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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2017662052分にNHK茨城から、事故発生を告げる、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

6日午前11時すぎ、茨城県にある日本原子力研究開発機構(ブログ者注;以降、機構と略す)の核燃料の研究施設「大洗研究開発センター」の燃料研究棟で、5人の作業員が燃料の貯蔵容器の点検をしていたところ、実験で使ったプルトニウムやウランを含む放射性物質の粉末が入った袋が破裂し、放射性物質が漏れ出した。


現場は、放射性物質による汚染のおそれがある放射線管理区域で、当時5人の作業員は、防護服や手袋、それに顔を半分覆う半面マスクをつけていて、手袋や服から放射性物質による汚染が確認されたという。


また、5人のうち3人の鼻の中から最大24ベクレルの放射性物質が確認され、内部被ばくをした可能性があるということで、機構が詳しい被ばく量を評価している。


現場の「燃料研究棟」は、プルトニウムを燃料に使う高速増殖炉用の新型燃料の研究開発などを行っていた施設だが、すでに廃止する方針で、実験などで使った放射性物質を管理していて、漏れた放射性物質は室内にとどまり、外部への影響はないという。

 

出典

大洗町の核燃施設で作業員が汚染

http://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/1076083861.html 

 

 

610日付で毎日新聞東京版からは、事故時の詳しい状況などが下記趣旨でネット配信されていた。

 

核燃料物質の保管状況の確認のため、最も被ばく量の多かった50代の男性作業員が核燃料物質入りのステンレス容器のふたのボルトを外す作業の途中、中のビニール袋が膨張し、ふたが浮き上がる「前兆」があったことが判明した

 

機構や、機構から報告を受けた原子力規制委員会によると、ステンレス容器は直径15cm、高さ22cmの円筒形で、ふたは6本の六角ボルトで留められていた。

このうち4本を50代男性が外したところ、ふたが浮き上がり、「プシュー」という気体が漏れるような音が聞こえたという。

 

放射性物質が漏れていないか調べたが、問題なかったため、ふたを手で押さえながら、残りのボルト2本を外したところ、中にあったビニール袋が破裂、核燃料物質の粉末が飛散した。

 

ステンレス容器は1991年以来、26年間開封していない。

 

破裂時、男性は「腹部に風圧を感じた」と説明しており、規制委は、容器内にガスが充満し、強い圧力がかかっていたとみている。

規制委の担当者は、「結果論だが、ふたが浮いた時点で作業を中断していれば、事故は防げた」と指摘する。

 

容器の開封作業は、周囲に放射性物質が漏れないよう、内部の空気を吸引し、圧力を周囲より低い状態に保った作業台で実施していた。

 

しかし、前面のガラスには手を入れるための隙間が開いており、破裂の勢いで放射性物質が作業台から部屋の中に飛び散ったとみられる。

機構は規制委に対し、「汚染は部屋全体に広がっている」と説明した。

 

事故後、室内にいた作業員5人は、体の汚染を確認するための作業場をドアの外に設置する間、そのまま室内で待機。

最も被ばく量の多かった50代男性が部屋を出たのは、事故から5時間後だった。

 

出典

『原子力機構事故 袋破裂前、ふた浮く「前兆」 ガス充満、強い圧力 室内に
 5時間待機』

https://mainichi.jp/articles/20170610/ddm/012/040/072000c 

 

 

68日付で毎日新聞東京版からは、崩壊で生じたヘリウム原子核が長期保管するうちヘリウムガスに変わった可能性も考えられるという下記趣旨の記事が、事故時の推定状況図などとともにネット配信されていた。

 

飛散した粉末は、敷地内にある高速実験炉「常陽」(1977年に初臨界)で実験する燃料の試料を作った際に出たくずで、約300gあった。

 

粉末は、まずポリエチレン製の容器に入れられ、二重のビニール袋で密閉したうえで金属製容器に入れ、91年から26年間保管していた。

開封した記録は確認できないという。

 

今回の点検は、機構の別の施設で、原子力規制委員会から核燃料物質の不適切な管理を指摘されたのを受けて実施していた。

 

機構は、今回と同様にウランとプルトニウムを含む粉末を保管した金属製容器計21個を点検する計画で、事故が起きたのは最初の1個の点検中だった。

 

なぜビニール袋が破裂したのか。

出光一哉・九州大教授(核燃料工学)は、「ウランやプルトニウムなどは時間がたつと原子核が崩壊し、ヘリウムの原子核(アルファ線)が飛び出す。長期間保管してヘリウムガスがたまり、容器の内圧が高まって破裂した可能性はある」と指摘する。

 

機構の関係者もこの可能性を認め、「破損の可能性があるポリエチレン製容器を長期保管で使うのはよくなかったかもしれない」と明かした。

 

・・・・・

 

出典

『原子力機構・内部ひばく 2.2万ベクレル 保管26年、ガス発生か 点検最初の袋破裂』

https://mainichi.jp/articles/20170608/ddm/002/040/061000c 

 

 

69日付で毎日新聞東京版からは、規制委からの不適切管理指摘内容とその対応に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

4拠点12施設で、核燃料に使う放射性物質を不適切な場所に置いているとして、機構が原子力規制委員会から改善を求められていたことが、8日、分かった。

 

定められた保管庫に置くべきところ、作業場に35年以上も放置した例もあるなど、ずさんな実態が浮き彫りになった。

 

大洗研究開発センター燃料研究棟で6日に起きた作業員の被ばく事故は、これを整理する過程で発生した。

 

保管場所は関係法令に基づいて、事業者の社内規定で定めている。

不適切な管理は、規制委による昨年の保安検査で判明。

指摘を受けた12施設は、同センター3施設、核燃料サイクル工学研究所(同県東海村)4施設、原子力科学研究所(同)3施設、人形峠環境技術センター(岡山県鏡野町)2施設だった。

 

事故が起きた研究棟でも、作業用の箱「グローブボックス」に、使う予定がない放射性物質101点が、最長25年以上も置いたままだった。

 

機構は、昨年11月に規制委から改善を求められたが、同棟では保管庫が放射性物質の入ったステンレス製容器80個で満杯。

中身をまとめて空きを確保しようと計画し、内容量の確認のため、今年2月から開封している中で事故が起きた。

 

出典

『原子力機構・放射性物質、管理ずさん 規制委、12施設に改善要求』

https://mainichi.jp/articles/20170609/ddm/041/040/064000c 

 

 

                 (2/2へ続く)

 

 

 

  

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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