2018年1月9日15時14分にNHK鹿児島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ロケット内部の装置の故障で打ち上げが延期された日本の新しい小型ロケット「イプシロン」3号機について、JAXA=宇宙航空研究開発機構が今月17日の打ち上げを前に会見を開き、故障の原因は装置が静電気でショートしたことによるものだと明らかにした。
「イプシロン」3号機は当初、去年11月に肝付町の内之浦宇宙空間観測所で打ち上げられる予定だったが、点検作業中に、機体にかかる圧力や温度などのデータを収集する、ロケット内部にある装置の故障が見つかり、打ち上げが今月17日に延期された。
JAXAは打ち上げを前に会見を開き、故障の原因について、データ収集用の装置を接続する際に、ケーブルにたまっていた静電気を十分に取り除かないでつないだためにショートし、装置の部品が壊れたとして、部品交換や静電気除去など再発防止策を講じたと説明した。
井元プロジェクトマネージャは、「1号機、2号機と成功を続けてきている。3号機も打ち上げを確実に成功させるため、最後まで気を引き締めて準備を進めていきたい」と話している。
「イプシロン」3号機は、地球観測衛星「ASNARO」の2号機を載せ、今月17日朝に打ち上げる予定で、10日未明から内之浦宇宙空間観測所で打ち上げ前のリハーサルが行われる予定。
出典
『イプシロン故障は静電気ショート』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20180109/5050001431.html
(ブログ者コメント)
〇JAXA資料によれば、火災爆発防止の観点からは以下の静電気対策が講じられていた由。
(5) 静電気による事故等の発生のおそれのあるMロケット組立室の施設設備及びM型ロケッ ト発射装置に設置された装置はすべて接地され、入口付近には人体の静電気を除去するため の除電板を備え付けている。
また、落雷による被害を防止するため、火薬類の取扱いまたは 貯蔵を行うMロケット組立室、M型ロケット発射装置、一級火薬庫及び推薬貯蔵庫には突針 型避雷装置を設けている。 (p3)
(5)電波放射及び大電流を必要とする機器の制限
火工品結線及び機体アーミング作業中は、搭載電波機器及び地上設備からの電波放射並 びに当該作業施設内の大電流を必要とする機器(エレベータ等)の使用を禁止する。
また、 原則として機体及び衛星系の電源は断とする。 (p6)
出典
『イプシロンロケット2号機の打上げに係る地上安全計画』
(2018年1月19日 修正1 ;追記)
打ち上げは18日に成功した。
その際、夜光雲が発生し、話題になった。
(2018年1月18日11時6分 産経新聞)
小型ロケット「イプシロン」3号機が18日早朝、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ、平成25年の1号機から3回連続で打ち上げに成功した。
同観測所から北方に約90km離れた宮崎県えびの市の上空でも、オレンジ色で一直線に天空へ伸びる3号機の光跡のほか、彗星のように光が尾を引く不思議な現象も確認された。
日の出の頃には噴出された煙もくっきりと上空に浮かび、霧島連山や雲海と見事なコントラストを織りなした。
3号機は同日午前6時6分、同観測所から打ち上げられ、同7時ごろ、搭載していた民間の小型地球観測衛星「ASNARO(アスナロ)2」を予定の軌道に投入した。
えびの市では打ち上げ直後から、オレンジ色の光が天空へまっすぐ伸び、3号機はその後彗星のような光の尾を引きながら飛び立った。
約30分後には、朝日を浴び始めた霧島連山や雲海の上空に、噴出された煙がたなびいた。
3号機が飛び立つ様子を撮影した同市のアマチュアカメラマン、落合さん(76)は、「初めて撮りましたが、感動した。本当にきれい」と興奮気味に話していた。
【オーロラのよう…ネットでも話題に 「夜光雲」発生メカニズムは…】
彗星のような尾を引く3号機の不思議な光跡については、インターネット上などでも話題となった。
鹿児島地方気象台によると、水蒸気を含むロケットの燃焼ガスが冷やされて固まって雲となり、上空の太陽の光に反射してオーロラのように見えた。
地上は薄暗いが、上空には光が差し始めた日の出前の打ち上げだったことから観測された現象で、こうした高度の高い位置に発生する特殊な雲は「夜光雲(やこううん)」と呼ばれるという。
出典
『不思議な光跡「まるで彗星」…イプシロン3号機打ち上げ 霧島連山、雲海と見事なコントラスト』
http://www.sankei.com/west/news/180118/wst1801180032-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。