2018年1月3日18時10分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
インターネットゲームなどのやり過ぎで日常生活に支障をきたす症状について、世界保健機構(WHO)が2018年、病気の世界的な統一基準である国際疾病分類(ICD)に初めて盛り込む方針であることがわかった。
国際サッカー連盟(FIFA)主催の世界大会が開かれたり、五輪への採用が検討されたりするなど、ネットゲームが広く普及する中、負の側面であるネット依存の実態把握や対策に役立てられそうだ。
WHO関係者によると、18年5月の総会を経て、6月に公表を予定する最新版のICD―11で、「Gaming disorder」(ゲーム症・障害)を新たに盛り込む。
17年末にトルコで開かれた依存症に関する会議で、最終草案を確認した。
最終草案では、ゲーム症・障害を「持続または反復するゲーム行動」と説明。
▽ゲームをする衝動が止められない
▽ゲームを最優先する
▽問題が起きてもゲームを続ける
▽個人や家族、社会、学習、仕事などに重大な問題が生じる
を具体的な症状としている。
診断に必要な症状の継続期間は「最低12カ月」。
ただ、特に幼少期は進行が早いとして、全ての症状にあてはまり、重症であれば、より短い期間でも依存症とみなす方針だ。
ゲームを含むネット依存は、これまで統一した定義がなく、国際的な統計もなかった。
新しい定義は、各国での診断や統計調査に役立てられる。
厚労省の国際分類情報管理室も、「公表から数年後にICD―11を統計調査に使う」としている。
依存症の専門家によると、ネット依存の人は酒や薬物の依存者のように脳の働きが大きく低下し、感情をうまくコントロールできなくなるとの研究論文が、近年、国際的な医学誌に多数報告されている。
このためWHOは、ネット依存を、ギャンブルのように熱中しすぎるとやめられなくなる「嗜癖(しへき)行動」と捉えることにした。
そのうち、研究結果の多い「ゲーム症・障害」を疾病として分類する。
また、LINEやツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)によるネット依存は、「その他の嗜癖行動による障害」とする。
これまでは、いずれも「その他の習慣および衝動の障害」とされていた。
ゲームを含むネット依存について、香港大学の研究者は14年、世界の人口の6%(約4億2000万人)以上と推計。
日本でも、厚労省発表で、成人の約421万人(14年)、中高生の約52万人(13年)にネット依存の疑いがあるとされる。
ネット依存外来を開く国立病院機構・久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の樋口進院長は、「これまでは病名や定義がなく、治療や研究、実態解明も進まなかった。WHOが新たに定義すれば、対策の面で飛躍的な前進が期待できる」と話す。
ただ、ネットゲームが盛んな韓国の「ゲーム文化財団」は、WHOの指定について朝日新聞の取材に、「他の中毒と同じように指定するには根拠が不十分で、行きすぎだ。産業発展を阻害する面もある」と反論している。
【WHOの国際疾病分類(ICD)】
世界190カ国以上が加盟するWHOが、死亡や疾病のデータを国際的に統一して記録、分析するため、すべての病気とけがを網羅的に分類したもの。
医学の進歩や研究結果を踏まえ、改訂されてきた。
第1版は1900年に出され、現在は90年に改訂のICD―10を一部改正したものが使用されている。
日本では法律上の疾病や障害の根拠となり、厚労省はICDに準拠して統計調査を行う。
病院では、カルテに記載された病名がICD別にデータで蓄積されている。
出典
『ネットゲーム依存、疾病指定へ WHO定義、各国で対策』
https://www.asahi.com/articles/ASKDV3VXHKDVUHBI00D.html
1月4日5時3分に朝日新聞からは、下記趣旨の関連記事がネット配信されていた。
有料記事につき、冒頭部分のみ紹介する。
日本では「ネトゲ廃人」という言葉まで生まれた、ネットゲームへの過度な依存。
2018年、世界保健機構(WHO)によって、病気として初めて定義される。
ネット依存に陥る人たちは世界中で社会問題となっており、特に若年層で顕著とみられる。
ネットゲーム先進国である韓国では、国を挙げた様々な対策が取られている。
韓国でネットゲーム依存が問題化したのは、PC房(バン)と呼ばれる24時間営業のネットカフェで02年10月に起きた事件だった。
24歳の男性がPC房で多人数参加型のオンラインゲームに没頭。
トイレに行く時とたばこを買う時以外の86時間、ゲームを続けた末に死亡した。
長時間同じ姿勢で下半身がうっ血して死にも至る「エコノミークラス症候群」だった。
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出典
『86時間続け…「ネトゲ廃人」死者も 韓国、国挙げ対策』
https://www.asahi.com/articles/ASKDW33CCKDWUHBI005.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。