ダムを操作する規則に「観光放流」を明記するよう求める通知を出した。
また、観光放流は大雨の際の放流とは異なり、下流側の人たちが水位の上昇を予想しにくいとして、通知では、レジャーで訪れている人など川の利用者がどこにいるのかなどについて自治体と情報を共有した上で、事前に告知し、下流側に情報が確実に伝わるよう求めている。
出典
『ダム観光放流 事前告知求め通知』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170627/4624021.html
2017年5月31日18時58分にNHK広島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月1日1時10分に朝日新聞から、5月31日18時33分にNHK島根からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
中国電力が自治体の許可を得ないまま道路上の電柱に電線を架けているケースが多数あることが分かった。
古いもので創業の1951年から無許可状態が続いていたとみられる。
去年4月、島根県の担当者が点検中に気がつき、中国電力に調査を指示したところ、県内全域の合わせて3578本の電柱の電線が無許可だったことがわかった。
中国電力は、中国地方のほか、兵庫や愛媛、香川3県の1部を含めた計198万本の電柱に電線を引いている。
このうち問題の電柱は、県や市町村が管理する道路上にあり、かつ通信会社など他社が立てたものの一部だった。
その数は中国地方を中心に100以上の自治体で、最大7万5000か所に上るとみられるということで、中国電力では、今後、自治体に申請を行い、必要な金額を支払うことにしている。
電力会社などが道路の上に電線を張る場合には、あらかじめ管理する自治体に申請を行って許可を得ることが道路法で定められている。
しかし、中国電力によると、中国地方の5県と兵庫県、愛媛県、それに香川県で、自治体に申請を行わず無許可で電線を張っているケースが多数見つかったという。
中国電力では、会社としての認識不足が原因だとして、今後、対象となる自治体に申請を行うとしている。
また、これらの自治体から許可を受けた場合、「占用料」として年間およそ3800万円を支払う必要があるということで、中国電力では、これまで無許可だった分の支払いについても協議することにしている。
中国電力管財部門の森川部長は、「関係する自治体などにご迷惑をおかけしたことを深くおわびします」と陳謝した。
出典
『中国電力 無許可で電線架設』
http://www.nhk.or.jp/hiroshima-news/20170531/3868201.html
『中国電力、無許可で電線敷設か 電柱約7万5千本』
http://www.asahi.com/articles/ASK505Q1WK50PITB00M.html
『中国電力 無許可で電線架ける』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/4033867131.html
2017年6月4日9時5分に読売新聞からは、佐賀県の九州電力でも同様な状態だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州電力は、佐賀県内の約1万か所で、県や市町の道路占用許可を得ずに電線を設置していたことを明らかにした。
今年3月までに全て許可を得て、未払いだった占用料計約3500万円も支払った。
九州の他県でも同様の事例がある可能性があり、計約16万か所を対象に調べている。
九電によると、無許可だったのは、通信会社が県道や市道などに立てた電柱を利用して架けた電線で、2015年3月に佐賀県から問い合わせを受けて判明した。
道路法は、道路に電線などを設ける場合、自治体の許可が必要なことや、道路管理者が占用料を徴収できることを定めている。
九電は、「許可が必要という認識が不足していた」としている。
出典
『「許可必要と知らず」九電、無許可電線1万か所』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170604-OYT1T50012.html
(2017年10月19日 修正1 ;追記)
2017年10月17日9時22分に読売新聞から、九電の調査結果が下記趣旨でネット配信されていた。
九州電力は16日、九州7県の計約12万か所で、県や市町村の道路占用許可を得ずに電線を設置していた、と発表した。
このうち約4万か所については、既に許可を得たり占用料を自治体に支払ったりして適正化を済ませた。
残る約8万か所は、許可を得るための手続きなどを進めている。
道路法は、道路に電線などを設ける場合、自治体の許可が必要なことや、道路管理者が占用料を徴収できることを定めている。
九電によると、無許可だったのは、通信会社が県道や市町村道に立てた電柱約12万本を利用して架けた電線。
県別では、福岡県が約3万1000件、鹿児島県が約2万件、他の5県は1万件台だった。
自社が設置した電柱(約73万本)の電線は、全て許可を得ていた。
九電は、「申請の必要性を十分に理解していなかった」と釈明している。
電線の設置時期や占用料の支払額については、「自治体と協議中の案件もあり、公表を差し控える」とした。
出典
『道路占用許可得ず、電線12万か所設置…九電』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171017-OYT1T50012.html
2017年5月9日9時1分に読売新聞から、自作連打装置のイメージ図付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
茨城県筑西市のセルフ式ガソリンスタンド(GS)「S店」で、4月までの約7か月間、店員が利用者の安全確認を怠っていたことがわかった。
本来は、目視した上でタッチパネル式制御盤の給油許可ボタンを押す必要があるが、自作の装置を使ってボタンを自動的に押す仕組みにしていた。
消防法に違反しており、消防は改善指示を出した。
同店を運営するグループ会社を傘下に持つS商事(本社・茨城県筑西市、つくば市)が8日発表し、「多大な迷惑をかけて申し訳ない。責任者は厳正に処分する」と陳謝した。
セルフ式GSは、一般的にたばこを吸いながら給油しようとしていないかなどを店員がカメラなどで監視し、事務所内で許可ボタンを押す。
同店では、店員が市販のモーターとギヤを組み合わせて棒を動かし、自動で許可ボタンを連打する装置を自作。
昨年10月頃から使用し、店員が監視していなかった。
最初の装置は音がうるさかったため、小型の装置に改良したという。
同11月に同社の巡回で発覚し、いったん取り外されたが、その後も使われていた。
同店の責任者は、同社の調査に対し「人件費の削減や効率化のためだった」と説明したという。
出典
『セルフGS、自作装置で給油自動許可…監視怠る』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170509-OYT1T50019.html
5月9日付で毎日新聞茨城版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県内などでガソリンスタンド(GS)を展開するS商事は、8日、グループ会社のSカーライフ下館東店(筑西市横塚)で、従業員の監視がなくても客がセルフで給油できる装置を自作していたと発表した。
消防法に抵触する行為で、同社は「深く反省している。再発防止に努めたい」としている。
消防法は、セルフ式GSで客が給油する際、従業員がその都度確認し、許可をするよう義務付けている。
しかし、同社によると、店責任者の30代男性社員が、許可のスイッチを一定頻度で自動的に押す装置を自作。
昨年10月から先月まで使用していたという。
テレビ局の取材で発覚し、消防が先月20日に改善を指示した。
同社の聞き取りに対して、責任者は「作業の効率化のためにやった」と話しているという。
出典
『筑西のGS 監視なくセルフ給油、装置自作 消防法抵触』
https://mainichi.jp/articles/20170509/ddl/k08/020/091000c
2017年4月2日14時54分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
仙台市が、大雨のときにマンホールなどから汚水があふれないよう、未処理のままの汚水を「秘密の管」から川などに流していた――。
「緊急避難」として、30年近く前からこっそり行われてきた実態が、3月の市議会で明るみに出た。
市は、国交省にも初めて報告。「好ましくない」と、改善を求められている。
仙台市の下水道は、雨水と汚水が別々に流れる「分流式」が面積の8割を占め、汚水は処理場で浄化しないと川や海に出て行かないのが原則だ。
だが実際には、地中管のひびなどから雨水が汚水管に入り込み、雨天時には管の容量をオーバーしてしまう。
このため、マンホール内の水位が上がった際、汚水を雨水管にバイパスする「緊急避難管」が、市内111カ所でつくられていた。
仙台市で分流式の処理が始まったのは1979年。
当初から、大雨のたび、郊外のくぼ地などで、マンホールやトイレから汚物まじりの水がふきだすことが相次いだ。
苦情が殺到し、下水道の現場担当者は苦肉の策をとる。
マンホールから近くの雨水管までの「抜け穴」を緊急工事でつくり、地上にあふれるのを抑えようとしたのだ。
これでは、雨水で薄まるとはいえ、家庭の汚水が一時的に川などに放出される。
「後ろめたさもあり、公表してこなかった」と下水道調整課長は説明する。
管は、下水道台帳図にも載っていない。
市が把握する最も古い管は1990年につくられたが、もっと昔からあった可能性もある。
暫定措置のはずが、約3年前までズルズルと緊急避難管はつくられ続けた。
市民からの情報開示請求を受け、市は経緯を確認。
3月議会の予算等審査特別委員会で、庄司議員(共産)の質問に村上建設局長が「公衆衛生や水質汚濁防止という下水道の目的からは好ましくない。やむにやまれぬ対応だったが、今後改善が必要」と答えた。
2月には、国交省に実情を「告白」した。
仙台は、70~80年代、市街地が郊外に急拡大したが、汚水に比べ雨水処理の整備が遅れたことが問題の背景にある。
解決のカギは、雨天時に汚水管に浸入する水をどれだけ減らせるか。
市は、地中管のひび割れをカメラで調べて補修したり、民家を回って雨どいが汚水管に誤接続されているのを直させたりしてきたが、追いつかないのが実情だ。
市は、新年度、調査費を2倍強の1億500万円に増額し、緊急避難管の実態把握も急ぐ。
雨水の流入対策をとりながら、不要なものから塞いでいく方針だ。
国交省下水道部の担当者は、「ただちに法に触れるとはいえないが、報告を聞いて驚いた」と話す。
仙台市のほか、最近、関西地方の1都市でも同様の実態があることをつかんだが、自治体名は公表していない。
出典
『未処理汚水こっそり放出 「秘密の管」111カ所 仙台』
http://www.asahi.com/articles/ASK3W7T2FK3WUNHB017.html
2017年4月1日8時50分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東洋ゴム工業による免震ゴムの性能データ偽装事件で、書類送検された子会社「東洋ゴム化工品」の元社員(53)が、偽装を始めた理由を、「納期に間に合わせるよう、他部署のプレッシャーがあった」と説明していることが、捜査関係者への取材でわかった。
警察は、偽装が会社ぐるみで隠され、14年2カ月に及んだとみて調べている。
この元社員は、1998年ごろから15年間、明石工場(兵庫県稲美町)で性能評価をほぼ1人で担当。
2000年11月から12年12月まで不正を続けたとされる。
引き継いだ元社員(45)は、13年2月ごろ、性能データに疑問をもった。
同年夏、上司の部長に「実測と検査のデータが合わない」と報告したが、1年以上、留め置かれた。
東洋ゴム工業の信木社長(当時)=故人=に報告が届いたのは、14年5月だった。
しかし,この元社員も前任者同様に偽装を続け、性能データを偽装した免震ゴムを枚方寝屋川消防組合に出荷した14年9月時点も、性能評価を担当していた。
やはり書類送検され、容疑を認めているという。
結局、不正は国交省に問題が報告された15年2月ごろまで続けられた。
東洋ゴム工業では、信木社長に報告が上がって以降、同組合に問題の免震ゴムが出荷されるまでに、性能データの問題を話し合う幹部らの会議が10回以上開かれていた。
出荷2日前にも、本社で会議が開かれた。
午前の会議では出荷をやめ、国交省に報告する方針を決めた。
しかし、午後の会議で「データの補正を行えば、国の基準を満たすことは可能」だとして、方針が覆った。
山本・前社長(60)=当時は専務=も、午前の会議に出席。
午後は欠席したが、警察は出荷継続を追認したとみている。
山本前社長は、当時、最終的に対応策を決める立場にあった。
15年3月の問題公表後、同社が依頼した複数の弁護士が調査を進め、経営陣らの隠蔽体質が次々と明るみに出た。
山本前社長らが参加した14年10月の会議では、ある幹部が「『社内特例』として処理し、出荷された免震ゴムの回収は不要」とする方針を提示。
そうした処理で内部に告発者が出る可能性まで話し合われ、「通報しそうな社員のリストを作成すべきだ」とする発言もあったという。
報告書は経営陣の意識について、「緊迫感に欠けた楽観的な認識に基づく対応だった」と結論づけた。
書類送検された山本前社長は31日夜、自宅前で頭を下げ、報道陣に「取材はお受けしません」と話した。
問題の免震ゴムは、30都府県の建物154棟に納入され、マンションや病院などにも使われていた。
「1年以上かけて契約を積み上げ、完売すること間違いなしだった」。
東京都内の不動産会社の担当者は、悔しさをにじませた。
売り出した宮城県内の新築分譲マンションは、駅や公園に近い好立地。52戸中46戸は売約済みで、さらに2戸の申し込みがあった。
ところが、引き渡しを4カ月後に控えた2015年4月、東洋ゴムから「偽装」を知らされた。
早期の交換を求めたが、東洋ゴム側は「工場が動かず代替品が用意できない」と説明。
やむなく全契約を解除し、入居予定者に計約3億5千万円の違約金を支払った。
他社の免震ゴムに交換して再度売り出し、完売したのは16年6月末。
東洋ゴムなどに違約金など約3億円の損害賠償を求めて提訴し、東京地裁は今年2月、子会社の東洋ゴム化工品に全額の支払いを命じた。
担当者は、「想定外の手間と時間がかかり、予定が完全に狂ってしまった」と話す。
出典
『偽装「納期で他部署から重圧」 東洋ゴム子会社の元社員』
http://www.asahi.com/articles/ASK3072SYK30PTIL038.html
(ブログ者コメント)
〇この「免震ゴム」データ偽装問題は、報道された当初、安全管理以前の問題だと思ったため、本ブログには掲載しなかった。
しかし、今回の報道を機に調べ直したところ、免震ゴム事業は連結売上げの0.2%しか占めない傍流事業だということを知った。
(2015年7月9日付 日経ビジネス;URLは本日掲載の別記事に掲載)
事故は皆が注目していない部分で起きるとは、しばしば言われることだ。
それと相通じるところがあるのかもしれない。
また、一時期、環境データの偽装問題が相次いで発覚したが、その時の「検査するのに必要なだけの人員が配置されなかった」という背景とも相通じるところがあるのかもしれない。
そう感じたので、今回、掲載することにした。
〇ちなみに、「免震ゴム」データ偽装問題に続いて発覚した「防振ゴム」データ偽装問題については、話しが広がったこともあり、過去に何件か記事を掲載している。
2017年4月1日17時21分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東洋ゴム工業による免震ゴムの性能データ偽装事件は、大阪府枚方市の堀井市議(77)の告発から捜査が始まった。
元鉄道マン。
安全へのこだわりから、何度も大阪地検を訪ねて相談し、半年がかりで告発状を書き上げた。
府警は31日、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで山本・前社長(60)ら18人を書類送検した。
2014年9月上旬、枚方市の枚方寝屋川消防組合の新庁舎建設工事に出荷した免震ゴム19基について、国土交通大臣の認定基準を満たしているように偽った疑いがある。
15年7月、議員控室。
同社が依頼した弁護士ら社外調査チームの約300ページの報告書をめくる堀井市議の手が止まった。
〈2014年9月の出荷判断〉の項目。
9月16日午前の会議で、問題のゴム製品の出荷停止と国交省への問題報告の方針を決めた。
しかし、午後に方針は覆り、予定通りに出荷されたことが記されていた。
「枚方市、だまされてるやんか。誰が出荷していいと判断したんや。命を預かっている自覚がまるでない」。
報告書は会議の出席者を匿名にしていた。
堀井市議は、当時、同消防組合の予算決定に関わっていた。
問題の製品が使われたのなら、自らにも責任がある。
命を守るための製品のデータを偽り、命を守る消防の施設に出荷されたのが許せなかった。
00年まで42年間、京阪電鉄で働いた。
もともと、車両の設計や整備をする「技術屋」。
車両が脱線を起こさぬよう、ミリ単位で図面を点検。整備の現場でも、車軸や歯車に損傷がないか、細かくチェックした。
「安全より優先することなんてない」と話す。
捜査のメスを入れてほしいと、15年秋に大阪地検を訪ねた。
それから月に1回ほど訪問。
検察官に相談を重ね、費用の面と「できるなら自分でやろう」との気概から、弁護士を立てずに何とか告発状をまとめた。
昨年2月に地検、3月には大阪府警に提出した。
免震ゴムの不正公表から2年足らずの今年2月、東洋ゴム工業は、船の配管用の製品の検査でも不正をしていたと明らかにした。免震ゴムの偽装と似た構図だった。
「何のために再発防止策を打ち出したのか。一から立て直さないとダメだ」
出典
『免震ゴム偽装、執念の告発状 元鉄道マン半年かけ提出』
http://www.asahi.com/articles/ASK3Z031LK3YPPTB00R.html
(ブログ者コメント)
〇社外調査チームの報告書(全336ページ)中、266ページに、堀井市議が目を止めたとされる記述がある。
表現が難しく、ブログ者が朝日新聞記事の内容を知ったうえで読んでも、問題の存在には気付かない。
堀井市議、よくぞ問題意識を持ったものだ。
・・・・・
2014 年9 月16 日、同月11 日と同様に、甲F、甲G242らが出席してTR本社で会議が開催された243。
この会議は、中断を挟んで午前及び午後にわたってそれぞれ開催された。
当該会議では、同年9 月19 日にG0.39 の出荷を予定している物件について、出荷停止した場合に想定される顧客への申入れ、公表、国土交通省への報告それぞれの内容等が検討される予定であり、実際に、午前の会議においては、出荷を停止する方向で準備をすること、直ちに国土交通省に本件を報告すること等が確認されていた(別添証拠C)。
しかし、同日午後の会議において、兵庫事業所にいる甲Hらから、2 メガニュートンの試験機と26 メガニュートンの試験機との間には、それぞれの実測値を対比すると後者が前者の1.4 倍程度の差異が生じるとの試験結果が出た旨の報告があり244、0.015Hzで載荷試験を行って得られた実測値に、振動数の差異を解消するための補正を行わない方法を採用し、かつ、試験機のこのような差異を解消するための補正及びその他必要となる補正を行うと、同年9 月19 日以降に出荷が予定されているG0.39 の性能指標を大臣認定の性能評価基準に適合させることが可能であるとの説明がなされた。
この説明を受け、甲Fらにより、午前の会議において確認されていた方針は撤回され、同年9 月19 日に出荷が予定されているG0.39 は、予定どおりに出荷されることとなった245。
以上が本調査において確認された2014 年9 月の出荷判断に至る経緯である。
・・・・・
http://www.toyo-rubber.co.jp/uploads/2015/06/150623.pdf
〇問題の発覚から調査報告書が公表されるまでの経緯は、2015年7月9日付の日経ビジネスに詳しい。
『東洋ゴム免震偽装、3つの教訓 なぜガバナンスは機能しなかったのか』
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/070800019/?P=1
2017年1月27日22時42分にNHK宮崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
延岡市で荷物をクレーンでつり上げるなどの国家資格の技能講習を行っていた教習機関が400人以上の受講者に不正に修了証を交付し、改善命令にも従わなかったとして、宮崎労働局はこの機関の登録を取り消し、代表の男を労安法違反の疑いで書類送検した。
教習機関の登録を取り消されたのは、延岡市で、荷物にワイヤーロープをかけてクレーンでつり上げる「玉掛け業務」などの国家資格の技能講習を行っていた「K事務所」。
この事務所は、おととしまで3年近くにわたって、必要な技能講習を行っていないのに435人の受講者に修了証を交付し、労働局から改善命令を受けたあとも、不正に交付した修了証を回収しなかったという。
労働局は、今月、教習機関の登録を抹消するとともに、代表者の49歳の男を労安法違反の疑いで書類送検した。
宮崎労働局によると、不正に発行された修了証は2割ほどしか回収できておらず、300人を超える技術者が必要な技能を持たずに危険な業務に従事しているおそれがあるということで、関係団体を通じて周知や回収を急ぐことにしている。
出典
『クレーン不正講習で登録抹消』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/5063411461.html?t=1485548020261
2016年10月27日17時43分にNHK大津から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月28日9時13分に京都新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大手運送会社の長浜市にある営業所で、契約社員の男性が仕事中に骨を折るけがをして長期間にわたって休んだにも関わらず、労基署にすぐに届け出ず隠したとして、この運送会社と49歳の営業所の所長(49)が、労安法違反の疑いで書類送検された。
労基署によると、去年12月、長浜市の営業所で、46歳の契約社員の男性がトラックから積み荷を降ろす作業をしていたところ、およそ1m高さのプラットホームから転落した。
男性は、右手首を骨折する大けがをして、48日間にわたって仕事を休んだにも関わらず、すぐに労基署に届け出なかったとして、労安法違反の疑いが持たれている。
ことし6月、内部通報で発覚し、労基署が調べを進めていた。
男性は、会社が労働災害の報告をしなかったため、治療費の一部を自己負担したという。
調べに対し49歳の所長は、容疑を認めたうえで、「労災の申請をすると、事務の手続きや再発防止に向けた従業員の教育が面倒になると思った」と話しているという。
会社は、「労働災害に正しく対処すべきだったと認識している。今回の件を真摯に受け止め、2度と同じようなことが起きないよう、全社をあげて再発防止に取り組みたい」とコメントしている。
出典
『労災隠しか 会社など書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/2063886401.html?t=1477605210702
『貨物運送会社所長ら労災隠し疑い 滋賀・彦根労基署が書類送検』
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20161028000025
(ブログ者コメント)
〇上記の事例が関係しているかどうか定かでないが、上記報道と同じ日、10月27日17時59分にNHK関西NEWS WEBから、トラック荷物積み下ろし時の事故防止にかかる動きが、下記趣旨で報道されていた。
トラック事業者の労働災害の多くは、荷物の積み降ろし作業中に起きていることから、大阪労働局と近畿運輸局などが、荷主企業などの団体に対して、トラック事業者に無理な発注をしないよう要請した。
大阪労働局などによると、去年、近畿地方で発生したトラック事業者の労働災害は、全産業のおよそ13%を占める2466件に上った。
そして、このうちの60%あまりは、荷物の積み降ろし作業中に起きている。
大阪労働局の苧谷局長と近畿運輸局の若林局長は、27日、大阪合同庁舎に荷主となる企業の団体など9つの経済団体を集め、トラック事業者の労働災害を防ぐための要請文を手渡した。
要請文は、荷物用のエレベーターを設置するなど安全な作業環境を用意することや、トラック運転手の過労運転を防ぐため無理のない到着時間を設定するなど、安全な運行に配慮することなどを求めている。
この要請文は、ほかにも近畿地方のおよそ200の団体に送られたという。
荷主や物流企業などでつくる団体の担当者は、「荷主企業の皆さんに物流の重要性を認識してもらい、労働災害を防ぐため、協力を要請していきたい」と話していた。
〇労災隠しについては、過去にある程度の件数の事例を本ブログでも紹介スミ。
今回は内部通報で発覚したということだが、過去事例の何件かも、内部告発、被災者の労基問い合わせ、あるいは元請けの内部調査で発覚したと報道されていた。
2016年9月21日15時38分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
タクシーに搭載しているLPガスの燃料タンクに、法定の再検査に合格したかのような偽装の刻印をしたとして、鹿児島県警は、21日、高圧ガス保安法違反の疑いで、鹿児島市吉野町の元自動車整備工場経営の男性容疑者(61)を逮捕し、関係先を家宅捜索した。
容疑者は、タクシー会社から車両を預かり、タンクの取り外しと取り付けを行っていたが、再検査については、県から認定を受けていなかった。
現在は、工場を廃業している。
県警は、約800の燃料タンクに偽装の刻印を押したとみており、詳しく調べる方針だ。
逮捕容疑は、平成25年12月~26年1月にかけて、鹿児島県内の個人タクシーが所有する車両1台のLPガスの燃料タンクに、再検査に合格したように装った刻印をした疑い。
LPガス車の燃料タンクは、法律で6年ごとに再検査を受ける必要がある。
出典
『LPガスタンク800個に偽装刻印 検査合格みせかけ 元整備工場経営の男逮捕 鹿児島』
http://www.sankei.com/west/news/160921/wst1609210059-n1.html
(ブログ者コメント)
車を預けたタクシー側は、同工場が再検査認定を受けているかどうか確認しなかったのだろうか?
それとも、認定を受けていないことを承知で依頼した?
2016年6月2日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚生労働省は、1日、熊本市の医薬品メーカー「化学及(および)血清療法研究所」(化血研)が国の承認と異なる方法で血液製剤を製造していた問題を受けて、製薬会社に自主点検を指示した結果、全医薬品の69%に当たる2万2297点で法令違反の報告があったと発表した。
安全性に影響を及ぼす違反は、なかったという。
厚労省は、報告した479社に法令順守を求める行政指導をする。
対象の医薬品は、646社の3万2466点。
厚労省が、1月に点検を指示していた。
製薬会社は、医薬品の製造方法を承認時から変える場合、国に届け出なければならない。
しかし、原料の仕入れ先などを変更した後の届け出を怠っていた製品が5288点、品質管理のための試験を精度の高い内容に改めていた製品が6311点あった。
また、誤字脱字も含めた製造工程の記載ミスも1万9307点あった。
製薬会社側は、「届け出る必要があると思わなかった」などと説明したという。
化血研のような、品質に影響を与える違反の報告はなかった。
厚労省は、今後、抜き打ち査察を実施し、違反があれば業務停止などの処分を検討する。
出典
『医薬品 7割、法令違反 安全性問題なし 製造過程変更など 厚労省指導へ』
http://mainichi.jp/articles/20160602/ddm/012/040/028000c
(ブログ者コメント)
医薬品製造設備に限らず、消防法や労安法など、国の許可を得て稼働した設備については、許可申請書に書かれた製造方法や設備の内容を変更する場合、再度、国の変更許可をとる必要がある。
ブログ者は、昔、担当官と雑談時に、つい口を滑らせて指摘を受け、冷や汗が出たことがある。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。