







2020年12月10日10時5分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡市は8日、JAくるめ(本店・福岡県久留米市)が出荷したシュンギクから、基準値の180倍の農薬が検出されたと発表した。
健康被害の恐れがあるとして、卸売会社などが回収を進めている。
対象のシュンギクは久留米市内の農家が栽培し、外装に「T次郎の贈りもの」と記載されている。
7日からの2日間で福岡市内のI(東区)、A(城南区)、H(博多区)、M(南区)、Fマート6店舗(いずれも東区)の、計10店舗で計113束が販売された。
福岡市やJAくるめによると、シュンギクからは殺虫剤として使われるイソキサチオンが、基準の0・05ppmに対して9ppm検出された。
タマネギ畑で散布した農薬の余りを、ビニールハウス内で栽培するシュンギクにも誤って使用したことが原因とみている。
これまでに健康被害は出ていないが、市は吐き気やけいれんなどを起こす恐れがあるとして、絶対に食べないよう呼びかけている。
https://www.asahi.com/articles/ASNDB3698ND9TIPE00K.html
12月10日8時40分に西日本新聞からは、タマネギの場合は土にまくため問題ないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JAくるめは9日、一軒の組合員農家が、タマネギ栽培で使う害虫駆除のための農薬を、誤って春菊に使用したためと明らかにした。
福岡市の検査結果を受けてJAが行った農家への聞き取りで、畑でタマネギを栽培している農家が、余った農薬を隣のビニールハウスで栽培している春菊に使用したと認めたという。
JAくるめによると、イソキサチオンはタマネギの場合、土にまくため食べる部分には着かず、収穫までの間に分解もされる。
だが、春菊は葉の部分に農薬が付着するため、高濃度になり得るという。
営農事業部の原部長は、「農薬の使用基準に沿って使うよう、注意喚起する」と話した。
この農家は5~8日にかけ、23ケース(1ケース25袋)程度をJAくるめに出荷。
JAが福岡市中央卸売市場の卸売会社「福岡D青果」に出荷し、福岡市内の青果店やコンビニエンスストアに流通したという。
市は、販売店舗をホームページで公表している。
D青果は、流通分の自主回収を急いでいる。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/671866/
12月9日12時0分にテレビ西日本からは、この春菊を20g食べると中毒症状が出る恐れありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
農薬は「イソキサチオン」という殺虫剤で、福岡市の検査で基準値の180倍にあたる9ppmが検出されました。
体重60キロの人がこの春菊を20グラム食べると、よだれが垂れたり吐いたりする症状が出る恐れがあるということです。
https://www.tnc.co.jp/news/articles/NID2020120908901
本件、12月9日付で福岡県HPに、福岡市が行った残留農薬のスクリーニング検査で問題が発覚したという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
福岡市食品衛生検査所が福岡市青果市場でしゅんぎくの残留農薬検査を実施したところ、スクリーニング検査で基準値を大幅に超えた農薬(イソキサチオン)が検出されました。
対象品は絶対に食べないようお願いします。
また、販売店にて自主的に回収を行っていますので、お手元に対象品をお持ちの方は販売店に連絡してください。
食べて体調に異変がある場合は、医療機関を受診してください。
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/shunngiku.html
(ブログ者コメント)
抜取り検査によっても、100%ではないが食品の安全が担保されている、一つの事例として紹介する。
(2020年12月19日 修正1 ;追記)
2020年12月18日10時10分に毎日新聞からは、家庭菜園で余った農薬だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
JAくるめ(福岡県久留米市)から出荷された春菊から、基準値を大幅に超える農薬が検出された問題で、森光組合長らが17日、久留米市内で記者会見し、「ご迷惑とご心配をおかけし、深くおわび申し上げる」と陳謝した。
出荷した約570袋のうち約270袋が未回収。
健康被害の情報はないが、多くの苦情が寄せられ、他の野菜も影響を受けているという。
8日、福岡市の検査で発覚。
久留米市内の生産者が家庭菜園で余った農薬を、本来、春菊に使ってはいけないと知らずに散布。
福岡市の市場に出荷され、福岡市や飯塚市などの14店舗で販売された。
春菊の価格が急落し、同じ包装だが無関係の商品が店頭から撤去されるなどしたという。
JAくるめは、生産者に対し農薬の安全講習会を開く。
また、農薬の使用を含む生産履歴の提出を求め、全品目で残留農薬の調査をするなどの再発防止策をとる。
https://mainichi.jp/articles/20201218/k00/00m/040/047000c
2020年12月10日4時36分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
遊戯施設や家庭にあるトランポリンで、骨折などの大きなけがをする事故が相次いでいるとして、消費者庁などは安全な利用を呼びかけています。
消費者庁などによりますと、トランポリンに関する事故の情報は、ことし9月までのおよそ10年間に、医療機関から100件報告され、消費者庁などが運用している事故情報データバンクにも40件報告されているということです。
遊戯施設や家庭、それに学校などで子どもが、けがをするケースが多く、
▽遊戯施設のトランポリンで遊んでいた10代の男性が外に落下し、左ひじの関節を脱臼骨折する大けがをしたケースや、
▽2歳の子どもが転んだ際、同じトランポリンで跳んでいた大人に踏まれて太ももの骨を折ったケース、
▽それに、12歳の子どもが学校のトランポリンで宙返りをして着地した際、ひざがあたって顔の骨を折ったケース
などがあったということです。
消費者庁は、トランポリンは2人以上で同時に使用すると衝突などのおそれがあるため、1人ずつ使用することや、初心者は徐々に体を慣らしていき、いきなり高く跳んだり宙返りをしたりしないことなど、安全な利用を呼びかけています。
消費者庁消費者安全課の鮎澤課長は、「正しく使わないと、けがをする危険性が高まる。施設のルールやトランポリンの性能を確認し、安全に利用してほしい」と話しています。
【高く跳べるトランポリン設置も】
消費者庁が全国の遊戯施設を対象に行ったアンケートでは、公式競技に使われるような高く跳べるトランポリンが設置されているケースもあるということです。
こうしたトランポリンを、複数の人が同時に使った状態を想定した国民生活センターの実験では、重さおよそ25キロのおもりが跳ね上がる高さは、近くで跳んだ人の着地のタイミングによって、低いときは20センチでしたが、高いときは1メートル50センチほどと、大きく異なったということで、複数の人が同時に跳ぶと、思わぬ高さまで跳ねて体勢を崩し、けがにつながるおそれがあるということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201210/k10012755671000.html
12月11日16時0分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
遊戯施設や家庭でのトランポリンによる事故が相次いでいる。
消費者庁によると、2年前から増加傾向にあるといい、使うときは注意するよう呼びかけている。
今年3月、大阪府の遊戯施設で、遊んでいた10代男性がトランポリンの外に落下し、左ひじの関節を脱臼骨折した。
これを受け、消費者庁が全国の消費生活センターから寄せられた事故情報を調べたところ、2010年4月~今年9月に40件起きていた。
17年までは年4件以下だったが、18年に7件、19年に8件、今年は9月末までに5件と増加傾向だ。
「14歳の少年が同じトランポリンで遊んでいた子どもと衝突して落下し、口から大量に出血して歯が抜けた」という事例もあった。
発生場所は遊戯施設が23件と最多で、家庭7件、学校など5件。
けがの内容は、骨折12件、すり傷やねんざなど7件、刺し傷・切り傷6件と続いた。
消費者庁によると、トランポリンを設置する屋内遊戯施設がここ数年で増えており、高く跳躍できる競技用の製品で気軽に遊べるようになった。
トランポリンで遊ぶことを主な目的としている全国の28施設を調べたところ、24施設でこの5年に利用者がけがをしたことがあったという。
消費者庁は
▽トランポリンを初めて使うときは、低めの高さから徐々に体を慣らす必要がある
▽宙返りなど、難易度の高い技には安易に挑戦しない
▽一つのトランポリンを2人以上で同時に使用すると、着地のタイミングによっては思わぬ高さまで跳んでしまうため、1人で使用する
といった注意を呼びかけている。
https://www.asahi.com/articles/ASNDB6SC7NDBUTFL009.html
(ブログ者コメント)
以下は、国民生活センター発表の動画(1分43秒)。
前出のNHK映像は、複数人使用時の跳ね返り高さを比較した実験だが、それ以外、一般用と競技用の跳ね返り高さ比較などの映像がある。
http://www.kokusen.go.jp/douga/data/vn-20201209_1.html
(2021年3月25日 修正1 ;追記)
2021年3月24日14時0分にYAHOOニュース(毎日新聞)からは、ホワイトボードに直近の負傷者数や負傷した時の状況などを記載することで利用者に注意喚起している遊戯施設もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
遊戯施設に設置されたトランポリン用の跳躍器具で大けがをする事故が多発している。
消費者庁が調査したところ、跳躍器具による遊びをメインにする全国の遊戯施設での脱臼や骨折が、2020年9月までの5年間で約170件も発生。
直近の事故件数を掲示して利用者に注意を呼びかける施設もあるが、治療に当たる医師からは「利用者が気をつけるだけでは不十分。事業者が安全対策を徹底するよう国が指導すべきだ」との声が上がる。
「今週のケガ人1人、今月ケガ人6人(救急車2台)、先月ケガ人2人(救急車1台)」。
約50台の跳躍器具を設置する大阪府内の遊戯施設を3月中旬、記者が訪れると、負傷者の発生状況を書き込んだホワイトボードが受付に置かれていた。
壁には「12月13日、宙返りの着地ミスで右足首骨折」などと、具体的な内容を書き込んだ紙も張られている。
運営会社の社長は「バランスを崩して着地し、けがをする人が多い」と認めつつ、「危険な跳び方をしないなど、ルールを守ることや、けがや事故の責任を店は一切負わないことについて入場の際に伝え、誓約書にサインしてもらっている」と説明した。
跳躍器具は5年前から設置して、監視員も配置しているが、これまでに30人ほどの重傷者が出ているという。
【国がガイドライン作成を】
消費者庁が20年9月、トランポリン遊びがメインの全国28施設にアンケートしたところ、回答のあった24施設全てで事故が発生。
5年間で脱臼103件、骨折63件、切り傷・裂傷53件、捻挫・打撲45件に上った。
同庁は調査結果を同年12月に発表し、いきなり高く跳ばないことや、1人ずつ器具を使うことを呼びかけたが、利用者への注意喚起であって、事業者への指導ではない。
遊戯施設の指導や監督を所管する経済産業省によると、安全対策としては、ショッピングモールなど商業施設内の施設のガイドラインを16年6月に作成しているが、目的は子供向けのジャンピング遊具などでの事故防止で、大人も使う跳躍器具は想定していないという。
前出の大阪府内の施設の運営会社社長は、「同様の施設は、ここ数年で増えており、業界団体もないため、統一的な安全対策マニュアルはない」と話す。
この施設で負傷した利用者がよく運ばれる総合病院の医師は、「30例近く診察したが、けがは子供より20代前後の若者の方が多い。足首や肘、腰などを骨折し、後遺症が残りそうな人も少なくない」と指摘。
「1人ずつ跳ぶなどのルールを守っていても重傷を負っており、営業自粛を求めてもおかしくない状況だ。死亡事故などが起きる前に国がガイドラインを作成するなどの安全対策に乗り出すべきだ」と訴える。
日本体操協会の石田広報委員は、「安全に着地できれば、大きな事故は減らせる。初心者には施設側が数分間、安全な跳び方や膝を上手に使った着地を指導するなど、対策の仕方があるのではないか」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/98172132d14014eb4aacff251912ad008c07cddf
(ブログ者コメント)
昨年の報道では10年で100件とか40件とか報じられていたが、今回の報道では5年で170件と報じられている。
いずれが正かは不明だが、大勢に影響ないので調査は割愛した。
2020年12月15日11時9分に産経新聞から下記趣旨の記事が、焼けた後の写真付きでネット配信されていた。
今月上旬、大阪市平野区の集合住宅で2人が死亡した火災で、火元の部屋に住んでいた70代男性が呼吸器疾患のため、普段から在宅で医療機器「酸素濃縮装置」を使用していたことが15日、大阪府警への取材で分かった。
出火原因は明らかになっていないが、装置の使用中は顔付近の酸素濃度が高まり、わずかな火気でも火災につながる恐れがある。
装置の使用中に起きたとみられる火災は全国で相次いでおり、取り扱いには注意が必要だ
火災は9日夜、同区長吉六反の木造集合住宅2階の一室から出火し、住宅全体に延焼。
焼け跡からは性別不明の2人の遺体が見つかった。
別々の部屋に住む60代と70代の男性2人と連絡がとれておらず、府警はこの2人である可能性が高いとみて身元の確認を急いでいる。
府警によると、このうち火元の部屋に1人で住んでいた70代男性は肺疾患を患っており、装置のチューブを介して体内に高濃度の酸素を取り込んでいた。
目や足が不自由なことなどもあり、訪問ヘルパーから介護を受けていた。
男性は日常的に室内で喫煙しており、部屋の畳にたばこの焦げ跡があったという。
府警は現場検証するなどして詳しい出火原因を調べているが、集合住宅の損傷が激しく、男性が装置の使用中にたばこを吸っていたかは不明だ。
酸素濃縮装置は、喫煙などが原因で肺が酸素を取り込みにくくなる「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)」などの患者に十分な酸素を吸入させるための装置。
空気の約80%を占める窒素の多くを取り除くことで酸素濃度を高め、鼻につないだチューブで吸入する。
一般社団法人「日本産業・医療ガス協会」(東京)によると、現在、約17万人が在宅で使用している。
装置が直接の出火原因になることはないが、チューブから顔付近に漏れ出す高濃度の酸素は、わずかな火気でも燃焼を拡大させる性質を持つ。
装置の使用中とみられる死亡火災は全国で相次いでおり、平成15年から今年3月までに82件起き、77人が死亡した。
出火原因の約42%はたばこの不始末で、約15%がストーブやろうそくなどからの引火だった。
1月には香川県で電気ストーブから引火したとみられる火災で80代男性が死亡したほか、3月にも埼玉県でこたつから引火したとみられる火災で80代男性が亡くなった。
同協会の担当者は、「高濃度の酸素の中では延焼範囲が広がりやすい」と指摘。
吸入中にたばこやライターの火気を近づけると急激に火が大きくなり、チューブや衣服に引火する恐れがある。
同協会は、「装置の近くで火気の使用は厳禁。周囲2メートル以内に火気は置かず、使用しないときは必ず電源を切ってほしい」と呼びかけている。
https://www.sankei.com/affairs/news/201215/afr2012150003-n1.html
(ブログ者コメント)
本ブログでは同種事例などを多数紹介スミ。
2020年12月11日15時10分にYAHOOニュース(中央日報)から下記趣旨の記事が、事故車の写真付きでネット配信されていた。
今月9日、ソウル龍山区(ヨンサング)のアパート地下駐車場で発生したテスラ「Model X」火災死亡事故について、専門家は「テスラの先端機能がかえって仇になった」という意見を提示した。
事故現場を検視した大林(テリム)大学自動車学科のキム・ピルス教授は、「車両前面が激しく破損しており、バッテリーが全焼するほど長時間燃焼したとみられる」とし、「内燃機関車ならすぐに消火できたのに、電気自動車の特性上、なかなか火が消えなかったものとみられる」と話した。
電気自動車バッテリーに火がつくと、スパークが起こって爆発する「熱暴走現象」が発生する。
火災死亡事故は、地下駐車場に進入する過程で発生した。
ゲートを通り、直進通路を通過した後、地下1階の駐車場に入る直前に左右で分かれる地点で、車両の左側が壁に衝突した。
その後、火災が発生し、これによって助手席にいた車の所有者が亡くなった。
当時、Model Xを運転していた代行運転手は、警察の取り調べに対して、「突然、車両が制御できなくなった」とし、「急発進」の可能性を提起した。
地下駐車場で、徐行した車両が突然壁に衝突した後、死亡事故まで続いた点は異例だ。
警察は国立科学捜査研究院に事故原因の調査を依頼する予定だ。
キム・ピルス教授は、「車両左側が対角線に壁に衝突したことで、バッテリーパックが右側に傾き、助手席(右側)の下から火災が起こった」としながら、「急発進というよりは、オートパイロットなど先端機能に対する誤作動、または運転者が、このような機能に対する認知未熟が結合して事故につながった可能性が高いものと思われる」と話した。
また、Model Xの「ファルコンウィング(翼のように、上方に向かって開くドア)」とポップアップ型のドアハンドルなども、救助当時に障害物として作用した。
キム教授は、「上に開くドアは、車両が激しくゆがんだ場合、開くのが大変」とし、「電力供給が切れれば外からは開くことができないドアハンドルも、(救助状況で)ゴールデンタイミングを逃すことになった理由の一つ」と話した。
実際、車両衝突後に駐車場職員が助手席に乗っていた所有者を見つけてドアを開けようとしたが、開かなかった。
その後、出動した消防署員も同じだった。
結局、25分後にトランクを通じて助手席に乗っていた所有者を救助したが、タイミングを逃した後だった。
ポップアップ型のドアハンドルは、テスラの他にもメルセデスベンツSクラスなど、高級車種に導入される予定だ。
匿名を求めた業界関係者は、「今回の事故は不運が重なって死亡までつながったケース」とし、「運転者の便宜のための先端仕様がかえって仇になった側面がある」と話した。
続いて、「先端機能を搭載した電動化車両の普及が増加しているが、事故が起きた時の電気自動車の特別な機能に対処するマニュアルなどはまだ不十分な実情」と話した。
テスラコリアは今回の火災死亡事故に対して、「現在は(論評する内容が)ない」と明らかにした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/99e2cb4c53d5d703c31c33f9c3b44f9594dfa2c8
12月11日11時10分にYAHOOニュース(ハンギョレ新聞)からも、消火と救助に手間取ったという消防関係者の話しが、下記趣旨でネット配信されていた。
消防当局は、電気自動車であるテスラの特性上、一般的な自動車火災に比べ、鎮火に長い時間がかかったと話した。
車で発生した火災は、発生から1時間たった夜10時48分ごろ消火された。
龍山消防署関係者は、「一般的な自動車火災の場合、鎮火にこんなに長い時間はかからない。電気自動車が使用するバッテリーの場合、衝撃によって火災が発生すると、供給を遮断する方法がなくなり、鎮火が難しい。そのため、水を集中的に撒いた」とし、「ドアも一般乗用車とは違って上に向かって開く硬い形なので、普段使用していた装備を利用して一般乗用車のように早く救助するのは難しかった」と話した。
事故が起きた車は今年生産されたテスラのモデルXロングレンジで、現存する最大のSUV電気自動車とされている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2377c679cdca546d37bacfd7761dda89f6bb90d7
(ブログ者コメント)
関連情報調査結果、2年前にもアメリカで同じテスラ社モデルXの火災事故があった、ガソリン車むけの消火技術はEV火災時は逆効果になる恐れありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(2018年6月26日5時56分 Sankei Biz)
3月、米カリフォルニア州マウンテンビューで起きた米テスラの電気自動車(EV)「モデルX」による事故現場で、消防士らは燃えさかるバッテリーパックに水を浴びせていた。
【リチウム電池の発火】
事故車両は、同社のエンジニアらによって動力電池の約4分の1が取り除かれ、高速道路を使って安全に撤去できるものと判断された。
だが、強力で引火性の高いリチウムイオン電池の再発火は避けられなかった。
最初の事故から24時間の間に、車両はさらに2回燃え出し、6日後にも再発火した。
EVの火災はまれだが、バッテリーに揮発性のある電解質が使われており、消火に特別な訓練を要する。
自動車メーカー各社がEV生産を大幅に増加させる構えの中、これは新たな安全上の問題だ。
ガソリン車向けの消火技術は、EV火災においては逆効果となる恐れがあるからだ。
マサチューセッツ工科大学のドナルド・サドウェイ教授(材料科学)は、「私たちは未知の領域にいる。自動車に70キロワット時のバッテリーを搭載するようになったのだから、携帯電話のときとは全く状況が異なる」と話す。
家電製品から自転車まで、リチウムイオン電池はあらゆるものに使用されるようになった。
だが、その人気は、火災の発生により定期的に水を差されている。
電子たばこやノートパソコン、さらには米ボーイングの旅客機787などにおけるバッテリー火災が原因で、政府は規制を強化。
米運輸安全委員会(NTSB)と米道路交通安全局(NHTSA)も調査を行っている。
充電可能なリチウムイオン電池は構造上、もともと火災を起こしやすい。
発火に火花が必要なガソリンと異なり、リチウムイオン電池には、ショートすると熱や火花を発生させるエネルギー源が貯蔵されている。
さらに、炎に燃料を供給する溶媒や酸素を供給する酸化金属も使われており、消火活動を複雑にする。
「これは、リチウムイオン電池の永遠の課題だ」と、ピッツバーグ大学のパラシャント・クムタ教授(工学)は話す。
【爆竹のようなもの】
同教授によれば、電池業界は、通常運転時および充電時における電池の安全性についてはかなりの進歩を遂げたものの、激しい衝突で電池が引き裂かれてしまえば、できることはほとんどない。
「熱暴走」と呼ばれる現象が起こると、ショートした電池が大量の熱を発し、隣接する電池に炎と熱の連鎖反応が起こる。
「爆竹のようなものだ。一つの電池に火が付けば、隣の電池に燃え移り、すぐに全体が炎に包まれる」とクムタ教授は解説する。
全米防火協会(NFPA)の最新データによると、米国では2015年に17万4000件の自動車火災が発生し、445人が死亡した。
多数の自動車火災の中で、ごく少数のテスラ車による火災に注目が集まることに、同社はいらだちを覚えている。
同社のイーロン・マスク会長は13年、ガソリン車が火災を起こす危険性は、テスラのEV「モデルS」と比べて4倍以上高いとブログで述べた。
NHTSAは11年、米ゼネラル・モーターズのEV「シボレー・ボルト」の火災を受けた報道発表で、EVが他の自動車より火災を起こしやすいとは考えていないと述べている。
これに対し、消費者団体である自動車安全センターのエグゼクティブディレクター、ジェーソン・レビン氏は、EV火災に関する政府資料が少ないため、問題の重要性を検証することが難しい点を指摘する。
だが、議論の余地がない事実もある。
大型リチウムイオン電池における燃焼の激しさだ。
16年11月、米インディアナ州インディアナポリスで「モデルS」が木や建物に高速で衝突した事故で、現場に駆けつけた消防士らは、バッテリーが爆発して空に飛び散る花火のような光景を目にすることになった。
マウンテンビューの事故では車の前方がつぶれ、床下の電池パックが損傷を受けた。
消防士らが到着したときには、車体の半分が焼けていたという。
シリコンバレーに近い同地はEVが多く、消防士らは14年にテスラの工場でバッテリー火災の訓練を受けていた。
だが、今回の事件は、さらなる訓練の必要性を明らかにすることとなった。
ガソリン火災には泡消火剤を使用するが、NFPAは、バッテリー火災については同剤の使用を推奨していない。
業界団体ナショナル・アライアンス・フォー・アドバンスト・テクノロジー・バッテリーズ・インターナショナルのジョン・ワーナー会長によれば、科学者らは発火の危険性が少ないリチウムイオン電池の開発に取り組んでおり、電池ケースの耐衝撃性は高まっていくことが予測される。
だが、それまでは消防士や救急隊員に対するさらなる教育が必要だと、同氏は述べた。
(ブルームバーグ Alan Levin)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180626/mcb1806260500002-n1.htm
2020年12月8日18時46分にNHK兵庫から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
悪天候のため、ハワイ沖を航行中、積み荷が崩れて2割以上が海に転落した大型コンテナ船が8日、点検などのために神戸港に入港しました。
会社によりますと、乗組員にけがをした人はおらず、今後、荷物の積み直しを行うことにしています。
神戸港に入港したのは日本の大型コンテナ船「ワン アパス」で、8日正午ごろ、神戸市東灘区にある六甲アイランドに接岸しました。
船の運航会社によりますと、コンテナ船は中国からアメリカに向けて太平洋のハワイ沖を航行中の先月30日、悪天候に見舞われて、甲板の上に積んでいたおよそ7000個のうち2割以上にあたる1816個が海に落ちたということです。
落ちたコンテナの一部には花火や電池、それに液体エタノールなどの危険物が入っていたということですが、回収されたという情報はこれまで入っていないということです。
コンテナ船の乗組員は全員、けがはないということです。
運航会社によりますと、コンテナ船には適正な数のコンテナを載せていたということで、会社では積み荷が崩れた原因を調べるとともに、船体や積み荷を点検してコンテナの積み直し作業を行うことにしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20201208/2020010981.html
(ブログ者コメント)
〇関連情報調査中、10年前に空荷のコンテナ100本が荷崩れを起こし、それが日本海運史上、まれにみる大規模荷崩れだった、という記事が見つかった。
当該情報から考えると、今回の事故は、中身の入ったコンテナが荷崩れした、わが国最大の事故だった可能性がある。
(2011年1月23日9時59分 神奈川新聞)
『“史上最大”のコンテナ荷崩れ、ミナトの絆で復旧完遂/横浜』
今月12日、航海中にコンテナ約100本が倒壊するという大規模な荷崩れを起こした超大型コンテナ船が横浜港に入港した。
一部は今にも海に落下しそうな危険な状態で、「日本海運史上、これほどの荷崩れは初めて」(横浜港関係者)。
未曽有の事態を前に、港の男たちは周到な準備をして挑み、困難を極めた復旧作業を短時間でやり遂げた。
正月明け早々、横浜港・南本牧ふ頭で荷下ろしを担う三菱倉庫南本牧営業所の石原所長(男性、50歳)は、コンテナ船からメールで送られてきた写真に息をのんだ。
船尾側のコンテナはドミノ倒しのように右舷側に傾き、一部は海上に突き出ている。
太平洋は荒天で激しい白波が立っていた。
写真や乗組員からの情報を手掛かりに、石原さんはコンテナ船を運航する海運会社をはじめ、横浜港関係者と作業手順の検討を重ねた。
最初に右舷から突き出て海に落下しそうなコンテナを取り除いてから、倒れたコンテナを引き起こして荷揚げする方法が決まった。
13日午前8時、復旧作業開始。
しかし、突き出たコンテナが動かない。
覆いかぶさったコンテナが重しになっていた。
次の寄港地へ、出港予定は翌14日の午前4時。
残り時間は少ない。
約30人の港湾荷役作業員を率いて現場指揮に当たった藤木企業の下田副監督(男性、43歳)は、作業手順の入れ替えを決断する。
突き出たコンテナをワイヤロープでつって支え、崩れたコンテナを上から順に引き上げていく。
コンテナを海に落とせば、ふ頭の港湾業務はストップしてしまう。
作業員たちは「絶対に事故は起こさない」と誓ってクレーンを操った。
「ベテラン作業員にとっても初めての作業。安全への思いは誰もが同じだった」と下田さん。
崩れたコンテナの多くは歪み、大きく裂けたものや、ぺしゃんこになるなど原形をとどめない状態のものも。
ワイヤロープを使った荷揚げでは「コンテナ船の就航前から貨物船の荷揚げに携わっていたベテランが、現場で適切なアドバイスをしてくれた」という。
13日深夜、作業終了。
コンテナ船は無事出港した。
ほぼ目標通りの短時間で終え、石原さんは「海運会社をはじめ、作業会社や横浜海上保安部などが連携して対処できたのは横浜港ならでは」と話す。
下田さんは「仲間同士の絆が強い横浜港だからできること。事故なくやり遂げたことを誇りに思う」と振り返った。
◆米ロサンザルスを昨年12月30日、横浜に向けて出港したコンテナ船(9万7933トン)で、太平洋を航行中に強風と波の揺れで船尾側に積まれたコンテナ約100本が横一列に右舷側へ倒壊。
一部は海に落下しそうな状態のまま、12日午前に横浜港・南本牧ふ頭に入港した。
大手海運会社が所有する世界最大級のコンテナ船の一つで、20フィート換算で9千本を搭載可能。
北米西海岸から日本、アジアを経由し、欧州に向かう国際基幹航路を運航している。
荷崩れしたコンテナはいずれも空荷だった。
https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-82666.html
〇あんなにもうず高く積まれたコンテナ。
単に積まれているだけでは、ちょっとの揺れでも崩れそうだと感じ、積み方を調べたところ、ラッシング装置という、大きな枠に固定しているということだった。
以下は、ラッシング装置を備えた最新式コンテナ船の写真。
https://www.jasnaoe.or.jp/soy/2017.html
〇一方、コンテナ荷崩れ原因に関する、以下の記事もあった。
『Gard Insight 海上コンテナの落下事故の原因と防止』
・・・・・
原因 荒天 座礁、沈没、衝突などによってコンテナが船外へ落下するような不慮の事故は別にして、通常の航海中に荷崩れを招く原因で最も多いのは、荒天による影響です。
・・・・・
荷崩れの原因としてより多いのは、CSM に規定されているコンテナの段積みや列の重量制限や、段積みの高さ制限を遵守しなかったことによるものです。
・・・・・
用船者は当然、積み付 けが最適化されることを期待する一方で、船員は過密なスケジュールに影響を与えるのを躊躇する場合があるのです。
特に大型コンテナ船に関係するラッシングの問題。
大型船などの大規模なラッシング装置の場合、CSM に照らしてチェックすることが難しい上に、仮にコンテナのいくつかが喪失しても船舶にはほとんど危険はなく、自分たちには関係ないといった意識を船員が持つ可能性があります。
船舶が大型であるほど、ラッシング装置の保守対象が多くなり、また、荷役作業者もラッシング装置の取り扱いに慎重さを欠いてしまう可能性があります。
こうしたメンテナンスの不備や手荒な扱いに起因する装置の不良が事故の原因になるのです。
・・・・・
(2024年3月1日 修正1 ;追記)
2024年2月29日10時43分にYAHOOニュース(共同通信)からは、船長の進路変更で、揺れが激しくなりやすい角度からウネリを受けるようになったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運輸安全委員会は29日、2020年に日本船籍の貨物船「ONE APUS(ワン・アパス)」(14万6694トン)が米ハワイ沖を航行中、荷崩れが起きて大量のコンテナが海に落下した事故の調査報告書を公表した。
船長の針路変更で、揺れが激しくなりやすい角度から波浪(うねり)を受けるようになり、船が大きく傾いたと指摘した。
報告書によると、貨物船は20年11月30日深夜から翌12月1日未明にかけて激しく揺れて傾き、荷崩れが2回生じた。
コンテナ7016個中1841個が海に落ち、983個が甲板上で倒壊。
船長と乗組員計24人にけがはなかった。
貨物船は阪神港神戸区に緊急入港した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a27d9d3d6dd1693c237da2f123faa753d32d5935
(ブログ者コメント)
事故報告書(2/54ページ)には原因として「船長は横揺れを軽減しようと進路を変更したが、結果的に進路を誤った。それは夜間で海象状態を適切に把握できなかったためと考えられる」という趣旨の記述がある。
https://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2024/MA2024-2-1_2022tk0001.pdf
2020年12月8日18時40分に時事ドットコムから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
住友商事子会社のスーパー「S」(東京都杉並区)の店舗で、床に落ちていた天ぷらを踏んだ客の男性(35)が転倒し、負傷したとして、同社に約140万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が8日、東京地裁であった。
長妻彩子裁判官は同社に安全管理義務違反があったとして、57万円余りの支払いを命じた。
判決によると、男性は2018年4月、練馬区にあるサミットの店舗を訪れ、レジ前通路を歩行中にカボチャの天ぷらを踏んで転倒し、右膝を負傷した。
同社は事故への対応として6万円余りを支払ったが、男性側は通院慰謝料などの支払いを求めて提訴した。
長妻裁判官は、天ぷらを落としたのは従業員ではなく利用客だったと認定。
しかし、事故が起きた当時は店舗内は混み合っており、従業員による安全確認などにより「物が落下した状況が生じないようにすべき義務を負っていた」と指摘した。
消費者庁は16年12月、同年10月までの7年余りの間に寄せられた店舗や商業施設での買い物中の床滑りによる転倒事故350件のうち、67件が野菜や果物などの落下物によるものだったとする結果を公表していた。
「S」は「判決文を読んでいないのでコメントは控えたい」としている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020120801083&g=soc
12月9日13時2分にYAHOOニュース(テレビ朝日)からは、混みあう時間帯だったのに従業員が安全確認した形跡はなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日の判決で東京地裁は、「天ぷらを落としたのは他の利用客だった」とした一方で、「混み合う時間帯で事故が発生する恐れは大きかったにもかかわらず、従業員が安全確認を行っていた形跡はなかった」などと指摘して、サミットに約58万円の支払いを命じました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bbb730511324d0c492059cfb4e79e315caafc913
12月8日23時5分に読売新聞からは、客がトングで品物をとり、自分で袋などに詰める販売形式だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社側は「総菜を踏んで転倒するのは極めて例外的な出来事で、事故を予防するのは困難だった」と主張したが、長妻彩子裁判官は、店舗内での転倒事故350件のうち、野菜くずなどの落下物が原因のケースが67件に上るとした消費者庁のデータを基に「想定外の事態とはいえない」と指摘。
「店側はレジ周辺の安全確認を徹底する義務を尽くさなかった」と述べた。
判決によると、男性は2018年4月、仕事帰りに夕食を買うため「Sストア練馬春日町店」を訪れ、カボチャの天ぷらを踏んで足を滑らせた。
総菜売り場は、客がトングで品物を取ってパックや袋に詰める形式で、長妻裁判官は「パックや袋詰めの不備から、客がレジに向かう途中で総菜を落とすことはあり得る」と指摘。
一方、原因の天ぷらが縦13センチ、横10センチの大きさだったことから、「原告も容易に落下物に気付くことができた」とも述べ、賠償額を減らした。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20201208-OYT1T50290/
12月8日20時52分に朝日新聞からは、床の色とてんぷらの色は違っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
判決では、消費者庁の調査(09年から7年間)では、店舗などでの転倒事故350件のうち約2割が野菜くずなど「落下物」が原因だったことをふまえ、「事故は異例ではない」と指摘した。
さらに、客自らがトングで天ぷらを取りパックに詰める販売方法だったことから、「店側は総菜を床に落とすことを容易に予想できた」と説明。
レジ付近が客で混み合う時間帯については「落下物が床にないようにする義務があった」とし、店側が安全確認を怠ったと判断した。
一方、判決は原告の一部過失にも言及し、「天ぷらの大きさや床面と天ぷらとの色の違いなどから、落下物があることに気づけた」とした。
https://digital.asahi.com/articles/ASND86VMPND8UTIL053.html?pn=4
12月9日17時11分にYAHOOニュース(弁護士ドットコム)からは、店側が負うべき安全管理義務に関し、田沢弁護士の見解が下記趣旨でネット配信されていた。
・・・・
店側にとっては厳しい判決となったが、どこまで安全管理についての義務を負わなければならないのだろうか。
田沢剛弁護士に聞いた。
【店側には来店客がケガを負わないよう注意すべき義務が
ある】
Q.店側の安全管理に関する義務違反が認められましたが、通常、店側は具体的にどのような義務を負っているのでしょうか。
A.民法709条は、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」として、不法行為責任を定めています。
これは、加害者と被害者との間の契約関係の有無を問わずに規律する一般的な責任ですから、不特定多数の利用客が出入りするスーパーも、この責任を免除されるわけではなく、利用客の権利または法律上保護される利益を侵害しないよう、注意すべき義務があるということになります。
他方で、安全配慮義務違反というものがあります。
これは、一般的に雇用主と従業員との間の雇用関係などに基づいて生じる契約責任の問題であって、上記の不法行為責任とは異なります。
どちらも、損害賠償責任という点では同じですが、立証責任や消滅時効の期間などで違いが生じます。
Q.今回のケースはどちらでしょうか。
A.今回の判決は、報道の限りでは「安全管理を怠った」とされており、「安全配慮義務を怠った」とはされていませんので、安全配慮義務違反を認めたものと解するのは早計であり、一般の不法行為責任を認めたに過ぎないものと推測されます。
不特定多数の利用客がスーパーに入店することで、直ちにスーパーに対して利用客に対する安全配慮義務を課すほどの契約関係が生じると解釈するのは困難だからです。
Q.義務違反となるか否かのポイントはどこにありますか。
A.今回のケースは、スーパーの利用客が落とした天ぷらを別の利用客が踏んで転倒し、ケガをしたというものです。
通常であれば、スーパー側の過失(注意義務違反)については、落ちている天ぷらをしばらく放置したという点に求めることになるでしょうが、その場合は、「放置した」といえるか否かを解明する必要があるでしょう。
【「どこまで注意義務を負うのか」は、実際の事故件数なども
影響】
Q.落下した直後の転倒などは、常時監視していても防ぎようがないように思われますが、そのような場合にまで義務違反が認められてしまうのでしょうか。
A.常時監視していたのに防げないような、落とした直後の転倒を防ぐためには、そもそも利用客が落とさないような仕組みを考えるほかないと思いますが、常時監視も含めて、そこまでの注意義務をスーパーに負わせることは行き過ぎという気もしますし、一方で、超高齢社会といった時代を背景に、そこまでの注意義務を負わせても問題ないといった考え方も出てくるでしょう。
Q.ネットでは、「店が悪いのか?」「客が落としたものにまで責任を負うのか」などの意見が見られます。
A.買い物をする高齢者の割合が増加し、実際にも転倒事故が増えているということであれば、スーパー側にこれを防ぐための注意義務を課すということは、あながち不自然なことではありません。
不法行為責任の要件である過失の前提となる注意義務は、法律の明文に規定されているものだけでなく、社会生活上の諸般の事情を根拠として導かれるものも多々あります。
後者の場合は、過失の有無をめぐって争いの種になりますので、最終的には司法の判断を待つしかありません。
Q.店側としては、今後、どのような対応が求められるのでしょうか。
A.今回の判決が、いわゆる先例として定着するかどうかは不明ですが、もしも定着したら、スーパーとしては、お惣菜売り場に監視員を常駐させるというところまではいかないにしても、定期的に天ぷらが落ちているか否かを確認することくらいは検討する必要が出てくるように思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3a99ba1050c013966527289dfd6a07da69e8d91f
12月10日11時43分にYAHOOニュース(ABEMA TIMES)からは、訴訟したこと自体に疑問ありという下記趣旨の意見が紹介されていた。
・・・・・
このニュースに慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は、「本来なら、当事者同士で話し合えば済む問題だったのではないか」・・・「お店側はちゃんと話し合って謝罪もするという姿勢を見せたはず。悪意もなかっただろう。にも関わらず、訴訟までするというのは、訴える側がやりすぎだったのではないかと感じる。」と疑問を投げかける。
・・・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/2c5f9291a93cd018ea1cc33b206b7ba50222fc95
(ブログ者コメント)
本ブログでは以前、床で滑って裁判になる事例が相次いでいるという情報を紹介した。
中には、アイスクリームが原因で滑って860万円の賠償命令が出た事例もあった。
2016年12月6日掲載
『2016年11月29日報道 床で滑って負傷した人から裁判を起こされる事例が相次いでいるため、防滑に取り組む企業が出てきている』
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6543/
2020年12月8日16時13分にYAHOOニュース(ハフポスト日本版)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
寒くなり、ほくほくのサツマイモや肉まんが食べたくなる季節に。
ただ、電子レンジで加熱する際には注意が必要だ。
東京消防庁は、「電子レンジ火災」が増加傾向にあるとして、安全に使用するよう注意を呼びかけている。
東京消防庁は公式サイトで、電子レンジにまつわる次のような火災の事例を紹介している。
【事例1】
マンションの居住者の女性が、生のサツマイモを温めようと電子レンジで10分間加熱した。
さらに5分間加熱し、その場を離れたところ、異音が聞こえた。
戻って確認すると、サツマイモから出火し電子レンジから煙が出ていた。
【事例2】
共同住宅の居室で、カップ麺を電子レンジで加熱したところ、カップ麺の容器から出火。
火災に気付き、消火しようと電子レンジの扉を開けたところ、火が服に燃え移り死亡した。
・・・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/095bf63a259f72814fcb3ff7858d4241ea07baf5
(ブログ者コメント)
本ブログでは昨年、同種記事を掲載スミ。
2019年12月6日掲載
『2019年11月27日報道 電子レンジで焼きいも等を加熱すると炭化して可燃性ガスが発生し炭化部分の帯電スパークで火災になる、活発化した電子が火花となって飛び出すので金属も危険』
(1/2)
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10242/
(2/2)
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10243/
今回の報道では、そこに書かれていなかった事例も記されていたので、その部分だけを抜き出して紹介する。
2020年12月7日19時59分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
なぜカーリングのストーンが氷の上で曲がるのか。
北見工業大学の研究チームは、もっとも影響を与えているのはストーンの氷と接している部分の表面の粗さと面積であるとする研究結果を発表しました。
カーリングのストーンが氷の上で曲がる仕組みについては、「氷の表面の状態が原因」などとする論文がこれまで20以上出ていますが、定説はありませんでした。
今回、北見工業大学の亀田貴雄教授ら5人の研究チームは、氷の表面の状態ではなく、ストーンの「ランニングバンド」と呼ばれる氷と接触している部分の表面の粗さと面積であることを発表しました。
研究チームは去年、北見市常呂町にあるカーリングホールで「ランニングバンド」を布やすりで削って粗さを変えて曲がり方を計測した結果、「ランニングバンド」が粗い方がより曲がることがわかったということです。
研究チームでは、「カーリング場によってストーンの曲がり幅が一定でないことが競技を普及させる課題になっている。布やすりを使ってストーンの表面の粗さを適切な値にすれば、曲がり幅も一定になる」としています。
ストーンは、個人所有ではなく、それぞれのカーリング場が保有しているため、研究リーダーの北見工業大学の亀田貴雄教授は、「今回の研究結果を受けて、カーリング場でストーンを管理する人が表面の粗さも管理するきっかけにしてほしい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20201207/7000027777.html
(ブログ者コメント)
安全とも、環境とも関係のない情報だが、こういう研究もされているのだということで、参考までに紹介する。
2020年12月9日19時12分にYAHOOニュース(FNN PRIME:北海道文化放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ボロボロと天井が崩れ落ちているテント。
その中には食器が散乱し、ダウンジャケットだろうか、引き裂かれたように中の毛綿が飛び出している。
何が起きたのかというと・・・。
キャンプ場関係者の通報
「ガスボンベが爆発し、けが人が出た」
事故は7日の午後8時すぎ、北海道・苫小牧市のキャンプ場で起きた。
当時、会社の同僚らがバーベキューをしていたところ、ガスボンベが爆発したという。
この事故で、20代から40代の男女5人が顔や手にやけどをし、病院に搬送された。
楽しいはずのキャンプが一転、なぜガスボンベが爆発したのか?
警察はその原因を、ガスボンベが置かれていた場所にあるとみている。
そこは、“ストーブの前”だった。
ガスボンベを使った、過去の実験映像。
コンロで炭を熱し、ガスボンベに熱が伝わると、激しく爆発。
網などが宙を舞った。
同じような現象が、ストーブの前で起こってしまったのか。
警察は、ガスボンベがストーブで熱せられたことで爆発を引き起こしたとみて調べている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9a98ffd8967abdaf5f935e1bbfcff951ab1dceb3
12月8日22時28分にライブドアニュース(日テレNEWS24)からは、ストーブ横のテーブルの上に置かれていたガスボンベが破裂した、とも読み取れる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道・苫小牧のキャンプ場で、7日夜、テント内のガスボンベが爆発しました。
当時、テントでは男女5人がバーベキューをしていました。
なぜ爆発が起きたのか。
テント内にいた男性が取材に応じました。
◇◇◇◇◇
北海道・苫小牧市のキャンプ場。
一部が黒く焼け焦げたテントの天井には大きな穴が。
食事中だったのか、広げられたままのテーブルや、紙皿などが確認できます。
7日午後8時頃、消防にかかってきた1本の通報。
──テント内でガスボンベが爆発し、ケガ人がいる
警察などによりますと、20代~40代の男女5人がテント内で炭を使ってバーベキューをしていたところ、キャンプ用ガスボンベ1つが突然、爆発したということです。
5人は顔や手足に軽いヤケドを負い、病院へ搬送されましたが、命に別条はありませんでした。
爆発から一夜明け、テントの中にいた男性が当時の状況を語りました。
当事者の男性;
「テントの中でくつろいでいた状態でした。
その時に爆発したというか。何が起きたかはわからなかったです。
(テント内には)炭を置く台があったり、爆発したと言われているボンベも近くにあった」
◇◇◇◇◇
なぜ、ガスボンベは爆発したのでしょうか。
カセットコンロ用の物を使った実験映像では、ストーブの近くであたためられると……画面全体が火で覆われるほど激しく爆発します。
実験を行った製品評価技術基盤機構(=nite)によりますと、わずか10分ほどでも爆発の危険があるということです。
警察などによりますと、今回爆発したテントの中にはストーブがあり、その横のテーブル上にガスボンベが置かれていたことが判明。
ストーブでガスボンベが熱せられた可能性があるとみて、詳しく調べています。
https://news.livedoor.com/article/detail/19349146/
(ブログ者コメント)
ストーブとテーブルの距離は、見た目、1m程度。
テーブルの端っこに置かれていたカセットコンロが破裂した、ということだろうか?
2020年12月9日12時34分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本鉄道は8日、福岡市・天神の「福岡ビル」の解体工事現場から鉄筋が飛び出て、近くの明治通りを走行中の乗用車に当たったと発表した。
けが人はいなかった。
発表では、鉄筋は棒状で長さ約35センチ、直径約1センチ、重さ約220グラム。
7日午後2時45分頃、地下3階の解体で出た鉄筋などを重機で地上1階に集めていた際、高さ3メートルの囲いを越えて飛び出た。
福岡ビルは、再開発促進事業「天神ビッグバン」に伴い解体作業中。
今後は、鉄筋などの集積場所を地下1階に変更するという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20201209-OYT1T50132/
2020年12月5日1時28分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
製造工程などで環境への負荷が大きいとされるファッション産業について、環境省は、具体的にどのような影響を与えているのかを把握するため、初めての実態調査を行うことを決めました。
ファッション産業は、紡績や染色の工程で大量の水を消費して汚染するほか、売れ残った服の大量廃棄が問題になるなど、環境への負荷が大きいと指摘されています。
しかし、日本企業による環境への影響については定量的なデータがほとんど把握されていないことから、環境省は近く、初めての実態調査を行うことを決めました。
具体的には、今月以降、全国の企業や関係機関など、20か所程度に聴き取りを行うなどして、製造工程で使われる水の量や水質汚染の状況のほか、廃棄されている服や生地の量、それに、製造から販売、廃棄までのそれぞれの段階で排出される二酸化炭素の量などについて推定することを計画しています。
そのうえで、環境への負荷を減らすため、消費者や企業、それに国や自治体がどのような対策を取りうるのかや、すでに対策に取り組んでいる企業の事例などを盛り込んだ報告書を今年度中に作成することにしています。
環境省の担当者は、「ファッションに無関係な人はおらず、環境に与える影響は大きい。今回の調査を、産業や消費の在り方の見直しにつなげたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201205/k10012747211000.html
(ブログ者コメント)
関連情報調査結果、昨年、ファッション業界は世界第2位の汚染産業だなどと記された国連からのメッセージ記事がネット上に公開されていた。
その流れで今回、環境省が動いたのかもしれない。
『国連、ファッションの流行を追うことの環境コストを「見える化」する活動を
開始』
(2019年4月30日 国連広報センターHP)
ジーンズ1本を作るためには、約7,500リットルの水が必要になりますが、これは平均的な人が7年かけて飲む水の量に相当します。
しかもそれは、最近の環境研究の結果として判明した多くの驚くべき事実の一つにすぎません。
このような調査結果から分かるのは、ファッションの流行を追うことには、プライスタグ(価格)をはるかに上回るコストがかかるということです。
*****************
環境に有害な影響を与えている産業として、私たちの頭に最初に浮かぶのは製造業、エネルギー、輸送、さらには食品生産といった業界です。
しかし、国連貿易開発会議(UNCTAD)では、ファッション業界が世界で第2位の汚染産業とみなされています。
UNCTADによると、ファッション業界は毎年、930億立方メートルという、500万人のニーズを満たすのに十分な水を使用し、約50万トンものマイクロファイバー(石油300万バレルに相当)を海洋に投棄しています。
炭素排出量を見ても、ファッション業界は国際航空業界と海運業界を足したものよりも多い量を排出しています。
この業界で支配的なビジネスモデルは「ファストファッション」、すなわち低価格で品揃えを目まぐるしく変えることで、消費者に衣服の頻繁な買い替えと廃棄を促すものになっています。
国連を含め、多くの専門家は、このトレンドこそ、社会や経済、環境に多くの悪影響を引き起こしていることへの責任があると見ています。
事実、衣料品の生産量は2000年から2014年までの間に2倍に増えており、できる限り倫理的で持続可能な衣料品の生産を確保することが、きわめて重要となっています。
【持続可能性を高めるイノベーション】
こうした厳しい統計データがある中、ファッションの生産者と消費者はますます、この業界が変わる必要があるという考え方に目覚めてきています。
大型量販店を含め、数多くの企業は、持続可能性の原則を事業戦略に取り入れるようになりました。
具体的には、衣料品回収制度を導入したグローバルな衣料品販売チェーンのH&M(エイチアンドエム)、中古衣料リサイクル・プログラムに加わっているジーンズメーカーのGuess(ゲス)、再生ボトルのポリエステルを用いてジャケットを生産しているアウトドア衣料メーカーのPatagonia(パタゴニア)などの例が挙げられます。
より規模の小さい企業も、ファッションと環境の関係を変えることに貢献し、持続可能性をビジネスモデル全体に組み込むようになってきました。
その一つ、スイスの企業Freitag(フライターグ)は、トラックの防水シートやシートベルトのアップサイクルで、かばんやリュックサックを作っています。
また、Indosole(インドソール)は廃棄タイヤから靴を作り、カナダの衣料品メーカーNovel Supplyは、顧客が着られなくなった衣服を返却できる「テイクバック制度」を導入し、自社で再利用やリサイクルを行えるようにしています。
Novel Supplyの設立者Kaya Dorey(カーヤ・ドーリー)氏は、環境に優しい素材を使用し、製造工程で生じた廃棄物の問題に対する解決策を見出すという生産モデルの創造に向けた試みを評価され、国連で最高の環境表彰にあたる「ヤング・チャンピオン・オブ・ザ・アース」賞を授与されました。
ドーリー氏は動画で、自社生産工程の各要素が、無駄や環境被害を最低限に抑えることにどう活かされているのかを説明しています。
・・・・・
ファッション業界の環境への影響
・1本のジーンズの生産には、2,000ガロンの水が必要です。
・ファッション業界は毎年、500万人の生存を可能にする9,300億立法メートルの水を使っています。
・ファッション業界は全世界の廃水の20%を作り出しています。
・衣料品と履物の製造は、全世界の温室効果ガス排出量の8%を占めています。
・毎秒、ごみ収集車1台分に相当する繊維が埋め立てに使われたり、焼却されたりしています。
・2000年から2014年にかけ、衣料品の生産量は倍増しています。
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/32952/
2020年12月4日23時48分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井県は4日、同県あわら市の製薬会社「K化工」が、爪水虫など皮膚病の治療に使う経口抗真菌剤イトラコナゾール錠50「MEEK」約10万錠分を自主回収すると発表した。
製造過程で通常の服用量を超える睡眠導入剤成分が混入し、岐阜、大阪、佐賀の3府県で計12人に意識消失や強い倦怠(けんたい)感などの副作用が確認されたという。
K化工によると、イトラコナゾール錠は、白癬(はくせん)菌が原因で爪が白く濁り爪水虫とも呼ばれる「爪白癬」などの治療に使う医療用医薬品。
12月1~3日に2~77歳の男女12人に副作用が確認された。
約半数は回復に向かっているが、岐阜県の男性(59)が救急搬送され、入院した。
同社は、あわら市の本社工場で原料を量る担当の社員が、入れるべき成分と睡眠導入剤の成分「リルマザホン塩酸塩水和物」を取り違え、保管場所から持ち出したのが原因と説明。
本来は2人一組で確認が必要だったが、1人で作業していた。
同社の小林社長は4日、記者会見し、「誤混入の原因はヒューマンエラーであり、医薬品企業として万が一でもあってはならない。患者や医療機関の皆さまに深くおわび申し上げる」と陳謝した。
回収対象はロット番号「T0EG08」と刻印され、9月28日以降に出荷された商品。
全国の医療機関などに流通しているとみられる。
〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67045270U0A201C2CC1000
12月8日19時53分にNHK福井からは、他の2種類の薬を含め、国の承認を得ていない工程で製造していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この製品を含む3種類の治療薬が、国の承認を得ない工程で製造されていたこともわかり、会社が自主回収を進めるとともに、絶対に服用しないよう呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20201208/3050006487.html
12月9日20時45分に朝日新聞からは、混入した睡眠導入剤の成分の量は1錠あたり通常最大投与量の2.5倍で、多い人は1日に8錠服用するなど、下記趣旨の記事が錠剤パッケージの写真付きでネット配信されていた。
イトラコナゾール錠は、症状によっては多い人で1日8錠服用する場合もある。
今回、1錠に含まれていた睡眠導入剤の成分は5ミリグラムで、通常の最大投与量2ミリグラムの2・5倍にのぼるという。
1~3日に大阪府、佐賀県、岐阜県の男女12人(2~77歳)から被害の報告があり、同社は9月28日~12月3日に全国に出荷した100錠入り929箱の自主回収を発表していた。
福井県によると、その後も被害の報告が相次ぎ、今も入院中の人が複数いるという。
K化工のホームページによると、同社は1946年創業で、病院や診療所などで使われる医療用医薬品の研究開発や製造販売を行い、ジェネリック医薬品を提供している。
2019年4月~20年3月の売上高は370億円。
20年10月現在の従業員数は796人となっている。
https://www.asahi.com/articles/ASND96RMKND9PTIL021.html
12月10日19時27分に朝日新聞からは、作業員の勘違いが原因、取り違えた理由は確認中など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
問題となっている薬剤は、特許が切れた薬と同じ成分の薬を厚生労働省の承認を得て販売する「ジェネリック薬」だった。
医師の処方箋(せん)が必要で、爪水虫やカンジダ症の治療に使われる。
広報担当者は、「作業員の勘違いにより重大なミスが起きた。有効成分のイトラコナゾールを加えるべきところ、製造所内にあった睡眠導入剤の成分を入れてしまった」と説明する。
なぜ取り違えたかについて確認を進めている。
https://www.asahi.com/articles/ASNDB6D4NNDBPTIL017.html
12月9日23時28分に朝日新聞からは、これまでに例のない重大事故だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚生労働省の担当者は「今回のような事案は聞いたことがない」と話した。
調剤薬局大手のクオール(東京都)は4日午後5時ごろに事態を把握。
店舗には調剤の中止を伝え、患者には代替品を渡したという。
広報部の担当者は、「薬品の濃度が足りないといった製造ミスはたまにあるが、睡眠導入剤が混入するという重大な事例は例がない」と話す。
同じく調剤薬局大手の日本調剤(東京都)も、「今回のような製造の段階で他剤が混入され健康被害を引き起こすような事案は、これまでにない」(広報部)とした。
日本薬剤師会(東京都)は各都道府県の薬剤師会長宛てに、使用中止と回収を求める通知を7日付で出した。
「我が国における医薬品への信頼を根本から揺るがす事態で大変遺憾」との見解を示し、K化工に対しては「しかるべき対応等の申し入れを行う」としている。
K化工は今回の事態を受け、自社主体で行っていた従業員教育について、今後は第三者の専門機関の協力を仰ぐとしている。
https://www.asahi.com/articles/ASND97FPVND9PTIL023.html
12月11日19時38分にNHK福井からは、全国364人に処方されていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井県によりますと、この薬は全国39の都道府県に流通していたということですが、このうち実際に処方された患者は31都道府県の364人と特定され、医療機関や薬局を通じて患者全員に服用の中止を求める連絡が完了したということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20201211/3050006521.html
12月12日0時48分に朝日新聞からは、製造過程で目減りした成分を、承認手順に反して補充していた際に取り違えたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
K化工は11日、服用して入院中の1人が10日に死亡したと発表した。
性別や年齢などについては、現時点で公表できないとしている。
また、同社が厚生労働省から承認された製造手順に反し、製造過程で目減りした成分を補充したことが、県への取材でわかった。
その際、誤って睡眠導入剤を入れる二重のミスをしたという。
県によれば、薬の製造過程で薬の成分の粒子の大きさをそろえたり乾燥させたりする工程がある。
各工程で成分を別容器に移し替える際、すべてを移し切れず成分が減ることがある。
今回問題となった同社の治療薬イトラコナゾール錠50「MEEK」の製造過程で減った分を補うことは国が承認した製造手順に反するが、同社は補充しようとし、誤って睡眠導入剤の成分を混入させたという。
県によると、健康被害を訴える人は20人増えて計133人(10日時点)となった。
133人のうち入院が確認されたのは34人(退院者を含む)。
服用の影響とみられる交通事故は2件増えて計16件。
今回判明した死者は、交通事故を原因とする人ではないという。
https://www.asahi.com/articles/ASNDC737GNDCPTIL02C.html?iref=com_rnavi_arank_nr03
12月12日4時16分に毎日新聞からは、取り出した人とは別の人が調合したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
担当者が本来入れる成分と睡眠導入剤の成分リルマザホンを間違えて保管場所から取り出し、別の担当者が調合したという。
https://mainichi.jp/articles/20201211/k00/00m/040/288000c
(ブログ者コメント)
調合した担当者は、持ってこられた成分が正しいかどうか確認しなかったのだろうか?
2020年12月4日15時1分にYAHOOニュース(現代ビジネス)から下記趣旨の記事が、破裂したタンクの写真付きでネット配信されていた。
【さかんに作られていた糖蜜が…・】
ここ数日、日本列島では冬らしい冷え込みが続いているが、緯度の高い北米の冬の寒さは耐えがたいものがある。
今からおよそ100年前の1919年1月15日、アメリカマサチューセッツ州ボストンにて「世にも奇妙な」事件が突如として起こった。
それは決して笑い話ではない。
死者21名、負傷者150名以上を出した、後に「ボストン糖蜜災害」として語られる大惨事だ。
名門大学の学生街としても知られるマサチューセッツ州・ボストン。
コマーシャル・ストリート529番地には、高さ15メートル直径27メートルという巨大な鋳鉄製の糖蜜貯槽が配置されていた。
これは「ピュリティ・ディスティリング・カンパニー」という製造業者の管理する貯蔵槽だった。
ボストンでは当時、糖蜜の製造が盛んだった。
糖蜜とは、砂糖などを精製する際に副産物として発生し、発酵させエチルアルコールを回収しラム酒などの酒類の原料になったり、料理、お菓子作りに使われたりする、どろどろした液体である。
文字通り、それは甘いシロップそのものであり、凶暴なイメージはない。
しかし、水とは違う質量を持った糖蜜が約870万リットルも突如として流出すれば、付近にいる人間はもちろん、堅い建造物でさえひとたまりもない。
だが、1月15日の12時30分ごろ、その巨大貯槽は突然破裂した。
マシンガンのように鉄のボトルが次々と飛び散り、中に入っていた大量の糖蜜は時速約55キロメートルの速さで流れた。
最大高2.5メートルの巨大な波となり、瞬く間に町中を覆った。
ボストンの街を、シロップの津波が襲う。
街は腰の高さまで糖蜜に埋まり、次々に家屋、建築物などを破壊し、人々は溺れ、破壊された家屋の下敷きとなっていった。
当時の証言によると、まるで地鳴りがするかのような大きな音が鳴り、地面は揺れたという。
【寒さが粘度に影響した】
先述のとおり、糖蜜の流出は10歳の子供から70代の高齢者まで、21人の犠牲者を出した大惨事となった。
事故翌日からホースを用いて糖蜜を流す作業が始まったが、粘性の液体に浸された町全体の清掃はまったく進まない。
消防艇で汲み取った海水で押し流し、砂に吸着させるなどの手段で海へ移動させ、元どおりになるまではしばらくの時間を要したという。
なぜ糖蜜を入れていた貯蔵槽は爆発し、粘性のあるはずの糖蜜は自動車並みのスピードで人々を飲み込んでいったのか。
これに関してはさまざまな考察や研究がある。
順を追って見ていこう。
順番は逆転するが、まず、なぜこれほどの被害が生まれたかだ。
糖蜜の密度は1立方メートルあたり1.4トンと、水よりも約40%高い。
そのため、糖蜜は大きな運動エネルギーで建物をなぎ倒し人々を飲み込んだ。
そして、当時は1月、前日までマイナス10度台の非常に寒い日が続いていたこともある。
事件が起こった日は最高気温4度と急上昇したが、この低い気温が糖蜜の温度を下げて粘性を増し、液体の威力が強まってしまったとされる。
では、そもそもタンクはなぜ爆発したのか。
これには主に二つの理由が挙げられる。
ひとつ目は気候だ。
前日との寒暖差が20度近くにおよび、タンク内の糖蜜が発酵、二酸化炭素が発生して内圧が上昇したのでは、という理由が考えられている。
【設計上のミスがあった】
もうひとつは、この巨大タンクははじめから設計上のミスがあり、タンクが870万リットルもの容量を保持できる構造ではなかったという考察だ。
一説によると、貯槽に使われていた鋼鉄の厚さが本来決められた厚さにまったく満たしていなかったという。
加えて、管理していた企業のずさんな実態も明らかになっている。
また、事故当時のアメリカでは禁酒令が広がり始めていたこともあり、マサチューセッツ州でも禁酒令が敢行される前に、なるべく多くのラム酒を作ろうという動きがあった。
そのため、タンクには容量ギリギリの糖蜜が貯蔵されたことも因果なのではとされている。
いずれにしても、決定的な要因があったというよりかは、気温の変化や小さな亀裂、管理不足などさまざまな不運が重なり、大事故につながったとみられる、やりきれない災害だ。
実際のところ、糖蜜の貯蔵タンクによる事故が起こったのはボストンのケースだけではない。
糖蜜に飲み込まれるなど、一瞬、笑ってしまう話だが、建造物がなぎ倒され、人々がもがくようにして亡くなっていったことを考えても、きちんと教訓として受け止めなければならない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f575929c6bda24ad6f8d84a4e690fd1ed53b306
※関連情報調査結果、科学者と学生たちのチームが流体力学を用いて被害状況を解明
したという、4年前の報道が見つかった。
(2016年12月16日8時9分 GIZMODO)
甚大な被害をもたらす要因となったのは、温度。
1919年冬、230万米ガロン(約870万L)の糖蜜が詰まった貯槽タンクが破裂し、糖蜜の大波がボストンの街路に流れ出るという事件が起きました。
それは行く手にあったすべてのものを覆って破壊し、被害は死者21人と負傷者150人に及びました。
実は現在に至るまで、この被害がそこまで大きくなった理由はわからないままでした。
ところが、The New York Timesによると、科学者とハーバード大学の学生によるチームがその答えを見つけたようなのです。
以下は、その報道の一部です。
科学者と学生たちのチームは、アメリカ物理学会の11月の会合で、一世紀前のこの謎を解く重要なカギになりそうなことを発表しました。
カリブ海から新たに到着した糖蜜の積み荷が、冬のマサチューセッツの冷たい空気に触れたことで、街に大惨事をもたらすのに適した状態になったと結論づけたのです。
寒冷な気候による糖蜜への影響を研究することで、この災害は温暖な季節よりも、冬の間に起きた方がより壊滅的になると研究者たちは突き止めました。
糖蜜は数秒で数ブロックを覆うほどに素早く流れ出し、そして冬の空気で冷まされるにつれ、もっとドロドロとして粘性を増しましたのです。
そのドロドロになった糖蜜の波は、流れる速度が落ちるだけでなく、救助しようという試みを妨害するようになりました。
ハーバード大学の学生たちは、現代の知識である流体力学を用いて、この100年前の事件を研究しました。
彼らはまず、大型冷蔵庫の中でコーンシロップを使う実験を行なうことから始めたのです。
これにより、冬のボストンにおいて糖蜜がどう動いたかを、シミュレーションできました。
そして学生たちは、集めたデータをボストンのノースエンドを襲った糖蜜災害のモデルに適用しました。
その結果は、ボストン糖蜜災害の史実上の記録に合致したのです。
この実験で集めた科学的なデータで確認できたことの1つに、糖蜜が流れ出す速度があります。
第一波は時速35マイル(約56km/h)で押し寄せてきたと人々は語っていました。
これにより多くの人々が、タンクの破裂によって糖蜜がこのような速度で流れ出したと信じていました。
しかし、研究チームの計算は、糖蜜だけでもそれほどの速度になり得ると示したのです。
このプロジェクトに顧問として関わったNicole Sharpさんは航空宇宙学のエンジニアで、科学コミュニケーションの専門家です。
The New York Timesに「この結果は興味深く、当時は解明が不可能だったことです。事故から何十年と経つまで実際の要因を解明しようとする人は誰もいませんでした」と語っています。
破裂の2日前に配達された糖蜜は、運びやすくするために温められていました。
Sharpさんいわく、災害が起きた時の糖蜜の温度は、おそらく外気よりも4、5℃高いままだったのだろうとのこと。
被害者たちのまわりを流れた糖蜜は、冷たい空気にさらされることで粘性が増して、彼らをすぐさま捕らえたのだと学生たちは判断しました。
ところで、この研究は、同じくハーバード大学の教授であるShmuel M. Rubinsteinさんの、流体力学入門の授業から始まったものでした。
Rubinsteinさんは学生たちに「面白いプロジェクトを1つ選んで、興味深いビデオを作るように」と指導したのこと。
制作された動画はネタ元The New York Timesでチェックできるので、ぜひご覧ください。
糖蜜災害のシミュレーションを小さな模型で行なったスローモーションの動画で、昔ながらのサイエンスフェアみたいなクオリティですよ。
・・・・・
https://www.gizmodo.jp/2016/12/cause-of-boston-molasses-disaster.html
(ブログ者コメント)
ブログ者はこれまで、国内外の重大事故を文献メインで勉強してきたが、この事例は知らなかった。
思うに、ネット社会になった今、文献に記載されていなかった重大事故が目に触れるようになった、ということかもしれない。
2016年11月27日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正3として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6514/
(2020年12月11日 修正3 ;追記)
2020年12月4日11時55分に産経新聞からは、大会主催者も書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
栃木県警は4日、業務上過失致死容疑で、当時開催されていた大会主催者の男性会社役員(47)=東京都練馬区=を書類送検した。
書類送検容疑は28年11月20日、十分な高さの防護柵や安全な観戦エリアの設置、危険な場所への立ち入り制限などの安全対策を怠った結果、コース脇にいたピアノ講師の鈴木さん=当時(35)、埼玉県本庄市=に外れた前輪が直撃し、鈴木さんを死亡させたとしている。
当時、現場では車輪を滑らせながら走行する「ドリフト」の技を競う大会が開催されており、事故は練習走行中に発生。
鈴木さんは事故車両とは別のチームのスタッフで、審査員のコメントを聞き、無線でドライバーに内容を伝える「スポッター」と呼ばれる役割だった。
事故をめぐっては今年8月にも、車を運転していた40代の男性と整備担当の50代の男性が、前輪の安全確認を怠ったとして同容疑で書類送検されている。
https://www.sankei.com/affairs/news/201204/afr2012040006-n1.html
2020年12月4日10時9分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「あきたこまち」を改良して有害なカドミウムをほとんど吸収しないコメの開発に秋田県などが成功し、「あきたこまちR」と名付けて品種登録を出願したことがわかりました。
令和7年のデビューを目指していて、県では「あきたこまちR」を普及させることで、カドミウム対策にかかるコストや農家の負担を軽減していきたいとしています。
カドミウムは自然界に広く存在し、全国各地の土壌に含まれていますが、濃度の高い食品を長期間にわたって摂取すると、腎臓などに障害を起こすおそれがあります。
このため県内でも、2割ほどの田んぼでは稲がカドミウムを吸収しないための特別な栽培方法がとられているほか、これらの田んぼのコメは検査が行われ、一定の濃度を超えたものは県がすべて買い取って流通させない対策をとっています。
こうした対策にかかるコストや農家の負担軽減を図ろうと、県は平成24年から国の研究機関と共同で、カドミウムを土壌からほとんど吸収しない稲の開発に乗り出していました。
その結果、「秋系861」というコメの開発に成功し、これを「あきたこまちR」と名付けて、ことし6月、品種登録を出願したことがわかりました。
県によりますと、「あきたこまちR」はカドミウムの吸収に関係する遺伝子の働きを抑えた品種で、通常の方法で栽培してもカドミウムをほとんど吸収しない一方、味や耐性は「あきたこまち」とほぼ変わらないということです。
県農業試験場の高橋主任研究員は、「Reborn、生まれ変わりといった、新しいあきたこまちをイメージして名前をつけた。
特性を十分に発揮できるような栽培方法を確立し、農家の負担軽減につなげたい」と話しています。
県では、令和7年のデビューを目指していて、令和7年以降、カドミウム対策を行っている田んぼで「あきたこまちR」の作付けを進めていきたいとしています。
【開発の背景や検査の状況】
「あきたこまちR」は、カドミウム対策にかかる農家の負担や、カドミウムが一定以上含まれるコメを県が買い取る費用の軽減を目指して開発されました。
県によりますと、稲が作付けされる県内の田んぼのうち、2割ほどに当たるおよそ1万7900ヘクタールでは、コメが地中のカドミウムを吸収しないよう、稲がよく成長する穂が出る時期の前後3週間、田んぼに水を張り続ける「湛水管理」と呼ばれる栽培方法がとられています。
水を張り続けることで、カドミウムを根から吸収されにくい状態に変化させる有効な対策ですが、水の管理を行う必要があるため、農家に負担がかかるほか、田んぼがぬかるむことで収穫作業の効率に影響が出ることもあるということです。
「湛水管理」を行う田んぼから収穫したコメは、JAなどで、含まれるカドミウムの濃度を測る検査が行われ、濃度が国の基準の0.4ppmを超えたものや基準に近いものは県がすべて買い取って処理し、市場に流通させない対策をとっています。
買い取りや処理には多額のコストがかかっていて、去年生産されたコメで県が買い取ったのは646トン、処理も含めた費用はおよそ1億6200万円にのぼっています。
また、県内のカドミウムの濃度が高い農地では新たに盛り土などをして濃度を下げる対策も昭和48年から行われてきましたが、これまでにおよそ300億円がかかっているということです。
県では現在、カドミウム対策をとっている田んぼで令和7年以降、「あきたこまちR」を作付けすることで、対策にかかるコストや農家の負担を軽減していきたいとしています。
【Rの意味とは】
「あきたこまちR」はコシヒカリを変異させたことで生まれた、ほとんどカドミウムを吸収しない品種と、「あきたこまち」を交配させて開発されました。
もとになったのは国の研究機関が開発した「コシヒカリ環1号」という品種で、この品種はカドミウムの吸収に関係する遺伝子の働きが抑えられているため、通常の栽培方法で育ててもカドミウムをほとんど吸収しません。
県は、この品種の特性を「あきたこまち」に持たせようと、平成24年に「あきたこまち」と「コシヒカリ環1号」の交配を始め、得られたコメと「あきたこまち」の交配をその後も繰り返した結果、カドミウムをほとんど吸収しない一方、味や暑さなどへの耐性の面で「あきたこまち」とほぼ変わらない「秋系861」の開発に成功し、これを「あきたこまちR」と名付けて、ことし6月に品種登録を出願しました。
県では今後、「あきたこまちR」に適した栽培方法を研究し、栽培のマニュアル作りを進めることにしています。
「あきたこまちR」の「R」には、更新や生まれ変わり、令和、それに「カドミウムを減らす」という4つの意味が込められているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20201204/6010008886.html
(ブログ者コメント)
関連情報調査結果、火山国のわが国では稲のカドミウム吸収は全国的な問題であり、上記以外にも、各地で様々な対策がとられていた。
2020年12月4日15時9分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4日昼前、埼玉県川越市の東武東上線で、走行中の電車が、倒木と接触する事故があり、現在も一部区間で運転を見合わせています。
東武鉄道によりますと、4日午前11時15分頃、東武東上線の霞ケ関駅と鶴ケ島駅間を走行していた下りの準急電車が倒木と接触しました。
乗客乗員およそ100人に、ケガはありませんでしたが、先頭車両前面のガラスが割れたほか、パンタグラフが2つ損傷したということです。
事故当時、線路脇の敷地では、木を伐採する作業がおこなわれていて、何らかの原因で木が線路側に倒れたとみられています。
東上線は、上福岡と小川町の間で運転を見合わせていて、午後4時頃に再開する見込みだということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad13550f6270235aa7e1ff0888356d4b16771ec6
2020年12月3日14時2分にYAHOOニュース(FRIDAY DIGITAL)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
歌手のMISIAさんが、TBS「news23」の撮影中に落馬し骨折、全治6週間のケガをしたことは記憶に新しいが、これまでにも動物を使った番組撮影中には、いろいろな事故が発生している。
1986年には、女優の松島トモ子さんが日本テレビ『TIME21』のロケでアフリカ・ケニアを訪れ、わずか10日間の間にライオンとヒョウに立て続けに襲われた。
首にコルセットをはめた姿での記者会見が記憶に残っている方も多いだろう。
たとえ専門家が関わっていても、時に事故は発生する。
1996年、動物写真家として著名な星野道夫さんは、TBSの『どうぶつ奇想天外!』の取材中にロシア・カムチャツカ半島でヒグマに襲われて死亡した。
そして2012年、日本テレビ『ZIP!』に出演していたサモエド犬「ZIPPEI兄弟」は、撮影中ではないが、高温の車内に取り残され熱中症で死亡。
このように動物を使った番組は、人間・動物双方にとって危険が伴うものだ。
なぜ、このように動物を使った撮影で事故が起こるのか、専門家などに話を聞いた。
まずは、馬を使った撮影では何に気をつけるべきなのか。
MISIAさんの落馬事故では、原因は『撮影クルーの動きに馬が反応した可能性がある』とされている。
いったい馬は撮影クルーのどのような動きに、なぜ反応したのだろうか。
現役の競馬関係者・Aさんの話を聞くことができた。
「特にサラブレッドはそうなのですが、馬は見たことの無いものに敏感で神経質です。
見たことのない人や機材があると、『いつもと違う』と思って怖がります。
あと、音にも非常に敏感です。
厩舎で、雷の音に驚いて死んだケースもありましたし、鹿に驚いて柵にぶつかり、足を骨折して安楽死となった馬もいました」
パラ馬術では、障害がある人が騎乗するため、観客は拍手をせず手をヒラヒラさせることで拍手の代わりにするというルールもあるのだという。
それほど、音にも敏感なのだ。
「知らない人が多くて、見たことのないものがあると、それだけでまず馬は緊張しています。
その上で、馬の横を撮影クルーが走るとか、柵の中に入るとか、別のカットが撮りたくていきなり動くとかすると、馬は驚いて飛び退きます。
馬の視界は広くて350度近くありますが、そのぶん人より距離感が弱くて、そんなに近くで動いたわけではないと思っても、人より驚きやすいんです」
Aさんによると、時代劇などで撮影に使う馬は「撮影で使う衣装や旗などを、餌を食べている時に置いて見せておき、慣れさせておく」というような工夫をすることで事故を防ぐのだという。
「撮影用に訓練された」馬以外を撮影する時には、細心の注意が必要だ。
「昨年には、報道陣が多すぎて馬が集中できなくなってしまい、大会を棄権したパラ馬術の選手もいました。
走っている馬をドローンで追いかける撮影をしていたら、馬が驚いて横っ飛びしてしまったこともあります。
見慣れないものや、突発事態を警戒して逃げるのは馬の本能です。
撮影の際には、とにかく突発的に動かないこと。
耳を後ろに伏せて目を剥いている時には、馬は怖がっています。
近づいたり動いたりしてはいけません。
こういった習性を理解して細心の注意を払えば、馬は決して危険な動物ではありません。
過剰に恐れないで欲しいとも私たちは願っています」
では、馬以外のケースでは、何に気をつけたらよいのだろうか。
動物を使った番組の制作経験が豊富な、番組制作会社のプロデューサー・Bさんに話を聞いた。
まず、海外での動物の撮影は「誰も信じないことが大切」とBさんは言う。
「海外ロケでは、現地のレンジャーや専門家がついている場合が多いのですが、あまりあてにはなりません。
『餌付けがしてあるから大丈夫』などと言われて安心したら、全然大丈夫じゃなかったことがよくありました。
現地の人は安全基準がゆるいので、申し訳ないのですが、信用せずにプロテクターを付けて、遠くから撮影することです」
とある国の撮影では、何日も泊まっていた宿舎の軒下にジャガーが実は住んでいて、最終日にそれに気がついて大騒ぎになったこともあるという。
一歩間違えれば撮影スタッフが噛まれて大怪我をしていたかもしれない。
海外ロケではとにかく「用心に用心を重ねる」しかないようだ。
では、国内で動物を使って撮影する場合にはどうだろう。
ペットなどを使った撮影にもいろいろと難しいポイントがあるとBさんは指摘する。
「犬や猫は動物プロダクションに借りるのですが、事前に会うことができないのが難しいポイントのひとつです。
全国の飼い主がプロダクションに登録しているシステムなので、プロフィールを見て、見た目で選ぶしかないので、その子の性格が全くわかりません。
撮影に向いているかどうかは『賭け』ですね」
撮影には飼い主も同行するので、「いつも食べているオヤツや愛用のオモチャ」なども持ってきてくれるが、知らない人がたくさんいるので緊張して、全然言うことを聞いてくれないことも多いという。
「とにかく台本も臨機応変に変えていかないと、希望通り・コンテ通りに撮影しようと思ったら時間がいくらあっても足りません。
『私たちは動物虐待をしているのでは……』という罪悪感に次
第に苛まれてきます。
あと、動物好きなスタッフを選ばないと、怒らせたり、噛みつかれたりして大変です。
おっかなびっくり扱っていて撮影中に鳥を逃がしてしまった……なんてこともありました」
そして、最大の敵は「気温」なのだという。
「人間にとっては平気なくらいの暑さだったのですが、スタジオの冷房の効きが悪くて、猫が物の隙間に入ってしまい、出てこなくて大変だったことがあります。
撮影中に動物がハアハアし始めたりして『これはまずい』というので冷たいシートなどを敷いて撮影を続けるのですが、5分くらいすると逃げちゃう……。
とにかく素早く撮影を終わらせないと。
『ZIPPEI』のケースなども頭をよぎりますので、動物の状態を常に気にしています」
最後にBさんは「とにかく動物の撮影では無理をしないこと」と強調する。
局のプロデューサーなどから「感動シーンや迫力シーンを撮るように」と無茶な企画や要求をされると現場は追い込まれ、事故につながる危険性が高まるという。
当たり前のことだが、「動物には人間の都合や考えは通用しない」ということを念頭に置いて撮影に臨まなければならないということだろう。
取材・文:鎮目博道/
テレビプロデューサー・ライター 92年テレビ朝日入社。
社会部記者として阪神大震災やオウム真理教関連の取材を手がけた後、スーパーJチャンネル、スーパーモーニング、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。中国・朝鮮半島取材やアメリカ同時多発テロなどを始め海外取材を多く手がける。
また、ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などの番組を企画・プロデュース。
2019年8月に独立し、放送番組のみならず、多メディアで活動。
上智大学文学部新聞学科非常勤講師。
公共コミュニケーション学会会員として地域メディアについて学び、顔ハメパネルをライフワークとして研究、記事を執筆している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0d934ec3f9e9e33d0772fe4bb38d499e74a5a0a4
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
※事故時の状況などは、下記報道参照。
(2020年11月22日20時12分 YAHOOニュース;文春オンライン)
「本当に一瞬の出来事でした。
MISIAさんを乗せた馬がゆっくり歩行している状態から、急にスピードを上げて勢いよく走りだしたんです。
MISIAさんは10年以上乗馬の経験がありますが、それでも振り落とされて、2メートル近い高さから地面に叩きつけられる形になった。
倒れている彼女が馬に踏まれないように、乗馬クラブの方がすぐに救助に入りましたが、激痛が走っていたはずの本人は『大丈夫、大丈夫』と周囲に心配をかけないように話していました」
(TBS関係者)
問題の事故は11月15日午後、TBSの報道番組「NEWS23」のロケ中に起きた。
長年にわたって知的障害者の支援をする組織「スペシャルオリンピックス」と交流を持つMISIAを、同番組が取材。
関東郊外の乗馬クラブで障害を持つ選手たちと馬術競技で交流する様子の収録中だった。
前出の関係者が続ける。
【TBSクルーは指示を受けていたが……】
「その日は、健常者と障害者が触れ合うプログラムとインタビューの撮影を行う予定でした。
事故が起きたのは、1つめのプログラムの途中です。
馬に乗った状態で、並んだカラーコーンの間をジグザグに進んでスタート位置に戻ってくる速さを競うゲームでした。
事前に乗馬クラブのトレーナーの方からTBSの撮影クルーに、『ガンマイク(長い棒の先に設置されているマイク)を馬が見ると驚くこと』、『光やライティングも馬に向けないように』、『馬の前で走らない』などの指導を受けていました。
レースは3回行われ、2回目までは問題なく進んだのですが、3回目の時に馬が急に走り出してしまった。
次のインタビュー撮影のセッティングをしているクルーもいて、乗馬クラブのトレーナーの方は『撮影クルーの動きに馬が反応した可能性がある』と話していました。
出血はありませんでしたが、事故後すぐに待機室に戻って打撲箇所に湿布などを貼る応急処置を1時間ほど行いました。
MISIAさんはその間も、一緒にレースをしていた障害者の女の子がショックを受けていないか、動揺していないかと心配していました。
撮影の中止も検討したのですが、本人の強い意向もありインタビューまで撮影してロケは終了しました」
その日はそのまま都内の自宅へ戻ったが、激しい痛みから翌日に病院で診察を受けた結果、背骨の第6、7胸椎棘突起部の骨折の重傷と診断された。
第6、7胸椎はちょうど肺の裏側にあたる。
・・・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/45788124b933fbb6e2ea5e031b61c34517bdd3b0
※事故後のTBS危機管理にも問題ありという報道もあった。
(2020年11月20日9時11分 YAHOOニュース;女性自身)
・・・・・
重症を負ってしまったMISIAだが、TBSの取った対応が「他人事」と物議を醸している。
アクシデントに対して、TBSは「取材中に怪我をされたことについて、MISIAさんに心よりお見舞い申し上げます」とコメントを発表。
続けて「当該の馬は調教されており、乗馬している人がコントロールできる状態にあったとのことでしたが、MISIAさんが怪我をされることになってしまいました」と説明。
また「取材クルーの動作や機材の存在が刺激を与えることになったのであれば、誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます」と締め括られている。
だが、「馬は調教されており」、「コントロールできる状態にあった」、「刺激を与えることになったのであれば」といった同局のコメントに、批判が殺到している。
《え? 何? このTBS側のコメント まるで他人事じゃん!? それに落馬した時点で普通は直ぐに病院に連れてくよね? TBSの危機管理最悪だな》
《TBSのコメントが酷いわ…『であれば』って何それ。。。》
《まるで、MISIA、調教師さん側の不備があったような文面には違和感を覚えますし不愉快です。悲しいです》
・・・・・
https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/1914610/
2020年12月2日19時11分にYAHOOニュース(長野放送)から下記趣旨の記事が、くねくね表示の写真付きでネット配信されていた。
長野市のJR長野駅の近くに、「くねくね」や「かくかく」の白い線で整備された不思議な道路があります。
一体、何なのでしょうか?
JR長野駅東口近くの住宅街。
11月末、突如、道路に謎の白線が。
まっすぐな道路なのに「くねくね」…「かくかく」のものも。
(記者リポート)
「一本、道を入ると、こちら、直線道路上に白線が波を描くようにひかれています」
住民は…:
「えって思いますよね、最初は」、「なんだこれ、と思った」
一体、この「くねくね白線」何なのでしょうか?
実は、長野駅東口周辺には、同じような道路が4ヵ所あります。
共通点は、幹線道路に接する脇道です。
車で運転してみると…。
(記者リポート)
「カーブが連続して、走りにくいですね」
白線をひいた理由を、市の担当者に聞いてみました。
長野市駅周辺整備課・北原勝係長
「幹線道路から走ってくる車が、前の信号を見て赤だった時に、左によけて抜け道として使ってしまう。それで事故を起こす」
理由の一つは、抜け道としての通行を減らすこと。
もう一つは、車のスピードを抑えることです。
長野市駅周辺整備課・北原係長:
「カーブを描くことによって、右左とハンドル操作が必要なる。そうするとスピードが落ちる形になりますので、スピードが落ちることは安全性が向上するということになる」
長野市は、静岡市などの事例を参考に今年10月、検証実験を実施。
生活道路の安全を確保するために、くねくねした白線の「スラローム型」の道路を導入することにしました。
先月24日から26日の間に、もともとまっすぐだった線を「くねくね」に変更したのです。
実際に、通行する車を見てみると…。
走行した人:
「初めてで、舗装の走行に沿って走らなきゃいけないというところでは、走りにくいなって思いました」
ただ、ほとんどの人が、まっすぐ通過していました。
住民は:
「どうやってここの線に沿って通ったらいいのか、まっすぐ行ったらいいのかわからない」
まだ、住民や利用者は戸惑っているようです。
長野市は、視覚的にもわかりやすくするために、先月30日から赤や緑のカラー塗装をはじめました。
長野市駅周辺整備課・北原係長:
「歩道のところに緑の着色をして、安全なスペースを確保する。入ってくるところに赤い着色をして視覚的、心理的に、この道路に流入しにくい効果を発揮し、抜け道を減少させるということを狙ってる」
市は、同じ効果を期待して、かくかくした白線、「クランク型」の道路を今後、市内12ヵ所に整備する予定です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7f96a1b6866aac694790956832f94195a6587ce5
(2020年12月19日 修正1 ;追記)
2020年12月18日19時50分にYAHOOニュース(長野放送)からは、白線に沿って走らないと違反になるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長野市に出現した「くねくね白線」の道路。
周知不足もあって困惑の声もありますが、警察は「原則、白線に沿って走行する必要があり、守らない場合は違反になる」との見解です。
長野駅東口近くの住宅街に、突如現れた「くねくね白線」の道路。
蛇行するようラインが引かれ、このほど、路側帯に色も塗られました。
ドライバー:
「走りにくいなって思いました」
これは、長野市が静岡市などの事例を参考に取り入れた「スラローム型」の道路で、住宅街の4区間に設けられました。
その目的は…。
長野市駅周辺整備課・北原係長:
「カーブを描くことによって、ハンドル操作が必要になる。そうするとスピードが落ちる形になりますので、スピードが落ちることは安全性が向上するということになる」
目的は通行量の抑制と事故の防止。
この道路は、抜け道として使われることが多いため、わざと走行しにくくし、スピードも抑える狙いがあります。
近隣の住民には説明したということですが、周知不足で困惑の声も…。
住民:
「ここの線に沿って通ったらいいのか、まっすぐ行ったらいいのかわからない」
「迷っちゃうよね。見ててもあの形の通りに走る車っていうのはまずない。ちょっとぶつかりそうになったのも見たし」
ラインに沿って蛇行する車もあれば、まっすぐ進む車も…。
双方から車が来た場合は、はみ出して、すれ違うしかありません。
警察は「道交法第17条により、すれ違う場合以外は、原則、白線に沿って運転する必要がある」とし、「まっすぐ走った場合は、速度や距離にもよるが違反となる」としています。
罰則は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金です。
交通違反になるケースも考えられる「くねくね白線」の道。
突如できたとは言え、慎重に運転する必要があります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/85ed0941338ea7f7f7e1b0c93e3180b4807d4a63


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。